一人暮らしの引越し費用の相場はいくら?

国土交通省の関東運輸局は、一人暮らしの方(1K~1DKの1階)で引越し先までの距離100km、2トン車を利用した引越し費用のモデルは5~6万円としています(※1)。

ただし、引越し費用はそれぞれの利用条件で大きく変わります。

たとえば、一人暮らしにかかる引越し費用の相場には、次のような違いがみられます(※2)。

  • 通常期(おおむね4月中旬から翌2月ごろ)
荷物少なめ 荷物多め
~15㎞未満
(同市区町村程度)
4万1,079円 4万5,404円
~50㎞未満
(同都道府県程度)
4万4,251円 4万8,184円
~200㎞未満
(同一地方程度)
4万7,552円 6万1,179円
~500㎞未満
(近隣地方程度)
5万5,357円 7万5,085円
500㎞以上
(遠距離地方程度)
6万3,383円 9万559円
  • 繁忙期(おおむね3~4月初旬ごろ)
荷物少なめ 荷物多め
~15㎞未満
(同市区町村程度)
4万1,094円 5万5,998円
~50㎞未満
(同都道府県程度)
4万4,493円 5万9,428円
~200㎞未満
(同一地方程度)
5万5,304円 6万1,811円
~500㎞未満
(近隣地方程度)
6万166円 9万3,770円
500㎞以上
(遠距離地方程度)
7万1,163円 10万7,103円

上記のとおり、通常期に荷物や移動距離が少ないと4万円程度ですが、繁忙期に荷物や移動距離が多いと10万円を超えるなど、同じ一人暮らしでも条件によって6万円以上の差が出ています。

(※1)出典:国土交通省 関東運輸局「引越しのモデル運賃・料金」
(※2)引越し費用の目安は、複数の引越し見積りサイトを元に独自に計算のうえ作成しています。

単身パックと単身プランの違い

できるだけ引越し費用を抑えたいなら、一人暮らし向けに考えられた引越しプラン「単身パック」と「単身プラン」の違いを理解しておきましょう。

単身パックとは、引越し業者により決められたサイズのコンテナに荷物を入れて、他人のコンテナとともに荷物を運搬する引越サービスです。

たとえば、Mサイズのダンボール30箱が積載できるコンテナで3万円のように、コンテナの数と引越し先までの距離で料金が決まるシンプルな仕組みとなっています。なお、コンテナのサイズや設定料金は引越し業者により異なります。

一方、単身プランは通常の引越しプランと同様、家具や家電、荷造りした段ボールなどを貸切トラックで運搬する引越サービスです。一人暮らし向けのプランとしてではなく、一般的なプランのひとつとして提供されている場合もあります。

単身プランは、荷物の量や引越し先までの移動距離、引越す時期などを確認のうえ、見積り料金を出してもらってから契約します。

単身パックと単身プランのどちらがいい?

単身パックと単身プランは以下のように荷物の量や梱包資材の有無が異なるため、一概にどちらいいとは言えません。

単身パック 単身プラン
見積りの有無 訪問見積りは不要
(原則オンライン申込み)
訪問見積りが必要
荷物の量 コンテナに納まる量
(入らなければ要追加料金)
運搬を希望する量
梱包資材 有料
(ご自身で準備する)
無料
(サービスとして提供される)
引越し費用の目安 単身プランより割安 単身パックより割高

引越し費用をできるだけ抑えたい方や荷物が少ない方は単身パックがおすすめです。

しかし、単身パックのコンテナに納まりきらない大きな荷物がある方や、荷物の量が多い方、梱包資材の準備が手間な方は単身プランが向いているでしょう。

学生向けの一人暮らし向けプラン「学割パック」も

大学生や専門学校生など、これから一人暮らしをはじめる新入生や卒業生を対象に、学生向けのおトクな引越しプラン「学割パック」を用意している引越し業者もあります。

学割パックは単身プランがベースとなっており、荷物の量や移動距離などによって料金が変動します。たとえば2トン車を利用して100km離れた引越し先まで荷物を運搬する場合、3万5,000円ほどのリーズナブルな引越し費用に収められる可能性があります。

