除湿機の電気代はいくら?

家電メーカーがカタログに掲載する1時間あたりの電気代は、消費電力と電気代単価をもとに算出されています。

  • 1時間あたりの電気代=消費電力(W)×電気代単価(31円/kWh)÷1000

    ここで用いる電気代単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安で、現在は31円/kWhです(※1)。この単価は、経済産業省の「電力取引年報」における全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などをもとに設定されています。

    ただし、電気代単価31円/kWhはあくまで目安であり、実際の電気代は、お住まいの地域、契約する電力会社や電気プランなどによって異なります。また、日頃の室温や湿度、除湿機の運転モード、室内干しする洗濯物の量などによって、同じ除湿機でも電気代に差が出る可能性があります。

    製品の消費電力が、「W(ワット)」ではなく「kW(キロワット)」で表示されている場合は、「kW」で単位がそろうため1000で割る必要はありません。

    上記を踏まえて、実際に電気代を計算してみます。
  • 電気代の計算例①600Wの除湿機を1日12時間、月30日つけた場合
    (600W÷1000×31円/kWh)×12h×30日=6,696円
  • 電気代の計算例②800Wの除湿機を1日5時間、月30日つけた場合
    (800W÷1000×31円/kWh)×5h×30日=3,720円

このように、実際に計算してみると、除湿機の電気代は消費電力と使用時間によって変わることがわかります。除湿機は種類ごとに消費電力の傾向が異なりますが、消費電力だけでは実際にかかる電気代が高いか低いかは判断できません。

(※1)2022年7月22日改定

除湿機とエアコンの電気代はどちらが安い?

部屋の湿気を取り除くには、除湿機のほか、エアコンの除湿機能を使用する方法もあります。メーカーや製品により異なりますが、エアコンの除湿機能は「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類に分かれます。

  • 弱冷房除湿:設定湿度になるまで、エアコン内部で湿気と熱を取り除いた空気を送風する「弱冷房」運転を続ける方式
  • 再熱除湿:エアコン内部で冷やして湿気を除いた後、温め直した空気を送風する方式

どちらも「エアコン内部で空気を冷やして湿気と熱を取り除く」仕組みを利用した除湿方法です。

弱冷房除湿は湿度とともに部屋の温度も下がるのに対し、再熱除湿は部屋の温度を変えずに湿度だけを下げます。例えば、梅雨などで肌寒さを感じる場合は再熱除湿が便利でしょう。

ただし、再熱除湿は冷えた空気を暖め直すため、弱冷房除湿より多くの電力を消費します。

一般的に、エアコンの除湿機能は、専門の除湿機より電気代が高くなる傾向があります。電気代を抑えたい場合は、長時間の使用に注意しましょう。

「湿度を下げたいのか」「室温も下げたいのか」によって、エアコンと除湿機を使い分けるのも節電のポイントです。

洗濯物の部屋干しや湿気対策を目的に、効率良く除湿したい場合は、エアコンの除湿機能より除湿機を使った方が電気代を抑えられる可能性があります。一方、湿度とともに室温も下げたい夏場には、エアコンの冷房や弱冷房除湿が適しているでしょう。

エアコンの除湿機能や冷房機能との違い、電気代の節約方法を知りたいなら、以下の記事で詳しく解説しています。

エアコンのドライ(除湿)とは?カビ対策が必要?正しい使い方や冷房機能との違いを紹介

エアコンの除湿(ドライ)と冷房、電気代はどちらがおトクなの?上手な節約方法も紹介

【種類別】除湿機の電気代目安(1時間・1日・1カ月)

除湿機は、湿度を取り除く仕組みによって、コンプレッサー式(冷却除湿)・デシカント式(吸湿除湿)・ハイブリッド式の大きく3種類に分かれます。種類ごとに消費電力に一定の傾向があり、電気代にも違いが生じる要因となります。そのため、除湿機の種類ごとの電気代を比較したい方もいるでしょう。

