アンペアとは?ボルト・ワットの違いなど電気の基礎知識や節約方法を解説
電気の契約をする際は、アンペアが重要な意味を持ちます。しかし、アンペアが何を表す単位でどのように電気契約にかかわっているかを知らないケースもあるでしょう。
本記事では、アンペアやボルト、ワットなど電気を使ううえで知っておきたい基礎知識を解説します。最適なアンペア数の選び方や、アンペア数を下げて電化製品を使うコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
アンペアとは何を表す単位?電流の仕組みとあわせて解説
アンペアは電流を表す単位で、「A」と表記されます。電流とは、導線の断面を電子が1秒間に移動する流れを指す言葉です。自由に動く自由電子が流れることにより、電流が発生します。
日常生活では、電力会社との電気契約がアンペアで表示されています。電気契約のアンペアは一度に使える電流の量を表しており、一度に大量の電化製品を使って電流が契約以上になると容量オーバーとなり、ブレーカーが落ちる仕組みです。
アンペアの由来は物理学者名
電流の単位であるアンペアは、フランスの物理学者アンドレ=マリ・アンペールが由来です。
アンペールは、電流と周囲の磁界の関係を表すアンペールの法則を発見した人物です。磁界の向きは電流の向きによって決まる、電流が大きいほど磁力が強くなるなど、中学校の理科で習う電流やアンペアは日常にも深くかかわっています。
アンペア(A)とボルト(V)、ワット(W)の基礎知識
電気を表す単位として、アンペアのほかにボルトやワットがあります。それぞれの単位について、以下で詳しく解説します。
ボルト(V)
電気を流そうとする力は電圧と呼ばれ、ボルト(V)という単位で表されます。水圧が大きいほど水車が勢いよく回るように、電圧が大きいほど多くの電気が流れる形です。
名前の由来は、亜鉛と銅の電極を使用してボルタ電池を開発したイタリアの物理学者であるアレッサンドロ=ヴォルタです。
日本の一般家庭では電圧が100Vで統一されているため、ボルトはアンペアほど日常で意識する機会は多くありません。ただし、海外では100V以上の電圧に設定されているケースがあります。
海外旅行先で日本の電化製品を使用して壊れたら、原因の多くは電圧の違いです。故障を防ぐためにも、海外へ行く際は変圧器を持参すると良いでしょう。
ワット(W)
電気を使うときに消費される力は電力と呼ばれ、ワット(W)という単位で表されます。名前の由来は、蒸気機関で知られるイギリスの発明家であるジェームズ・ワットです。
電力(ワット)は、「電流(アンペア)×電圧(ボルト)」で算出されます。アンペアとボルトの値が高いほど、ワットも大きくなります。つまり、流れる電気の量が多く勢いが強いほど、消費電力も大きくなります。
電気契約では、消費電力が多いほど電気代も高くなります。電化製品ごとに消費電力がワットで示されているため、その電化製品を動かすために必要な電力量を調べることが可能です。
アンペア数の違いによる電気代の変化
電力会社は、契約するアンペア数によって電気代が変動するプランを提供している場合があります。
電気代を決めるのは、基本料金と従量料金です。従量料金は使用した電気量によって決まり、基本料金はアンペア数にかかわらず一定料金に設定している場合と、アンペア数によって変動する場合があります。
契約アンペア数が多いほど基本料金が高くなるので、電気代も高くなる仕組みです。
契約アンペア数の調べ方
現在のアンペア数がわかれば、節約方法も考えられます。現在の電気契約で、アンペア数がどのくらいか知る方法は以下のとおりです。
検針票を見る
電力会社が発行する検針票を見れば、契約アンペア数がわかります。契約アンペア数は、検針票の電気使用量の下に記載されていることが多いです。
検針票は紙で発行されポストに投函されるか、ウェブサイトやアプリでチェックできます。紙で発行される際は「電気使用量のお知らせ」と書かれている場合もあるので、確認してみてください。
検針票には契約アンペア数のほかに、電気使用量やお客様番号、供給地点特定番号などの情報も記載されています。
分電盤を確認する
分電盤の確認でも、契約アンペア数がわかります。
分電盤は、複数のブレーカーがまとめられている箱です。一般的な家庭では、玄関や洗面所、脱衣所のいずれかに設置されています。
分電盤内部のアンペアブレーカーという部分が、電気事業者と契約するためのブレーカーなので、そこに契約アンペア数が記載されています。契約アンペア以上の電気を使うと、アンペアブレーカーのスイッチが自動的に切れて電気が止まる仕組みです。
最適な契約アンペア数の選び方
