テレビの電気代は種類によって異なる

現在販売されているテレビの種類は、大きく「液晶テレビ」「有機ELテレビ」の2種類です。種類によって消費電力に違いがあるため、電気代にも差が生じます。

電気代の違いを理解するため、まずはそれぞれの特徴を知りましょう。

なお、プラズマテレビは2014年をもって生産が終了しています。

液晶テレビ

液晶テレビとは、液晶パネルにバックライトの光を当てて映像を映し出す方式のテレビです。

豊富なラインアップから選べることや、比較的消費電力が小さいことが主な特徴です。有機ELテレビと比べると、「黒」の再現力が低い傾向があります。

有機ELテレビ

有機ELテレビとは、バックライトを使用せずに、有機物を採用した自発光方式のテレビです。本体が薄く、「黒」の再現力が高いことが特徴です。

有機ELテレビは、液晶テレビと比べて消費電力が大きい傾向があります。

テレビの電気代はいくら?

テレビの電気代は、以下の式で求められます。

消費電力(kW)×使用時間(h)×電気代単価(円/kWh)

電気代単価は1kWhあたりの電気代のことで、電力会社や契約している料金プランによって異なります。なお、本記事内では、電気代単価を31円/kWh(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価)として試算します。

1kWhあたりの電気代の目安や計算方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

1kWhあたりの電気代はいくら?電気代の内訳や節電方法を解説

消費電力の計算方法は?電気料金の求め方や節電方法も解説

テレビの1時間あたりの電気代

テレビの1時間あたりの電気代の目安は、以下のとおりです。仮の消費電力をもとに試算した結果であるため、参考程度にご覧ください。

液晶テレビ4K

サイズ 消費電力(例) 1時間あたりの電気代の目安
43型 140W 約4.34円
55型 146W 約4.53円
65型 193W 約5.98円
75型 283W 約8.77円

液晶テレビ8K

サイズ 消費電力(例) 1時間あたりの電気代の目安
60型 550W 約17.05円
70型 560W 約17.36円

有機ELテレビ4K

サイズ 消費電力(例) 1時間あたりの電気代の目安
42型 175W 約5.43円
48型 254W 約7.87円
55型 378W 約11.72円
65型 492W 約15.25円
77型 696W 約21.58円

「4K」や「8K」は、画素数(解像度)を表す用語です。数値が高いほど画素数が高く、より鮮やか・きめ細やかな映像を映し出せる一方で、消費電力が高くなります。なお、4Kはフルハイビジョンの4倍、8Kはフルハイビジョンの16倍の画素数です。

テレビの1日・1カ月あたりの電気代

次に、テレビの1日あたり・1カ月あたり(30日間)の電気代の目安を見てみましょう。先述した1時間あたりの電気代をもとに、1日あたりの視聴時間を5.1時間(一般家庭での1日1台あたりの平均視聴時間)と仮定して試算しています。

液晶テレビ4K

サイズ 1日あたりの電気代の目安 1カ月あたりの電気代の目安
43型 約22.13円 約663.9円
55型 約23.1円 約693円
65型 約30.5円 約915円
75型 約44.73円 約1,341.9円

液晶テレビ8K

サイズ 1日あたりの電気代の目安 1カ月あたりの電気代の目安
60型 約86.96円 約2,608.8円
70型 約88.54円 約2,656.2円

有機ELテレビ4K

サイズ 1日あたりの電気代の目安 1カ月あたりの電気代の目安
42型 約27.69円 約830.7円
48型 約40.14円 約1,204.2円
55型 約59.77円 約1,793.1円
65型 約77.78円 約2,333.4円
77型 約110.06円 約3,301.8円

「液晶テレビ4K(43型)」と「有機ELテレビ4K(77型)」を比較してみると、1カ月の電気代の差はおよそ2,600円です。このように、テレビの電気代は種類や画素数、サイズなどによって大きく異なります。

テレビの「つけっぱなし」と「つけたり消したり」はどちらの電気代が安い?

