【世帯人数別】1カ月の平均生活費・内訳

1カ月あたりの生活費は、一般的に世帯人数が増えるほど大きくなります。総務省の「家計調査(家計収支編)」(2024年)をもとに、世帯人数別の1カ月の平均生活費と内訳を見てみましょう。

なお、実際の生活費は家族構成や年齢、年収などによっても変わってきます。

1人暮らし

1人暮らしの1カ月あたりの生活費は、平均約17万円です。

項目 1カ月の平均
食料 4万3,941円
住居 2万3,372円
光熱・水道 1万2,816円
家具・家事用品 5,822円
被服及び履物 4,881円
保健医療 8,394円
交通・通信 2万418円
教育 9円
教育娯楽 1万9,519円
その他の消費支出 3万375円
消費支出 16万9,547円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」

住居費の負担が比較的低いのは、家賃を支払っていない方も含まれているためです。また、1人暮らしと一口に言っても学生や社会人、年金生活者などが含まれるため、あくまでも目安の一つとしてください。

1人暮らしの生活費については、以下の記事でも詳しく解説しています。

一人暮らしにかかる費用は?初期費用や生活費の目安と節約方法を解説

2人暮らし

2人暮らしの1カ月あたりの生活費は、平均約27万円です。

項目 1カ月の平均
食料 7万5,374円
住居 19,385円
光熱・水道 2万1,120円
家具・家事用品 1万1,885円
被服及び履物 7,366円
保健医療 1万5,893円
交通・通信 3万5,314円
教育 571円
教育娯楽 2万6,776円
その他の消費支出 5万5,070円
消費支出 26万8,755円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」

世帯人数が2人に増えると、1人暮らしの世帯と比べて生活費が高くなります。ただし、1人暮らしの世帯と比べて、1人あたりの生活費は少なくなっていることが分かります。

2人暮らしの生活費については、以下の記事でも詳しく解説しています。

夫婦二人暮らしの生活費の平均は?収入別のシミュレーションや効果的な節約方法を紹介

3人暮らし

3人暮らしの1カ月あたりの生活費は、平均約31万円です。

項目 1カ月の平均
食料 8万7,876円
住居 1万9,278円
光熱・水道 2万4,340円
家具・家事用品 1万3,302円
被服及び履物 9,970円
保健医療 1万5,604円
交通・通信 4万2,780円
教育 1万2,216円
教育娯楽 2万8,045円
その他の消費支出 5万6,684円
消費支出 31万96円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」

子どもが含まれると想定される3人暮らしの世帯では、2人暮らしと比べて教育費が高くなっていることが特徴です。

ただし、2人暮らし世帯の生活費との差は4万円程度であり、世帯人数が2人から3人に増えてもそれほど生活費の負担は大きくなっていないことが読み取れます。

3人暮らしの生活費については、以下の記事でも詳しく解説しています。

3人家族の生活費の平均はどのくらい?節約方法や資産形成方法を解説

4人暮らし

4人暮らしの1カ月あたりの生活費は、平均約34万円です。

項目 1カ月の平均
食料 9万6,328円
住居 1万5,120円
光熱・水道 2万4,593円
家具・家事用品 1万3,029円
被服及び履物 1万3,093円
保健医療 1万4,022円
交通・通信 5万1,087円
教育 3万30円
教育娯楽 3万3,980円
その他の消費支出 5万116円
消費支出 34万1,400円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」

4人暮らしの世帯では、3人暮らしと比べて「教育」の支出が大きく増えています。子どもの数が教育費の負担増につながっている様子です。また、「被服及び履物」や「交通・通信」、「教養娯楽」の支出がやや高くなっていることが分かります。

4人暮らしの生活費については、以下の記事でも詳しく解説しています。

4人家族の生活費はいくら?子どもの年齢別の生活費や節約ポイントも解説

5人暮らし

5人暮らしの1カ月あたりの生活費は、平均約36万円です。

項目 1カ月の平均
食料 10万5,480円
住居 1万2,804円
光熱・水道 2万6,746円
家具・家事用品 1万3,831円
被服及び履物 1万3,769円
保健医療 1万3,605円
交通・通信 5万4,027円
教育 3万4,283円
教育娯楽 3万5,179円
その他の消費支出 5万192円
消費支出 35万9,917円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」

