電気の即日開通は引越し当日でも可能?

引越しで住まいが変わるとき、荷物の梱包や様々な手続きによる忙しさから、電気の開通手続きをうっかり忘れてしまうこともあるでしょう。

通常、引越し先で引越し当日から電気を使うには、引越し前に手続きをしておく必要があります。しかし、適切な対応によって、電気の即日開通が可能な場合もあります。

ただし、電気メーターには2種類あり、住居ごとに従来型のアナログメーターと導入が進むスマートメーターに分かれています。どちらの電気メーターが設置されているかによって、即日開通への対応が異なる点に注意しなければなりません。

なお、スマートメーターとは通信機能や遠隔操作機能があり、自動検針や30分おきの正確な電力使用量の把握が可能となった電気メーターです。

2025年時点のすべての事業者で、一部設置困難な場所を除くすべての世帯に対してアナログメーターからスマートメーターへの取り替えが済んでいます。

引越し先がスマートメーターだと、ご自身でブレーカーを上げても原則として電気を使いはじめられません。引越し前に電力会社で使用開始手続きを終えておく必要があります。

電気を即日開通するための手続き

先述のとおり、引越し当日でも電気の即日開通は可能ですが、電気メーターの種類で対応が変わります。

現在、全国の住宅でスマートメーターへの移行がほぼ完了している状況ですが、ご自身の引越し先にどちらの電気メーターが備わっているかはわかりません。

そこで、電気メーターの種類ごとに、引越し当日に電気を即日開通するための手続きを紹介します。

アナログメーターでの手続き

アナログメーターは、引越し前に電気会社で開通手続きをしていなくても、引越し先でブレーカーを上げれば電気を使えます。つまり、手続きの有無にかかわらず、即日開通は可能です。

ブレーカーを上げた後、インターネット、電話や新居に備えられた「電気使用申込書」の郵送などにより、電力会社と契約すれば電気の開通手続きは完了です。

アナログメーターのブレーカーの上げ方は次のとおりです。

①分電盤のカバーを開ける
②アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、配線用ブレーカーの順にブレーカーを上げる

スマートメーターでの手続き

スマートメーターには遠隔操作や通信機能があるため、検針だけではなく、電気の供給停止や開通も電力会社が遠隔操作で行います。そのため、スマートメーターの設置された住居では、電力会社と契約を終えていなければ電気を使えません。

引越し先がスマートメーターの場合、開通手続きを忘れていたときにはすみやかに電力会社へ連絡しなければなりません。

昨今、電気の開通手続きはインターネットを介する方法が主流ですが、引越し当日に急きょ開通してもらうには電話での連絡が不可欠です。早めに連絡すれば即日開通に対応してもらえることがあります。

ただし、電力会社の電話が混む繁忙期、電話の対応時間外など、申込み時の状況によっては開通までに時間がかかる可能性も考えられます。

電力会社の違いで即日開通できない可能性も

引越し当日の電気の即日開通は不可能ではないものの、契約予定の電力会社によっては予定どおりに開通できないおそれもあります。

電力会社の事情により開通できないケースには、次のようなものが挙げられます。

①電力会社ごとにサービス提供エリアが異なるため、引越し先で希望する会社に申込めず、即日開通できない
②電気の使用にあたり、アナログメーターからスマートメーターへの取り替えを求められ、開通までに一定の時間を要する
③電力会社として即日開通に対応する方針がない

引越し先で契約する電力会社が決まったなら、サービス提供エリアや開通手続きの条件などを早めに確認しておきましょう。

電気の開通手続きは引越し前に済ませておくと安心

電気の開通手続きは引越し前に済ませておくと安心

全国に普及しつつあるスマートメーターですが、電力会社のカスタマーセンターへ電話したタイミングや電力会社の方針によっては、即日開通がむずかしい場合があります。

引越し当日から電気を使うには、引越し前にあらかじめ電気の開通手続きを済ませておくと安心です。

そこで、引越し前に済ませておきたい電気の開通手続きをわかりやすく紹介します。

電気の開通手続きで必要となる情報

引越し先で電気を使うためには、使用開始手続きが必要です。手続きには以下の情報を手元に準備しておくと便利です。

①契約者氏名
②電力会社のお客様番号
③現在の住所・引越し先の住所
④旧居での電気の停止希望日と新居での電気の開通希望日
⑤支払方法
⑥連絡先となる電話番号とメールアドレス

特に「契約者氏名」と「お客様番号」は、電力会社への連絡前に把握しておくと、手続きがスムーズに進められます。「お客様番号」は、電気使用量のお知らせ(検針票)や領収書、電力会社のマイページなどで確認できます。

引越し先で電気を開通するまでの流れ

引越しするときには、現住所での使用停止と新住所での使用開始、電気にまつわる2つの手続きが必要です。

引越し先で電気を開通するまでの、以下おおまかな流れを把握しておきましょう。

1 契約中の電力会社へ旧住所の使用停止と新住所を連絡する

電気の使用停止や使用開始の手続きは、おおむね1カ月前から受付がはじまります。引越し日の1~2週間前を目安に、早めに連絡しましょう。

開通手続きにかかる時間は電力会社により異なるため、余裕をもって手続きすることが大切です。

2 旧住所の退去日にブレーカーを落とす

スマートメーターは、電力会社が送電を停止するため、ご自身でブレーカーを落とす必要はありません。

ただし、確実に使用停止するために、ブレーカーは落としておくと良いでしょう。

3 引越し先へ入居後に電気の開通を確認する

アナログメーターの場合、ご自身でブレーカーを上げて開通を確認します。

スマートメーターの場合、電力会社で開通手続きが完了していれば、ブレーカーに触らずとも電力会社によるリモート操作で電気が開通します。

電気を即日開通したいときに気になる疑問

事前にきちんと準備しておくことが大切とは言え、アナログメーターが一般的で「ブレーカーを上げれば電気が使えた」経験を持つ方も多く、電気の開通申込みを忘れる可能性は誰にでもありえます。

そこで、引越し当日に電気を即日開通したいと思ったとき、思い当たるであろう疑問を解消しておきましょう。

土日や祝日の即日開通は可能?

