1カ月の水道代は平均いくら?

総務省「家計調査(家計収支編)」によると、2023年の1カ月の水道代は平均4,048円でした。ただし、世帯人数や地域、季節によっても違いがあるため、一概には言えません。

そこで、1カ月あたりの水道代の平均を世帯人数別、地域別、季節別に紹介します。

【世帯人数別】水道代の平均

総務省によれば、2023年の世帯人数別の水道代(平均)は、それぞれ以下のとおりでした。

世帯人数 平均
1人暮らし 2,239円
2人暮らし 4,242円
3人暮らし 5,366円
4人暮らし 6,042円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」(2023年)

一般的に、世帯人数が増えるほど使用水量が多くなるため、水道代も高くなります。

【地域別】水道代の平均

次に、1カ月の水道代(平均)を地域別に見てみましょう。

地域 水道代(平均)
北海道地方 3,907円
東北地方 5,000円
関東地方 4,039円
北陸地方 4,750円
東海地方 4,004円
近畿地方 3,940円
中国地方 3,909円
四国地方 3,323円
九州地方 3,800円
沖縄地方 3,448円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」(2023年)

東北地方と北陸地方は、ほかの地域と比べて水道代が高めであることがわかります。一方、四国地方や沖縄地方は低めです。

【季節別】水道代の平均

季節ごとの水道代(平均)は、それぞれ以下のとおりでした。

時期 水道代(平均)
1~3月 4,111円
4~6月 3,972円
7~9月 3,098円
10~12月 4,050円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」(2023年)

季節による違いは大きくありませんが、1~3月の水道代が高くなる傾向があることがわかります。

水道代の決まり方

水道代は、水道料金(上水道料金)と下水道料金で構成されます。

水道料金は、上水道(飲料水を供給する水道)の使用料金のことです。一方、下水道料金は汚水を処理するための料金のことで、下水道に流した水量に応じて支払います。

水道料金と下水道料金がそれぞれどのように決まるか、以下で解説します。

水道料金

水道料金は、基本料金と従量料金の合計額に消費税額を加算したものです。

区分 概要
基本料金 水道の使用量に関係なく、毎月定額で支払う料金
従量料金 水道の使用量に応じて支払う料金

基本料金

基本料金は、経費(メーターの費用や検針・徴収費用、施設整備費用など)の一部を賄うための費用です。水道の使用量にかかわらず、毎月定額で支払います。メーターの口径ごとに設定されており、口径が大きいほど高くなる仕組みです。

口径とは水道管の太さのことで、建設時に建物の規模や蛇口の数、使用形態などを踏まえ、水道局によって決定されます。ご家庭の口径は検針票などで確認しましょう。

なお、一般家庭の口径は多くの場合、13ミリメートルまたは20ミリメートルです。

従量料金

従量料金は、使用水量に応じてかかる料金です。使用水量ごとに1立方メートルあたりの単価が設定されており、一般的に使用水量が増えるほど単価も高くなります。

東京都水道局の場合、従量料金の単価は以下のとおりです。

使用水量 従量料金の単価(口径13、20、25ミリメートルの場合)
1~5立方メートル 0円
6~10立方メートル 22円/立方メートル
11~20立方メートル 128円/立方メートル
21~30立方メートル 163円/立方メートル
31~50立方メートル 202円/立方メートル
51~100立方メートル 213円/立方メートル
101~200立方メートル 298円/立方メートル
201~1,000立方メートル 372円/立方メートル
1,001立方メートル以上 404円/立方メートル

出典:東京都水道局「水道料金(1か月分) (平成17年1月1日から適用)

下水道料金

下水道料金も水道料金と同様に、基本料金と従量料金の合計額に消費税額を加算して求められます。ただし、下水道の使用水量を家庭ごとに計測することが困難、かつコスト面からも現実的ではないため、下水道料金の従量料金は「水道の使用水量」を「下水道使用水量」とみなして算出されます。

なお、下水道が整備されていない地域では、下水道料金の請求がありません。

1カ月の水道代の計算例

1カ月の水道代の計算例

1カ月に水道を20立方メートル使用した場合の水道代を計算してみましょう。東京都水道局の料金で口径20ミリメートルとして1カ月の水道代をシミュレーションすると、4,863円と計算できます。