上記の結果を見ると、世帯人数が4人から5人に増えても生活費の負担はそれほど変わりません。ただし、実際には子どもの年齢や習い事、住居の広さなど様々な要素が影響します。

【年齢別】1カ月の平均生活費・内訳

次に、1カ月の平均生活費を世帯主の年齢別に紹介します。

項目 29歳以下 30代 40代 50代 60代 70代以上
食料 4万728円 6万6,342円 8万2,817円 7万7,373円 7万5,238円 6万3,547円
住居 3万4,832円 3万340円 2万1,006円 1万9,218円 2万57円 1万4,713円
光熱・水道 9,170円 1万6,136円 2万187円 2万396円 2万1,260円 1万9,796円
家具・家事用品 5,768円 9,681円 1万1,168円 1万387円 1万1,530円 9,552円
被服及び履物 6,685円 1万142円 1万1,745円 9,729円 8,067円 4,867円
保健医療 8,288円 1万832円 1万1,526円 1万1,520円 1万4,810円 1万3,917円
交通・通信 2万197円 3万6,933円 4万3,115円 4万4,090円 4万987円 2万2,611円
教育 207円 4,732円 2万2,037円 1万8,541円 2,606円 217円
教育娯楽 2万4,113円 2万8,766円 3万2,507円 2万8,130円 2万7,526円 1万9,999円
その他の消費支出 2万4,795円 3万2,996円 4万6,535円 5万8,433円 5万2,162円 4万1,299円
消費支出 17万4,784円 24万6,899円 30万2,642円 29万7,819円 27万4,243円 21万517円

出典:総務省「家計調査(家計収支編)」

29歳以下の世帯は、ほかの年代と比べて生活費が少ない傾向があります。ただし、一般的にほかの年代と比べて収入も少ないため、生活費の負担が小さいとは言えないでしょう。

40~50代になると生活費が最も高くなり、特に「教育」の負担が大きくなっています。60代以降は、子どもが独立する家庭が増えることなどから生活費が下がっている一方で、ほかの年代と比べて「保健医療」の負担が重くなっていることが分かります。

上手に家計管理を行う方法

上手に家計管理を行う方法

「収入が極端に少ないわけではないのにお金が貯まらない」、「生活費のどこに無駄があるか分からない」という方もいるのではないでしょうか。上手に家計管理を行うために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

  • 家計簿をつけて支出を把握する
  • 先取り貯蓄の仕組みをつくる
  • キャッシュレス決済を活用する

家計簿をつけて支出を把握する

お金の使い方を見直して黒字の状態を維持するためには、お金の流れや支出の内容を知ることが重要です。「なぜか毎月お金が足りなくなる」、「何から節約すれば良いか分からない」という方は、家計簿をつけて何にいくら使っているかを把握しましょう。

家計簿が続かない方は、以下のポイントを意識して取り組んでみてください。

  • 家計簿アプリを活用する
  • おおまかな数字で家計簿をつける
  • 家計簿をつけるタイミングを決めておく

家計簿アプリは、銀行口座やクレジットカードなどを連携する、あるいはレシートを撮影するだけで金額を自動入力してくれる機能などがあるため、手間なく続けやすいことが特徴です。

家計簿をつけると、何にいくら使っているか、節約できる項目はないかなどを把握しやすくなります。しかし、大切なのは家計簿をつけるだけではなく、そこから節約に取り組む行動を起こすことです。

先取り貯蓄の仕組みをつくる

口座にお金があるとつい使ってしまう方や貯蓄がなかなか続かない方は、「先取り貯蓄」で貯蓄を習慣化しましょう。先取り貯蓄とは、給料が入った時点で一定額を貯蓄し、残った金額で生活費をやりくりする方法です。

先取り貯蓄のポイントは、生活費の口座と貯蓄用の口座を分けて管理することです。先に貯蓄分を貯蓄用口座に移すことで、貯蓄に回す予定だったお金を使ってしまうことを防ぎやすくなります。

