炊飯器の電気代はいくら?保温と電子レンジ解凍の比較や節約方法も解説

炊飯器は、毎日のように使う家電製品のひとつです。使用頻度が高いため、「電気代がかさんでいるのでは」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
1回の炊飯にかかる電気代は3~6円程度ですが、機種や使い方によっても異なります。
本記事では、炊飯器にかかる電気代の目安と節約するポイントを解説します。保温機能を使う場合と冷凍ごはんを電子レンジで解凍する場合の電気代の違いも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
炊飯器の電気代は安い?
経済産業省によると、炊飯器の電気代は年間平均2,277円であり、一般的にそれほど高くはありません(2025年1月1日)(※1)。ただし、これはIH炊飯器(5.5合以上8合未満)の年間電気代の平均値であり、実際には加熱方式や機種などによって異なります。
炊飯器は、加熱方式によって以下の3種類に分類され、このうちマイコン方式は、IH方式と比べて消費電力が低い傾向があります。
- IH炊飯器
- 圧力IH炊飯器
- マイコン炊飯器
(※1)出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ型製品情報サイト「2025年1月1日 省エネ性能カタログ電子版 アーカイブ」
IH炊飯器
現在の炊飯器の主流は、IH炊飯器です。コイルによる磁力線の働き(電磁誘導加熱)で内釜を発熱させ、高火力で一気に加熱します。
内釜そのものが発熱するため、底だけでなく、内釜全体が均一に温まることが特徴です。炊き上がりにムラが出にくく、ふっくらと炊き上がります。
圧力IH炊飯器
圧力IH炊飯器は、IHによる加熱と圧力炊飯を組み合わせた方式です。内釜を密閉して圧力をかけることで沸点を高め、高温で加熱します。
お米の旨みや甘みがしっかり引き出され、もっちりとした食感に炊き上がるのが特徴です。保温性能にも優れていますが、本体価格が高い傾向にあります。
マイコン炊飯器
マイコン炊飯器は、炊飯器本体の底にあるヒーターの熱によって内釜を直接加熱する方式です。
IHと比べると火力がやや弱く、性能は劣るものの本体価格が安いため、炊飯器自体の価格を重視する方に向いています。
炊飯器の電気代を計算する方法
炊飯器の電気代は、以下の計算式で求められます。
電気代=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気代単価(円/kWh)
消費電力がワット(W)で表示されている場合は、1,000で割ってキロワット(kW)を求めたうえで計算しましょう。消費電力の目安は、炊飯器の商品ラベルやカタログなどで確認できます。
消費電力から電気代を計算する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
ワット数の計算方法は?アンペアやボルトとの違い、電気代節約につなげる方法も解説
IH・マイコン炊飯器で1回炊飯した場合の電気代
IH炊飯器・マイコン炊飯器で1回炊飯した場合の電気代を比較してみましょう。電気代単価は、31円/kWh(※2)で試算しています。
炊飯器の容量 | IH炊飯器(※3) | マイコン炊飯器(※3) |
---|---|---|
3合以上5.5合未満 | 約3.78円 | 約3.00円 |
5.5合以上8合未満 | 約5.04円 | 約4.48円 |
10合以上 | 約6.60円 | 約6.41円 |
あくまでも試算ですが、マイコン炊飯器の電気代はIH炊飯器と比べてやや安いことがわかります。
(※2)31円/kWhは、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が算出した目安単価です(2022年7月22日改定)。
(※3)経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」(2025年1月1日)の炊飯時(Wh/回)の消費電力量の平均値で試算しています。
【IH炊飯器】3合以上5.5合未満:121.8Wh、5.5合以上8合未満:162.5Wh、10合以上:212.8Wh
【マイコン炊飯器】3合以上5.5合未満:96.815Wh、5.5合以上8合未満:144.544Wh、10合以上:206.7Wh
炊飯器を保温した場合の電気代
炊飯器の保温機能を使った場合の電気代が気になる方もいるのではないでしょうか。IH炊飯器・マイコン炊飯器で1時間保温した場合の電気代の目安は、それぞれ以下のとおりです(31円/kWhで試算)(※4)。
炊飯器の容量 | IH炊飯器で1時間保温した場合 | マイコン炊飯器で1時間保温した場合 |
---|---|---|
3合以上5.5合未満 | 約0.43円 | 約0.34円 |
5.5合以上8合未満 | 約0.52円 | 約0.51円 |
10合以上 | 約0.68円 | 約0.71円 |
保温時の消費電力は、一般的に炊飯時よりも小さいため、電気代の負担も少なく済みます。
(※4)経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」(2025年1月1日)の保温時の消費電力量(Wh/h)の平均値で試算しています。
【IH炊飯器】3合以上5.5合未満:13.9518Wh、5.5合以上8合未満:16.70Wh、10合以上:22.07Wh
【マイコン炊飯器】3合以上5.5合未満:11.1148Wh、5.5合以上8合未満:16.5Wh、10合以上:23.0Wh
炊飯器で1日(24時間)保温をつけっぱなしにした場合の電気代
1時間保温した場合の電気代は高くありませんが、長時間保温をつけっぱなしにするとどうなるのでしょうか。
炊飯器(5.5合以上8合未満)で保温を6時間・12時間・24時間つけっぱなしにした場合の電気代は、それぞれ以下のとおりです(31円/kWhで試算)。
保温時間 | IH炊飯器 | マイコン炊飯器 |
---|---|---|
6時間 | 約3.12円 | 約3.06円 |
12時間 | 約6.24円 | 約6.12円 |
