追い焚きの電気代はいくら?お湯の入れ直しとの比較や節約方法を解説

オール電化の住宅に住んでいる方は、お風呂の追い焚きにも電気代がかかります。電気代の高さが気になり、追い焚きの電気代を知って節約したいと考えている方もいるでしょう。
本記事では、お風呂の追い焚きにかかる電気代について解説します。エコキュートと電気温水器の電気代の違いや、追い焚きとお湯の入れ替えの電気代の違いを確認しましょう。追い焚きにかかる電気代を抑える方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
お風呂の追い焚きにかかる電気代の計算方法
お風呂の追い焚きにかかる電気代を計算するときは、以下の計算式を用います。
「追い焚きに必要な熱量(kJ)=お湯の質量(kg)×比熱容量(kJ/kg・℃)×温度変化(℃)」
「追い焚きに必要な電力量(kWh)=必要な熱量(kJ)÷3,600kJ/kWh」
追い焚きに必要な電力量に、1kWhあたりの電気料金をかければ、追い焚き1回にかかる電気代を算出できます。
本記事では、水の比熱容量を4.18kJ/kg・℃とします。浴槽に張ったお湯の量を200Lと仮定すると、質量は200kgです。20℃に冷めたお湯を追い焚きで40℃まで温めるケースを考えるため、温度変化は20℃となります。
以上の前提をもとに、追い焚きに必要な電気代を計算しましょう。
電気温水器とエコキュートの追い焚きにかかる電気代の比較

追い焚きの電気代が気になる方は、オール電化の住宅で電気温水器やエコキュートを使ってお湯を沸かしているでしょう。電気温水器とエコキュートではかかる電気代が異なるため、それぞれで追い焚きをした場合の電気代を確認します。
電気温水器で追い焚きをする場合の電気代
電気温水器は、電熱ヒーターによって貯湯タンクにある水を加熱してお湯を沸かす仕組みです。先ほど紹介した計算式と条件をもとに、追い焚き機能を使ったときの電気代を計算できます。
「200(kg)×4.18(kJ/kg・℃)×20(℃)」で、追い焚きに必要な熱量は1万6,720 kJです。「16,720(kJ)÷3,600 kJ /kWh」で、追い焚きに必要な電力量は約4.6kWhと算出できます。
1kWhあたりの電気料金は電力会社によって異なりますが、今回は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価である31円/kWhを用います。
電気温水器で追い焚きをする場合の電気代は、「4.6(kWh)×31(円/kWh)」で142.6円となります。1カ月間(30日間)毎日1回追い焚きをすると、電気代は4,278円です。
エコキュートで追い焚きをする場合の電気代
エコキュートは、エアコンと同じようにヒートポンプ方式でお湯を沸かし、貯湯ユニットに沸かしたお湯を貯めます。空気中の熱を集めて高熱化することでお湯を沸かすため、省電力で追い焚きが可能です。
一般的に、エコキュートの消費電力量は電気温水器の1/3と言われているので、先ほど算出した電気温水器の追い焚きに必要な電力量を3で割るとエコキュートの電力量がわかります。
「16,720(kJ)÷3,600(kJ/kWh)÷3」で、エコキュートの追い焚きに必要な電力量は約1.5kWhです。エコキュートで追い焚きをする場合の電気代は、「1.5(kWh)×31(円/kWh)」で46.5円となります。
1カ月間(30日間)毎日1回追い焚きをすると、電気代は1,395円です。消費電力が少ない分、エコキュートのほうが電気代を抑えられるとわかります。
どちらの電気代が安い?追い焚きとお湯の入れ替え
お湯が冷めるたびにお湯を入れ替えていては電気代がかさむと考え、追い焚きを使っている方もいるでしょう。しかし、水量と温度が同じであれば、追い焚きでもお湯の入れ替えでも電気代はほぼ変わりません。
ただし、お湯が冷め切っていない状態で追い焚きをすれば、入れ替えよりも電気代を安く抑えられます。浴室の温度や水温にもよりますが、一般的にはお湯を貯めてから2時間程度は冷め切らないため、追い焚きのほうが電気代を抑えられる可能性が高いです。
ただし、電気代は変わらなくても、お湯を入れ替えると水道代もかかる点には注意が必要です。
厚生労働省によると、日本の水道料金の全国平均は1Lあたり約0.2円(※1)です。浴槽に200Lのお湯を貯める場合、入れ替えごとに「200L×0.2円」で40円かかります。
毎日追い焚きの代わりに1回お湯を入れ替えると、1カ月間で水道代が約1,200円かかります。追い焚きをすれば水道代はかからないため、電気代だけでなく水道代も抑えたいなら追い焚きを選ぶといいでしょう。
(※1)出典:厚生労働省「いま知りたい水道―日本の水道を考える―」
追い焚きの電気代の節約方法