前述のとおり、実際の電気代は、機種ごとに異なる消費電力や運転モード、部屋の広さ、室温・湿度などの環境、室内干しする洗濯物の量などによって大きく変動します。

この前提のもと、ここでは一般的な目安として、除湿機の種類ごとに電気代の目安を紹介します。

種類 1時間あたりの電気代 8時間あたりの電気代 1カ月あたりの電気代(※2)
コンプレッサー式 約4〜12円 約32〜96円 約960〜2,880円
デシカント式 約8〜16円 約64〜128円 約1,920〜3,840円
ハイブリッド式 約8〜21円 約64〜168円 約1,920〜5,040円

(※2)1日8時間運転で30日間使用した場合を想定

上記の目安を見ると、電気代を抑えやすいのはコンプレッサー式です。一方、デシカント式はヒーターを使うため冬場に向いており、ハイブリッド式は製品によって電気代が高くなる傾向があります。

また、除湿機の多くには様々な運転モードが搭載されています。室内干しを想定した衣類乾燥モードは、通常よりも除湿効率を高めており、早く洗濯物を乾かしたいときに便利です。しかし、消費電力が大きいため、長時間使用すると通常の除湿運転より電気代が高くなる可能性があります。

除湿機の方式ごとの電気代を確認したうえで、次にそれぞれの特徴や適した使い方を確認しましょう。

除湿機は3種類!特徴と向いている使い方は?

除湿機はコンプレッサー式・デシカント式・ハイブリッド式で除湿の仕組みが異なり、得意な季節や適した使い方も異なります。

除湿機の種類 仕組み・主な特徴 向いている季節・使い方電気代
コンプレッサー式
  • エアコンの除湿運転のように、空気を冷やして結露させ、湿気を取り除く方式
  • 夏場に除湿力を発揮しやすい
  • 夏の湿気対策向き
デシカント式
  • 乾燥材(ゼオライト)に湿気を吸着させ、ヒーターの熱で放出する方式
  • ヒーターを使うため冬場に使いやすい
  • 冬の結露対策・部屋干し向き
ハイブリッド式
  • 気温や湿度などの状況に応じて、コンプレッサー式とデシカント式を使い分けたり組み合わせたりする方式
  • 1年を通して使用したい方向き

除湿機の方式について、さらに詳しく特徴を紹介します。

①コンプレッサー式の除湿機

コンプレッサー式の除湿機は、内部にあるコンプレッサーと呼ばれる装置で空気を冷却し、結露を発生させてその水滴をタンクに回収する仕組みです。湿気を冷やして除湿するため、気温が高い季節でも快適に使え、蒸し暑い夏の使用に適しています。

ヒーターを使用しないため、除湿機のなかでは消費電力が小さく、電気代を節約しやすい種類とされています。

ただし、気温が低いと結露の発生に時間がかかるため、除湿能力が低下します。ほかにも、コンプレッサーは運転音が大きいため、気になる方もいるでしょう。一方で、夏場の除湿を中心に使うなら、電気代を抑えながら除湿しやすい有力な選択肢となるでしょう。

②デシカント式の除湿機

デシカント式の除湿機は、空気中の湿気を吸い取った吸湿剤(ゼオライト)をヒーターの温風で温め、水蒸気となったものを結露させて除湿する仕組みです。ヒーターを使用するため、冬場のような低温環境でも除湿能力を発揮しやすく、結露対策や部屋干しに活用できます。

コンプレッサーがない分、コンプレッサー式より運転音が静かで、軽量かつコンパクトなのも魅力です。

ヒーターを利用するため、気温にかかわらず一定の除湿能力を発揮しますが、除湿中は室温が3~4℃上昇すると言われています。そのため、夏に使うと室温を高くする原因になり不向きです。また、ヒーターは消費電力が大きいため、コンプレッサー式の除湿機より電気代は高い傾向があります。

結露が発生しやすく、室温も低い冬場は使いやすい一方、電気代を抑えたい場合は優先度がやや下がるかもしれません。

③ハイブリッド式の除湿機

ハイブリッド式の除湿機は、コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせた仕組みです。

湿気の多い季節や暑い夏に強いコンプレッサー式、気温が低くても一定の除湿能力を発揮するデシカント式、それぞれの強みを生かして、季節を問わず安定した除湿能力を発揮します。

状況に応じてコンプレッサー式とデシカント式を自動で切り替えるため、消費電力の無駄を抑えられます。電気代は、使い方にもよりますが、コンプレッサー式よりも高く、デシカント式より低いとされます。

