3人家族の生活費の平均はどのくらい?節約方法や資産形成方法を解説

子どもが生まれて3人家族になると、2人暮らしのころより生活費がかかるのは当然です。生活費が増えたため、節約を考えている方もいるでしょう。
本記事では、3人家族の生活費の平均額を解説したうえで、年収や世帯主の年齢による生活費の違いについて紹介します。
子どもの成長によって生活費はどのように変化していくか、3人家族の生活費を抑えるためにはどうすればいいかについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
3人家族の生活費の平均は?
総務省統計局の2023年家計調査によると、3人家族の1カ月の生活費平均額と内訳は以下のとおりです。
3人家族の平均額 | (参考)2人世帯の平均額 | |
---|---|---|
消費支出 | 312,567円 | 264,238円 |
食費 | 85,557円 | 72,399円 |
住居費 | 20,120円 | 19,038円 |
水道光熱費 | 25,082円 | 21,619円 |
家具・家事用品費 | 13,448円 | 11,187円 |
被服費 | 9,705円 | 7,190円 |
保健医療費 | 14,834円 | 15,641円 |
交通・通信費 | 48,596円 | 36,472円 |
教育費 | 11,199円 | 368円 |
教養娯楽費 | 28,526円 | 26,250円 |
その他の消費支出 | 55,500円 | 54,074円 |
3人家族の1カ月あたりの生活費平均額は、約31万円です。
1人世帯は約16万円、2人世帯は約26万円と3人家族より安く抑えられていますが、3人世帯以降は30万円前半で推移しており、支出額にそこまで大きな変化はありません。
3人家族の支出の内訳を見ると、2人暮らしの場合と比べて、ほとんどの項目で支出額が上がっているのがわかります。食費や水道光熱費、被服費など、人数が増えることで支出額は上がるのが一般的です。
子どもの成長に応じて支出の変化があることもわかります。子どもの進級・進学に応じて教育費が増えたり、子どもが一人暮らしをはじめれば、仕送りをしたりすることもあるでしょう。一方で、子育てなど家庭での時間が増えることで交際費が減っていくことも考えられます。
年収別の生活費
生活費は、年収によっても大きく異なります。以下は、世帯人数に限らず年収別で1カ月あたりの生活費平均額をまとめた表です。
年収額 | 1カ月あたりの生活費 |
---|---|
300〜350万円 | 226,375円 |
350〜400万円 | 246,268円 |
400〜450万円 | 260,682円 |
450〜500万円 | 267,228円 |
500〜550万円 | 272,892円 |
550〜600万円 | 287,213円 |
600〜650万円 | 292,861円 |
650〜700万円 | 298,374円 |
700〜750万円 | 318,150円 |
750〜800万円 | 319,379円 |
3人家族の1カ月あたりの実収入平均額は約62万円で、年収にすると約745万円です。
全体的に、年収が増えることで支出も増える傾向があります。年収300〜350万円と年収750〜800万円の消費の内訳を比較すると、増加が顕著なのは食費です。年収が上がると、外食にかけるお金が増えることがわかります。
また、年収が上がると、交通・通信費も増えがちです。交通費の中でも、自動車に関する費用が年収増加によって増えやすいといえます。
さらに、高年収ほど教育費が増えるのも事実です。これは、高年収の世帯は両親の年齢が高いケースが多く、高額な教育費を必要とする年齢の子どもがいるからだと考えられます。
年齢階級別の生活費
生活費は、世帯主の年齢によっても変わります。以下は、世帯人数に限らず世帯主の年齢別に1カ月あたりの生活費と内訳の平均額をまとめた表です。
29歳以下 | 30〜39歳 | 40〜49歳 | 50〜59歳 | |
---|---|---|---|---|
消費支出 | 181,467円 | 241,932円 | 295,846円 | 296,527円 |
食費 | 41,509円 | 64,792円 | 79,060円 | 73,316円 |
