再エネ賦課金とは?仕組みや電気料金との関係を詳しく解説
再エネ賦課金は、電力会社が再エネ発電事業者から再生可能エネルギーによって発電された電気を購入する費用の補填を目的として、電気料金とともに電気を利用するすべての人から徴収されている費用のことです。
再エネ賦課金は2012年に導入されてから年々上昇しており、2024年5月分からも値上げが発表されました。
本記事では、再エネ賦課金の仕組みや推移、負担を減らすための方法を解説します。電気料金の一部として徴収される再エネ賦課金の負担を少しでも軽減したい人は、ぜひ参考にしてください。
再エネ賦課金とは
再エネ賦課金とは「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略称です。電力会社が再エネ発電事業者から再生可能エネルギーを買い取るときの費用をまかなうための賦課金を指します。
ここでは、再エネ賦課金の仕組みや対象となる再生可能エネルギーを紹介します。
再エネ賦課金の仕組み
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト「制度の概要|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー」
国は再生可能エネルギーを普及させるために、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間、一定価格で買い取ることを義務付けています。この制度を「固定価格買取制度」と言います。
固定価格買取制度によって、再エネ発電事業者は再生可能エネルギーの発電設備の高額な建設費用を回収する見通しが立ちやすくなり、再生可能エネルギーの普及につながると考えられています。
再生可能エネルギーによる電気が普及すれば、日本のエネルギー自給率が向上します。国内で生産できるエネルギーが増えると、他国からの化石燃料の輸入依存度が下がることから、燃料価格の上昇による電気料金の高騰を防ぎやすくなるでしょう。
再生可能エネルギーによる電気の一部は電気使用者に供給されることから、電力会社が再生可能エネルギーで発電した電気を買い取るための費用を再エネ賦課金として、電気を利用するすべての人が電気料金とともに負担する仕組みとなっています。
再エネ賦課金は、電力会社の収益となっているわけではありません。電気料金の一部として徴収した後に国の指定機関に納められ、国から電力会社に対して再エネ電力の買取費用が支給されています。
対象となる再生可能エネルギー
再生可能エネルギーとは、温室効果ガスを排出しない環境にやさしいエネルギーのことです。再生可能エネルギーには「太陽光」、「風力」、「水力」、「地熱」、「バイオマス」などがあります。
それぞれの再生可能エネルギーの特徴は以下のとおりです。
再生可能エネルギーの種類 | 概要 |
---|---|
太陽光 | 太陽電池によって太陽光エネルギーを電気に換える |
風力 | 風の力で風車を回し、回転エネルギーを発電機に伝えて発電する |
水力 | 水を落下させて水車を回して発電する |
地熱 | 地下に蓄えられた地熱エネルギーを蒸気や熱水として 取り出し、タービンを回して発電する |
バイオマス | 動植物などの資源をエネルギー源として発電する |
地球温暖化対策を進めていくためには、発電するときに温室効果ガスを出さない「再生可能エネルギーによる発電」の普及が重要とされています。
再エネ賦課金の計算方法
電気料金の一部として徴収されている再エネ賦課金は、「再エネ賦課金単価×電気使用量(kWh)」で算出されています。
再エネ賦課金単価は、買取価格や再生可能エネルギーの導入状況を踏まえて、経済産業大臣が毎年度全国一律で決めています。再エネ賦課金単価は全国一律で定められるため、電気使用量によって徴収される再エネ賦課金の金額が変動するのです。
再エネ賦課金の推移
2012年から導入された再エネ賦課金は毎年5月に更新されます。年々値上がりしていましたが、2023年度には一度値下がりしました。再エネ賦課金単価の推移は、以下のとおりです。
年度 | 再エネ賦課金単価 |
---|---|
2020年度 | 2.98円/kWh |
2021年度 | 3.36円/kWh |
2022年度 | 3.45円/kWh |
2023年度 | 1.40円/kWh |
2024年度 | 3.49円/kWh |
2023年度は、ロシアのウクライナ侵攻によって電気の取引価格が高騰し、電力会社が買い取った再生可能エネルギーによる電気が高く売れるようになりました。そのため、電力会社が再生可能エネルギーを買い取るための費用をまかなう再エネ賦課金単価も下がりました。
このように、再エネ賦課金の単価は電力会社の販売収入が上がるほど下がる仕組みとなっているのです。
2024年度は高騰していた化石燃料価格が下落し、電力の市場価格の下落に伴い電力会社の販売収入も下がると想定されているため、再エネ賦課金が再び値上がりしています。そして、2030年には再エネ賦課金単価が約3.5~4.1円/kWhになると推計されています。
再エネ賦課金の負担を減らすには?
