浴室乾燥機にかかる電気代は?使い方による消費電力の違いと節約のポイントを紹介
浴室乾燥機は、天気や時間を気にせず洗濯物を乾かせたり浴室の湿気を取れたりと、とても便利です。梅雨時には浴室のジメジメとした湿気を飛ばし、カビ対策にも活用できます。
しかし、毎日のように浴室乾燥機を使っていると、電気代がどれくらいかかるのか不安に思われる方もいるでしょう。
本記事では、浴室乾燥機の電気代を解説するとともに、使用するメリット・デメリット、効果的に節約するポイントを紹介します。
浴室乾燥機の電気代はどれくらい?
浴室乾燥機の電気代は、製品、使用する機能や時間、契約する電力会社やプランなど、条件により差が出ます。こうした条件による違いが、浴室乾燥機の電気代をわかりにくくする原因かもしれません。
そこで、平均的な電気代のイメージをつかむために、使われる頻度の高い「乾燥」機能にかかる浴室乾燥機の電気代を具体的に解説します。
浴室乾燥機の1時間あたりの電気代は約37円から62円
浴室乾燥機にかかる1時間あたりの電気代は、次の計算式で求められます。
- 浴室乾燥機の1時間あたりの電気代=消費電力(kWh)×電気料金単価(円/kW)
製品ごとの消費電力は仕様書などに記載されています。その際、「W(ワット)」で表記されていれば、「消費電力(W)÷1000」により「kW(キロワット)」とし、計算式上での単位をあわせましょう。
電気料金単価は契約する電力会社やプランにより異なりますが、全国家庭電気製品公正取引協議会の公表する目安単価31円/kWhを利用して計算すると、おおまかな数値を算出できます。
製品にもよりますが、浴室乾燥機の標準的な乾燥機能にかかる消費電力は1200~2000Wほどである点を参考に、1時間あたりの電気代を実際に計算します。
- 1時間あたりの電気代=1200(W)÷1000(kW)×31(円/ kWh)=37.2円
- 1時間あたりの電気代=2000(W)÷1000(kW)×31(円/ kWh)=62.0円
つまり、浴室乾燥機で標準的な乾燥機能を1時間使うと、37円から62円ほどの電気代がかかるとわかります。
季節によって使用時間と電気代が変わる
浴室乾燥機で洗濯物を乾かすには、夏は3時間ほど、冬は5時間ほどかかります。冬は冷たい空気が浴室内に入り込みやすく、浴室乾燥機を使っても空気が暖まりにくいため、時間がかかりやすいと考えられます。
先ほど求めた1時間あたりの電気代で考えると、夏は1回あたり111~186円、冬は1回あたり185~310円ほどかかると推測できます。
1時間あたりでみると大差ないように感じられますが、1カ月(30日)で換算すると3,330~9,300円と、季節による電気代の違いは意外と大きなものになります。
もちろん、製品の性能や洗濯物の量や内容、浴室の広さ、当日の温度や湿度などにより、実際にかかる時間はまちまちです。それでも、気温の高い季節ほど乾くのが早く、気温の低い冬は乾燥に時間がかかって電気代は上がりやすいと覚えておくと良いでしょう。
浴室乾燥機の主な機能と電気代の違い
浴室乾燥機には電気式とガス式があり、それぞれ初期費用とランニングコストが変わります。
熱源 | 初期費用 | ランニングコスト |
---|---|---|
ガス式 浴室乾燥機 | 屋外に専用の熱源機(室外機)を設置する必要があり、本体の購入や設置にコストがかかる | 熱源機で温めたお湯を循環させ、その熱の放出を活用する効率的な仕組みにより、暖房や乾燥の電気代を抑えやすい |
電気式 浴室乾燥機 | 室外機と室内機が一体となっているため、設置費用を抑えられる | 稼働してから浴室が温まるまでに時間がかかりやすく、暖房や乾燥の電気代が高くなりやすい |
このように浴室乾燥機は、熱源がガスか電気かによっても、日常的にかかる電気代には違いが出ます。
また、先ほどは乾燥機能からおおよその電気代を計算しましたが、浴室乾燥機には乾燥のほかにも役立つ機能があり、それぞれ電気代のかかり方が異なります。
浴室乾燥機のうち、代表的な3つの機能の電気代の目安は下表の通りです(※1)。
主な機能 | 電気代の目安 |