先取り貯蓄の方法には、積立定期預金で積み立てる方法や、毎月一定額を指定の口座に自動で送金してくれる「自動送金サービス」を利用する方法などがあります。「教育資金」や「旅行資金」など、貯蓄の目的ごとに分けて管理するとより効果的です。

キャッシュレス決済を活用する

クレジットカードや電子マネー、コード決済などのキャッシュレス決済を活用しましょう。

多くのキャッシュレス決済サービスは、スマートフォンのアプリなどを利用していつでも利用明細を確認できるため、支出管理に便利です。

また、キャッシュレス決済ではポイントが還元される場合が多く、現金よりもおトクに支払えます。ATMで現金を引き出す必要がないため、ATM利用手数料の節約にもつながります。

ただし、キャッシュレス決済は手軽に決済できる反面、使いすぎてしまう場合があるため、こまめに利用状況を確認するなどの対策が必要です。

【固定費】見直したい項目・節約のコツ

生活費は、大きく固定費と変動費に分けられます。

固定費 毎月発生する支出で、ある程度金額が一定のもの
変動費 毎月支払額が変動するもの

生活費を抑えるためには、一度の見直しで長期的に節約できる固定費の見直しから取り組むことがポイントです。この章では、固定費で見直したい主な項目と節約のコツを紹介します。

住居費

住居費は、固定費のなかでも大きな割合を占める項目です。主な見直しポイントは、以下のとおりです。

  • 家賃が安い物件に引越す
  • 住宅ローンの繰り上げ返済を行う
  • 住宅ローンを借り換える

一般的に、家賃は手取りの2~3割程度に収めるのが理想と言われます。住居費の負担が大きい方は、契約更新前に家賃が安い物件に引越すことも検討しましょう。ただし、退去費用・入居費用や引越し費用も踏まえて判断することが重要です。特に引越し費用は時期によって高額になるため、引越す時期も合わせて検討するようにしましょう。

住宅ローンを組んでいる方は、無理のない範囲で繰り上げ返済を行えば、本来支払うはずだった利息を軽減でき、返済期間を短縮できます。また、今より金利が低い住宅ローンに借り換えるのも手段の一つです。その際には、借り換えの際にかかる諸費用も考慮したうえで、最終的に総返済額を削減できるかを確認し、行動に移すことが大切です。

光熱費

光熱費は、毎月の生活費のうち、比較的負担が大きい支出の一つです。

水道はお住まいの地域を管轄する水道局で契約するため、契約先を自由に決めることはできません。一方、電気・ガスは利用者が自由に契約先を選択できます。

電気は2016年、ガスは2017年に自由化がスタートし、多彩な料金プラン・サービスが登場しています。そのため、ライフスタイルに応じて電力・ガス会社を乗り換えれば、光熱費の負担を抑えられる可能性があります。

電気とガスのセット契約による割引やポイントサービスなどを行っているところもあるので、複数社を比較・検討して選びましょう。

各社が提供している料金シミュレーション機能を利用すれば、電力・ガス会社の乗り換えで光熱費がどう変わるかを試算できます。

1人暮らしや2人暮らしの光熱費については、以下の記事でも詳しく解説しています。

一人暮らしの光熱費の平均はいくら?電気・ガス・水道料金の内訳や節約方法を解説

同棲や夫婦二人暮らしの光熱費はいくら?電気代・ガス代・水道代の平均や節約法を紹介

通信費

通信費も節約に効果的な支出の一つです。主な見直しポイントを紹介します。

  • 不要なオプションを解約する
  • 料金プランを見直す
  • 格安SIMに乗り換える
  • セット割や家族割を活用する

契約内容を確認し、不要なオプションが付いている場合は解約しましょう。

また、現在の料金プランがご自身のデータ利用状況や通話状況にあっているかどうかの確認も必要です。例えば、Wi-Fi環境で利用することが多い方は、データ利用量が少ないプランへの変更によって通信費を抑えられる可能性があります。

料金プランは通信会社によって異なるため、乗り換えを検討するのも方法の一つです。セット割や家族割などの各種割引、ポイントサービスなど、各通信会社が多彩なサービスを提供しているので、ご自身にあったところを選びましょう。

