一人暮らしの食費にかかる1カ月の平均額

比較対象がなければ、ご自身の食費が使いすぎかどうかを判断するのはむずかしいでしょう。そこで、一人暮らしをしていると一般的にはどれくらいの食費がかかるのか、公的なデータから1カ月の食費の平均額を確認しましょう。

なお、世帯人数や収入などの条件別に見る1カ月の平均的な食費の違いは、以下の記事で詳しく解説しています。

1カ月の食費はいくら?世帯人数や収入別の平均額や節約方法を解説

年齢別に見る一人暮らしの食費

総務省統計局によると、外食を含む一人暮らし(単身世帯)の1カ月の食費の平均は、4万3,941円です(※1)。

年齢 男性 女性
34歳以下 4万308円 4万288円
35~59歳 5万1,710円 4万1,502円
60歳以上 4万6,897円 4万1,569円
65歳以上 4万6,337円 4万1,220円
平均額 4万6,886円 4万1,346円

上記から、30~50代の働き盛りは食費がかかりやすく、男性の方が女性よりも食費は高い傾向があると言えます。

(※1)出典:総務省統計局「家計調査(2024年度)」1世帯当たり1か月間の収入と支出(男女,年齢階級別)

社会人(勤労世帯)の一人暮らしの食費

働いている社会人(勤労世帯)にしぼった、一人暮らしの1カ月当たりの平均食費は以下のとおりです(※2)。

年齢 男性 女性
34歳以下 4万1,039円 4万225円
35~59歳 5万5,879円 4万1,925円
平均額 4万9,351円 4万1,249円

女性の1カ月当たりの食費は全体の平均額とほぼ変わりません。しかし、働く一人暮らしの男性の食費は平均4万9,351円とやや高額になっています。

35歳以上の男性社会人には食費にかけられるだけの収入があるほか、多忙な毎日や仕事での付き合い、飲酒の習慣、ストレス解消などの理由から食費が高くなる傾向があると考えられます。

(※2)出典:総務省統計局「家計調査(2024年度)」1世帯当たり1か月間の収入と支出(男女、年齢階級別)

学生の一人暮らしの食費

全国大学学生協同組合連合会によると、自宅生(自宅から通学する学生)の平均食費は1万4,340円、下宿生(下宿先から通学する学生)の食費は2万6,110円です(※3)。

これらを平均すると、学生の1カ月あたりの食費平均は2万225円です。

学生は生活費にかけられる予算が低く、リーズナブルな学食を活用できる、自炊に割ける時間がある傾向があるため、社会人よりも食費が抑えられていると推測できます。

(※3)出典:全国大学生活協同組合連合会「第60回学生生活実態調査 概要報告」

一人暮らしの食費を考えるときの理想的な金額は?

一人暮らしの平均的な食費を把握したら、次はご自身が目標とすべき理想的な食費額がどれくらいなのかを検討しましょう。

総務省統計局によると、一人暮らしの方のエンゲル係数は平均25.9%です。つまり、2023年時点、一人暮らしの日本人は家計のおよそ4分の1を食費に使っている事実がわかります(※4)。

ただし、先ほどまでのデータからもわかるとおり、食費には個人差があります。たとえば、34歳以下の女性のエンゲル係数は18.8%で、全体の平均を大きく下回っています。

こうしたデータはあくまで参考としてとらえ、エンゲル係数から割り出した食費がご自身の理想になるとは言い切れない点も理解しておくことが大切です。

日本では近年、食品価格高騰が続いています。食品の消費者物価指数は、2020年を「100」とすると、2024年には「122.5」まで上昇しており、日本人のエンゲル係数も上がり続けています。

エンゲル係数は通常、生活水準が上がるとともに低下するとされますが、現在の日本にはその法則が当てはまるとは言い切れません。むしろ、年齢や性別、収入、食品高騰などの影響が大きいと推測されます。

そのため、理想的な食費、目標とすべき食費を判断するのがむずかしい状況ですが、少しでも食費を抑えたいなら、エンゲル係数は平均データより低めの20%前後を目標とするのがおすすめです。たとえば、毎月の生活費が18万円の場合、「18万円×20%=3万6,000円」と考えてみましょう。

(※4)出典:総務省統計局「家計調査(2024年度)」1世帯当たり1か月間の収入と支出(男女,年齢階級別)

食費を節約する方法

食費を節約する方法

食事は毎日の暮らしに欠かせず、食べる楽しみや健康にも影響するため、ただ削ることばかりを考えるとモチベーションの維持がむずかしくなりがちです。

そこで、食費を無理なく抑えたい方に向けて、気軽に生活に取り入れやすい節約方法を紹介します。

なお、食費を抑える方法は、以下の記事でも詳しく紹介しています。

食費の平均はいくら?世帯人数や年収別の平均額、食費を抑える方法も解説

1 食費にかける予算を決めておく

食費を抑えたいと思ったら、最初に具体的な予算を設定しましょう。「ここまで使っても良い」と予算を意識すると、毎日のムダを防ぐのに役立ちます。

予算を決めるにあたって重要となるのが、現在の食費を把握することです。節約がつらくならないように、現状の金額から無理のない範囲で目標金額を決めます。先ほど紹介した平均額やエンゲル係数を参考にして予算を考えるのも良いでしょう。