コンプレッサーとヒーターのどちらも搭載しているため、ハイブリッド式は重量があり、移動にはあまり向いていません。サイズも大きいため、置き場所の確保が必要でしょう。また、製品の本体価格も3種類のなかでは高めの傾向があります。

電気代と使い勝手のバランスを重視する方や、年間を通して使いたい方に適していると言えるでしょう。

除湿機の選び方

除湿機の選び方

除湿機は種類によって除湿能力に強みや弱みがあるほか、電気代にも違いが出ます。そのため、どのように製品を選ぶべきか、悩まれる方もいるでしょう。

ご自身の目的に合った除湿機を選ぶなら、次のポイントを押さえておくのがおすすめです。

  1. 目的にあわせて選ぶ
  2. 部屋の広さで選ぶ
  3. タンクの容量で選ぶ
  4. 除湿以外の便利な機能に注目する

それでは、除湿機を選ぶときのポイントをそれぞれ詳しく紹介します。

①目的にあわせて選ぶ

ご家庭によって除湿機を利用する目的は異なります。何のために除湿機が必要なのかを整理し、目的にあう機能を備えた除湿機を選びましょう。

例えば、次のような基準で除湿機の種類を選ぶと良いでしょう。

  • 梅雨時の湿気対策や夏場の除湿を重視するなら、空気を冷やして除湿するコンプレッサー式
  • 窓の結露対策など、気温の低い冬に活用したいなら、デシカント式
  • 1年を通して室内干しの洗濯物を乾かしたいなら、季節を問わず除湿しやすいハイブリッド式

②部屋の広さで選ぶ

除湿機を選ぶときは、使う部屋の広さにあわせることも重要です。除湿能力を発揮できる面積は製品ごとに決まっています。部屋の広さに見あう除湿能力がなければ、十分な効果を期待できないおそれがあります。

通常、除湿能力が上がるほど、対応する部屋の広さ(畳数)は大きくなります。例えば、1日あたり6Lの除湿能力がある除湿機なら、約6~12畳の部屋に使えます。

部屋の広さのほか、鉄筋コンクリート造のマンション、木造の戸建住宅など、家の構造も除湿能力に影響します。気密性の高いマンションとは違い、木造の戸建住宅は風通しが良いため高い除湿能力が必要です。

③タンクの容量で選ぶ

除湿機で取り除かれた湿気は、水となって庫内のタンクに貯まっていきます。そして、ほとんどの除湿機には、タンクが満水になると自動停止する機能がついています。

タンクの容量に余裕がなければ、ご自身の想定より早く除湿機が停止してしまう場合もあるため、できるだけ大きめのタンクを選ぶことがおすすめです。タンクが大きいと水を捨てる手間も減らせて便利です。

除湿機のタンク容量は2~5リットルほどと製品により開きがありますが、3リットル以上を目安に検討しましょう。

④除湿以外の便利な機能に注目する

除湿機はただ湿気を取るだけでなく、便利な機能を搭載した製品も多数あります。こうした機能にも注目し、使い勝手の良さを含めて総合的に選ぶのがおすすめです。

メーカーや製品により異なりますが、除湿機の便利な機能には次のようなものがあります。

  • 除菌・消臭:部屋干し臭などイヤなにおいやカビ菌を抑える
  • 風向き調整:風向きやスイングを調整し、除湿したいところを狙って送風できる
  • エコモード:消費電力を抑えながら除湿する
  • 空気清浄:特殊なフィルターで部屋の空気をクリーンにする

除湿機の電気代を抑えるには?

除湿機の電気代を抑えるには?

除湿機の電気代は、先述のとおり、種類の違いや使用時間などにより様々です。しかし、次のようなポイントを参考に、日頃の使い方やちょっとした考え方を変えると、節電につながる可能性もあります。

①運転モードを切り替える
②サーキュレーターを併用する
③定期的にフィルターを掃除する
④除湿機に適した環境を意識する
⑤電気代を抑えられる除湿機に買い替える
⑥電力会社や契約プランを見直す

それでは、除湿機の電気代を抑えるポイントを6つ紹介します。

①運転モードを切り替える

製品によって違いはありますが、除湿機には衣類乾燥・速乾・除湿(強弱)・エコなど、様々な運転モードが備わっています。それぞれに除湿性能や消費電力が異なるため、どの運転モードを選ぶかが電気代にも影響します。

