一人暮らしにかかる平均費用と生活費の内訳

総務省統計局が公表している「2023年家計調査」のうち、単身世帯の性別・年齢階級別データを参考に、1カ月で一人暮らしにかかる費用を以下の表にまとめました。

34歳以下男性 35〜59歳男性 34歳以下女性 35〜59歳女性
食費 4万2747円 5万3035円 3万3157円 3万6100円
住居費 3万6289円 3万5462円 3万7845円 3万2301円
水道光熱費 9,161円 1万1648円 1万1410円 1万3781円
家具・家事用品 4,998円 5,463円 3,786円 5,262円
被服費 5,735円 3,158円 7,670円 6,867円
保健医療費 4,113円 5,581円 6,240円 9,929円
交通・通信費 2万838円 3万3801円 2万2160円 2万3610円
教養・娯楽費 2万5907円 2万448円 1万7527円 2万456円
その他消費支出 1万9004円 3万3353円 3万2437円 3万4221円
支出合計 16万8792円 20万1949円 17万2232円 18万2527円

出典:総務省統計局「2023年家計調査」

支出合計額は、34歳以下では女性のほうが高く、35〜59歳になると男性のほうが高くなります。

支出の内訳を見ると、支出に占める食費の割合は男性が25%前後、女性は20%前後で割合としては年齢による差は大きくありません。いずれの年代でも女性のほうが男性より被服費の支出が多く、保健医療費は男女ともに年齢を重ねると上昇します。

女性は年代問わず、その他消費支出の割合が高いのが特徴です。家計調査からより詳細なデータをみると、女性は理美容サービスに6,363円、理美容用品に5,767円と身の回り用品にかける金額が男性よりも多い傾向があります。

理美容サービスは男性の2,236円よりも3倍程度、理美容用品は男性の1,392円よりも4〜5倍程度高い支出額です。

この表から、一人暮らしにかかる費用は17万〜20万円程度とわかりました。ただし、この金額はあくまでも全国の平均であり、住んでいる地域によって金額は少しずつ異なることを覚えておいてください。

一人暮らしの初期費用はいくら必要?家賃の決め方もチェック

一人暮らしにかかる初期費用にはどのようなものがあり、それぞれ内訳はいくらなのかをイメージできれば、一人暮らしのために計画的にお金を用意できます。初期費用の相場や家賃の決め方を確認し、一人暮らしの準備を進めましょう。

一人暮らしの初期費用は、家賃5〜6カ月分が相場

これから一人暮らしをはじめるなら、先ほど表で示した生活費のほかに初期費用がかかります。初期費用に含まれるのは、以下のような費用です。

  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 前家賃
  • 日割り家賃
  • 賃貸保証料
  • 火災保険料
  • 鍵交換費用
  • 消毒料など

一般的に、一人暮らしをはじめるための初期費用は、家賃5〜6カ月分と言われています。費用ごとの目安と家賃5万円、6万円、7万円、8万円の場合の初期費用の目安を、以下の表にまとめました。

家賃5万円 家賃6万円 家賃7万円 家賃8万円
敷金 家賃1カ月分
礼金 家賃1カ月分
仲介手数料 最大で家賃1カ月分
前家賃 家賃1カ月分
日割り家賃 日割り計算
賃貸保証料家賃0.5〜1カ月分 2.5万〜5万円 3万〜6万円 3.5万〜7万円 4万〜8万円
火災保険料 1万〜2万円
鍵交換費用 1万〜2万円
消毒料 1万円
初期費用総額 25.5万〜30万円 30万〜35万円 34.5万〜40万円 39万〜45万円

敷金や礼金、仲介手数料はゼロの物件もあるので、必要な初期費用はあくまで目安です。家賃の5〜6カ月分を無理なく支払えるよう、計画的に貯金をしておきましょう。

家賃のほかに家具や家電購入費用、引越し費用も必要

これから一人暮らしをはじめるなら、初期費用のほかにも家具や家電の購入費用や引越しの費用もかかります。

家具と家電の合計目安:20万〜25万円程度
家具付きの物件もありますが、数が少ないので基本的には家具や家電を買いそろえることになるでしょう。家具や家電は何を購入するか、どの程度こだわるかによって購入費用が大きく変わります。