先述した引越し費用の相場の5~6万円に比べると、学割パックのおトクさが分かるでしょう。

なお、学割パックを扱う引越し業者ごとに、サービス内容や料金は変わります。学生証の提示や大学生協を通じての申込みなどの利用条件を確認して、比較・検討しましょう。

単身プランの引越し費用の内訳

一人暮らし向けの単身プランに限った話ではありませんが、一般的な引越し費用は様々な料金を含めた総額が提示されます。

そこで、引越し費用に含まれる主な内訳を紹介します。

①基本運賃

引越し費用のうち、基本運賃とは引越し先までの移動距離もしくは引越しの作業にかかる時間に応じて変動する料金です。距離制と時間制のふたつの考え方があり、引越し先までの移動距離によってどちらの制度を採用するかが決まります。

基本運賃には、国土交通省の定める基準に準拠した費用が設定されています。「荷物の量」と「距離」または「時間」で増減し、引越し業者による金額の違いはほとんどありません。

②割増料金

割増料金とは、引越しの依頼が集中する繁忙期、土日祝などのカレンダー上の休日、早朝や夜間のイレギュラーな時間などの引越しで追加される料金です。

たとえば休日は2割増し、深夜は3割増しなどのように、基本料金に一定の割増率をかけて算出されるのが一般的です。

引越しのタイミングのほか、作業中にトラックを長時間留め置いたときの車両留置料が、割増料金に含まれる場合もあります。

③実費

引越し費用にかかる実費とは、引越し作業にあたり、業者が用意する作業員の人件費、梱包資材などの費用、荷物を運搬中の有料道路の利用料や走行料金などにかかる料金です。

たとえば、引越し先までの移動距離が長くなると、それだけ実費も高くなる傾向があります。

④オプションサービス料金

オプションサービス料金とは、引越し業者に任意で依頼する付帯サービスにかかる料金を指します。

引越し業者ごとに引き受けるオプションサービスの内容や料金は様々ですが、たとえばエアコンの移設(取り外しと取り付け)、ピアノの運搬、車やバイクの輸送、不用品の処分など、内容は多岐にわたります。

国土交通省のデータによると、移動距離100kmの引越しでのオプションサービス料金には、以下のような目安金額が挙げられています(※3)。

  • ピアノ運搬:4~5万円
  • 車の輸送:2万5,000~3万5,000円
  • エアコンの取り外し:5,000~1万5,000円
  • エアコンの取り付け:1万5,000~2万5,000円

(※3)出典:国土交通省 関東運輸局「引越しのモデル運賃・料金」

一人暮らしの引越し費用を抑えるポイント

一人暮らしの引越し費用を抑えるポイント

どれくらいの荷物をいつ・どこまで運ぶのか、引越しプランを何にするかなど、条件によって一人暮らしの引越し費用は変わります。

しかし、節約につながる行動や考え方を覚えておくと、引越し費用を抑えるのに役立つでしょう。

そこで、一人暮らしの引越し費用を抑えるポイントを詳しく紹介します。

引越しをする前に知っておくと便利な手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。

引越しのやることチェックリスト|手続きのタイミングや内容、流れを解説!

①複数の引越し業者へ見積りを依頼する

同じ依頼内容でも、引越し費用は業者によって異なります。特に単身プランの場合、細かな条件の違いが料金に反映する可能性が高まります。少しでもリーズナブルな引越し費用にしたいなら、複数の引越し業者へ見積りを依頼しましょう。

複数の業者から見積りを取って、それぞれのサービス内容と料金を比較すれば、納得できる契約へとつながります。引越し費用の内訳や引越し当日に追加料金が発生する可能性なども比較対象に加えると、より正確に判断できます。

