一人暮らしの光熱費の平均は?

総務省統計局の「2023年家計調査」の結果を見ると、一人暮らしの1カ月あたりの光熱費は全国平均で1万3045円です。地域ごとに光熱費の平均額が違うため、以下の表で確認しましょう。

地域ごとの1カ月あたりの光熱費平均額(※1)

光熱費全体 電気代 ガス代 その他光熱 上下水道料
全国平均 1万3045円 6,726円 3,359円 720円 2,239円
北海道・東北 1万6547円 8,103円 2,650円 3,191円 2,603円
関東 1万2709円 6,635円 3,515円 382円 2,177円
北陸・東海 1万3760円 7,252円 3,604円 557円 2,348円
近畿 1万1901円 6,052円 3,564円 199円 2,085円
中国・四国 1万3569円 7,394円 3,251円 699円 2,225円
九州・沖縄 1万1169円 5,513円 3,032円 423円 2,201円

(※1)出典:総務省統計局「2023年家計調査」

光熱費としてデータが出されているのは、電気代、ガス代、その他光熱、上下水道料です。「その他光熱」は、灯油など電気やガス以外の光熱費を指します。

光熱費の平均が最も高いのは北海道・東北地方で、最も安いのは九州・沖縄地方です。北海道・東北地方は電気代が高く、ガス代は少ない傾向があります。その他光熱が突出して高いのは、冬場に灯油を使う寒冷地ならではの特徴です。

九州・沖縄など温暖な地域は、光熱費が寒冷地よりも安いです。夏にエアコンを使う必要があっても、灯油代などはあまりかからないため、総合的に光熱費が安くなります。上下水道料は、大きな地域差が見られませんでした。

地域によって光熱費の平均額は異なるので、住んでいる地域のデータを参考にして節約を考える必要があります。

電気料金の仕組み

電気料金の仕組み

電気料金やガス料金、水道料金を節約するためには、それぞれどのような仕組みで金額が決まっているのかを知るのが大切です。

電力会社から発行された電気代の明細書を見ると、いくつかの要素に分かれていることがわかります。ここからは、どのような要素で電気料金が決まっているかご紹介します。

基本料金

電気料金のうち、基本料金は電力会社と契約している容量で決まります。基本料金は電気をどの程度使用したかにかかわらず、毎月同じ額です。契約アンペア数によって決まるアンペア制と、契約ごとに最低料金が設定される最低料金制の2種類があります。

基本料金に含まれるのは、発電設備の費用や人件費、機材費、諸経費などです。基本料金は毎月一定なので、安く抑えられれば電気料金を節約できます。楽天でんきは基本料金が0円なので、光熱費の節約につなげやすいでしょう。

電力量料金

電力量料金は、使用した電力量によって決まる料金です。電気を多く使えば料金も上がる従量課金を採用しています。

電力量料金は電力会社やプランによって異なり、時間帯や季節などでも変わることがあります。

燃料費等調整額

燃料費調整額は、発電に必要な原油や液化天然ガスなどの燃料コストを反映させたものです。燃料費調整額は電力量料金に組み込まれている、「燃料費調整単価×1カ月の電力使用量」で算出されます。

燃料価格は市場や為替などの要因によって、高騰するおそれがあります。電力会社の経営が保護されるよう、燃料価格が上がると電気料金が上がり、燃料価格が下がると電気料金が下がるルールを定め、経営を安定化させているのです。

また、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)に基づく買い取りにかかる費用の変動も、ルールに基づいて電気料金に反映させています。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギーで発電された電気を買い取るために課されている料金のことです。電力会社を通じて国の指定機関に支払われている料金であり、単価に1カ月の電力使用量をかけて算出されます。

毎年5月に1年の単価が経済産業省で設定され、単価は全国一律です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、以下の記事でも詳しく解説しています。

再エネ賦課金とは?仕組みや電気料金との関係を詳しく解説

ガス料金の仕組み

ガス料金は、以下の2つの料金で構成されています。

基本料金

基本料金は、ガスの使用量にかかわらず毎月支払う費用です。全くガスを使わなかった月でも、基本料金は発生します。

毎月固定額になるわけではなく、基本料金もガス使用量によって変わります。ガス会社のプランごとに設定されている料金表に基づいて基本料金が算出されるため、明細書を確認してみてください。

従量料金

ガスの使用量に応じて決まるのが、従量料金です。単位料金にガス使用量をかけて算出されます。単位料金は、原料費調整制度によって毎月変動するため、定期的にチェックしましょう。