24時間 | 約12.48円 | 約12.24円 |
「炊飯器で保温」と「冷凍後に電子レンジで解凍」をした場合の電気代の比較
保温中も電力を消費するため、電気代がかかります。炊飯器で保温した場合と、冷凍したご飯を電子レンジで解凍した場合の電気代を比較してみましょう。
条件 | 電気代 |
---|---|
IH炊飯器(5.5合以上8合未満)で保温した場合 | 3時間保温:約1.53円 6時間保温:約3.06円 |
電子レンジで2分加熱した場合 | 500W:約0.52円 1,500W:約1.55円 |
消費電力や保温時間、電子レンジの加熱時間などによって変わってくるため、一概にどちらが安いとは言えません。しかし、炊飯器で長時間保温すると、冷凍ごはんを電子レンジで解凍する場合と比べて電気代が高くなる傾向にあることがわかります。
目安として、保温時間が3~4時間を超える場合は、ご飯を冷凍しておき、電子レンジで解凍するほうが良いでしょう。
炊飯器の1カ月・1年あたりの電気代
資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ 電子版」では、炊飯器の年間電気代(平均値)が公表されています。/kWhで試算)(※4)。
炊飯器の容量 | IH炊飯器 | マイコン炊飯器 |
---|---|---|
3合以上5.5合未満 | 1,378円 | 1,071円 |
5.5合以上8合未満 | 2,277円 | 2,056円 |
10合以上 | 3,519円 | 3,488円 |
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「2025年1月1日 省エネ性能カタログ電子版子版 アーカイブ」
年間電気代を12で割って1カ月あたりの電気代に換算すると、それぞれ以下のとおりです。
炊飯器の容量 | IH炊飯器 | マイコン炊飯器 |
---|---|---|
3合以上5.5合未満 | 約114.83円 | 約89.25円 |
5.5合以上8合未満 | 約189.75円 | 約171.33円 |
10合以上 | 約293.25円 | 約290.67円 |
炊飯器の電気代を節約する方法

炊飯器の電気代は年間2,000円程度であり、それほど負担は大きくありません。
しかし、炊飯器は毎日のように使うため、なるべく電気代を抑えたいと考えている方もいるでしょう。以下のポイントを意識して炊飯器の使い方を工夫すれば、電気代を抑えられる可能性があります。
- 長時間保温しない
- まとめ炊きで炊飯回数を減らす
- エコモードやタイマー機能を活用する
- 使わないときはプラグを抜く
- 最新の省エネ性能が優れた炊飯器に買い替える
1 長時間保温しない
保温中も電力を消費するため、長時間保温をつけっぱなしにすると電気代がかさみます。
前述のとおり、3~4時間以上保温するなら、ご飯を冷凍しておき、電子レンジで解凍するのが望ましいでしょう。
長時間保温すると電気代が高くなりやすいだけでなく、ご飯の風味が悪くなる、または変色やにおいの原因にもなります。
2 まとめ炊きで炊飯回数を減らす
同じ炊飯器を使用する場合、炊く量を変えても電気代に大きな差は生じません。そのため、まとめて炊いて炊飯回数を減らしたほうが経済的です。
まとめ炊きしてすぐに冷凍すれば、保温時間も短縮できます。
3 エコモードやタイマー機能を活用する
炊飯器によっては、「エコモード」が搭載されている場合があります。消費電力を抑えて炊飯してくれるため、電気代を抑えられる可能性があります。ただし、やや硬めに炊き上がることがあるため、まずは少量の炊飯から試してみると良いでしょう。
また、タイマー機能を活用し、食べる時間にあわせて炊き上がるように予約すれば、保温時間を短縮できます。
4 使わないときはプラグを抜く
コンセントに炊飯器のプラグを挿したままにしていると、炊飯器を使っていなくても待機電力が発生します。
待機電力とは、コンセントに接続された家電製品が使用されていない状態で消費する電力のことです。
炊飯器で1日に7時間保温してプラグを差したままの場合と、保温せずにプラグを抜いた場合では、年間の電気代に約1,240円の差が生じます。
5 最新の省エネ性能が優れた炊飯器に買い替える
炊飯器を長期間使っている方は、買い替えも検討しましょう。近年の家電製品は省エネ性能に優れているため、最新の機種に買い替えることで電気代を節約できる場合があります。
省エネ性能は、カタログや製品本体などに表示される省エネルギーラベル(省エネ基準達成率などを示したもの)や統一省エネラベル(省エネルギー性能を星の数で表したもの)で確認できます。
電力会社や料金プランの見直しでも電気代を節約できる
炊飯器の消費電力はそれほど大きくないため、使い方の見直しによって得られる節約の効果は限定的です。さらに電気代の負担を抑えたい方は、電力会社や料金プランの見直しを行いましょう。
2016年の電力自由化以降、電力会社や料金プランの選択肢が増えています。電力会社によって電気代の決まり方が異なるため、乗り換えやプランの変更で電気代を節約できる可能性があります。
毎月の電気代は、固定で発生する「基本料金」と使用電力量に応じた「電力量料金」、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を合計した金額です。ただし、基本料金が0円のプランや時間帯や曜日などで電力料金の単価が変わるプランなど、各電力会社が様々な料金体系を採用しています。
複数の電力会社・料金プランを比較し、ご自身にあうものを選びましょう。
まとめ
炊飯器は炊飯時に電力を多く消費するため、炊飯回数を減らすことが節約のポイントです。
保温時の電気代は短時間であれば気になるほどではありませんが、長時間保温すればそれだけ消費電力も大きくなります。風味の悪化にもつながるため、長時間の保温は避けましょう。
ただし、炊飯器は長時間稼働する家電製品ではないため、使い方を見直しで得られる節約の効果はそれほど大きくありません。電気代を節約したい方は、電力会社や料金プランを見直すのがおすすめです。
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