テレビの消費電力は、起動時と視聴時で大きく変わるわけではありません。視聴時間が長くなればそれだけ消費電力量が増えるため、つけっぱなしにするよりもこまめに電源を消したほうが電気代の節約になります。

先述した有機ELテレビ4Kを例に、5.1時間視聴した場合の電気代と、1日つけっぱなしにした場合(10時間と仮定)の電気代を比較してみましょう。

有機ELテレビ4K

サイズ 5.1時間視聴した場合の
電気代の目安
1日つけっぱなしにした場合の
電気代の目安
42型 約27.69円 約54.3円
48型 約40.14円 約78.7円
55型 約59.77円 約117.2円
65型 約77.78円 約152.5円
77型 約110.06円 約215.8円

大きな差ではないものの、テレビをつけっぱなしにしていることが多い方は、こまめに電源を消す習慣をつけましょう。

テレビの電気代を節約する方法

テレビの電気代を節約する方法

テレビの電気代は種類や画面のサイズなどによって変わりますが、使い方の見直しによっても節約が可能です。以下のポイントを意識し、電気代の負担を軽減しましょう。

  1. テレビを見ないときはこまめに消す
  2. 画面の明るさや音量を調整する
  3. こまめに掃除する
  4. 長時間見ないときはプラグを抜く
  5. 省エネ機能を活用する
  6. 最新のテレビに買い替える

①テレビを見ないときはこまめに消す

見ていないテレビをなんとなくつけっぱなしにしている方もいるのではないでしょうか。先述したとおり、こまめに消すほうが電気代を抑えやすいため、見ないときは電源を消す習慣をつけることが大切です。

家族で同じ番組を見るときはなるべく1台のテレビで見るようにし、ゲームやDVDが終わった後の電源の消し忘れにも注意しましょう。

②画面の明るさや音量を調整する

テレビを視聴するときは、適度な明るさ・音量に設定しましょう。画面の明るさや音量を控えめにすると消費電力が下がり、電気代の節約になります。

また、映像モードを選択できる機種を使っている場合は、画面の設定を見直すのも効果的です。「ダイナミック」「スタンダード」「リビング」などのモードがあり、明暗がはっきりした映像モード(ダイナミックモードなど)は、消費電力が比較的大きい傾向があります。

③こまめに掃除する

画面にホコリがついていると、設定より暗く感じることがあります。クリーニングクロスなどの柔らかい布でこまめに拭き取り、明るい状態を維持しましょう。

また、テレビの背面をこまめに掃除することで、放熱効率が良くなります。

なお、テレビのお手入れ方法は機種によって異なります。誤った方法でお手入れすると、性能が下がったり故障したりする可能性があるため、取扱説明書などを確認したうえで行いましょう。

④長時間見ないときはプラグを抜く

テレビを長時間見ないときは、テレビ本体のスイッチで主電源を切れば待機電力を抑えられます。また、旅行などで家を不在にする場合は、電源プラグをコンセントから抜きましょう。

ただし、録画機能付きテレビの場合、主電源を切っている、あるいはプラグを抜いていると、予約録画が動作しなくなる点には注意が必要です。

⑤省エネ機能を活用する

テレビの機種によっては、電源の切り忘れを防ぐための省エネ機能が搭載されている場合があります。

省エネ機能の例 概要
オフタイマー機能 指定した時間に自動的に電源が切れる
無信号オフ機能 一定時間信号がないと、自動的に電源が切れる
無操作オフ機能 一定時間操作がないと、自動的に電源が切れる
照明オフ連動機能 部屋の照明が消えると、自動的に電源が切れる
明るさセンサー 部屋の明るさにあわせて画面の明るさを自動調整し、無駄な消費電力を減らす
人感センサー 人がいるかどうかを感知し、一定期間人がいないと自動的に電源が切れる

例えば、オフタイマーを設定していれば、テレビを見ながら寝てしまっても一定時間後に自動で電源が切れるため、余計な電力の消費を抑えられます。

取扱説明書などでお持ちのテレビに搭載されている省エネ機能を確認し、積極的に活用しましょう。

⑥最新のテレビに買い替える

古いテレビを長期間使っている方は、思い切って買い替えることで電気代を節約できる場合があります。最新のテレビは、照明装置として消費電力を抑えた「LEDバックライト」を採用した機種が多く、省エネ性能が優れているためです。