速乾モードや強除湿モードは、室内干しの洗濯物を早く乾かすのに役立ちますが、消費電力が大きくなりがちです。一方、エコモードや弱除湿を選ぶと、除湿に時間はかかっても消費電力は控えめです。

急いで除湿したいとき以外は、エコモードや弱除湿などに切り替えておくと、電気代を抑えられるでしょう。

②サーキュレーターを併用する

除湿機を使うとき、サーキュレーターや扇風機を併用すると、電気代を抑えるのに有効です。

除湿機は湿った空気を取り込んで乾いた空気を放出し、空気を循環させることで少しずつ空間を除湿します。サーキュレーターや扇風機を使えば空気の循環が促され、短時間で除湿効果を実感できるでしょう。

特に部屋干しに除湿機を使っている場合、サーキュレーターや扇風機の風が、洗濯物の周辺にたまった湿気を吹き飛ばすのに活躍します。洗濯物が早く乾くほど、節電効果が高まります。

サーキュレーターの電気代や便利な使い方、節約のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

サーキュレーターの使い方は?冷暖房や換気など目的別に効果的な置き場所を解説

サーキュレーターの電気代はどのくらい?扇風機との比較や節約ポイントを解説

③定期的にフィルターを掃除する

除湿機には空気を通すフィルターが備わっていて、使い続けるうちにホコリや汚れがたまります。

そのままにしておくと、風量が落ちて除湿に時間がかかるようになり、電気代がかさむ原因になります。2週間に一度を目安に、フィルターのホコリや汚れを掃除機などで取り除くことが大切です。

また、フィルターのホコリや汚れは除湿機が故障する原因にもなるため、定期的な掃除を欠かさないようにしましょう。

④除湿機に適した環境を意識する

除湿機の電気代は、効率良く除湿できる環境で使うほど抑えやすくなります。除湿機に適した環境を意識して使いましょう。

除湿機に適した環境には主に次のようなものが考えられます。

除湿の目的 適した環境
部屋の除湿 ドアや窓を閉め、できるだけ外気が入らない状態で除湿機を使う。ドアや窓を開けっぱなしにしたり、頻繁に開閉したりすると外気が入り込み、除湿効率が低下しやすくなる。
洗濯物の乾燥 除湿機の位置や風向きを調整し、洗濯物の湿気を吸いやすく、乾いた風が当たりやすいように干し方を工夫する。また、洗濯物と洗濯物のあいだに一定のスペースを取ると、湿気がたまりにくくなり、除湿効果を上げやすい。

⑤電気代を抑えられる除湿機に買い替える

家電は日々進歩を続けています。特に省エネ性能は年々向上しているため、最新の除湿機に買い替えるだけでも電気代が下がるでしょう。

年間を通じて使う予定なら、温度変化にかかわらず効率的に除湿しやすいハイブリッド式が候補になります。夏だけ使う予定なら、電気代を抑えやすいコンプレッサー式を選ぶのも良いでしょう。買い替えの際は、除湿機の種類にも注目してください。

⑥電力会社や契約プランを見直す

除湿機の電気代が気になったら、ご家庭の電気代そのものを見直すタイミングかもしれません。契約する電力会社やプランを変更すると、思わぬ節電につながる可能性もあります。

料金だけではなく、割引サービスやポイント制度なども忘れずチェックしましょう。

電力会社や電気プランを乗り換えるときのポイントや手続きは、以下の記事で詳しく解説しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?メリット・デメリットや手続きの流れも解説

まとめ

除湿機の電気代は製品の消費電力と使用時間で決まります。エアコンの除湿機能を使うのに比べると消費電力が低いため、除湿が目的なら除湿機の方が電気代を抑えやすいと考えられます。

除湿機は製品ごとの違いのほか、デシカント式は高め、コンプレッサー式は低めなど、種類によっても電気代の目安が変わります。電気代のほか、使い方、種類ごとのメリットやデメリットを見極めて、目的にあわせて選びましょう。

電力会社の切り替えは初期費用がかかりません。そのため、ご家庭の電気代をまとめて見直したいなら、電力会社や契約プランを見直すのもおすすめです。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。