---|---|
乾燥機能 | 約8~9円/1日 |
暖房機能 | 約34~39円/1時間 |
涼風機能 | 約0.6~1.6円/1時間 |
以下で詳しくご紹介します。
(※1)電気代の計算に使う電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会による目安単価31円/kWhとします。
①換気機能
浴室乾燥機の換気機能は、浴室にこもりがちな湿気を排気する機能で、カビ防止に役立ちます。換気機能には、消費電力を抑えながら連続した換気を行う「24時間換気」、入浴直後の湿気をすばやく排気する「換気強」などがあります。
消費電力は24時間換気で11~12Wほど、換気強で17~26Wほどです。24時間換気の場合、1日中つけっぱなしにしていても電気代は約8~9円と、乾燥機能に比べて経済的です。
②暖房機能
浴室乾燥機の暖房機能は、入浴前に利用すると、寒い冬でもヒヤッとした冷気を感じることなく浴室を利用できます。
暖房機能には、製品によって暖房の強弱、設定温度にあわせた「センサー暖房」などがあり、浴室内を暖めるために乾燥機能と同じくらいの電気代を使います。
消費電力は1,100~1,250Wほどで、1時間で約34~39円かかります。お風呂に入る前の短時間だけ利用する機能とは言え、電気代を使いすぎないように使用時間に注意しましょう。
③涼風機能
浴室乾燥機の涼風機能とは、扇風機のように浴室内に風を送る機能です。温度や湿度の高い夏に使うと、入浴時も快適に過ごせます。
涼風機能はエアコンのように冷やすわけではないため、暖房機能や乾燥機能に比べると電気代は低めです。強弱にもよりますが消費電力は20~50Wほどで、1時間利用しても約0.6~1.6円の電気代で済みます。
浴室乾燥機と乾燥機ではどちらの電気代がおトク?
衣類乾燥を目的に使われることの多い浴室乾燥機ですが、洗濯機の乾燥機能や乾燥機とは電気代にどれくらいの違いがあるのか、どれを使うとコスパが良いのか、気になる方もいるでしょう。
そこで、4人家族の1回あたりの標準的な洗濯量5~6kgにかかる電気代をシミュレーションしてみます(※2)。ここでは1回あたりの乾燥に3時間かかったとして計算します。
種類 | 消費電力の目安 | 使用時間の目安 | 電気代(3時間) |
---|---|---|---|
浴室乾燥機の乾燥機能 | 1,200~2,000W | 3~5時間 | 111~186円 |
洗濯機の乾燥機能 | 900~2,000W | 1時間半~3時間半 | 84~186円 |
乾燥機 | 700~1,200W | 3時間半 | 65~112円 |
製品による違いはありますが、電気代だけを見れば、洗濯物の乾燥に特化した乾燥機がもっとも電気代が安くなります。また、浴室乾燥機と洗濯機では電気代はほとんど変わりません。
電気代だけで比べるのではなく、浴室に洗濯物を干すスペースを確保できる浴室乾燥機、気温や湿度の影響を受けない洗濯機や乾燥機などのように、ご自身のライフスタイルや希望にあわせて選ぶと良いでしょう。
(※2)電気代の計算に使う電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会による目安単価31円/kWhとします。
浴室乾燥機を使うメリット
浴室乾燥機を使うと様々なメリットを実感できます。以下で詳しく紹介します。
メリット1.複数の機能を使い分けられる
浴室乾燥機は、乾燥のほか、換気や暖房、涼風など、様々な機能があります。機能を使い分ければ、浴室内の環境をコントロールできるでしょう。季節の影響を受けず、いつでも快適な温度や湿度で入浴することも可能です。
メリット2.天気や時間を気にせず洗濯物を干せる
浴室乾燥機を使った衣類乾燥なら、浴室内で完結するため、天気や時間を気にする必要がありません。雨が降りそうなときも気兼ねなく洗濯物を干せます。
また、製品によっては、乾燥のパワーを抑えて電気代を節約しながら乾燥させる夜間モードも選択できます。
メリット3.浴室のカビ防止につながる