住居費 | 36,995円 | 27,342円 | 20,386円 | 23,347円 |
水道光熱費 | 10,871円 | 17,430円 | 20,934円 | 20,942円 |
家具・家事用品費 | 5,862円 | 10,178円 | 11,375円 | 10,580円 |
被服費 | 7,782円 | 8,765円 | 11,187円 | 9,742円 |
保健医療費 | 5,997円 | 9,408円 | 10,628円 | 11,982円 |
交通・通信費 | 23,537円 | 37,365円 | 45,144円 | 45,827円 |
教育費 | 241円 | 5,259円 | 19,353円 | 17,039円 |
教養娯楽費 | 21,888円 | 28,344円 | 31,825円 | 28,084円 |
その他消費支出 | 26,785円 | 33,049円 | 45,954円 | 55,668円 |
29歳以下は、1カ月の消費支出額が20万円未満と少なくなっています。20代では子どもを含めた3人以上の世帯ではなく、夫婦2人のみの世帯も多いと考えられるので、消費支出も少なくなる傾向があるといえるでしょう。
30代以降は世帯人数が増えることも多いため、支出額が全体的に増えるのが特徴です。食費も、20代に比べて30代以降のほうが2〜3万円ほど高くなります。
世帯人数の増加に伴い、水道光熱費や保健医療費なども増えていると考えられます。29歳以下は子どもがいない、または子どもがいてもまだ小さい可能性が高いため、教育費はほとんどかかりません。30代以降になると子どもが大きくなり、教育費も増えていくと推測できます。
子どもの年齢によって異なる3人家族の生活費の内訳
3人家族の生活費は、子どもの年齢によって大きく変化します。基本的に子どもの成長に伴い支出額も増えていきますが、出産時に発生する費用などもあるので、どのタイミングでどのような費用がかかるのか把握するのが大切です。
以下では、妊娠や出産から子どもが生まれた後まで、時期ごとにかかる費用について解説します。
妊娠〜出産期にかかるお金
子どもが生まれるまでの妊娠時期や出産時にも、お金がかかります。妊娠や出産にかかる費用は健康保険適用外なので、公的支援制度を使いながら自分たちで支払わなければなりません。
例えば、妊婦健診は月1回、出産が近づくと週1回受けるのが一般的なので、病院によって金額は異なるものの総額5〜10万円ほどかかります。自治体が無料券や補助券を配布してくれるため、検診費用の負担は軽減されますが、いくらかの自己負担が必要になることは理解しておくべきです。
また、正常分娩であれば、出産費用は40〜50万円ほどかかります。1児につき50万円が支給される出産一時金などの公的支援制度も使えますが、一時的に立て替えて後日支払われるケースも多いので、家計が圧迫されないように貯蓄しておかなければなりません。
未就学児の生活費
内閣府が行った「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」(※1)によると、1人当たりにかかる1年間の生活費は未就園児が約84万円、保育所・幼稚園児が約121万円でした。
平均すると、未就学児には年間100万円程度かかります。しかし、労働環境の変化や物価高等現在の情勢を踏まえると、令和6年現在ではもう少し上昇している可能性があるでしょう。
また、保育所・幼稚園児は保育費の負担が大きく、未就園児にかかる保育費の5〜6倍ほど必要です。一方、衣類や服飾雑貨にかかる費用や食費、生活用品費などは割合が異なるものの、合計金額は未就園児と保育所・幼稚園児でそこまで変わりません。いずれの場合も、子どものための預貯金や保険にお金をかける世帯が多い傾向があります。
1〜6歳の年齢別で比べた場合、子どもの年齢が上がると保育費の負担が大きくなります。保育費は3歳では年間20万円超、4〜6歳では年間30万円超なので、子どもが生まれて3人家族になる予定であれば、保育費を捻出できるかどうかを考えなければなりません。
(※1)出典:内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」
その後の生活費