引越し先の電気メーターが従来のアナログメーターの場合、平日や土日祝に関係なく、ブレーカーを上げれば即日開通できます。しかし、スマートメーターだと、電力会社へ事前に使用開始を申込まなければブレーカーを上げても使えません。

スマートメーターで電気を即日開通させるには、レスポンスの早いカスタマーサービスへの電話が不可欠です。しかし、電話の受付は平日の限られた時間が一般的で、土日祝や年末年始などは電話をかけられず、即日開通が困難となります。

現在、沖縄電力を除いたすべての事業者では、設置困難な場所を除くすべての世帯がスマートメーターに取り替えられているため、電気の開通には原則として事前申込みが必須と理解しておきましょう。

引越し先の電気メーターの種類がわからないときは?

新居の電気メーターの種類がわからないときは、メーターの見た目から判断すると良いでしょう。

  • アナログメーター:電力消費量を回転する文字盤から読み取る、やや大きめの機器
  • スマートメーター:電力消費量を液晶画面でデジタル表示する、スリムでコンパクトな機器

アナログメーターからスマートメーターへの取り替えは、住宅の所有者の判断で行います。電気メーターの設置場所がわからない、見た目の違いを判断できないなどがあれば、管理会社や大家さんに問い合わせて確認してください。

電気の使用停止手続きを忘れたらどうなる?

引越しで住所が変わる場合、引越し先で同じ電力会社と契約する予定でも、旧居での電気の使用停止手続きが必要です。

電気の停止に立ち会いは不要です。先述のとおり、ブレーカーをご自身で落としてから旧居を退去します。電気の停止・使用開始を電力会社が管理するスマートメーターの場合、ブレーカーを落とす必要はありませんが、念のため落としておくと安心です。

万が一停止手続きを忘れても、通常は契約者やお客様番号などから引越し先の電力会社と情報が連携されるため、電力会社側が早いタイミングで手続きの漏れに気づきます。

しかし、電気の停止日は手続きした日付をさかのぼれないため、本来支払う必要のない電気料金が発生する可能性もあります。ご自身が使用したわけではなくても、電気料金は原則として契約者が支払うことになるため、使用停止手続きを忘れないように注意しましょう。

引越しのタイミングで新電力に切り替える方法

電力自由化がはじまって以来、様々なプランやサービスを提供する新電力が増えています。電力会社やプランによって電気料金の仕組みは異なります。

基本料金の有無や電気料金などの違いを見極めて、ご自身のライフスタイルや希望にあった電力会社やプランを選ぶと、節約につながる可能性があります。

引越しすると、電気の使用停止や使用開始の手続きが必要なため、このタイミングで新しい電力会社と契約するのもおすすめです。

電力自由化の概要、新電力の選び方や切り替え方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

電力自由化とは?メリット・デメリットや電力会社の選び方を解説

新築物件でも新電力で即日開通できる?

新電力に切り替えたいと検討していても、引越し先が新築物件の場合、新電力で即日開通できない可能性があります。

従来からの大手電力会社は、サービス供給エリア内の「供給地点番号」を特定できるため、引越し先の住所がわかればすぐに契約可能です。しかし、新電力は供給地点番号を特定するのに時間がかかるため、電気の開通までに時間のかかる傾向があります。

新築物件で電気を即日使いたい、さらに新電力と契約したいとお考えなら、まず大手電力会社と契約して電気を開通させてから、その後希望する新電力へ切り替える方法がおすすめです。

新電力はインターネットから申込める

先述のとおり、引越し当日に電気を開通させたいなら、まずは大手電力会社と契約しておく方が確実です。その場合、すでに電力会社と契約している状態から、新電力へ切り替えます。

新電力との契約は、ほとんどの電力会社でインターネットからの申込みとなっています。まずは、契約したい電力会社とプランを決めて、使用開始日にあわせて契約を申込みましょう。

新電力だからと言って、複雑な手続きは必要ありません。契約者氏名と住所、使用開始日、本人確認書類などが用意できれば、いつでも申込み可能です。

新電力の多くは支払方法をクレジットカードと定めています。新電力を選ぶときは、電気料金に応じてクレジットカードのポイントがおトクになるなど、サービス面にも注目すると良いでしょう。

まとめ

まとめ

引越しで住所が変わるときは、電気の利用停止と開通の2つの手続きが必要です。ただし、手続きを忘れても、引越し当日に即日開通できる可能性はあります。

電気メーターがアナログメーターの場合、ご自身でブレーカーを上げて電気を開通させ、その後に使用開始手続きすることも可能です。一方、普及が進んでいるスマートメーターの場合、即日開通するには電力会社のカスタマーセンターなどへ電話で申込む必要があります。

ただし、電話するタイミングやカスタマーセンターの営業時間などによっては、電力会社の手続きが間に合わず、即日開通できないケースも考えられます。また、中には、即日開通そのものに対応していない電力会社もあるため注意しましょう。

電気の使用停止や使用開始の手続きが発生するタイミングで、プランやサービスの多彩な新電力を検討するのもおすすめです。

なお、楽天でんきは引越しの手続きをした当日から8日間までを開通日に指定することができるため、引越し当日からの利用が可能です。

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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。