電気代が月3万円はおかしい?平均額と高すぎる原因・対策を解説

全世帯の1カ月の電気代(平均額)は、約1万円です。電気代はここ数年、燃料価格の高騰や再エネ賦課金の増加などを背景に高くなっており、また世帯人数や季節などによっても異なるため一概に言えませんが、月3万円は一般的に高いと言えます。
本記事では、電気代の平均額、電気代が月3万円を超えた場合に考えられる原因を解説します。節約方法も紹介するので、電気代が高くて困っている方は、ぜひ参考にしてください。
電気代が月3万円超えはおかしい?
総務省によると、2024年の電気代の月の平均額は1万27円です(※1)。
上記は全世帯の平均額であり、電気代は世帯人数やライフスタイルなどによって変わるため、必ずしも実態を示しているわけではありません。
しかし、電気代が「月3万円」は、世帯人数にかかわらず一般的に高いと言えます。では、月3万円の電気代は、平均的な家庭と比べてどれくらい高いのでしょうか。
以下で世帯人数別・季節別の電気代(平均額)を紹介します。
(※1)出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」(2024年)
世帯人数別の電気代(平均額)は?5人家族でも3万円は高い
一般的に、電気代は世帯人数が増えるほど高くなります。2024年の世帯人数別の電気代(平均額)は、それぞれ以下のとおりです。
世帯人数 | 電気代の平均額 |
---|---|
1人 | 6,756円 |
2人 | 10,878円 |
3人 | 12,651円 |
4人 | 12,805円 |
5人 | 14,413円 |
6人以上 | 16,995円 |
平均額であるため一概には言えませんが、6人以上の家族でも1万円台に収まっていることがわかります。
季節別の電気代(平均額)は?夏・冬でも3万円は高い
夏・冬は冷暖房器具を使用するため、ほかの季節と比べて電気代が高い傾向にあります。2024年の季節別の電気代は以下のとおりです。
時期 | 平均額(総世帯) | 平均額(6人以上世帯) |
---|---|---|
1~3月 | 10,974円 | 19,972円 |
4~6月 | 9,133円 | 15,363円 |
7~9月 | 10,013円 | 16,996円 |
10~12月 | 9,645円 | 15,651円 |
気温と室内の温度の差が大きい冬は、電気使用量が増える傾向があり、1年のなかでも電気代が特に高くなります。しかし、平均額は冬でも1万円程度であり、6人以上の世帯でも2万円を若干下回る結果でした。
電気代が3万円を超えているなら、家電の使い方や電力会社・プランなどの見直しを検討しましょう。
オール電化の家庭では電気代が月3万円を超える可能性も
家庭で使用するエネルギーをすべて電気でまかなう「オール電化」の家庭では、ガスを併用する家庭と比べて電気代が高くなる傾向にあります。使用する機器によっても大きく異なりますが、電気代が月3万円を超えることもあるでしょう。
資源エネルギー庁によれば、近年普及している省エネ性能に優れた機器(エコキュートなど)を使用する家庭の電気使用量は、冬場で1カ月1,000kWh程度です(※2)。電気代単価を31円/kWhと仮定して電気代を計算すると、3.1万円となり、月3万円を超えてしまいます(※3)。
また、1990年代ごろに普及した機器を使用しているオール電化の家庭では、冬の電気使用量が1カ月3,000~5,000kWhになることもあり、冬の電気代が月10万円を超えるケースも見られます。
なお、電気代の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
電気料金の計算方法は?料金の決まり方を知って効率的に節約しよう
(※2)出典:経済産業省 資源エネルギー庁「ひと月の電気代が10万円超え!?オール電化住宅の電気代を考える」
(※3)基本料金などの料金を考慮していません。
電気代が月3万円を超えた場合に考えられる原因

電気代が月3万円を超え、家計の負担を少しでも減らしたい場合、まずはなぜ高くなったのかを知ることが大切です。
電気代が高くなる原因には、家庭での使用状況などによるものと、電気代の仕組みによるもの(外的要因)があります。考えられる主な原因は、以下のとおりです。
- ライフスタイルが変わっている
