200Vと100Vのエアコンの違い

200Vのエアコンと100Vのエアコンには、以下のような違いがあります。

  1. 電気を流す力
  2. コンセントの形状
  3. 電気料金
  4. 契約アンペア数

200Vのエアコンを購入する前に違いを押さえておきましょう。

①電気を流す力

200Vのエアコンは100Vのエアコンに比べて、電気を流す力である電圧が2倍であるため、冷暖房能力が高いのが特徴です。

たとえば、同じ広さの部屋を暖める場合、100Vのエアコンでは10分かかるのに対し、200Vのエアコンでは5分で暖められるといった違いがあります。つまり、200Vのエアコンは100Vのエアコンよりも広い部屋を短時間で快適な温度にすることができます。

②コンセントの形状

200Vのエアコンを設置するときは、200V用のコンセントが部屋にあるかを確認しておく必要があります。見分け方として、100Vのコンセントは穴が縦(||)、200Vは穴が横(― ―)に並んでいるのが特徴です。

200Vのコンセントがなければ、200Vのエアコンを使用できません。200V用コンセントの増設工事が必要となるため、注意しましょう。

③電気料金

エアコンの電気料金は「消費電力(kW)× 電力料金(円/kWh)× 使用時間(h)」で算出できます。電気料金は電力会社や契約している料金プランによって異なるため、検針票などで確認しましょう。

ここでは、全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として定めている31円/kWhを使用して電気料金を算出します。

たとえば、14畳用のエアコン(※1)の1時間あたりの暖房の電気料金を比較すると以下のとおりです。

100Vモデル:1.06kW×31円/kWh×1=32.86円
200Vモデル:0.9kW×31円/kWh×1=27.9円

200Vのエアコンは、100Vのエアコンと比べて電圧が2倍であることから、電気料金が高くなるイメージがありますが、電気料金に大きな差はありません。

200Vのエアコンは100Vのエアコンに比べてパワーがあるため、設定温度に到達する時間が短くなることから、200Vのエアコンの方が電気料金は安い傾向があります。

(※)国内主要メーカーのモデルの数値を参考にしています

エアコンの電気料金や節約方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの電気代はどれくらい?つけっぱなしは節約になる?計算方法や節電方法を解説

エアコンの節約方法8選!電気料金の仕組みを理解して効率良く抑えよう

④契約アンペア数

契約アンペア数(A)とは、同時に使える電気の最大容量のことです。同じ性能のエアコンであれば、200Vエアコンは100Vエアコンと比べて、同じ電力を消費する場合でも流れる電流が半分で済みます。

これは、電力(W)=電圧(V)×電流(A)という関係があるためです。

例えば、同じ2,000Wのエアコンの場合、100Vでは20Aが必要ですが、200Vでは10Aで足ります。

契約アンペア数は、同時に使える電気の最大容量を示しており、200Vエアコンは少ない電流で高出力の運転が可能なため、ほかの家電と併用してもブレーカーが落ちるリスクが低減します。

ただし、200V機器を設置するには、契約アンペア数が30A以上必要となることが一般的です。

アンペアについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

アンペアとは?ボルト・ワットの違いなど電気の基礎知識や節約方法を解説

200Vのエアコンがおすすめの人

200Vのエアコンがおすすめの人

200Vのエアコンは、以下のような人におすすめです。

  • 10畳以上の部屋に設置する人
  • 天井が高い部屋に設置する人
  • すばやく快適な温度にしたい人

それぞれ詳しく解説します。

10畳以上の部屋に設置する人

10畳以上の広い部屋にエアコンを設置する場合、冷暖房に必要な能力が高くなります。そのため、設定温度に到達するまでに時間がかかったり、それを維持するために電気料金が多くかかったりする可能性があります。

広い空間では、通常の100Vエアコンではパワー不足になりがちです。高い冷暖房能力を持つ200Vのエアコンを導入すれば、部屋全体の温度を効率良く迅速に管理することができます。

結果的に無駄な運転時間を減らし、電気料金の節約につながる可能性があるでしょう。

100Vのエアコンに適した広さについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの100Vは何畳まで使える?200Vとの違いや電気料金との関係を解説

天井が高い部屋に設置する人

部屋の広さだけでなく、天井の高さもエアコンの効率に影響します。天井が高い部屋は、10畳以上の部屋と同様に空間の容積が大きいため、設定温度に達するまでに時間がかかったり、電気料金が多くかかったりする場合があります。

特に、吹き抜けのある部屋では、冷たい空気や暖かい空気が循環しにくく、一般的なエアコンでは効率的な温度管理が難しくなります。

天井が高い、または吹き抜けのある空間においても、高出力な200Vのエアコンであれば、広い空間の温度を効率良くコントロールし、快適な室温を保つことが可能です。

すばやく快適な温度にしたい人

200Vのエアコンは、100Vのエアコンよりも出力が高くなっています。強力な出力によって、部屋の温度が設定温度から大きく外れている場合でも、200Vのエアコンの方がより早く快適な温度に達することができます。

立ち上がりの速さや急な温度変化への対応力を重視する方にとって、200Vエアコンは有効な選択肢となるでしょう。

200Vのエアコンを購入する際の注意点

200Vのエアコンを購入する際の注意点を紹介します。

契約アンペア数を確認する

200Vのエアコンを購入する際は、自宅の契約アンペア数(A)を確認する必要があります。200Vのエアコンを使用するには、30A以上が必要とされています。

契約アンペア数が不足していると、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。快適に暮らすためにも、エアコンの買い替えにあわせて契約容量の見直しを検討しましょう。

アンペア数を大きくすると、電気の基本料金が高くなる傾向がありますが、基本料金のない小売電気事業者を選択することで、基本料金が高くなる心配がなくなります。

適正な契約アンペア数や変更方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電気の適正な契約アンペア数とは?目安や変更する際の注意点も解説

電気工事費用がかかる可能性がある

200Vに対応しているブレーカーは「単相3線式」と呼ばれ、赤・白・黒の3本の線が配線されていなければなりません。200Vに対応していないブレーカーが設置されている場合、電気工事が必要となります。

賃貸物件の場合は、不動産管理会社やオーナーに相談して了承を得てから工事を依頼しましょう。また、エアコンを設置する部屋のコンセントの形状があわない場合は、コンセントの交換工事が必要となります。

まとめ

まとめ

200Vのエアコンは100Vのエアコンよりもパワフルなため、広い部屋を短時間で快適な温度にできます。100Vのエアコンと電気料金に大きな差はありません。

ただし、コンセント形状が異なるため、設置前に200Vのエアコンに対応したコンセントがあることを確認しておくことが大切です。また、電気工事や契約アンペア数の変更が必要となることがあるため、事前に確認しておきましょう。

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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。