サーキュレーターとは

サーキュレーターとは、「室内の空気を循環させる」ための家電です。エアコンと併用することで部屋全体の温度を均一に保つ効果があり、効率的に換気を行う際にも役立ちます。

サーキュレーターの仕組みは、主に「ACモーター」と「DCモーター」の2種類に分けられます。

ACモーター DCモーター
消費電力 大きい 小さい
静音性 低い 高い
購入価格 安い 高い

ACモーターは、DCモーターと比べて消費電力が大きく、比較的安価で購入できる点が特徴です。

一方、DCモーターは省エネや静音性に優れており、電気代の節約に効果的です。ただし、ACモーターよりも購入費用は高くなる傾向にあります。

なお、サーキュレーターは置き場所や使い方を工夫することで、さらに電気代の節約に効果が期待できます。効率的な使い方を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

サーキュレーターの使い方は?冷暖房や換気など目的別に効果的な置き場所を解説

サーキュレーターと扇風機の違い

サーキュレーターに類似している家電として「扇風機」があります。どちらも「風を送り出す」という機能は共通していますが、以下のとおり、目的や用途は異なります。

目的 特徴
サーキュレーター 室内の空気を循環させる
  • 直線的で遠くまで風を送り出せる
  • 空気の流れをつくる
  • 室内の温度のムラを抑える
扇風機 風を直に浴びて涼む
  • 広範囲かつ近い距離に風を送る
  • 静音設計が多い

扇風機は、「直接風を浴びて体感温度を下げる」ための家電です。静音設計のタイプも多いため、睡眠時の使用にも適しています。

サーキュレーターも扇風機も家庭に1台あると便利な家電ですが、それぞれの特性を理解したうえで適切なものを選びましょう。

【種類別】サーキュレーターの電気代

サーキュレーターを1時間使用した場合の電気代の目安は、以下の計算式で算出します。

  • 1時間あたりの電気代=消費電力(kW)×電気代単価(31円/kWh)

消費電力が「38W」のACモーター、「20W」のDCモーターを使用する場合、電気代は以下のとおりです。

ACモーター(38W) DCモーター(20W)
1時間の電気代 1.2円 0.6円
1日(8時間)の電気代 9.6円 4.8円
1カ月(8時間/日×30日)の電気代 288円 144円

サーキュレーターは、一般的にACモーターよりもDCモーターの方が消費する電力量が少なく、電気代も抑えられます。そして、使用時間が長くなるほど、消費電力による電気代の差は大きくなります。

ただし、DCモーターの方が購入価格は高い傾向にあるため、初期コストとのバランスを考慮して選びましょう。実際にかかる電気代は、使用時間や室内環境によって変動するため、目的に応じて適切なタイプを購入することが大切です。

サーキュレーター・扇風機の電気代を比較

扇風機も、サーキュレーターと同様に「ACモーター」と「DCモーター」の2種類があります。以下のとおり、サーキュレーターと扇風機の電気代について、モーターの種類ごとに比較してみましょう。

サーキュレーター 扇風機
ACモーター(38W) DCモーター(20W) ACモーター(44W) DCモーター(22W)
1時間の電気代 1.2円 0.6円 1.4円 0.7円
1日(8時間)の電気代 9.6円 4.8円 11.2円 5.6円
1カ月(8時間/日×30日)の電気代 288円 144円 336円 168円

DCモーターの消費電力は同じくらいなので、電気代に大きな差はありません。ACモーターの場合、扇風機よりもサーキュレーターの方が安い傾向にあります。

扇風機の電気代について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

扇風機の電気代は安い?計算方法やエアコンとの比較、節約のポイントを解説

サーキュレーターの電気代を節約する方法

サーキュレーターの電気代を節約する方法

サーキュレーターは、使い方を工夫することで、余計な電力消費を抑えられます。また、これからサーキュレーターの導入を考えている方は、省エネ性能を重視して選ぶと良いでしょう。