内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」(※2)の結果を見ると、幼稚園や保育所を卒園してからの生活費もわかります。子どもが小学校に入学してからは、保育費からより負担が少ない学校教育費に変わるため、生活費の金額は約115万円と未就学児より若干少なくなります。
しかし、中学校に入学すると生活費は年間約40万円増え、1人当たり約155万円となります。未就学児の約1.5倍に増えるので、生活費が増えたと実感することになるでしょう。
中学生になると食費が増え、教育費の金額も高くなる傾向があります。学校教育費のほかに、塾や家庭教師のような学校外教育費も発生するため、出費は増えがちです。
高校生や大学生になると、教育費はさらに高くなります。成長に伴い食費の負担も増えるので、3人家族では子どもの成長に伴って生活費は増えるといえるでしょう。
3人家族の生活費を節約するには

3人家族の場合、子どもの成長に伴い生活費が上がる傾向があるので、早めに節約をはじめて生活費の増加に備えることが大切です。食費、通信費、光熱費それぞれの節約方法を紹介しますので、できそうなものから実践してみてください。
食費の節約方法
3人家族の生活費を確認し、食費がかさんでいると感じるなら、食費を節約する方法を実践しましょう。子どもの成長に伴って食費はどんどん増えていくため、節約方法を早い段階で身につけておくと長く実践でき、生活費を抑えられます。
外食が多い場合は、自炊の頻度を増やすことを心がけてください。共働きで忙しい場合は無理をせず、1回当たりの外食費用を減らせるように店選びを工夫したり、1カ月で外食に使える予算を決めたりするのがおすすめです。
自炊する場合は、食材を買い過ぎると破棄につながって食費がかさむので、適切な量を購入するよう心がけましょう。
また、コンビニは手軽だからこそつい寄ってしまいがちなので、目的があるとき以外は寄らないようにするのが節約のコツです。
なお、3人家族の食費については、以下の記事で詳しく解説しています。
3人家族の食費は平均いくら?生活費に占める割合や内訳、節約方法を解説!
通信費の節約方法
3人家族の生活費を節約したいなら、通信費の見直しも効果的です。通信費は金額が毎月変わらないので、一度見直せば継続的に節約できます。
例えば、スマートフォンのプランを大手キャリアから格安SIMに変更すると、出費を大きく抑えられます。実際に、大手キャリアから格安SIMへの変更により、1カ月の通信料金が7,000円から3,000円となった事例もあります。
スマートフォンを契約する際は、不要なオプションを解約したり、インターネットとスマートフォンのセット割プランを選んだりするのもおすすめです。通信費を総合的に抑えられるよう、一度契約内容を見直してみてください。
光熱費の節約方法
3人家族の生活費を抑えたいなら、光熱費も見直しましょう。
例えば電気代を節約したい場合は、使っていない照明器具や電化製品のスイッチをこまめに切るのがおすすめです。電化製品を買い替える予定があるなら、省エネ性能が優れている最新家電を購入すると、長期的に電気代を節約できます。
ガス料金を節約したいときに注目すべきなのは、お風呂です。家族3人が別々にお風呂に入る場合、都度追い焚きするとガス代がかさんでしまいます。お風呂はできるだけ続けて入り、無駄な追い焚きを避けましょう。
また、コンロ掃除もガス料金の節約につながります。コンロの汚れを除去すれば、バーナーがきちんと火力を出せるようになるので、無駄なガスの使用を抑えることが可能です。
電力会社やガス会社を見直すことで、電気やガスの使い方を変えなくても光熱費を節約できる可能性があります。電気もガスも、自由化によって自分にあう会社を選べるようになりました。今の光熱費が高いと感じている方は、乗り換えも検討してみてください。
電気代の平均については、以下の記事で世帯・地域・季節別に詳しく解説しています。
まとめ

3人家族の生活費は、夫婦2人暮らしと比べて高くなりやすいです。子どもが成長すると生活費も増えるため、早めに節約をはじめて貯蓄や資産形成などを検討しましょう。
3人家族の光熱費の高さが気になるなら、電力会社やガス会社を見直すのがおすすめです。
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