本籍とは戸籍の所在地のこと

本籍とは、日本人の戸籍の所在地のことです。戸籍を置いている場所を、本籍地と呼びます。

本籍と住所は混同されやすいですが、別の意味を持つ言葉なので、それぞれの意味を正しく理解しましょう。

本籍は戸籍のある場所であり、住所は生活の本拠地を指すものです。つまり、本籍と住所は必ずしも一致しません。

住所は、現在住んでいる場所を届け出る必要がありますが、本籍は日本の地番があるところならどこに置いてもいいとされています。なお、本籍を設定する際は住居番号(○号)や部屋番号、マンション名などは含まれません。

戸籍の筆頭者とは

戸籍は、本籍と筆頭者氏名で表示されます。筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人のことです。

筆頭者は死亡しても変わりません。結婚した際、夫の苗字を名乗ることにしたら夫が、妻の苗字を名乗ることにしたら妻が戸籍の筆頭者となります。

本籍がわからない場合の調べ方

本籍がわからない場合の調べ方

本籍は日本のどこに置いてもいいので、戸籍がつくられてから変更されていないケースも多いです。そのため、自分の本籍がどこに設定されているのか、わからない方も少なくありません。

本籍を調べたいときは、以下の方法で調べてみてください。

①マイナポータルで確認する
②役所で住民票を取得する
③コンビニ交付で住民票を取得する
④運転免許証で確認する

①マイナポータルで確認する

本籍の市区町村がどこになっているかは、行政手続きのオンライン窓口であるマイナポータルで確認できます。

マイナポータルトップページにある「その他のわたしの情報」の「世帯・戸籍情報」から「戸籍関係情報」を取得できるため、本籍を調べたいときは確認してみてください。

戸籍関係情報として表示されるのは、本籍コードです。総務省のホームページで都道府県コードと市区町村コードが公表されているので、照らしあわせて一致する自治体を探しましょう。一致する自治体があれば、本籍地市区町村とわかります。

例えば、2024年1月に更新されたコード一覧表を見ると、東京都新宿区は「131041」、大阪府大阪市は「271004」です。

②役所で住民票を取得する

役所で住民票を取得すると、本籍地を確認できます。住民登録地で、本籍地記載の住民票を請求しましょう。住民票取得時には、本人確認書類と交付手数料が必要です。

なお、本人であっても役所の窓口や電話で本籍地を照会することはできません。

③コンビニ交付で住民票を取得する

市区町村が対応していれば、コンビニ交付で住民票を取得して本籍地を確認できます。

コンビニ交付は、マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード、あるいはスマートフォン用電子証明書を搭載ずみのスマートフォンを利用して、市区町村が発行する証明書を全国のコンビニで取得できるサービスです。

コンビニ交付を利用すれば、キオスク端末(マルチコピー機)を使って証明書を取得できます。住んでいる市区町村でコンビニ交付サービスを提供しているかどうかは、コンビニ交付の公式サイトの「利用できる市区町村」から確認できます。

コンビニ交付は市区町村窓口が閉まっている日時にも利用できるので、平日役所に行けない場合にも利用を検討してみてください。

④運転免許証で確認する

運転免許証のICチップに記録された本籍情報を、免許センターや警察署に設置されている読み取り装置を使って確認できます。

2008年までは運転免許証に本籍が記載されていましたが、IC化したことで券面には記載されなくなりました。今は本籍などの情報はICチップに記録されているので、免許センターや警察署に設置されている読み取り用の端末で内容を確認します。

ICチップの内容確認には、免許交付時に設定した暗証番号が必要です。暗証番号を忘れた場合は、本人が免許証を持参したうえで運転免許センターや警察署の運転免許窓口で照会する必要があります。

本籍変更のタイミング

本籍変更のタイミング

本籍は、日本全国のどこに何回移しても問題ありません。届出をすれば、好きなタイミングで変更できます。

以下では、一般的に本籍を変更すべきと考えられている婚姻届提出時と引越し時に、変更すべきかを解説します。

婚姻届提出時には新しい本籍を決める

婚姻届を提出する際は、夫婦2人の新しい本籍を決める必要があります。

婚姻届には、夫になる人と妻になる人それぞれの現在の本籍を書く欄があります。それとは別に、婚姻後の夫婦の氏と新しい本籍の記入も必要です。

日本の戸籍は夫婦と未婚の子が1つの単位となるため、今まで親の戸籍に在籍していた状態であれば、結婚する際に親の戸籍から除籍されて新しい戸籍をつくることになります。

将来のことも考えながら、夫婦2人の新しい本籍を決める必要があります。夫の実家の住所や2人の新居の住所などを本籍にするケースが多いですが、特に決まりはなくどこでも設定できるので、話し合って決めましょう。

引越し時に本籍変更は不要

引越しの際に本籍を変更しなければならないのか疑問に思う方も多いですが、引越し時の本籍変更義務はありません。

本籍は実際に住んでいる場所ではないので、引越しに伴って変更する必要はありません。引越し時に本籍変更をするかどうかは、後ほど紹介するポイントを考慮して決めると良いでしょう。