サーキュレーターの電気代の節約するための3つのポイントを解説するため、ぜひ参考にしてください。

1 DCモーターのサーキュレーターを使用する

省エネを重視するなら、購入する際に「DCモーター」のサーキュレーターを選びましょう。製品によってスペックは異なりますが、DCモーターの消費電力はACモーターに比べると約半分です。

一般的に、消費電力の大きさは電気代の高さに比例します。そして、使用時間が長いほど、電気代の差が大きくなります。

ただし、本体価格はACモーターよりもDCモーターの方が高い傾向にある点には注意が必要です。リビングでエアコンと併用する目的で購入する場合や、使用頻度が多い場合などは、長い目で考えるとDCモーターが良いでしょう。

2 タイマー機能を活用する

サーキュレーターだけでなく、一般的に家電は稼働時間に伴って電気代が高くなります。そのため、「使用時間を短くする」のは電気代を節約するために効果的です。

こまめに電源をオン・オフすることが理想的ですが、外出時や睡眠時に電源を切り忘れてしまうケースもあるでしょう。

電源の切り忘れの防止には、タイマー機能がおすすめです。タイマー機能を活用すれば、余計な電力消費を防ぎつつ、スイッチングの手間を省くことが可能です。

3 電力会社・契約プランを見直す

サーキュレーターを含め、家電の電気代が気になる方は、電力会社や契約プランを見直してみましょう。

電力自由化により、消費者が電力会社や契約プランを自由に選べるようになりました。電力会社によって、ガスとのセット割引が受けられたり、電気代に応じたポイントの進呈があったり、様々な契約プランが提供されています。

自分のライフスタイルに適した電力会社・契約プランを選べば、大幅な電気代の節約が期待できます。

電力自由化については、以下の記事でも詳しく解説しています。

電力自由化とは?目的やメリット・デメリット、電力会社の選び方を解説

サーキュレーターの効率的な使い方

サーキュレーターを使えば、快適な居住空間を保ちつつ電気代も節約できます。上手に活用するうえで、エアコンとの併用による効果や設置場所の重要性について理解しましょう。

空気の性質を知ることで、より効果的にサーキュレーターを使えるようになります。

1 エアコンと併用する

環境省によると、快適性と省エネルギーを両立するための理想の室温は、夏は「28℃」、冬は「20℃」と推奨されています。

しかし、エアコンの設定温度が高過ぎたり低過ぎたりすると、必要以上に電力を消費します。また、エアコンの冷房・暖房機能だけで室温をコントロールするのは、電気代が高くなる原因となり、効率的とは言えません。

サーキュレーターを使えば、室内の空気を循環させます。冷房や暖房が効率良く稼働するため、快適な温度を保ちつつ、電気代も節約できます。

2 設置場所を工夫する

空気には、「温度が高いと上へ」、「温度が低いと下へ」移動する性質があります。そのため、空気の性質を考慮してサーキュレーターを設置することが重要です。

夏の場合、エアコンをつける前に、サーキュレーターを使って室内の温かい空気を外に出しましょう。その際、窓や扉のある方向に向けてサーキュレーターを設置します。

エアコンをつけた後は、サーキュレーターをエアコンの下に置いて上向きに設置してください。冷たい空気が、部屋全体に均一に広がるでしょう。

冬の場合、暖房機から離れた位置におくと、部屋全体に温かい空気を循環させることが可能です。

まとめ

サーキュレーターは、空気を循環させるための家電です。エアコンと併用すると、冷房・暖房の効率が良くなるため、電気代の節約効果も期待できます。

サーキュレーターの電気代を抑えるなら、購入時に「DCモーター」を選びましょう。また、タイマー機能などを活用し、必要な時間だけ使用するように心がけることも大切です。

サーキュレーターに限らず、家庭全体の電気代を節約するなら、電力会社や契約プランの見直しもおすすめです。電力会社や契約プランを乗り換えると、電気代を大幅に削減できる可能性が高まります。

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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。