引越し費用の目安:5~10万円程度
引越し費用は、移動距離や依頼する時期によって料金が異なります。荷物が少なければ4万円、多ければ6万円ほどになることもあるでしょう。
繁忙期は荷物が少なくても5万円、多ければ8万〜10万円ほどになるため注意が必要です。

初期費用の合計目安:50~80万円程度
家具や家電の購入費用と引越し費用を合計すると25万〜35万円が目安なので、初期費用とあわせると50万〜80万円かかる計算になります。

これから一人暮らしをはじめるなら、生活費だけでなくこれらの費用も用意しなければなりません。

生活費を圧迫しすぎない、一人暮らしの家賃の決め方

総務省統計局が公表している「2023年家計調査」の結果によると、一人暮らしで民営借家に住んでいる人の住居費は5万3691円、公営借家に住んでいる人の住居費は4万4107円が1カ月の平均です。家賃は地域によって差が大きいので、平均はあくまで参考とし、収入を考慮して無理なく出せる金額に抑える必要があります。

一般的に、家賃は手取り収入の1/3程度に設定するのが目安とされていますが、近年では家賃の1/4が良いとする考え方も増えています。毎月の手取り収入額ごとの家賃の目安は、以下のとおりです。

1カ月の手取り収入 収入の1/4で家賃を設定 収入の1/3で家賃を設定
15万円 3万7000円 5万円
18万円 4万5000円 6万円
20万円 5万円 6万6000円
25万円 6万2500円 8万3000円
30万円 7万5000円 10万円

総務省統計局「2023年家計調査」

ただし、これらはあくまで目安なので、実際の生活費内訳を確認したうえで適正な家賃額を決めることになります。

例えば、目安より家賃が高い家に住みたいなら生活費を抑えなければなりません。収入に対して生活費が多くなりがちなら、家賃が安い家を探す必要があります。

【初期費用】一人暮らしにかかる費用を抑えるポイント

【初期費用】一人暮らしにかかる費用を抑えるポイント

これまで見てきたとおり、一人暮らしをするためには多額の初期費用がかかります。物件探しから引越しまでにかかる費用を抑える方法を知り、おトクに一人暮らしをはじめましょう。

家賃など住居に関する費用を抑える方法

家賃や住居にかかる費用を抑えたいなら、以下の方法を検討してみてください。

  • 敷金や礼金なしの物件を選ぶ
  • 仲介手数料の値引き交渉をする
  • 家賃の安い物件を選ぶ
  • フリーレント物件を活用する

敷金や礼金なしの物件を選べば一人暮らしの初期費用を抑えられますが、短期解約違約金が設定されていたり、周辺環境に問題がある物件だったりするので詳細の確認が必要です。仲介手数料の値引きには必ず応じてもらえるわけではありませんが、一度交渉する価値はあるでしょう。

駅から遠い、築年数が古いなどのデメリットはあるものの、家賃が安い物件を選べば初期費用も生活費も抑えられます。フリーレント物件は家賃が無料になる期間がある一方、決められた期間中は住み続けなければならないなどの条件もあるので、よく確認したうえで利用しましょう。

家具や家電の購入費用を抑える方法

引越しに伴い家具や家電を購入するなら、できるだけ購入費用を抑えることで生活費が圧迫されるのを防げます。以下の方法を検討してみてください。

  • 価格が上がりやすい時期の購入を避ける
  • 中古品を買う
  • 家具や家電付きの物件を選ぶ

年末年始やゴールデンウィーク、ボーナスシーズンなどは家具や家電の価格が上がりやすいので、それ以外の時期やセール期間中に購入するのがおすすめです。大手家電量販店では、一人暮らしをはじめる方向けの家電セット販売を行っているケースもあるので確認しましょう。

リサイクルショップやフリマサイトを活用して中古品を買うことでも、購入費用を抑えられます。ただし、個人が出品しているフリマサイトは、商品の状態が悪かったりトラブルが発生したりする可能性もあるので注意が必要です。

