LED照明の電気代はどのくらい?蛍光灯との比較や節約のポイントを解説

LEDは、電気代を抑える効果的な照明器具として注目されています。LEDの消費電力は少なく、蛍光灯や白熱電球に比べてランニングコストを大幅に削減できる点がメリットです。
ただし、LEDは一般的な照明と比較すると購入コストは高い傾向にあります。初期費用が高いため、「本当に節約になるのか」と気になる人もいるでしょう。
本記事では、LED照明を使用した場合の電気代やメリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、効果的に節約するためのポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
LEDとは?
LEDとは、「発光ダイオード」を光源に使用した照明器具です。発光ダイオードは半導体のひとつであり、電気を流すことで光を発する性質をもっています。
本来、LEDは指光性が高くスポット的に照らすのに適しています。しかし、最近では明るさや色を調節する技術の発展により、拡散光としても使用可能になりました。
ほかにも、LEDには以下のような特徴があります。
- 省電力
- 長寿命
- 環境性
蛍光灯などの一般的な電球と比較すると消費電力が少ないため、電気代の節約に効果的です。そして、電球自体が長持ちするので、電球を交換する手間を減らせます。
なお、LEDは省エネルギーで排出するCO2が少なく、環境負荷物質である有害な水銀を含んでいないため、環境にやさしい点でも評価されています。
LED照明の電気代
照明の1時間あたりの電気代は、以下の計算式で算出します。
- 1時間あたりの電気代=消費電力(kW)×電気代単価(31円/kWh)(※1)
リビングなどのLEDシーリングライトを使用した場合の1時間・1カ月・1年の電気代は、以下のとおりです。
1時間の電気代 | 1.05円 |
1カ月(6時間/日×30日)の電気代 | 189円 |
1年間(6時間/日×365日)の電気代 | 2,299円 |
LEDシーリングライトは、天井に取り付けるタイプの照明器具で、薄型でコンパクトな点が特徴です。
なお、日当たりが良く日中は照明をつける必要がない場合や、仕事などで家にいない時間が長い場合など、それぞれのライフスタイルによって実際にかかる電気代は異なります。
電気料金の計算方法について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
電気料金の計算方法は?料金の決まり方を知って効果的に節約しよう
(※1)電気代単価31円/kWh(税込)は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表した電気代の目安単価で、主要電力会社10社の平均単価です。
蛍光灯との比較
LED・蛍光灯のそれぞれの特徴と電気代の比較は以下のとおりです。
LED | 蛍光灯 | |
---|---|---|
消費電力(W) | 約34W | 約68W |
年間電気代 (6時間/日×365日) |
2,299円 | 4,599円 |
寿命 | 40,000時間 | 6,000時間 |
購入コスト | 高価 | 安価 |
購入の可能性 | 幅広く流通する | 将来的に購入できなくなる |
蛍光灯に比べると、LEDの方の寿命が長く消費電力が少ないため、長く使用するほどコストパフォーマンスが高くなります。LEDの年間の電気代は、蛍光灯の約半分です。
LEDの本体価格は高値ですが、交換の頻度を考慮すると、結果として蛍光灯よりもLEDの方が経済的といえます。
また、環境保全の観点から、蛍光灯の製造・輸出入は段階的に廃止されることが決定しています。環境性の高さにおいてもLEDは優れているため、今後も普及が進むでしょう。
LED照明のメリット
LEDは、省エネルギーだけでなく、長寿命や環境性が高い点など様々なメリットがあります。LEDの5つのメリットについて、詳しく説明します。
1 消費電力が少ない
経済産業省の2018年度電力需給対策広報調査事業によると、家電別の電力消費割合はエアコン・冷蔵庫に次いで、照明は3番目に大きいとの結果が出ています。つまり、照明にかかる電気代を抑えれば、家庭全体の電気代を節約するのに効果が期待できます。
LEDの消費電力は、蛍光灯の約2分の1、白熱電球の約6分の1であり、大幅に電気代を抑えることが可能です。
さらに、従来の電球と比べて明るさは同じであるため、快適な空間を維持できます。特にリビングやダイニングなど長時間照明を使用する部屋では、電気代の節約効果が大きいでしょう。
消費電力について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
消費電力の意味は?求め方や抑え方、電化製品を使う際の節約方法を紹介
2 寿命が長い
LEDの主なメリットのひとつに「長寿命」である点が挙げられます。一般的な電球と比較すると、LEDの寿命は約40倍です。
定格寿命40,000時間のLEDの場合、計算上では1日10時間点灯しても10年以上使用できます。使用環境や条件によって実際の寿命は異なりますが、長い目で見るとコスパが良いといえるでしょう。
寿命が長いと、頻繁な電球交換が不要な点がメリットです。たとえば、高い天井に設置された照明の交換作業は大変ですが、LEDを使用すれば交換の手間を大幅に減らせます。
一般的な電球よりも購入価格は高いですが、電気代や交換頻度を考慮すると経済的です。
3 発熱量が少ない