契約アンペア数によって電気代が変わるため、契約アンペア数を下げれば電気代を節約できます。しかし、契約アンペア数を下げると一度に使える電化製品の数も減るため、不便さを感じやすいです。
自宅の最適なアンペア数の選び方を知り、適切な電気契約をしましょう。
世帯人数によって選ぶ
契約するアンペア数は、世帯人数によって決めることが多いです。一般的には世帯人数が多いと電気使用量も増えるので、必要な契約アンペア数も大きくなります。世帯人数別の契約アンペア数の目安は、以下のとおりです。
世帯人数 | 契約アンペア数 |
---|---|
1人 | 20〜30A |
2〜3人 | 40A |
4人 | 50A |
5人 | 60A |
ただし、上記はあくまで目安です。電気を多く使う場合は、世帯人数の目安よりも大きいアンペア数で契約する必要があります。
例えば、リモートワークで家にいる時間が長い場合や、オール電化で電気使用量が多い場合などは、目安よりも大きいアンペア数が必要となるでしょう。
使う電化製品で選ぶ
使用する電化製品によって、必要な契約アンペア数は変わります。
同時に使用する電化製品が多い、または必要なアンペア数が大きい電化製品を使う場合は、契約アンペア数が小さすぎるとブレーカーが落ちてしまうおそれがあります。
同時に使用することが多い電化製品を洗い出し、それぞれのアンペア数を求めて合計して、必要なアンペア数を算出しましょう。電化製品のアンペア(A)は、「ワット(W)÷ボルト(V)」で求められます。
参考までに、主な電化製品のアンペアの目安は以下のとおりです。
電化製品のアンペアの目安(※1)
電化製品 | アンペアの目安 |
---|---|
インバータエアコン(冷房時10畳用平均) <立ち上がり時など> |
冷房5.8A<14A>、暖房6.6A<20A> |
電気カーペット(3畳用) | 1/2面4A、全面8A |
テレビ | 液晶42型2.1A、プラズマ42型4.9A |
掃除機 | 弱2.1A、強10A |
アイロン | 14A |
ヘアドライヤー | 12A |
冷蔵庫(450Lクラス) | 2.5A |
電子レンジ(30Lクラス) | 15A |
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時) | 13A |
IHクッキングヒーター(200V) | 20〜30A(最大使用時58A) |
食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ) | 13A |
ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg) | 洗濯時2A、乾燥時13A |
(※1)出典:東京電力エナジーパートナー「主な電気製品のアンペアの目安」より作成
契約アンペアの変更方法や変更時の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
契約アンペア数を下げて電化製品を使うコツ
契約アンペア数を下げれば電気代を抑えられますが、電気の使い方に注意しなければブレーカーが落ちるおそれがあります。契約アンペア数を下げるなら、以下の点に注意しましょう。
なお、ブレーカーが落ちる原因や落ちたときの戻し方については、以下の記事で詳しく解説しています。
ブレーカーが落ちるのはなぜ?繰り返し落ちる原因と対策を紹介
ブレーカーが落ちたときの戻し方は?原因や落とさないための対策も紹介
消費電力の大きい電化製品は同時に使わない
契約アンペア数を下げるなら、消費電力の大きい電化製品は同時に使わないようにしましょう。消費電力(ワット)が大きい電化製品は、電流(アンペア)も多く必要とするため、組み合わせによってはブレーカーが落ちることがあります。
消費電力が大きい電化製品は、例えば以下のようなものです。
消費電力が大きい電化製品(※2)
電化製品 | 消費電力 |
---|---|
IHクッキングヒーター1口 | 3000W |
電子レンジ | 1400W |
アイロン | 1400W |
ドライヤー | 1000W |
オーブントースター | 1000W |
(※2)出典:東京都「家庭の省エネハンドブック2022」より作成
電子レンジで食品を温めている間にドライヤーで髪を乾かすなど、消費電力の大きい電化製品を同時に使わないようにしましょう。
タイマーを活用して電化製品を使う時間をずらす
契約アンペア数を下げる場合は、タイマーを活用して電化製品を使う時間をずらすのもおすすめです。
契約アンペア数はあくまで一度に使えるアンペアを示すものなので、消費電力の大きい家電を複数持っていたとしても、同時に使わなければブレーカーが落ちる心配はありません。