区分 水道代
水道料金 基本料金 1,170円
従量料金 5立方メートル×0円=0円
5立方メートル×22円=110円
10立方メートル×128円=1,280円
合計(税込) 2,695円
下水道料金 基本料金 560円(8立方メートルまで)
従量料金 12立方メートル×110円=1,320円
合計(税込) 2,068円
合計(税込) 4,763円

なお、水道代は地域管轄の水道局や水道企業団が管理しており、地域によって経費などに差があることから料金設定が異なります。

水道代の請求は2カ月に1回

一般的に、水道代は2カ月に1回検針され、2カ月分をまとめて請求されます。検針にかかる人件費や郵送料などの経費を削減することで、水道料金を抑えることが主な目的です。

2カ月続けて水道を20立方メートル使用したと仮定して先ほどの例で試算すると、1回あたりの支払金額は9,526円(4,763円×2カ月分)と算出できます。

ただし、お住まいの地域によっては毎月検針・請求が行われる場合や、毎月請求に変更できる場合もあるため、ホームページなどで確認しましょう。

水道代の主な支払方法は、以下のとおりです。

  • 口座振替
  • 納入通知書(金融機関窓口、コンビニ、キャッシュレス決済など)
  • クレジットカード

水道代が高い原因

「水道代が急に高くなった気がする」「平均よりも水道代が高い」と感じている方もいるでしょう。

水道代が高くなる原因として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 水道代が値上げされた
  • 水の使用量が増えた
  • 水漏れやメーターの故障が起きた

1 水道代が値上げされた

「水道代が以前よりも高くなった」と感じている場合、原因として水道代の値上がりが考えられます。水道代が値上げされる主な原因は以下のとおりです。

  • 水道施設の老朽化
  • 人口減少
  • 物価高騰

各地の水道施設は、高度経済成長期(40~60年前)に整備されたものが多く、老朽化が進んでいます。災害リスクの懸念から耐震化などの対応も求められるなか、物価高騰の影響で施設の更新にかかる費用が増加傾向にあります。

他方で、人口が減少し続けている日本では、水需要の減少に伴い収入が減っていく見込みです。

こうした状況を踏まえ、各地で水道代の値上げが行われています。

2 水の使用量が増えた

家族構成やライフスタイルが変わったことで水道の使用量が増え、水道代が高くなっていることも考えられます。

たとえば、子どもが生まれて家族が増えると、水道の使用量は増えるのが一般的です。「子どもが部活動に入り洗濯量が増えた」、「子どもがお風呂の際にシャワーを出しっぱなしにしている」などのケースも考えられます。

また、リモートワークなどで在宅時間が増えると、水道の使用量も増えやすくなるでしょう。

世帯人数に応じた平均よりもご家庭の水道代が高いと感じるなら、水の使い方を見直すことで毎月の負担を抑えられる可能性があります。

3 水漏れやメーターの故障が起きた

水をたくさん使っていないはずなのに水道代が高い場合、水漏れしている可能性があります。高額な水道代がかかることもあるため、異常がないか点検しましょう。

  • 蛇口からぽたぽたと水が落ちていないか
  • 水の出る音がしていないか
  • 住居内で湿っているところがないか
  • トイレの水面が波打っていないか

東京都水道局によれば、貯留水が多いタイプの洋式トイレで水漏れが起きると、約6万9000円もの水道代(水漏れ分)がかかることもあります。

なお、水漏れが起きていないかどうかは、水道メーターでも確認が可能です。水を使っていないにもかかわらず、水道メーターの「パイロット」という部分が回転または点滅していれば、水道メーターから蛇口までのどこかで水漏れしている可能性があります。

また、水道メーターが異常に多い水量を示している場合、床下で水漏れが起きている可能性があるため、修理の依頼が必要です。

【お風呂編】水道代を節約するポイント

【お風呂編】水道代を節約するポイント

東京都水道局が行った調査によると、家庭で最も水が使われているのはお風呂で、全体の43%を占めます(※1)。

お風呂での使用水量を減らせば、水道代を大きく節約できる可能性があります。主な節約ポイントは以下のとおりです。

  • シャワーを出しっぱなしにしない
  • 浴槽の湯量を調整する
  • 残り湯を再利用する

シャワーを3分間出しっぱなしにすると、約36リットルの水を使用します。使わないときはこまめに水を止める習慣をつけましょう。節水シャワーヘッドを使うのも手段のひとつです。

