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楽天エナジーの導入事例Project  南相馬ソーラー・アグリパーク(福島県南相馬市)

「デマンドレスポンスで首都圏と福島をつなげる」~ネガワットを活用した復興支援~

福島復興 ソーラー・アグリ体験交流の会 代表理事 半谷栄寿さん

福島復興
ソーラー・アグリ体験交流の会
代表理事 半谷栄寿さん

東京電力事業開発部長、執行役員などを経て2010年に同社を退社。2011年9月、福島復興ソーラー(株)代表取締役。2012年4月、一般社団法人福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会の代表理事を兼務。2013年3月、南相馬ソーラー・アグリパークを完成させ、子どもたちの成長支援事業を開始。現在に至る。

グローバルエンジニアリング 取締役 高橋宏忠さん

グローバルエンジニアリング
取締役 高橋宏忠さん

東京電力を経て、2012年、グローバルエンジニアリングへ入社。

楽天エナジー エネルギー事業 デジタルエナジーグループマネージャー 堀口公希

楽天エナジー
エネルギー事業 デジタルエナジーグループマネージャー
堀口公希

東京電力を経て、2013年、楽天へ入社。

東日本大震災を機にデマンドレスポンス(以下DR)による電力需給の安定を図る仕組みが日本でも始まった。楽天エナジーはグローバルエンジニアリングと協働し「DR福島モデル」を展開。需要家の節約により余剰となった電力を発電したことと同等にみなすネガワットを、首都圏で生み出し、東京電力に売却、その利益の一部を福島に還元している。誕生から数年、DRがもたらした効果とは? また、将来的なエネルギー構造のマップはどのように描いて行けばよいのか――

2016年12月以前のインタビュー記事です。
DRで得た収益の一部を福島に還元する取り組み
堀口[堀口] グローバルエンジニアリングと楽天エナジーが協働するDRの一つの特徴は、DRによって得られる報奨金の一部を福島支援に利用する「DR福島モデル」の継続的な実現を目指していることです。集まった支援金をお渡しする先の一つが、半谷さんが代表を務められている「南相馬ソーラー・アグリパーク」になります。現在、この取り組みに賛同していただいている企業は約100社を数えます。
高橋[高橋] 日本でのDRは3.11以降の取り組みです。当初はお客様にとっては聞きなれない言葉であり、初年度は支援までは手が回らないという状況でした。しかし、2年目以降になると去年の150%以上の容量が集められました。これは当初METIがDRの自立モデルとして補助金をだすことで始まった本件が、補助が終わってもビジネスとして結果が出せたからこそ「DRの収益の一部を福島に届ける」というCSR的な取り組みにも賛同が得られたと思います。そういった意味では補助事業を戦略的に活用した事例としても本件が画期的であったと言えます。
半谷[半谷] 「南相馬ソーラー・アグリパーク」は南相馬市の子供達の成長を体験を通して支援する人材育成事業です。子供達の無料参加を前提としており、私達の活動に賛同いただける法人や個人からご支援をお願いしておりますので、この取り組みは大変ありがたく素晴らしいものだと感じています。堀口さんや高橋さんの想いだけではなくて、この取り組みに賛同された約100社の方々のご意志があって実現するものですからね。
楽天とグローバルさんが手掛ける「DR福島モデル」の取り組みを素晴らしいと思った理由はもう一つあります。電力の新たな取り組みというだけではなく、首都圏という大消費地と福島県の間で新しい関係が生まれると感じたからです。首都圏でのDRにより、電気が節約されることでネガワットが誕生します。ネガワットによってできた余剰が福島に還元されるようになれば、3.11までとは逆に、首都圏が福島を支える道筋が作られるのです。
[堀口] 長年、福島県は電源供給地として首都圏に貢献してくれました。その福島が今のような状況になり、東京電力のHPのトップページでも“「福島の復興」が私たちの原点です”というスローガンが掲載されており、最重要ミッションとして掲げられています。東京電力に籍を置いたことのある私も高橋さんも、エネルギーというコンテンツを活用して、東京電力の外にいるからこそ実現できる、福島に寄与する何かはないかと常々考えていたのです。
そういった中で、東京電力が参加を募ることで成立するDRを通じて、電力会社、企業、地域が一体となって共に復興の支援の一助とする仕組みにできたのが今回のプロジェクトだったと言えます。
[半谷] 私は原子力事故の1年前まで東電で役員をしていた身ですから、責任があります。本当に申し訳なく思っております。その一方で、南相馬市出身でもあります。元東電役員と地元出身者という2つの想いから南相馬市のために何ができるかを考え「南相馬ソーラー・アグリパーク」の設立に至りました。社歴や立場が違っても、東電に一度身を置いた人間なら、今回の事故が起こってから「何かできることはないか?」と考えない人はいないでしょう。
半谷

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原発1基分の1割の電力を生むネガワットの効果

[高橋] 楽天エナジーと弊社が展開するDRは、現在では東京電力管内だけで約90,000kWのネガワットを生み出しています。この数値は、だいたい原発1基分の認可最大出力の約1割に相当します。DRにご契約いただいたお客様に利益が回るだけではありません。このように大きな電力を生み出す仕組みは、社会的にも意義のあることだと私達は考えています。