炊飯器や洗濯機など、タイマー機能がある電化製品は、夜間などほかの電化製品を使わない時間に動くよう設定しましょう。特に炊飯器や電子レンジ、電気ポットなど複数の電化製品を同時に使用することが多い朝や夜の食事準備時は、意識的に使用時間をずらしてみてください。
アンペア数の変更以外の節電・節約方法
契約アンペア数を少なくすれば電気代を節約できますが、下げすぎると電化製品の使い方を考えなければならず、ブレーカーが落ちるリスクもあります。そのため、極端にアンペア数を下げずに、ほかの節電方法と組み合わせるのがおすすめです。
アンペア数の変更以外の節電・節約方法を、具体的に紹介します。
電気代の節約方法について、以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご確認ください。
電気の適正な契約アンペア数とは?目安や変更する際の注意点も解説
1 電化製品の使い方を見直す
電化製品の使い方を見直すことで、月々の電気代が安くなる場合があります。電化製品と周辺の掃除や整理、電源オフなどを徹底しましょう。
- エアコンのフィルター掃除
- 冷蔵庫の庫内整理
- 使っていない照明器具のスイッチオフ
- 電化製品のコンセントを抜く
エアコンのフィルター掃除や冷蔵庫の庫内整理をすれば、稼働効率を上げて消費電力を抑えられます。また、照明器具を使っていないときはこまめにスイッチをオフにすると、無駄に電力を使いません。電化製品のコンセントを抜いて待機電力を抑えると、電気代の節約が可能です。
2 省エネ製品に買い換える
家電の買い換えを検討しているなら、省エネ製品を選べば節電が可能です。
環境省は、省エネ製品に買い換えるとどのくらい電気代を抑えられるかを提示しています。照明器具は、電球をLEDにすると86%、テレビは10年前と比べて31%、冷蔵庫は10年前と比べて42%電気代を抑えられるとわかっています(※3)。
買い換え費用はかかるものの、買い換えを検討している電化製品があるなら省エネ性能にこだわるのがおすすめです。
(※3)出典:環境省「省エネ製品買換ナビゲーション しんきゅうさん」
3 安い料金プランの電力会社に切り替える
節電に加え、安い料金プランを提供している電力会社に切り替えれば、契約アンペア数を下げなくても電気代を節約できる場合があります。
電力自由化により多くの企業が電力供給事業に参入し、各社様々な料金プランを提示しているため、現在は料金プランの選択肢が各段に広がっています。
適正なアンペア数がわからない方や、アンペア数を下げたくない方は、楽天でんきのように基本料金0円で使った分だけ料金を支払うタイプがおすすめです。ぜひ、現在の契約内容や電気使用量からどれくらい安くなるかシミュレーションしてみてください。
まとめ
アンペアは電流を表す単位であり、電力会社との契約内容に深くかかわっています。契約アンペア数が大きいと電気代が高くなるため、必要に応じて見直しを検討しましょう。
ただし、契約アンペア数を下げすぎると利便性が損なわれるので、ほかの節電方法と組み合わせるのがおすすめです。また、電力会社を切り替えることで、毎月の電気代を抑えられる可能性もあるので、シミュレーションを活用して見直しを検討してみるのもおすすめです。
電力会社の切り替えを検討しているなら、楽天でんきがおすすめです。楽天でんきは基本料金が0円(※4)で、使用した分だけ料金を支払う仕組みなので、契約アンペア数で悩まなくてもおトクに利用できます。
また、利用料金200円につき1ポイント、ガス(※5)とセットで契約すれば100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まります(※6)(※7)。貯まった楽天ポイントは支払いに充当できる(※8)ため、長期的に見てもおトクです。
楽天でんきへの切り替えによって年間どのくらいおトクになる見込みがあるか知りたい方は、「料金シミュレーション」を利用して試算してみてください。
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(※1)楽天ガスは都市ガス(東京ガス、東邦ガス、関電ガス)が提供対象エリアです。詳しくはガス対象エリアページをご確認ください。
(※2)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
(※3)楽天ポイントの進呈対象は、クレジットカードでお支払いいただいた料金となります。支払い遅れなどによりコンビニ払込用紙でお支払いいただいた場合はポイント進呈対象にはなりません。
(※4)貯まったポイントは50ポイント(50円相当)からご利用料金に充当できます。