プロパンガス(LPガス)は料金設定に国の認可を必要としないため、基本料金も従量料金も都市ガスより高い傾向があります。

水道料金の仕組み

水道料金は以下の2つの料金で決まるため、料金ごとの特徴を確認しましょう。

基本料金

基本料金は、メーターの大きさ(口径)に応じて支払う料金です。基本料金には水道メーター設置費用や料金徴収経費、施設の維持管理費などが含まれます。

基本料金は水道使用の有無にかかわらず毎月必ずかかるため、節水しても一定額の出費が発生する点は覚えておきましょう。

従量料金

従量料金は、使用水量に応じて発生する料金です。使う水の量が多ければ多いほど、従量料金は増えます。

基本料金と従量料金を合計して算出する水道料金は、自治体によって異なります。自治体のホームページなどで水道料金表が公表されているので、確認してみてください。

一人暮らしのための電気料金節約術

一人暮らしのための電気料金節約術

一人暮らしの1カ月あたりの電気料金は、全国平均で6,726円です。光熱費の中でも電気料金は全国的に高いため、光熱費を節約したいときは電気代を抑えられないか考えるのが大切です。電気料金を節約する具体的な方法を、以下で紹介します。

1 家電の使い方を見直す

家電の使い方を見直すことで、電気料金を節約できます。

家電ごとの使い方の見直し例や、1年間に節約できる電気代を確認しましょう。

家電 使い方の見直し 1年間に節約できる電気代
エアコン 冷房の設定温度を1℃上げる 約940円
暖房の設定温度を1℃下げる 約1,650円
フィルターを月1回か2回掃除する 約990円
冷蔵庫 開閉回数を最低限にする 約320円
(開閉回数を1/2に)
物を詰め込みすぎない 約1,360円
設定温度を適切にする 約1,910円
(「強」を「中」に)
テレビ 見ないときは消す 約895円
(1日1時間減らす)
画面を明るくしすぎない 約581円
照明器具 白熱電球を電球形LEDランプにする 約2,883円
使っていない場所の電気は消す 約385円
(34W、1日1時間短縮)

出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 エアコン」
出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 冷蔵庫」
出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 テレビ」
出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 照明」

小さな行動でも、習慣化すれば節電が可能です。一人暮らしの電気代を抑えたいなら、上記のような行動を意識してみてください。

2 電力会社やプランを切り替える

電力会社や契約プランを見直すことで、電気料金を節約できる可能性があります。

電力会社はそのままでも、プランを変えるだけで月々の電気代を抑えられるケースは少なくありません。一人暮らしだからこそ、小さいアンペア数のプランに変更できれば基本料金を抑えられるので、電気の使用量が変わらなくても月々の電気代が安くなります。

また、電力会社を変えると基本料金が安くなり、電気代を抑えられることがあります。電力会社を乗り換えることで電気代が上がってしまう可能性もあるので、事前のシミュレーションが大切です。

例えば楽天でんきなら、以下で乗り換え後のシミュレーションができます。

料金シミュレーションはこちら

3 古い家電を省エネ家電に買い替える

購入してから長い年数が経っている古い家電は、買い替えることで節電につながる可能性があります。新しい家電は省エネ性能が上がっているため、電気料金を抑えやすいのがメリットです。

環境省が提供している省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」でシミュレーションすると、2022年に購入した冷蔵庫と2024年の最新冷蔵庫では、年間の電気代は約870円おトクになるという結果になりました(※2)。

たった数年前の製品と比較しても、最新モデルは省エネ性能が高まっており、電気料金の節約につなげられることがわかります。

家電を買い替えると購入費用がかさみ、まとめて買い替えると故障の時期が重なる可能性があります。買い替えるタイミングは、慎重に判断しましょう。

電気代の節約については、以下の記事でも詳しく解説しています。

電気代を節約するには?すぐできる節約術7選や効果的な方法をわかりやすく解説

(※2)「しんきゅうさん」かんたん比較にて、「購入年:2022年、定格内容積:141〜200L、メーカー:東芝、型番:GR-U15BS(W)」「購入予定 定格内容積:141〜200L、メーカー:東芝、型番:GR-W15BS(KT)」で比較

一人暮らしのためのガス料金節約術

一人暮らしのガス代の全国平均額は、3,359円です。ガス料金が電気料金を上回るケースは少ないものの、節約を心がければ光熱費の削減につながります。一人暮らしの方がガス料金を節約する方法を以下で紹介するので、実践してみてください。

1 お風呂のガス代を節約する

ガス料金を節約したいなら、お風呂の使い方に注目してみましょう。ガス代の節約につなげられる行動と1年間に節約できるガス料金の目安は、以下のとおりです。

使い方の見直し 1年間に節約できるガス代
シャワーをこまめに止める 約2,070円(1日1分短縮)
節水型シャワーヘッドに交換する 約1,582円
追い焚き機能を使わない 約6,190円

出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約 風呂給湯器」
出典:環境省「節水型シャワーヘッドへの交換で、お風呂のCOOL CHOICE!」