[半谷] 総論として「電力を効率的に使うことを考える」という意識は皆さんお持ちだと思います。一方で各人の各論として考えた時、「自分の家や工場だけは別に考えなくても大丈夫だ」という意識があり、具体的な行動を起こすことは少なかったのではないでしょうか。しかし、3.11は人々の意識を大きく変えました。電気を作る側と使う側が各論でのコンセンサス(納得できる取り組み・落としどころ)を確立する転機です。無駄のない作り方と無駄のない使い方――。国民的な本当の意味でのコンセンサスを作る作業を今こそやる時だと私は考えています。

[堀口] 3.11直後は原発やエネルギー、福島の情報が山のように溢れました。しかし、現在は電力逼迫の危惧が薄れており、エネルギーに対する意見交換の盛り上がりも一時期に比べて鎮静化しつつあります。そのような中で、エネルギーに関する計画や実例などの情報を積極的に発信していき、半谷さんが言われる国民的コンセンサスを作る空気作りをしていくことも楽天エナジーの大事な役目だと考えています。
先ほど高橋さんが言われたように、DRにしても実施されたのはまだ数年です。今のプランで良いのか、価値があるのかないのか、それともDRより良い方法があるのかないのか。答えを出すためにはそれなりの期間と実績がなければならないでしょう。誰がどうやって実施するのが良いかを議論し、考える場を増やすようにすることは、将来を見据えると必要なことだと思います。
DR福島モデル 大消費地の首都圏と福島県の新しい関係

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「考える力」がすべての可能性を広げていく
[半谷] 「南相馬ソーラー・アグリパーク」では「体験して」「自分で考え行動する」機会を子供達に持ってもらうようにしています。考えて行動する力は何よりも大切なことだと私は位置づけています。体験学習を通して、子供達の中から復興を担う、自ら考えて行動する人材が一人でも多く育って欲しいと願っています。長期化が予想される福島の復興を進めるには、私達の世代も若い世代も考える力を備え、多様な案を実行していくことが重要だからです。
[堀口] 多様なアイデアの必要性はエネルギーに関しても同じだと感じます。例えば楽天トラベルを通じて宿泊施設の方々と知恵を絞ったDRでは、宿泊するお客様に対するサービスを絡めた削減プランが生れ、成功しました。エネルギーの専門家がエネルギーを考えると、どうしてもエネルギーの話にしかなりません。しかし、別の分野の人が加わると、違った角度でエネルギーを捉えることができ、たくさんの人に広まったり、考えるきっかけとなったりします。エネルギーのことを専門家だけでなく、広く一般の人が考えることはとても意味のあることなのです。
[半谷] 旅関係者の知恵を加えて成功したDRの旅プランは、宿泊されるお客様のメリットが前提にあり、その次に宿のコストダウンにもなるという順番でプランが構築されたのでしょう。私が常々思うのは、目的を徹底的に追求すると新しい手段が生み出される。手段と手段を比較しても何も新しいものは生まれない、ということです。旅を絡めたDRプランならコストを下げることは手段であり、お客様に喜んでいただけることが目的です。こちら都合の「べき論」では、一度は来てくれても、続いては来てくれなくなるでしょう。「南相馬ソーラー・アグリパーク」でも、子供達がどうしたら楽しく体験できるか、どうしたら楽しさの中から学びを身に付けてくれるかを追求しています。
[高橋] 「DR福島モデル」をはじめ現在実施されているDRにしてもまさにそのとおりで、目的と手段を間違えることなく、目的を繰り返し追求してよりよいプランをお客様に提供していく努力を私達は続けて行かなければいけません。先ほど堀口さんも言ったように、日本のDRはこれからまだまだ伸びる可能性を秘めています。楽天さんが間に入ることで多様な目的を持つ人や企業をつなげて、それぞれの目的に叶う手段として画期的なエコシステムが構築できました。そうすることで市場原理も働き、今よりももっと良質なサービスが増えてお客様の選択肢も増やせると思います。DRは優れたビジネスモデルですが、まだまだ閉じられた状況であるように思います。私たちでメリットや有効活用の幅を広げ、参加を広く呼びかけることで、新たなステークホルダーを巻き込み、さらに価値のあるエコシステムの構築と日本の電源構成のあるべき姿を議論するキッカケにもなる可能性を「DR福島モデル」は示唆している気がします。それは、日本のエネルギー事情にも、福島にも良い影響を与えると私達は信じています。

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南相馬ソーラー・アグリパーク

津波被災地(市有地)を活用し、太陽光発電所と植物工場を舞台とした体験学習を通して、地元の子供たちの成長を支援し、全国の人々との交流を行う復興拠点。南相馬など福島の復興を担う人材を育成するとともに、風評被害の払拭と福島への信頼回復に努め、福島の人々の生活と産業の復興に貢献することを目指している。

所在:福島県南相馬市原町区泉字前向15番地ほか
面積:約2.4ha(市有地)

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