エアコンを1カ月つけっぱなしにすると電気代は高い?

エアコンの電気代は、以下の式で求められます。

消費電力(kW)×使用時間(h)×電気代単価(円/kWh)

たとえば、エアコンの消費電力が600Wだった場合、電気代単価を31円/kWhと仮定すると、1時間あたりの電気代は18.6円です。

600W÷1,000=0.6kW
0.6kW×1h×31円/kWh=18.6円

最初に、エアコンを1カ月つけっぱなしにした場合の電気代の目安を紹介します。なお、実際の消費電力はエアコンの機種や設定温度、運転モード、室内外の温度・湿度などによって異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。

1kWhの電気代については、以下の記事でも詳しく解説しています。

1kWhあたりの電気代はいくら?電気代の内訳や節電方法を解説

エアコン(冷房・暖房)を1カ月つけっぱなしにした場合の電気代の目安

冷房
能力(畳数) 1日(24時間)の電気代 1カ月(30日間)の電気代 年間(365日)の電気代
6畳用 約373.5円 約11,205円 約136,327.5円
8畳用 約431.5円 約12,945円 約157,504.8円
10畳用 約481.4円 約14,442円 約175,711円
12畳用 約774.5円 約23,235円 約282,692.5円
暖房
能力(畳数) 1日(24時間)の電気代 1カ月(30日間)の電気代 年間(365日)の電気代
6畳用 約359.3円 約10,779円 約131,144.5円
8畳用 約427.1円 約12,813円 約155,891.5円
10畳用 約590円 約17,700円 約215,350円
12畳用 約760.4円 約22,812円 約277,546円

(※2)消費電力は経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ(2025年2月1日)」の平均値で試算しています。
【冷房】6畳502W、8畳580W、10畳647W、12畳1,041W
【暖房】6畳483W、8畳574W、10畳793W、12畳1,022W

エアコン(冷房・暖房)を夜間だけつけっぱなしにした場合の電気代

次に、エアコンを夜間(10時間と仮定)のみつけっぱなしにした場合の1カ月・1年間の電気代の目安を紹介します(※3)。

冷房
能力(畳数) 1日(10時間)の電気代 1カ月(30日間)の電気代
6畳用 約155.6円 約4,668円
8畳用 約179.8円 約5,394円
10畳用 約200.6円 約6,018円
12畳用 約322.7円 約9,681円
暖房
能力(畳数) 1日(10時間)の電気代 1カ月(30日間)の電気代
6畳用 約149.7円 約4,491円
8畳用 約177.9円 約5,337円
10畳用 約245.8円 約7,374円
12畳用 約316.8円 約9,504円

1日中つけっぱなしにした場合と比べて稼働時間が短くなるため、電気代を抑えることができます。

(※3)消費電力は経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ(2025年2月1日)」の平均値で試算しています。
【冷房】6畳502W、8畳580W、10畳647W、12畳1,041W
【暖房】6畳483W、8畳574W、10畳793W、12畳1,022W

エアコンを1カ月つけっぱなしにするメリット

暑すぎる、または寒すぎる日が続くと、「エアコンを切るタイミングがない」「つけっぱなしでも大丈夫?」と不安な方もいるのではないでしょうか。

エアコンの稼働時間が長くなると、電気代は高くなりますが、主に以下のメリットが得られます。

  • 1日中快適に過ごせる
  • 消費電力を抑えられる可能性がある
  • 睡眠の質が向上する
  • 空気の汚れを浄化できる

1日中快適に過ごせる

エアコンをつけっぱなしにすると、暑さや寒さを感じることが少なくなり、1日中快適に過ごせます。

日本では昨今、地球温暖化などの影響で猛暑日が増えています。暑い日が続き、ストレスを感じている方は少なくないでしょう。

また、冬は寒波の影響で急激に寒暖差が大きくなり、特に朝の冷え込みが厳しくなることがあります。電気代を節約したいからとエアコンの使用を控えると、体調を崩すなどの影響も生じかねません。