通信会社や料金プランの見直しに加えて、動画の視聴やアプリの更新をWi-Fi環境で行うなど、スマートフォンの使い方を見直すことも節約のポイントです。

保険料

家族構成やライフスタイルの変化に応じて、生命保険(終身保険や定期保険など)や損害保険(自動車保険など)の見直しを行いましょう。

例えば、住宅ローンを組んでマイホームを購入する際、多くの金融機関では団体信用生命保険への加入が必要です。団体信用生命保険に加入すると、住宅ローンの返済中に死亡または高度障害になった場合に住宅ローンの残高がゼロになるため、別で加入している民間の死亡保険の減額を検討できる場合があります。

また、自動車保険などの損害保険に関しても、補償内容や保険会社などの見直しによって保険料の負担を抑えられるかもしれません。

ただし、保険料が下がるかどうかだけでなく、必要な保障・補償を十分に検討することが重要です。

サブスクリプション料金

月額制のサブスクリプションサービスは、毎月固定で支払える点がメリットですが、複数のサービスを契約するとそれだけ毎月の負担が大きくなります。サブスクリプションサービスを利用している方は、以下の項目を見直しましょう。

  • あまり使っていないサービスがないか
  • 解約のし忘れで料金が発生しているサービスがないか
  • 利用状況に適したプランを契約しているか

利用頻度が少ない場合は、サブスクリプションを解約し、個別に商品やサービスを購入したほうが良いケースもあります。

【変動費】見直したい項目・節約のコツ

【変動費】見直したい項目・節約のコツ

毎月金額が変わる変動費は、項目ごとに予算を設定し、その範囲内でやりくりするのが節約のポイントです。予算設定機能のある家計簿アプリを使う、あるいは項目ごとに金額を袋分けするなどの方法で管理すると良いでしょう。

この章では、変動費のうち、食費と交通費を節約するポイントを紹介します。

食費

食費は、変動費の中で大きな割合を占める支出です。以下のポイントを押さえ、できることから取り組みましょう。

  • 外食の回数を減らす
  • 弁当や水筒を持参する
  • コンビニの利用頻度を減らす
  • 食べきれないほどの食材を買わない
  • 傷みにくい方法で食材を保存する
  • 利用するスーパーを決めておく
  • 特売情報を確認する

このように、少しの工夫で食費を抑えることは可能ですが、無理に節約するとストレスが溜まったり、体調を崩したりする可能性があります。栄養価の高い食材を使う、旬の野菜を食べるなど、栄養バランスにも配慮しながら、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

食費の平均や節約方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

食費の平均はいくら?世帯人数や年収別の平均額、食費を抑える方法も解説

交通費

交通費は、移動手段などの見直しで節約につながります。主なポイントは以下のとおりです。

  • 自転車や徒歩で移動する
  • タクシーや自動車の代わりに公共交通機関を利用する
  • 金券ショップで切符などを安く購入する
  • ICカードの割引やポイントを活用する
  • 割引のあるガソリンスタンドを利用する

自転車や徒歩での移動を増やせば、交通費を節約できるだけでなく、運動不足の解消にも効果的です。自転車や徒歩での移動が難しい場合は、タクシーや自動車の代わりに公共交通機関を利用できないか検討しましょう。

まとめ

毎月の生活費は、世帯人数が増えるほど大きくなる傾向があります。ただし、家族構成や年齢、ライフスタイルなどによって大きく変わるため、一概には言えません。家計簿をつけて、ご自身の支出の状況を把握しましょう。

生活費を見直す際は、節約効果が得られやすい固定費から取り組むのがポイントです。

電力・ガスは、固定費の中でも見直しやすい項目の一つです。電力は2016年、ガスは2017年に自由化がスタートし、各電力・ガス会社が多彩な料金プラン・サービスを提供しています。

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この記事を監修した人
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新井 智美(あらい ともみ)

1級FP技能士・CFP

2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス(、企業向け相談(補助金、助成金の申請アドバイス・各種申請業務代行)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。