家具や家電付きの物件を選ぶのも初期費用を抑える方法として有効ですが、数は多くないので、慎重に選びましょう。

引越し費用を抑える方法

引越し費用を抑える方法は、以下のとおりです。

  • 繁忙期を避ける
  • 複数の業者で見積もりをもらう
  • 荷物を少なくする

新生活のための引越しシーズンである3〜4月や土日祝日、月末は引越し業者の予約が取りづらく料金も高くなりやすいので、避けるのがおすすめです。引越し料金は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼して比較すると安く抑えられます。

荷物をできるだけ減らすと引越し料金を抑えやすいので、大きな家電は引越し後に購入する、不要なものはできるだけ捨てていくなどの対策が有効です。

引越しでやることは、以下の記事でも詳しく解説しています。

引越しのやることチェックリスト|手続きのタイミングや内容、流れを解説!

【固定費】一人暮らしにかかる費用を抑えるポイント

一人暮らしにかかる費用として、毎月同程度の支出が発生する固定費があります。固定費は一度見直せば継続的に支出を抑えられるため、一人暮らしにかかる費用の節約につなげることが可能です。固定費の節約方法を、費用ごとに見ていきましょう。

光熱費を抑える方法

費用がかさみがちな光熱費は、以下の方法で抑えられます。

電気料金の節約方法

  • 家電や照明のこまめな電源オフ
  • 省エネ家電の買い替え
  • 電力会社の乗り換えやプラン変更

ガス料金の節約方法

  • ガスコンロの掃除
  • 電子レンジや電気ケトルの料理への活用
  • ガス会社の乗り換えやプラン変更

水道料金の節約方法

  • こまめな節水
  • まとめて洗濯
  • 洗濯にお風呂の残り湯を再利用
  • 洗濯機の節水モードの利用

光熱費の節約方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

一人暮らしの光熱費の平均はいくら?電気・ガス・水道料金の内訳や節約方法を解説

通信費を抑える方法

通信費にはパソコンの固定回線とスマートフォンのモバイル回線があり、それぞれ節約方法が異なります。

固定回線の節約方法

  • プロバイダーの乗り換え
  • モバイルルーターへの切り替え
  • 不要なサポートやオプションの解約

モバイル回線の節約方法

  • 格安SIMへの変更
  • フリーWi-Fiの使用
  • 通話アプリの活用

固定回線とモバイル回線をセットで契約すると、おトクな料金プランが適用されるケースもあります。通信費を全体的に抑えたい場合は、チェックしてみてください。

保険料を抑える方法

民間の保険に加入している場合は、以下の方法で保険料を抑えられる可能性があります。

  • 契約内容の見直し
  • 複数社の比較
  • 支払い方法の変更

必要以上に保障を手厚くしすぎて保険料が高くなっている場合は、保障を減らして安い保険に切り替えるのが良いでしょう。不要な特約があれば、外すことも検討してください。複数社から似たような保険が出ているので、保障内容や保険料を比較してみるのがおすすめです。

保険料を口座引き落としではなくクレジットカード払いにすると、支払額は変わらないもののポイントがつく場合があるので、結果的におトクです。また、一度にまとまった金額が必要になるものの、月払いではなく年払いにすると若干安くなります。

【変動費】一人暮らしにかかる費用を抑えるポイント

【変動費】一人暮らしにかかる費用を抑えるポイント

固定費は一度見直せば無理なく節約できますが、変動費は抑えるために我慢しなければならないケースも多く、節約が難しい出費です。

変動費は消費・浪費・投資に分けて考えることで、費用を適切に管理しやすくなります。食費の中でも生活上必要な分は消費、不要であるものの楽しみのために使いたい分は浪費など、分けて考えると良いでしょう。以下では、それぞれの費用の具体的な節約方法を解説します。

食費を節約する方法

食費を節約するためには、自炊が基本です。予算内に収まるように食材を購入し、使い切れるように献立を立てて料理を作るようにしましょう。外食や中食の頻度を抑えれば節約につながるため、無理しない範囲で実践してみてください。お弁当やマイボトルを持参すれば、ランチ代や飲み物代を節約できます。