LEDの光源は、発光効果を保ちつつ、ほとんど熱をもちません。従来の電球の場合、光源の熱によって室内の温度が上昇し、空調設備の稼働効率に影響を与えるケースがあります。
一般的な家庭において、最も消費電力の大きい家電は「エアコン」です。夏など外気温が高い季節に、発熱量の多い電球を使用すると、室内の温度が下がりにくく余計な消費エネルギーを費やします。
発熱量の少ないLEDであれば、夏場のエアコンを効率的に稼働させる効果が期待できます。照明にかかる電気代だけでなく、エアコンの電気代の節約にもつながるでしょう。
エアコンの電気代について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
エアコンの電気代はどれくらい?つけっぱなしは節約になる?計算方法や節電方法を解説
4 紫外線の放出が少ない
LED照明は、紫外線の放出が少ない点が特徴です。紫外線が少ないことによるメリットとして、「虫が寄り付きにくくなる」点が挙げられます。
暑い季節など窓を開けることが多い時期には、虫の侵入を減らして、清潔で快適な居住空間を保つことが可能です。
また、人が出入りする玄関の照明をLEDに変えれば、開閉時に虫が入ってくるのを防ぎやすくなるでしょう。
5 環境にやさしい
LEDは、環境への負荷が少ない照明器具として注目されています。使用時の消費電力が少なく寿命が長いため、CO2の排出量を削減する効果が期待できます。
約4年半の間24時間点灯する場合、一般的な蛍光灯と比べて、LED照明を使用すると約71%のCO2排出量を削減できます。
また、LEDは水銀・鉛・カドミウムなどの有害物質を含んでいないため、廃棄処理が容易である点も特徴です。
LED照明のデメリット
LED照明は、「購入コストが高い」点や「環境によっては使用できないケースがある」点がデメリットとして挙げられます。メリットとデメリットの両面を把握したうえで、LED照明の導入を検討してください。
1 購入コストが高い
LEDは、蛍光灯や白熱電球などと比較すると、本体価格が高い傾向にあります。初期費用が高いと、購入するのに抵抗を感じる人もいるでしょう。
ただし、LEDは消費電力が少なく、寿命が長い点が特徴です。結果として、電気代や交換頻度を減らせるため、長期的にみると蛍光灯や白熱電球よりもコスパが良い可能性があります。
2 状況や環境によっては使用できない
LEDは、設置する状況や環境によって使用できない場合があるので注意が必要です。たとえば、一部の製品は、浴室や結露が生じる環境では使えないケースがあります。
また、照明器具自体を買い替えずに電球だけLEDに交換する場合、その照明器具にLEDが対応可能かどうかを必ず確認しましょう。LEDが適さない状況や環境は、予想外の事故・故障の原因となるため、正しく使用してください。
LED照明で節約するためのポイント

LED照明を導入するだけでも、電気代を抑える効果が期待できます。さらに、節約に効果的な使い方をすることで、効率良く電気代を抑えられるでしょう。
家庭で簡単に実践できる4つのポイントを解説するため、ぜひ参考してください。
1 点灯時間を短くする
照明の電気代を抑えるうえで、効果的な節約方法として「点灯時間を短くする」ことが挙げられます。特に、LEDはオン・オフのスイッチの繰り返しに強いため、こまめな消灯が適しています。
たとえば、日中は自然光を活用したり、家族がリビングにいる間はほかの部屋の照明は消したり、照明の使い方を工夫しましょう。
2 調光機能や人感センサーを活用する
LEDには、室外の明るさに応じて調光する機能や、人の動きによって点灯・消灯する人感センサーが付いた製品があります。調光機能や人感センサーを活用することで、余計な電力消費を防ぎ、自分で調整する手間を省けます。
たとえば、廊下や玄関に人感センサー付きのLED照明を設置すると、必要なタイミングで点灯するため効率的です。また、調光機能を使えば、寝る前には光を抑え、作業するときには明るくなるなど、生活のシーンにあわせて最適な明るさを保てます。
3 照明器具をこまめに掃除する
LEDでより効果的に節電するには、定期的な掃除が重要です。照明自体が汚れていると、明るさが低下して必要以上の電力を消費する可能性があります。
特に、キッチンやダイニングの照明は、使用頻度が多く油や埃によって汚れやすいため、こまめに掃除することを意識しましょう。
普段は、化学モップや帯電式のハタキで埃を取ってお手入れします。汚れがたまったら、水に浸して固く絞った雑巾で拭き取りましょう。住居用洗剤などを使って拭き掃除をするのも効果的です。
4 電力会社を見直す
照明にかかる電気代だけでなく、家庭全体の電気代を抑えるなら、契約している電力会社やプランを見直しましょう。
2016年より、消費者が電力会社や料金プランを自由に選択できるようになりました。たとえば、割引サービスやポイント還元制度などが充実した電力会社・契約プランを選択することで、電気代の削減が期待できます。
電力会社が提供する「シミュレーション機能」などを活用し、自分のライフスタイルにあう契約プランを検討してください。
電力会社の選び方について、詳しくは以下の記事でも解説しています。
まとめ
LEDは蛍光灯などの一般的な電球と比べて、省エネ・長寿命などの点で優れており、電気代の節約に適しています。購入コストは高い傾向にありますが、長い目で見ると経済的な効果は大きいといえます。
家庭の電気代を抑えるなら、照明をLEDに取り替えるだけでなく、電力会社や契約プランも見直しましょう。
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