引越し時に必要な手続きについては、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。

引越しで住所変更が必要なものは?各種手続きのポイントを解説

転出届の提出は引越し後でも大丈夫?提出期限や方法、転入届との違いを解説

転居届とは?転出・転入届との違いや引越しに伴う役所・郵便局の手続きを解説

本籍を変更する前に知っておきたい2つのポイント

本籍を変更するなら、知っておきたいポイントが2つあります。本籍変更によって発生する手続きと、本籍の変更に伴うデメリットが軽減されたことです。それぞれ詳しく解説します。

本籍変更後は免許証やパスポートの変更手続きが必要

本籍を変更した場合、免許証やパスポートなどの変更手続きも必要です。いずれも、本籍を変更したら記載事項の変更手続きをしなければならないと決められています。

免許証の変更手続きは警察署や運転免許更新センター、運転免許試験場などで行います。パスポートの変更手続きは、各都道府県にあるパスポート申請窓口で行ってください。

また、医師や歯科医師、臨床検査技師、看護師、助産師、保健師などの免許証を持っている場合も、本籍の変更に伴って変更手続きが必要です。医師や看護師などの免許の変更手続きは、住所地の保健所に申請書類を提出することで行えます。

戸籍謄本等の広域交付により本籍変更のデメリットは大きく軽減

2024年2月までは、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等の請求は本籍地で行わなければいけませんでした。これによって大きなデメリットが発生していたのが、相続時です。

相続の際は、亡くなった方の戸籍謄本や除籍謄本を、生まれてから亡くなるまでの全期間分そろえなければなりませんでした。いくつもの役所の窓口を訪れなければならなかったり、何ヶ所にも郵送請求し届くまでに時間がかかったりするデメリットが生じていました。

しかし、2024年3月に戸籍謄本等の広域交付ができるようになったことで、本籍変更により発生していた従来のデメリットは大きく軽減されました。

本籍地以外の市区町村窓口で、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)等の請求ができるようになったため、亡くなった方が何度も本籍地を変更していた場合でも1か所でまとめて受け取れるようになったのです。

本人や配偶者だけでなく、父母や祖父母、子や孫が広域交付で請求できるので、相続時も利用可能です。

本籍地でなければ取得できない個人事項証明書(抄本)のような書類もありますが、「本籍を変更すると戸籍謄本取得時が面倒」という従来のデメリットは大きく軽減されました。

本籍を変更する手続き方法

本籍を変更する際の手続き方法は、主に転籍と分籍の2種類があります。当てはまるケースを確認したうえで、それぞれの手続き方法を確認しましょう。

転籍する場合

本籍を移転する場合は、転籍手続きを行うことになります。

転籍の手続きをすると、戸籍に記載されている全員が移転します。戸籍に在籍している一部の方だけの移動はできないため、注意してください。

転籍する場合は、転籍する人の本籍地もしくは新しい本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場で手続きが必要です。届出人は、戸籍の筆頭者とその配偶者となります。

手続きの際は、転居届が必要です。様式は全国共通で、市区町村のホームページからダウンロードできます。2024年3月から戸籍証明書等の添付が不要になりましたが、本人確認書類の提出が求められる場合があるため持参してください。

分籍する場合

戸籍の筆頭者や配偶者以外の方の本籍だけを移す場合は、分籍の手続きをすることになります。現在の戸籍から分かれ、自己の単独の戸籍をつくる場合に分籍手続きをします。

分籍は戸籍を分けるだけなので、親族関係に変化はありません。ただし、一度分籍すると、氏を同じくしたまま元の戸籍には戻れないため注意しましょう。

分籍の届出先は本籍地または新本籍地、届出人の所在地のいずれかです。分籍できるのは18歳以上の成人のみで、届出は分籍する本人が行うことになります。

手続きの際は、分籍届の提出が必要です。全国共通の様式で、市区町村のホームページからダウンロードできます。2024年3月から戸籍証明書等の添付が不要になりましたが、本人確認書類は必要なので、忘れずに持参してください。

婚姻届を提出する場合、本籍変更手続きは不要

結婚に伴って親の戸籍から抜け、夫婦の戸籍を新たにつくるタイミングがはじめての戸籍変更となるケースは多いです。婚姻届には新しい本籍を記載する欄があるため、別途本籍の変更手続きを行う必要はありません。

婚姻届で夫の氏または妻の氏を選び、新本籍となる場所を記載します。本籍の表記は「○丁目○番地」のように正確に記入し、「○号」や「〜〜マンション○号室」のような部屋番号は不要です。

まとめ

本籍は、いつでも好きなタイミングで任意の場所に変更できます。

引越し時に変更する義務はありませんが、変更する場合はポイントを確認したうえで必要な手続きを行いましょう。なお、本籍を変更すると、運転免許証などの書類の変更手続きも必要なので、忘れないようにしてください。

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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。