つけっぱなしによって温度を管理すれば、身体への負担を軽減でき、暑い夏や寒い冬も過ごしやすくなるでしょう。

消費電力を抑えられる可能性がある

エアコンが最も電力を消費するのは、運転開始直後です。立ち上がりから設定温度に達するまでの間は室内の温度・設定温度との差が大きいため、最も消費電力が高くなり、それ以降は穏やかな運転で室内の温度を保ちます。

そのため、こまめに入り切りするよりもつけっぱなしにしたほうが電気代を抑えられる可能性があります。

睡眠の質が向上する

就寝時にエアコンを使わないと、暑さや寒さでよく眠れず、日中の仕事や家事などに影響が生じることがあります。タイマーを設定して途中でエアコンの運転を停止させる方法もありますが、停止後に寝苦しくなって目覚めやすくなるでしょう。

エアコンをつけっぱなしにしていれば、熱帯夜や冷え込む夜も快適に眠ることができ、睡眠の質が向上します。ただし、冷えすぎや乾燥に注意し、設定温度や湿度を適切に管理することが重要です。

空気の汚れを浄化できる

近年は、空気清浄機能付きのエアコンも多く販売されています。空気清浄機能付きのエアコンをつけっぱなしにしていれば、室内を快適な温度に保つとともに、カビや花粉、ウイルスなどを抑える効果が期待できます。

タバコやペットの臭い、生乾き臭、汗の臭いなどの脱臭効果も期待できるため、快適・清潔な環境を維持しやすくなるでしょう。

エアコンを1カ月つけっぱなしにするデメリット

エアコンをつけっぱなしにすると、室内の温度が快適に保たれ、睡眠の質が向上するなどのメリットがある一方で、以下のデメリットも存在します。

  • 部屋の空気が乾燥する
  • エアコンの寿命が縮まる場合がある

部屋の空気が乾燥する

エアコンをつけっぱなしにする場合、部屋が乾燥しやすくなる点に留意しましょう。

部屋の空気が乾燥すると、肌や唇、髪が乾燥する、あるいは風邪をひきやすくなるなどの影響が生じます。乾燥を防ぐための対策を講じ、適切な湿度を保つことが重要です。

  • 加湿機能付きのエアコンを使う
  • 加湿機能付きの空気清浄機や加湿器を併用する
  • 洗濯物を部屋干しする
  • (エアコンをつけっぱなしにしたままで)こまめに換気する

エアコンの寿命が縮まる場合がある

エアコンをつけっぱなしにすると、製品の寿命が短くなる可能性がある点にも注意が必要です。

エアコンをつけっぱなしにしても安全上問題はなく、直接故障の原因になるわけではありません。ただし、長時間の稼働によって部品の劣化が早まったり、フィルターにほこりがたまりやすくなったりして、結果的に故障の原因になる場合があります。

長持ちさせるだけでなく、冷暖房効果を高めるためにも、こまめなメンテナンスを心がけましょう。なお、エアコンの一般的な寿命は10年程度です。

エアコンのつけっぱなし運転で電気代を節約する方法6選

エアコンのつけっぱなし運転で電気代を節約する方法6選

エアコンをつけっぱなしにすると、1日中快適に過ごしやすくなるなどのメリットがありますが、気になるのが電気代です。

短時間の外出であればつけっぱなしのほうが電気代を抑えられる可能性はあるものの、稼働時間が長くなるとそれだけ電気代の負担も大きくなります。エアコンを長時間稼働させる場合は、以下のポイントを押さえて電気代を節約しましょう。

  1. こまめにフィルターを掃除する
  2. 自動運転モードにする
  3. 日差しや冷気の侵入を防ぐ
  4. 室外機の周りに物を置かない
  5. サーキュレーターと併用する
  6. 電力会社やプランを見直す

①こまめにフィルターを掃除する

エアコンをつけっぱなしにすると、フィルターにほこりが溜まりやすくなります。フィルターにほこりが溜まったまま運転すると冷暖房効果が低下するため、こまめにお手入れしましょう。

経済産業省によると、目詰まりしているフィルターを月に1~2回掃除すると、年間約990円の節約が可能です(※4)。

なお、フィルターの掃除を怠ると冷暖房効果が弱まるだけでなく、故障につながることもあります。

(※4)出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約」

②自動運転モードにする

自動運転モードは、室内の温度や湿度を検知し、適した運転モードや設定温度を自動で選択してくれる機能です。室内を快適に保ちつつ余計な消費電力を抑えられるため、節電につながります。