食費の節約方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

1カ月の食費はいくら?世帯人数や収入別の平均額や節約方法を解説

日用品費を節約する方法

同じ日用品でも多くの種類があるので、常に安いものを選べば費用を抑えられます。ただし、こだわりを持ちたい部分は無理して節約せず、メリハリをつけるのが大切です。例えば、シャンプーにはこだわりがあって良いものを使う一方、洗剤やトイレットペーパーは安いものにするなど、工夫をしてみてください。

消耗品は、大量に使わないよう意識するのも重要です。意味もなく使いすぎていないか振り返り、必要に応じて使い方を見直しましょう。セールで買ったりまとめ買いをしたりして、安く購入するのもおすすめです。

もっと賢く!一人暮らしにかかる費用負担を軽減するには?

これまでに紹介した節約方法を実践することで、一人暮らしにかかる費用を抑えられます。もっと費用負担を軽減したいときは、以下のような行動もおすすめです。

家計簿をつけて費用の流れを把握する

家計簿をつけて収支の見える化をすることで、節約につなげやすくなります。

手書きで家計簿をつけるのが続かないなら、キャッシュレス決済と家計簿アプリを連携させるのがおすすめです。クレジットカードの明細やスマートフォン決済の利用履歴が自動で取り込まれるので、家計簿をつける手間を省きながら収支の見える化ができます。

クレジットカードなどのポイ活で費用負担を抑える

一人暮らしの費用負担を抑えたいなら、買い物などで貯めたポイントを活用するポイ活もおすすめです。

クレジットカードや電子マネー、キャッシュレス決済などでポイントを貯め、支払いに充当します。うまく活用すれば生活費の節約につながりますが、ポイントを貯めるために無駄遣いが増える可能性もあるため注意が必要です。また、ポイントを貯めるまでに時間がかかる傾向があることも覚えておきましょう。

フリマアプリの活用で生活費に充当する

フリマアプリの活用も、一人暮らしにかかる費用負担の軽減につながります。不用品を出品して売れれば、生活費の足しになるでしょう。家の掃除をするときに、売れそうなものがないか確認してみてください。出品の手間はサービスによって異なるので、確認が必要です。

服やコスメなど、購入費を安く抑えたいものがあればフリマアプリで探してみましょう。

一人暮らしの費用を確認し、節約方法を実践しよう

一人暮らしの費用を確認し、節約方法を実践しよう

一人暮らしにかかる費用は性別や年齢によって異なりますが、月に約17万〜20万円です。これから一人暮らしをはじめるなら、別途初期費用もかかるので、用意しなければなりません。初期費用、固定費、変動費それぞれを節約するコツを理解し、実践してみてください。

光熱費の負担を抑えたいなら、電力会社やガス会社の乗り換えも検討しましょう。楽天でんきは利用料金200円につき楽天ポイントが1ポイント、ガス(※1)とセットで契約すれば100円につき1ポイント貯まります(※2)(※3)。

貯まった楽天ポイントは利用料金に充当して費用負担を抑えられるので、月々の光熱費節約と合わせれば効率的な節約が可能です(※4)。

さらに、楽天でんきで前月の利用金額が5,500円(税込)以上、かつクレジットカード決済を選択している方は、楽天市場で買い物をすると「通常ポイント+0.5倍」の楽天ポイントが進呈されます(※5)。

楽天でんきに乗り換えるとどのくらいおトクになるか知りたい方は、以下の「料金シミュレーション」を利用してみてください。

(※1)楽天ガスは都市ガス(東京ガス、東邦ガス、関電ガス)が提供対象エリアです。詳しくはガス対象エリアページをご確認ください。
(※2)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
(※3)楽天ポイントの進呈対象は、クレジットカードでお支払いいただいた料金となります。コンビニ払込用紙でのお支払いではポイント進呈対象にはなりません。
(※4)貯まったポイントは50ポイント(50円相当)からご利用料金に充当できます。
(※5)獲得条件および、進呈ポイントの上限があります。「楽天でんき」のSPU詳細は こちら
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この記事を監修した人
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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。