- 消費電力の大きい家電を多く使用している
- 古い家電を長期間使い続けている
- 燃料費調整額が値上がりしている
- 再エネ賦課金が年々高くなっている
- 漏電によって電気使用量が増えている
電気代の値上げについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
①ライフスタイルが変わっている
ライフスタイルが変わると、電気使用量が増えて電気代が高くなることがあります。以下のような変化があった家庭は、変化前と比べて電気使用量が増えていないか確認してみましょう。
- 在宅勤務に変わった
- 家族が増えた
- ペットを飼いはじめた
- 広い家に引越しした
- オール電化に変えた
- 子どもが夜遅くまで勉強するようになった
- 動画配信をはじめた
ライフスタイルの変化で電気使用量が大幅に増えている場合は、生活習慣の見直しで改善できるケースがあります。
②消費電力の大きい家電を多く使用している
消費電力が大きい家電の使用が増えると、電気代が高くなります。
消費電力が大きい家電の例
- IHクッキングヒーター
- 電子レンジ
- アイロン
- ジャー炊飯器
- 浴室乾燥機
- 温水洗浄便座
- ハロゲンヒーター
- 洗濯乾燥機(乾燥時)
- ドライヤー
また、エアコンや冷蔵庫など、使用時間が長い家電は、電気代の負担が重くなる傾向があります。こうした家電を多く使用している場合は、使用時間を短くする、ほかの家電と併用するなどの方法で消費電力を抑える工夫が必要です。
③古い家電を長期間使い続けている
家電の買い替えにはまとまった費用がかかることから、長期間買い替えずに使い続けている方もいるのではないでしょうか。
古い家電を長期間使い続けていると、かえって家計の負担が大きくなる可能性があります。一昔前の家電は、最新のものと比べて省エネ性能が劣っているためです。
また、経年劣化に伴って部品が劣化すると、余計な電力の消費につながるだけでなく、安全上のリスクも高まります。
④燃料費調整額が値上がりしている
昨今、世界情勢の影響で燃料価格が高騰し、燃料費調整額が高くなっています。
燃料費調整額とは、燃料(原油・LNG・石炭)の価格変動を毎月の電気代に反映するための調整額です。
電気をつくるために必要な燃料価格は、為替レートや原油価格の影響を大きく受けます。そこで、燃料価格が上がると燃料費調整額が加算され、燃料価格が下がると燃料費調整額を差し引いて電気代を算出する仕組みが導入されています(燃料費調整制度)。
また、電気代には規制料金プランと自由料金プランがあり、自由料金プランでは燃料費調整額に上限がありません。そのため、燃料価格が高騰すると燃料費調整額が高くなる可能性があります。
なお、規制料金プランとは大手電力会社が提供する従来型の料金プランのことで、自由料金プランは大手電力会社や新電力会社が提供する、認可などの規制がないプランを指します。
⑤再エネ賦課金が年々高くなっている
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)が年々高くなっていることも、電気代に影響を及ぼしています。
再エネ賦課金とは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを普及させるために、利用者が毎月の電気代に上乗せして負担するものです。
電力会社は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づいて、再生可能エネルギーで発電した電気を一定価格で一定期間買い取らなければなりません。その費用の一部を利用者が負担する仕組みになっています。
再エネ賦課金の単価は毎年度経済産業大臣が定めており、全国一律です。毎年5月分から翌年4月分まで同じ単価が適用されます。
2024年度(5~4月分)の再エネ賦課金単価は3.49円/kWhで、制度開始以降最も高くなりました。2024年度の単価で試算すると、平均的な家庭では、月1,210円ほどの再エネ賦課金を支払う必要があります(※4)。
なお、再エネ賦課金については、以下の記事でも詳しく解説しています。
(※4)1世帯の年間消費電力量の平均4,175kWh を12カ月で割り、1カ月の消費電力量を348kWhと仮定して試算しています。