また、浴槽の湯量が必要以上に多くないかどうかも確認しましょう。一般家庭の浴槽に入る湯量は、約200リットルです。仮に、湯量の設定を200リットル(浴槽の9割程度)から180リットル(浴槽の8割程度)に変えれば、1カ月で600リットルの節水になります(30日間で計算)。

残り湯をすぐに捨てず、洗濯や掃除などに再利用することも効果的です。

(※1)出典:東京都水道局「令和3年度 一般家庭水使用目的別実態調査

【キッチン編】水道代を節約するポイント

キッチンで水道代を節約するためには、食材や食器、調理道具などを洗うときに水の使いすぎをどれだけ減らせるかが重要です。具体的には、以下のようなポイントを意識してみてください。

  • 食材や食器を洗う際に水を出しっぱなしにしない
  • ゆで汁や米のとぎ汁で予洗いする
  • 汚れを拭き取ってから洗う
  • 汚れがつきにくい食器を使う
  • 節水型の蛇口やタッチレス水栓を使用する

食器を洗う際は、水を止めた状態で汚れを落とし、まとめてすすぐようにしましょう。調理で使ったゆで汁や米のとぎ汁を取っておき、予洗いに使うことも効果的です。

また、節水型の蛇口や、手や物をかざすと自動で吐水・止水する「タッチレス水栓」の利用も節水につながります。

【洗濯編】水道代を節約するポイント

洗濯は、1回で使う水の量が多い傾向があるため、使い方を見直すことで水道代の節約につながります。主な節約ポイントは、以下のとおりです。

  • お風呂の残り湯で洗濯する
  • 節水機能のついた洗濯機に買い替える
  • まとめて洗濯する

国土交通省によると、お風呂の残り湯を洗濯に再利用すれば1回で約50リットルの節水になり、水道代が1カ月約500円安くなります(平均的な4人家族の世帯)。

また、洗濯は1回で多くの水を使用するため、少量を頻繁に洗濯するよりもある程度まとめて洗濯したほうが節水できる傾向があります。

【トイレ・洗面所】の水道代を節約するポイント

トイレや洗面所は1日何度も利用する場所であるため、特に世帯人数が多い家庭では大きな節水効果が期待できます。東京都水道局によれば、家庭での水の使用割合はお風呂に次いでトイレが多く、20%を占めます。

トイレや洗面所では、以下のポイントを意識してみてください。%を占めます。

  • トイレの大小レバーを使い分ける
  • 節水型トイレを使用する
  • 水をこまめに止める

トイレでいつも「大」のレバーを使用している方は、大と小をしっかり使い分けることが大切です。小レバーは、大レバーと比べて約2リットル節水できます。

また、歯を磨くときや洗顔時は、水を出しっぱなしにしないように気をつけましょう。東京都水道局によると、蛇口を30秒間出しっぱなしにしただけで約6リットルの水が流れます。

水道代の滞納・払い忘れで起こること

水道代を一定期間払わないでいると、以下のようなことが起こります。

  • 延滞金・遅延損害金が発生する
  • 水道が止められる
  • 財産を差し押さえられる

水道が止められると、お風呂や洗面所、トイレなどが使えなくなるため、生活に大きな影響が生じるでしょう。また、延滞金・遅延損害金は、支払期日の翌日から経過日数に応じて発生するため、支払いが遅れるほど負担が重くなります。

水道代の滞納や払い忘れが起きないように十分に注意しましょう。

光熱費を抑えたいなら電力・ガス会社の見直しも検討しよう

水道代のように毎月必ず発生する固定費は、一度見直して安くなればその後も継続的に負担を抑えられるため、家計の節約に効果的です。

光熱費のうち、水道はお住まいの地域を管轄する水道局などに申し込みますが、電力やガスは契約先を自由に選べます。

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まとめ

1カ月の水道代は平均4,048円です。ただし、世帯人数によって使用水量が異なるため、水道代にも違いが生じます。

水道代には、「水道料金」と「下水道料金」があり、それぞれ定額で支払う「基本料金」と使用量に応じて支払う「従量料金」で構成されています。自治体によって異なりますが、2カ月ごとに請求されるのが一般的です。

水道代の決まり方や節水のポイントを抑えて、毎月の光熱費を節約しましょう。また、光熱費を抑えたい方は、電力・ガス会社を見直すことも効果的です。

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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。