なかには、部屋に入る日差しや人の多さを検知して暖めすぎや冷やしすぎを防いでくれる省エネ機能が付いた製品もあるため、うまく活用すると良いでしょう。

なお、エアコンの節約や適性温度については、以下の記事でも詳しく解説しています。

エアコンの自動運転とは?電気代を節約するための効果的な使い方を紹介

冷房の適温は何℃?夏を快適に過ごすエアコンの設定温度の目安を紹介

エアコンの暖房は何度に設定すれば良い?推奨温度や節電方法を解説

③日差しや冷気の侵入を防ぐ

日差しや冷気の侵入をなるべく防ぎ、冷暖房効果を高めましょう。冷房時・暖房時にできる主な対策は、以下のとおりです。

冷房時の対策例
  • ドア・窓の開閉を減らす
  • 窓にすだれやレースカーテン
  • ブラインドを取り入れる
  • ベランダにサンシェードを設置する
  • 外出時にシャッターを閉める
暖房時の対策例
  • ドア・窓の開閉を減らす
  • 適切なサイズ・厚手のカーテンを使用する
  • 断熱シートを貼る

④室外機の周りに物を置かない

室外機の周りには何も置かず、十分なスペースを確保しましょう。

室外機は、冷房時は部屋の熱を放出、暖房時は外の熱を室内に取り込み、冷たい風を外に放出する役割を持ちます。

室外機の吹き出し口や周辺に物があると、放出した熱を吸い戻してしまい、冷暖房効果を弱めてしまいます。

⑤サーキュレーターと併用する

エアコンのつけっぱなしによる電気代を抑えるためには、サーキュレーターなどの家電製品と併用して冷暖房効果を高めることが効果的です。

サーキュレーターで部屋の空気を循環させれば、エアコンの冷風・温風を部屋全体に行き渡らせることができます。

「併用すると電気代が高くなるのでは」と不安になるかもしれませんが、エアコンの温度を一度下げる(冷房時)、または一度上げる(暖房時)よりも、比較的消費電力が小さいサーキュレーターと併用したほうが、一般的に電気代を抑えられます。

冷たい空気は床にたまりやすく、暖かい空気は天井付近にたまりやすい性質があるため、冷房時は水平またはやや下向きに、暖房時はエアコンの送風口に向かってサーキュレーターで風を送りましょう。

サーキュレーターについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

サーキュレーターと扇風機の違いは?エアコンとの併用で電気代がおトクになる?

サーキュレーターの電気代はどのくらい?扇風機との比較や節約ポイントを解説

⑥電力会社やプランを見直す

エアコンは、家庭のなかで最も年間の消費電力が高い家電製品です。しかし、電気代を抑えるためにつけっぱなしをやめて稼働時間を短くすれば、睡眠の質や体調に影響が生じる可能性があります。

エアコンの電気代を抑えたいと考えるなら、電力会社・プランも見直しましょう。電力会社によって提供しているプランやサービス内容に違いがあるため、ご自身のライフスタイルや考え方にあったものを選べば、電気代を節約できる可能性があります。

ほかのサービスとのセットで割引を受けられるプランや、電気代に応じてポイントがたまるなどのサービスを提供している電力会社もあるため、複数の電力会社を比較して選ぶと良いでしょう。

まとめ

エアコンを1カ月つけっぱなしにした場合の電気代は1万3,000円程度、夜間のみつけっぱなしにした場合の電気代は、5,300円程度です(8畳用エアコンの消費電力の平均値で試算した場合)。

電気代を抑えるためにこまめに電源を切ると、運転を再開したときに多くの電力を消費し、かえって電気代が高くなる場合があります。エアコンは運転開始時に最も電力を消費するため、1日中在宅している、または30分程度の外出ならつけっぱなしにしておくと良いでしょう。

また、電力会社・プランを見直すことで、エアコンの電気代を節約できる可能性があります。

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この記事を監修した人
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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。