時間をかけすぎず、お湯を沸かす頻度を減らすようにすれば、お風呂で使うガス料金を節約できます。できそうなことから実践し、ガス代の変化を確認してみてください。

2 キッチンのガス代を節約する

キッチンのガスの使い方も、月々のガス料金を左右します。ガスコンロを使う時間をできるだけ短くすればガス料金を抑えられるため、調理時の行動を見直してみてください。

使い方の見直し 1年間に節約できるガス代
野菜の下ゆでを電子レンジで行う 約410〜1,540円
(野菜の種類によって異なる)
ガスコンロの炎を鍋底からはみ出さない 約390円
食器を食洗機でまとめ洗いする 約6,470円
(手洗い時のガス代+水道代から食洗機使用時の電気代+水道代を引いた金額)
ガス給湯器を低温に設定して食器を洗う 約1,500円

出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
出典:経済産業省北海道経済産業局「実践!おうちで省エネ」

3 ガス会社の変更やプラン切り替えを検討する

電気と同様にガスも自由化されているので、ガス会社の変更が可能です。ガス会社を変えるだけで、毎月のガス料金を抑えられることもあります。

例えば、プロパンガスから都市ガスに切り替えれば、大きな節約効果が期待できます。電気とガスをセットで契約するとおトクになり、月々の光熱費が安くなるケースもあるので、確認しましょう。

一人暮らしのための水道料金節約術

一人暮らしの水道代の全国平均額は、2,239円です。明細書を確認し、水道料金の負担が大きいと感じるなら、節水を心がけてみてください。一人暮らしの方が水道料金を節約する方法について、以下で解説します。

1 お風呂の水道料金を節約する

日常生活で多くの水を使うのはお風呂なので、お風呂で水の使い方に気をつけると水道料金の節約につながります。

使い方の見直し 1年間に節約できるガス代
シャワーを出しっぱなしにしない 約1,286円
節水型のシャワーヘッドに交換する 従来に比べて約35%の節水

出典:経済産業省北海道経済産業局「実践!おうちで省エネ」

節水型のシャワーヘッドは初期費用がかかりますが、水圧を変えずに水道料金を節約できるためおすすめです。

2 キッチンの水道料金を節約する

キッチンでの行動を見直すことでも、水道料金の節約が可能です。

使い方の見直し 1年間に節約できるガス代
食器を食洗機でまとめ洗いする 約6,470円
(手洗い時のガス代+水道代から食洗機使用時の電気代+水道代を引いた金額)

出典:経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」

食洗機で食器や調理器具を洗えば、水道料金だけでなくガス代の節約につながります。食器や調理器具は、洗う前に汚れを拭いておけば少ない水量で洗えるでしょう。

3 トイレの水道料金を節約する

トイレの使い方を変えると、水道料金の節約につながるケースがあります。

使い方の見直し 1年間に節約できるガス代
レバーの大小を使い分ける 小は大より1〜2リットルの節水が可能
二度流しをやめる 1回流すのに必要な12〜20リットルの節水が可能

出典:伊賀市「節水のお願いについて」
出典:三田市「家庭でできる節水の工夫」

タンクが小さい節水型のトイレに変えるのも水道代節約につながる方法ですが、交換費用が大きいため簡単にはできません。無理せず、日々のトイレの使い方を見直して節水につなげましょう。

4 洗濯の水道料金を節約する

洗濯ではまとまった水量が必要なので、洗濯の頻度やお湯の再利用などを検討してみてください。
洗濯の回数を抑えて節水するために、できるだけまとめて洗うのがおすすめです。

使い方の見直し 1年間に節約できるガス代
洗濯物をまとめて洗う 約4,919円
お風呂の残り湯で洗う 約7,800円

出典:経済産業省北海道経済産業局「実践!おうちで省エネ」
出典:東京都水道局「よくある質問」

お風呂の残り湯を洗濯に使うことでも水道料金の節約につながりますが、入浴剤を入れている場合は成分が洗濯に適さないこともあるので、商品の注意書きを確認してください。

洗濯機の買い替えを検討しているなら、縦型よりドラム型のほうが節水効果は高く、水道料金を節約できます。

まとめ

まとめ

一人暮らしの光熱費の平均額は地域によって異なりますが、全国平均は1万3000円ほどです。電気、ガス、水道のうち、どの料金がかさんでいるかを考えながら、できそうな節約方法を実践してみてください。

電気やガスの節約をしたいなら、電力会社やガス会社の切り替えを検討するのもおすすめです。楽天でんきなら、電気とガス(※3)をセットで契約するとポイントアップでおトクになります。

楽天でんきは利用料金200円につき楽天ポイントが1ポイント、ガスとセットにすれば100円につき1ポイント貯められる(※4)(※5)ので、実質的に電気料金の節約が可能です(※6)。

さらに、楽天でんきで前月の利用金額が5,500円(税込)以上、かつクレジットカード決済を選択している方は、楽天市場で買い物をすると「通常ポイント+0.5倍」の楽天ポイントが進呈されます(※7)。

楽天でんきに切り替えてどれくらいおトクになるかは、以下の「料金シミュレーション」でチェックしてみてください。

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(※4)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。