照明機器の電力消費量は多い

環境省の2021年度「家庭部門のCO2排出実態調査事業委託業務報告書」によると、家庭においてエアコン・冷蔵庫に次いで消費電力量が多いのが「照明機器」です。家庭全体の消費電力量のうち、照明機器は13.5%を占めています。

家庭において、照明にかかる電気代は決して少なくありません。そのため、日ごろから照明の使い方や選び方を意識して、電気代を効果的に削減することが大切です。

【種類別】電気をつけっぱなしにした場合の電気代

照明にかかる電気代は、以下の計算式で算出します。

  • 1時間あたりの電気代=消費電力(W)÷1000×電気代単価(31円/kWh)(※1)

電気代単価とは、1時間ごとの電気料金の目安であり、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めています。現在の電気代単価は、2022年7月に改定された「31円/kWh」です。

電気代の料金の仕組みを詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

電気料金の計算方法は?料金の決まり方を知って効果的に節約しよう

1kWhあたりの電気代はいくら?電気代の内訳や節電方法を解説

(※1)電気代単価31円/kWh(税込)は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表した電気代の目安単価で、主要電力会社10社の平均単価です。

蛍光灯の場合

リビングなどの蛍光灯を日中つけっぱなしにしたと仮定する場合、1日・1カ月・1年の電気代は以下のとおりです。

蛍光灯シーリングライト(消費電力:72W)を日中(9:00〜18:00)つけっぱなしにした場合
1時間の電気代 2.23円
1カ月(9時間/日×30日)の電気代 602円
1年間(9時間/日×365日)の電気代 7,325円

蛍光灯を長時間使用し続けると、年間でかかる電気代は高くなります。

ただし、蛍光灯の場合、点灯時に最も電力を消費する性質があります。そのため、こまめなスイッチングが必ずしも節約につながるとは限りません。

LEDの場合

リビングなどのLEDシーリングライトを日中つけっぱなしにしたと仮定する場合、1日・1カ月・1年の電気代は以下のとおりです。

LEDシーリングライト(消費電力:28.9W)を日中(9:00〜18:00)つけっぱなしにした場合
1時間の電気代 0.9円
1カ月(9時間/日×30日)の電気代 243円
1年間(9時間/日×365日)の電気代 2,957円

LEDは、蛍光灯に比べると消費電力が少なく、また電球の寿命が長い点が特徴です。そのため、節約のために「LEDに取り替える」という人も少なくありません。

しかし、省エネルギーとはいえ、不要に長時間つけっぱなしにすると余計な電気代がかかります。「電気をつけっぱなしにしない」という意識を常にもち、習慣化することが大切です。

電気のつけっぱなしを防ぐ機能

電気を「こまめに消灯する」習慣を意識するのは大切です。それでも、忙しい朝など電気をつけっぱなしにしてしまうことはあるでしょう。

電気の消し忘れが多い人は、つけっぱなしを防ぐ機能を活用するのがおすすめです。電気の消し忘れを防止する機能として、人感センサーやタイマー機能があります。

1 人感センサー

「人感センサー」とは、人の動きや部屋の明るさに反応して、自動的に照明が点灯・消灯する機能です。人感センサー付きの照明器具が適している場所として、以下の例が挙げられます。

  • トイレ
  • 洗面所
  • 玄関
  • 廊下
  • 階段

たとえば、トイレや洗面所の場合、使用後の電気の消し忘れを防ぎます。玄関に設置すれば、夜間の防犯対策としても効果が期待できます。

また、廊下や階段であれば、重い荷物を運ぶ際に手が塞がっている場合などで、照明のオン・オフを操作する手間を省けるため便利です。

設置場所に応じて感知エリアの広さや機能を選べば、さらに効果的に活用できるでしょう。

2 タイマー機能

照明に「タイマー機能」があれば、つけっぱなしを防ぐだけでなく、生活スタイルにあわせて効率的に使用できます。

たとえば、照明をつけたまま寝てしまう癖がある人は、30〜60分の消灯タイマーを設定していれば就寝時間にあわせて照明を消すことが可能です。

また、省エネ機能が搭載されている場合、部屋の明るさを検知して時間帯に適した明るさを維持します。そのため、余分な電力を消費せず、電気代を抑えられます。

タイマー機能や省エネ機能などを活用して、日常生活において効率的に節約しましょう。

照明の電気代を節約するポイント

照明の電気代を節約するポイント

電気のつけっぱなしを防ぐことで、電気代を抑える効果が期待できます。以下では、「電気の消し忘れを防ぐ」以外で、電気代を節約するための具体的な方法を解説します。

1 LEDに取り替える

照明にかかる電気代を抑えるなら、まず照明の種類を見直しましょう。蛍光灯や白熱電球を使用している場合、LEDへの取り替えがおすすめです。

LEDは一般的な電球よりも消費電力が約85%低く、省エネルギーである点が特徴です。リビングやダイニングなど照明をよく使用する部屋に設置すれば、より電気代を抑えるのに効果的でしょう。

本体価格は高い傾向にありますが、長寿命なので長期的にみるとコスパが良く、電球交換の手間も省けます。

また、蛍光灯に関しては、環境保全の観点から、今後の製造・輸出入が規制されることが決定しています。そのため、一度家庭の電球を見直し、蛍光灯があるなら段階的にLEDへ切り替えましょう。

LEDの電気代について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

LED照明の電気代はどのくらい?蛍光灯との比較や節約のポイントを解説

2 照明を掃除する

照明が汚れると本来の明るさが保てず、結果として余計な電力を消費する要因となります。汚れをそのままにすると1年間で5〜15%明るさが低下するため、こまめに照明を掃除するのが重要です。

照明が汚れると本来の明るさが保てず、結果として余計な電力を消費する要因となります。汚れをそのままにすると1年間で5〜15%明るさが低下するため、こまめに照明を掃除するのが重要です。

3 電力会社や契約プランを見直しする

照明に限らず電気代全体を抑えたいなら、契約している電力会社やプランを見直すのも効果的です。

2016年から、電気の小売業への参入が全面的に自由化されました。電気とガスのセット利用による割引を受けられたり、電気代に応じてポイントを進呈されたり、電力会社や契約プランを自由に選択できます。

自分のライフスタイルにあう電力会社・契約プランを選べば、大幅に電気代を抑えられる可能性もあります。

電力会社の選び方について、詳しくは以下の記事でも解説しています。

電力自由化とは?メリット・デメリットや電力会社の選び方を解説

まとめ

基本的に、電気をつけっぱなしにすることによって電気代は上がります。そのため、つけっぱなしを防ぐ「人感センサー」や「タイマー機能」を活用して、点灯時間を短くする工夫をしましょう。

家庭全体の電気代を抑えるために、電力会社や契約プランを見直すことも効果的な節約方法です。

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新井 智美(あらい ともみ)

1級FP技能士・CFP

2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス(、企業向け相談(補助金、助成金の申請アドバイス・各種申請業務代行)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。