電気代が高いと感じるなら、追い焚きの使用頻度を抑えて電気代を安くしましょう。追い焚きを使わずに電気代を抑えるための工夫は、以下のとおりです。
- 続けて入浴する
- 浴室や湯船の保温性を高める
- エコキュートの高温足し湯(高温差し湯)機能を使う
- 浴槽を保温性の高いものに変える
追い焚きに限らず、電気代そのものを節約したい方は、以下の記事で解説している電気代の節約術も実践してみてください。
電気代を節約するには?すぐできる節約術7選や効果的な方法をわかりやすく解説
①続けて入浴する
家族全員で続けて入浴することで、追い焚きをしなくても電気代を抑えられます。
家族全員が速やかに入浴すれば、お湯が冷める前にお風呂に入れるので、追い焚きは不要です。入浴時間が長くなりすぎないように1人あたりの時間をあらかじめ決めておくことで、追い焚きをしなくてもお湯が冷めるのを防げます。
ただし、家族の人数が多い、お風呂に入るスケジュールがどうしてもバラバラになるなどの場合は無理をせず、快適な入浴を優先するのも大切です。できる範囲で追い焚きの頻度を減らせるように、家族間で話しあってみてください。
②浴室や湯船の保温性を高める
浴室や湯船の保温性を高めれば、追い焚きをしなくてもお湯の温度を高く保てるので、電気代の節約につながります。
例えば、浴室のドアを閉めておけば、温度低下を防いでお湯の保温ができます。特に冬は浴室と外の温度差が大きくなるので、浴室のドアを閉める習慣をつけるのが大切です。
また、入浴前に暖房器具で浴室を暖めておけば、お湯が冷めにくくなります。湯船にフタをしてお湯の温度低下を防ぐのも、適切な工夫です。お湯を冷めにくくするための保温シートもあるので、適宜活用しましょう。
③エコキュートの高温足し湯(高温差し湯)機能を使う
エコキュートの場合は高温足し湯(高温差し湯)機能を使うことで、追い焚きをしなくてもお湯の温度を高められます。
高温足し湯は、高温のお湯を加えることで素早くお湯の温度を高める機能です。約60℃のお湯を20Lなど追加されるお湯の量が決まっている機能や、設定した温度に達するまでお湯を追加し続ける機能など、機器によって違いがあるので確認してみてください。
なお、高温足し湯はお湯を追加する機能なので、もともと湯船に入っているお湯の量が多いと溢れる場合もあるため注意が必要です。あらかじめお湯の量を少なくしておけば、溢れるリスクを抑えながら効率的に水温を高められます。
④浴槽を保温性の高いものに変える
浴槽は製品によって保温性能が異なるため、保温性の高いものに変えれば追い焚きをしなくてもお湯の温度を保つことができ、電気代を抑えられます。
最新の浴槽は断熱性が高く、数時間経過してもお湯の温度低下を抑えることが可能です。導入するための初期費用はかかりますが、長期的に見れば電気代を抑えながら快適にお風呂を使えるでしょう。
リフォームの予定があるなら、浴槽選びも重視してみてください。
電気代が高いなら、電力会社を見直そう
追い焚きを頻繁に使わないように工夫しても電気代が高いと感じる場合は、電力会社や契約プランを見直すことで節約できる可能性があります。
電力の小売自由化が始まってから、新電力会社が多数登場しました。現在は、各社が多様なプランを提供しています。
家族構成やライフスタイルにあったプランを選ぶ、ガスと一緒に契約することで電気料金がおトクになるセット割を提供している会社を選ぶなどの方法で、電気代を抑えることが可能です。
料金を安く抑えられる電力会社やプランを契約すれば、必要なときに追い焚きを使っても電気代を削減できる可能性があります。快適性を損なわずに電気代を抑えたいなら、電力会社や契約プランを見直してみてください。
電力自由化については、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
追い焚き1回にかかる電気代は、電気温水器が142.6円ほど、エコキュートが46.5円ほどです。エコキュートのほうが安いですが、どちらも追い焚きの使用頻度が高いと電気代がかさむのは間違いありません。
電気代が高いと感じるなら、できるだけ追い焚きを使わないようにする工夫が必要です。家族全員が続けて入浴する、浴室や湯船の保温性を高めるなどの方法を取り入れれば追い焚きの使用頻度を減らせるので、実践してみてください。
また、電気料金の高さが気になるなら、電力会社の乗り換えを検討するのがおすすめです。基本料金が0円(※2)の楽天でんきなら、月々の電気料金も抑えやすいでしょう。
楽天でんきは、利用料金200円につき楽天ポイントが1ポイント貯まる仕組みです。楽天でんきとガス(※3)のセットで契約すれば、100円につき1ポイントが貯まります(※4)(※5)。貯まった楽天ポイントは電気料金の支払いに使える(※6)ので、電気代削減につながるでしょう。
楽天でんきへの乗り換えによってどのくらい電気代を抑えられるか知りたい方は、「料金シミュレーション」を使って計算してみてください。
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(※2)「プランS」「プランM」が対象。「動力プラン」の場合、基本料金は0円ではありません。
(※3)楽天ガスは都市ガス(東京ガス、東邦ガス、関電ガス)が提供対象エリアです。詳しくはガス対象エリアページをご確認ください。
(※4)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
(※5)楽天ポイントの進呈対象は、クレジットカードでお支払いいただいた料金となります。
(※6)貯まったポイントは50ポイント(50円相当)からご利用料金に充当できます。