なお、引越しの見積もりは引越し日の1カ月前を目安に、遅くとも2週間前までに依頼しておきましょう。

②繁忙期をできるだけ避ける

引越し費用には、荷物の量や引越し先までの移動距離のほか、「いつ引越すか」も大きく影響します。多くの方の引越しが重なる3月から4月初旬は引越しの繁忙期です。そのため、その時期に依頼すると、引越し費用が高くなりがちです。

繁忙期以外にも、週末(金・土・日曜)や祝日、大安の日なども引越しが集中しやすく、費用が上がる原因となります。

逆に、依頼が集中しづらい通常期や平日の日中などは値引きしてもらえることが多く、引越し費用を抑えられる可能性が高まります。

③大型の家具や家電は引越し先で購入する

運搬する荷物の量は、トラックの大きさや作業人数に影響するため、引越し費用を左右する要素のひとつとなっています。そこで、荷物の量を減らすと、引越し費用の軽減につながる可能性があります。

これからはじめて一人暮らしをするなら、大型の家具や家電は引越し先で購入して、荷物の量を減らしましょう。

④荷造りと荷ほどきはご自身で行う

引越し費用には、作業に携わるスタッフの人件費が含まれます。そのため、できる範囲でご自身の作業する割合を増やすと、引越し費用を抑えられます。たとえば単身プランを利用する場合、ご自身で荷造りや荷ほどきをするのがおすすめです。

また、引越し業者ごとに作業内容の異なる引越しプランが提供されているため、予算や希望にあわせてプランを選ぶようにしましょう。

⑤単身パックを選ぶ

一人暮らしの場合、荷物の量によっては単身プランよりも単身パックを選ぶとリーズナブルです。

しかし、冷蔵庫1台や自転車1台で、それぞれコンテナをひとつ使うことになるなど、荷物の内容によってはかえって割高になるケースも考えられます。

事前に荷物の大きさや量を確認したうえで、見積りを取りましょう。

⑥宅配便の利用も検討する

荷物が少なく、単身パックのコンテナに詰め込むほどの量ではないとお考えなら、宅配便の利用を検討するのもおすすめです。

ある運送会社を利用する場合、関東エリアの引越し(東京都から神奈川県)で宅配便を利用すると以下の料金となります。

ダンボールのサイズと重量 料金
サイズ100(10kgまで) 1,530円
サイズ120(15kgまで) 1,850円
サイズ140(20kgまで) 2,190円
サイズ160(25kgまで) 2,510円
サイズ180(30kgまで) 3,060円
サイズ200(30kgまで) 3,720円

さらに宅配便には、同一住所へ複数のダンボールを送ると、割引を受けられるサービスもあります。

引越しのタイミングで電気料金を見直そう

引越しをするとなると、引越し費用に限らず、生活の変化に伴って出費が増えます。ムダな出費を抑えてできるだけ節約したいなら、引越しのタイミングで、電力会社や電気料金プランの見直しもおすすめです。

電力自由化がはじまって以来、様々なプランやサービスを提供する新電力が増えています。電力会社やプランによって基本料金の有無や電気料金が変わるため、ご自身のライフスタイルや希望に応じた電力会社やプランを選ぶと、自然と節電につながると期待されます。

電力自由化の概要や電力会社の選び方は、以下の記事でも詳しく解説しています。

電力自由化とは?メリット・デメリットや電力会社の選び方を解説

まとめ

まとめ

一人暮らしの引越し費用は平均5~6万円とされています。しかし、実際にかかる料金は引越し業者や選んだプラン、荷物の量、引越し先までの距離、引っ越す日時など、条件の違いで大きく変動します。

一人暮らし向けの引越しプランには、決まったサイズのコンテナに荷物を収める単身パックがあり、少ない荷物を割安で運びたいときに便利です。

また、複数の業者から見積りを取る、繁忙期を避ける、大きな家電や家具は引越し先で買う、自分で荷造りや荷ほどきをするなどのポイントを押さえれば、引越し費用を抑えられる可能性があります。

出費が増える引越しのタイミングで家計の負担を抑えたいなら、電力会社やプランの見直しもおすすめです。

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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。