再エネ賦課金は、電気を使用するすべての人が負担しなければならない費用であり、「再エネ賦課金単価×毎月の電気使用量」で算出されます。
単価は経済産業大臣が全国一律で決めているため変えられないものの、毎月の電気使用量を抑えることで徴収される再エネ賦課金の負担を減らせます。
ここからは、家庭でできる節電方法を紹介します。再エネ賦課金の負担を減らすためにも、節電方法を押さえておきましょう。
家電の使い方を見直す
資源エネルギー庁のデータによると、家庭の電力消費量の5割以上をエアコン、冷蔵庫、照明が占めていると公表されています。そのため、エアコンや冷蔵庫、照明の使い方を中心に見直すことで節電効果が期待できます。
それぞれの節電ポイントを詳しく紹介します。
エアコンの節電ポイント
エアコンの節電をするためには、以下の点を意識することが大切です。
- 適切な設定温度にする(夏は室温28℃、冬は室温20℃になるように)
- 月1~2回を目安にフィルターを掃除する
- カーテンやすだれを使用して日差しを遮り、冷房の使用量を抑える
- 扇風機やサーキュレーターを併用して部屋の空気を循環させる
- 室外機の周囲に物を置かない
- 古いエアコンを買い替える
エアコンの消費電力を抑えるためには、日ごろから適切な温度設定を意識することが重要です。冷房使用時に設定温度を1℃上げると消費電力が約13%削減され、暖房使用時に温度設定を1℃下げると消費電力が約10%削減されると言われています。
また、フィルターが目詰まりしていると冷暖房の効果が下がって余計な電気を消費するため、月1~2回を目安にフィルターを掃除するようにしましょう。
ほかにも、室外機がスムーズに空気を循環できるように室外機の周囲を整理したり、室外機への直射日光を避けて熱の排出効率を高めたりするのも節電に効果的です。
また、近年のエアコンは10年前よりも省エネ性能が向上しているため、古いエアコンを買い替えることで消費電力を抑えられます。
冷蔵庫の節電ポイント
冷蔵庫の節電ポイントは、以下のとおりです。
- 熱いものは冷ましてから入れる
- 冷蔵庫の中を整理して冷気を循環しやすくする
- 庫内の設定温度を適切に調整する
- 古い冷蔵庫を買い替える(近年の冷蔵庫は10年前と比べて約40〜47%省エネ)
冷蔵庫の消費電力を抑えるためには、熱いものを冷ましてから入れたり、冷気が循環しやすくなるように冷蔵庫の中を整理したりすることが大切です。
また、扉を空ける時間を短くするために頻繁に出し入れする食材を手前に置いておくことも節電につながります。
ほかにも、冬に庫内の温度を控えめに設定することで消費電力を抑えられます。近年の冷蔵庫は10年前に比べて約40〜47%省エネ性能が向上しているため、古い冷蔵庫を使っている場合は買い替えも検討してみましょう。
照明の節電ポイント
照明の消費電力を抑える際は、以下の点を意識しましょう。
- 白熱電球をLEDランプに取り替える
- 必要のない電気はこまめに消す
白熱電球を電球形LEDランプに取り替えることで、約86%の省エネになります。電球の消費電力や点灯時間によって異なりますが、年間約3,500円以上の節約になる場合もあります。
また、点灯時間を短くすると消費電力を抑えられるため、必要のない電気はこまめに消すようにしましょう。
電力会社やプランを見直す
電気料金を根本的に抑えたい場合は、電力会社や料金プランを見直すことをおすすめします。電気料金は電力会社によって異なり、電気を多く使う場合は「従量料金が安い」または「一律」の電力会社を選ぶことで、電気料金を抑えられます。
一方で、電気をあまり使わない場合は、基本料金が0円の電力会社を選ぶのがおすすめです。
ガス料金とセットにすることで、おトクになるプランなど様々な料金プランがあるため、自分にあったプランを選択しましょう。
まとめ
再エネ賦課金は、電力会社が再エネ発電事業者から再生可能エネルギーを買い取るときの費用をまかなうために、電気料金の一部として徴収されている費用です。
徴収される再エネ賦課金は「再エネ賦課金単価×電気使用量(kWh)」で算出されています。再エネ賦課金単価は経済産業大臣が全国一律で決めているため、どの電力会社でも変わりません。
そのため、家電製品の使い方を見直して毎月の電気使用量を抑えたり、電力会社や電気料金プランを見直して電気料金を抑えたりすることが大切です。
電気料金を根本的に抑えるためには、基本料金単価や従量料金単価が低い電力会社を選ぶことが重要です。
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