入浴後や洗濯物を干した後、梅雨の季節など、浴室は家庭のなかでも特に湿気のたまりやすい場所です。浴室乾燥機を使うとジメジメしがちな浴室から湿気を排出できるため、カビの発生を防ぐのに役立ちます。
浴室乾燥機を使うデメリット
浴室乾燥機にはメリットだけではなく、次のようなデメリットが生じる可能性もあります。
デメリット1.衣類乾燥や暖房の電気代が高い
浴室乾燥機の乾燥や暖房の機能は電気代がかかるため、長く使いすぎないように注意が必要です。
たとえば、寒い季節に洗濯物の乾燥や浴室の暖房などに、浴室乾燥機を毎日5時間ほど使うと、1万円近い電気代になる可能性もあります。
デメリット2.たくさんの洗濯物を干すスペースがない
浴室で洗濯物を干すときには、専用のランドリーパイプを利用します。しかし、浴室のスペースには限りがあるため、すべての洗濯物を干しきれない場合もあるでしょう。
無理に洗濯物を詰め込むと衣類と衣類のすきまが十分に取れず、乾燥に時間がかかる、部屋干し臭が生じるなどの原因にもなりかねません。
浴室乾燥機を上手に使って電気代削減!5つの節電アイデア
浴室乾燥機は使い方を工夫すれば、電気代を効率的に節約できます。そこで、浴室乾燥機で採り入れたい節電アイデアを5つ紹介します。
1.定期的にフィルターを掃除する
浴室乾燥機のフィルターにホコリがたまって目詰まりすると、吹き出す風量が落ちて性能が下がり、電気代アップにつながる可能性があります。
フィルターは月1回を目安とした定期的な掃除がおすすめです。掃除機などでホコリを吸い取ってから水洗いすると良いでしょう。
2.浴室の水気をあらかじめ取り除く
浴室乾燥機で乾燥機能を使うときには、あらかじめ浴室の水気を取り除いておくのがおすすめです。水気を減らしておくと浴室内の乾燥が効率良く進むため、浴室乾燥機の使用時間を減らせます。
たとえば、タオルなどで水滴を拭き取る、換気機能で湿気を飛ばしておく、入浴直後の時間を避けるなどの方法で、浴室内の水気を減らせます。
3.衣類乾燥は外干しや室内干しの仕上げとして使う
浴室乾燥機を活用した衣類乾燥では、干し方を工夫しましょう
- 外干しや室内干しで衣類をある程度乾かしてから、浴室乾燥機は仕上げとして使う
- 衣類と衣類のすきまを十分に空ける
- 送風口の近くに厚手の衣類を干す
- 送風を妨げないように、一度にたくさんの衣類を干さない
乾きやすい干し方をすれば、それだけ浴室乾燥機の稼働時間が短くなり、電気代の節約を実現できます。
4.サーキュレーターを併用する
浴室乾燥機を使うと、送風口からの風によって浴室内の空気が循環されます。この空気の循環が効率的になるほど、浴室乾燥機のパフォーマンスが上がります。
おすすめはサーキュレーターや扇風機の併用です。空気の流れが増し、衣類や浴室の乾燥スピードがアップして節電につながります。特に衣類乾燥の場合、サーキュレーターなどの風を当てると乾燥時間がぐんと減るでしょう。
また、サーキュレーターや扇風機は電気代が低く、24時間使っても10~30円ほどです。そのため、浴室乾燥機と併用しても電気代が増えすぎることはありません。
5.電気会社や契約プランを見直す
浴室乾燥機の電気代が気になりはじめたら、電気会社や契約プランを見直すのもおすすめです。
今は電力会社もプランもご自身で選べる時代です。たとえば、夜寝ているあいだい浴室乾燥機を使って洗濯物を干すなら、夜間の電力を抑えたプランを契約するなど、ご自身のライフスタイルにあわせて選ぶのも良いでしょう。
電気代を効率良く節約できれば、浴室乾燥機の便利さをさらに実感できるはずです。
まとめ
浴室乾燥機には様々な機能があり、換気や涼風の電気代は低め、温めた空気を送る乾燥や暖房の電気代は高めです。衣類乾燥や冬の浴室暖房に浴室乾燥機を使うときには、長時間使いすぎないように注意しましょう。
浴室乾燥機は暮らしに便利なアイテムです。定期的なフィルター掃除やサーキュレーターの併用などで、電気代を節約しながら活用しましょう。
浴室乾燥機の電気代が心配な方は、電力会社や契約プランの見直しもおすすめです。
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