環境省によると、2020年のテレビは2010年のものと比べて約42%の省エネになります(※1)。

買い替えにはまとまった費用がかかりますが、セール時期や新しいモデルが発売される前など、時期を調整することでおトクに購入できる可能性があります。

(※1)出典:デコ活 ウェブサイト「製品の選び方:テレビ」

電気代を節約できるテレビの選び方

電気代を抑えるためには、テレビの選び方も重要です。

テレビによってパネルの種類や画面のサイズ、機能などが異なるため、消費電力にも違いが生じます。テレビの買い替えを検討している方、電気代を節約したい方は、以下のポイントに着目してテレビを選びましょう。

  • 年間消費電力量が小さいものを選ぶ
  • 省エネ基準達成率が高いものを選ぶ
  • 画面サイズが部屋の広さにあうものを選ぶ

年間消費電力量が小さいものを選ぶ

テレビの省エネ性能を比較する際は、年間消費電力量を確認しましょう。

年間消費電力量とは、家庭での平均視聴時間をもとに算出した、1年間に消費する電力量です。メーカーのホームページや取扱説明書、店頭に表示されている「統一省エネラベル」などで確認できます。

一般的に、テレビのサイズが大きくなる、あるいは機能が充実するほど年間消費電力量が大きくなり、電気代が高くなります。

省エネ基準達成率が高いものを選ぶ

省エネ基準達成率は、テレビの省エネ性能が分かる指標のひとつで、省エネ法に基づいて定められた省エネ性能の目標基準値に対する達成率を%で表示したものです。省エネ基準達成率が高いほど、省エネ性能に優れていることを示します。

テレビの場合、パネルの種類と画素数によって分けられた区分ごとに、目標基準値の算定式が設定されています。

店頭に表示されている「統一省エネラベル」には、省エネ基準達成率だけでなく、年間の電気代(目安)も記載されているため、テレビを選ぶ際の目安にすると良いでしょう。

画面サイズが部屋の広さにあうものを選ぶ

部屋の大きさにあった画面サイズのテレビを選びましょう。

画面が大きいと、よりダイナミックな映像を楽しめる、細部まではっきり見えるなどのメリットがある一方で、消費電力も大きくなる傾向があります。

テレビの視聴距離は、一般的に画面の高さの3~4倍程度とされます(※2)。例えば、42型のテレビなら、約160cmが視聴距離の目安です。

なお、4Kの場合は、画面の高さの1.5倍程度になります。

消費電力はパネルの種類などによっても変わるため、一概に言えませんが、部屋の広さに適した画面サイズを選ぶことで電気代の無駄を抑えられる可能性があります。

(※2)出典:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネカタログ2024年版」

テレビの電気代を節約するなら電力会社・料金プランの見直しがおすすめ

テレビの使い方を見直せば、一定の節電効果を得られる可能性はありますが、さらに電気代を抑えるなら、電力会社・料金プランを見直すのが効果的です。

2016年の電力自由化以降、ライフスタイルなどに応じて自由に電力会社を選べるようになり、各電力会社が様々な料金プランを提供しています。

他サービスとのセット契約によって割引を受けられる場合や、電気代の支払いでポイントが貯まるサービスを提供している場合もあるため、複数の電力会社・料金プランを比較・検討し、ご自身にあったものを選びましょう。

なお、電力会社の乗り換えは、原則として立ち会いが不要です。また、現在の電力会社の解約手続きは新たに契約する電力会社が行うため、比較的手間なく乗り換えられます。

電力自由化については、以下の記事でも詳しく解説しています。

電力自由化とは?目的やメリット・デメリット、電力会社の選び方を解説

まとめ

現在販売されているテレビの種類は、大きく「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」の2種類です。液晶テレビは、有機ELテレビと比べて消費電力が低い傾向があります。ただし、消費電力は画素数や画面のサイズによっても大きく変わるため、一概に言えません。

こまめに電源を切る、明るさ・音量を控えめにするなど、使い方の見直しでテレビの電気代を節約しましょう。また、最新機種への乗り換えや電力会社・料金プランの見直しも効果的です。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。