⑥漏電によって電気使用量が増えている
通常、漏電が発生すると、瞬間的・自動的にブレーカーが切れる仕組みになっています。そのまま電気が漏れ続けることはないため、電気代が急に高くなったとしても漏電が原因である可能性は低いでしょう。
しかし、分電盤に取り付けられている漏電ブレーカーの故障などによって漏電が発生している可能性も考えられます。
まずはほかの原因にあてはまらないか確認し、心配な方は管理会社や電気工事業者に確認してもらいましょう。
電気代が月3万円を超えた場合の節約方法

電気代が月3万円を超えると、家計にとって大きな負担となります。原因を明らかにしたうえで、以下の節約方法を検討しましょう。
- 家電の使い方を見直す
- 省エネ性能の高い家電製品に買い替える
- 電力会社や料金プランを見直す
①家電の使い方を見直す
家電の使い方を見直し、電気使用量を減らすことで電気代の負担を抑えられる可能性があります。
日常生活の中で工夫できるポイントはたくさんありますが、月3万円を超えている場合、電気使用量が多い家電による影響が大きいと考えられるため、こまめにプラグを抜くなどの対策を行うだけでは十分とは言えません。
エアコンや冷蔵庫、照明など、家庭の中でも電気使用量が多いものから重点的に取り組みましょう。
節約ポイント | |
---|---|
エアコン |
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冷蔵庫 |
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照明 |
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エアコンや冷蔵庫の電気代、コンセントから抜いた方がいい家電については、以下の記事でも詳しく解説しています。
エアコンの電気代はどれくらい?つけっぱなしは節約になる?計算方法や節電方法を解説
家電のプラグはコンセントから抜いた方がいい?待機電力削減による節電効果を解説
②省エネ性能の高い家電製品に買い替える
家電を長く使い続けている方は、買い替えを検討しましょう。
買い替えにはまとまった費用がかかりますが、特にエアコンや冷蔵庫、温水洗浄便座などの電気使用量が大きい家電を長く使っている場合、長期的に見ると買い替えたほうが家計の負担を軽減できる可能性があります。たとえば、現代のエアコンは、10年前と比較して約15%の省エネが可能です(※5)。
また、自治体によっては、省エネ家電への買い替えで補助金がもらえたり、ポイントが進呈されたりする場合もあります。こうした制度をうまく活用しておトクに買い替えましょう。
(※5)出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「機器の買換で省エネ節約」
③電力会社や料金プランを見直す
電気代が高い場合、料金プランがライフスタイルにあっていないことも考えられます。
2016年の電力自由化以降、私たち消費者は、電力会社を自由に乗り換えられるようになりました。電力会社・料金プランを長期間見直していない方は、現在のご家庭の状況にあっているか見直してみてください。
たとえば、電気使用量が多い家庭では、三段階料金(電気使用量に応じて単価を三段階に分けたもの)のプランから単価が一律のプランに変更すれば、電気代が安くなる可能性があります。
複数の電力会社・料金プランを比較し、ご自身のライフスタイル・考え方にあったものを選ぶと良いでしょう。
電力自由化については、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
全世帯の1カ月の電気代は平均1万円程度であり、世帯人数や季節にかかわらず3万円超えは一般的に高い水準です。
ただし、オール電化の家庭はガス併用の家庭と比べて電気代が高く、3万円を超えるケースも少なくありません。また、ライフスタイルの変化や消費電力の大きい家電の使用状況、電力会社による値上げなどが原因で高くなっていることが考えられます。
電気代が高いと感じている場合は、家電の使い方や電力会社・料金プランを見直し、電気代の負担を少しでも軽減しましょう。
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