1週間ごと、1カ月ごとなど、ご自身が管理しやすい期間で設定するのも節約成功のポイントです。また、設定した予算を達成できたかを期間ごとに振り返ると、ご自身にとって理想的な食費や節約方法を知るきっかけとなります。

2 自炊の回数を増やす

外食をする機会が増えるほど食費も膨らみやすいため、自炊を増やすことで自然と節約につながります。

とりわけ社会人は多忙や疲れから外食に頼りがちです。20~59歳を対象とした調査によると、昼食では20~50%、朝食や夕食では10%前後が外食を利用しています。(※5)

はじめは惣菜や弁当のテイクアウトでも良いので、朝ごはんと夜ごはんをできるだけ自宅で食べるところからはじめましょう。外食の代わりに自炊の回数を増やすほど、食費の節約効果を実感できるはずです。

(※5)出典:農林水産省「食生活や食料消費の実態の調査結果(中間報告)」

3 買い物の回数を減らしてまとめ買いする

食材を買う機会を減らすことも、食費の節約に効果があります。

買い物の回数を減らすと、「なんとなく」と手が伸びる衝動買いを回避できるでしょう。また、1回の買い物で数日分の食材をまとめ買いすると、計画的な食材の購入も実現しやすくなります。あらかじめ購入品をリストアップしておくのがおすすめです。

買い物の回数を減らすとともに、スーパーの特売を利用する、使い切れる食材のみを購入するなどを意識して、できるだけ無駄を省きましょう。

4 加工食品や冷凍食品、冷凍保存を上手に取り入れる

自炊したいと思っても、忙しくて時間が取れない、料理が苦手であるなどの理由から、なかなか実行できない方もいるでしょう。

そんなときには、自分で料理することにはこだわらず、加工食品や冷凍食品を上手に活用するのがおすすめです。最近は、家庭でおいしい料理を手軽に楽しめるように、スーパーの総菜コーナーや冷凍食品が充実しています。

また、一人暮らしだと、購入した肉や野菜などを1回で使い切れなかった経験もあるでしょう。食材が余ったら、調理前・調理済みにかかわらず、冷凍保存をして使い切りましょう。

5 外食するときはクーポンなどを活用する

これまで外食中心の食生活だった方ほど、外食回数を減らしたときの節約効果は大きくなります。たとえば、夜ごはんに外食で2,500円使っていた方が週3日から週1日に回数を減らすと、月2万円ほどの節約が可能です。

ただし、仕事の付き合いや友人との集まりなど、外食は大切なコミュニケーションの機会でもあります。食費の節約を続けていくには、外食をガマンしすぎず、楽しむ機会を持つことも重要です。

一方で、外食にかかる費用をできるだけ抑えられるように、おトクな情報を逃さないようにしましょう。クーポンを活用する、サービスタイムを利用するなど、リーズナブルに外食する手段はたくさんあります。

6 食費の支払いをカード払いにする

スーパーでの買い物や外食の支払いをする際、現金ではなくクレジットカードを選ぶのもおすすめです。利用金額に応じたポイント還元サービスを実施しているクレジットカードは多く、利用によるポイント還元が実質的な節約になると考えられます。

たとえば、毎月2万円分の食材を還元率1.0%のクレジットカードで購入すると、「2万円×1.0%=200円分」、1年に換算すると2,400円分のポイント還元を受けられます。

一人暮らしの食費で還元されるポイントでも、スーパーの特売品の割引額と比べて遜色のない節約効果が見込まれます。

食費以外で生活費を節約するポイント

食費を節約したいと思ったら、食費を含めた生活費(家計の消費支出)全般を見直すのもおすすめです。

生活費は大きく「変動費」と「固定費」の大きく2種類に分けられます。

  • 変動費:食費をはじめ、日用品費や娯楽費など毎月変動する支出
  • 固定費:住居費や通信費、水道光熱費など毎月一定額かかるもの

固定費は、一度減らしてしまえば、変動費である食費とは違い、ガマンや工夫をせずとも自動的に節約している状態が続きます。生活費の節約を検討するなら、ぜひ固定費も見直しましょう。

それでは、生活費を節約するために見直しておきたい代表的な固定費を3つ紹介します。

①通信費の見直し

固定費のなかでも、節約できる可能性の高い費用がスマートフォンにかかる通信費です。同じ通信事業者やプランをなんとなく使い続けているなら、一度見直してみましょう。

スマートフォンの通信費を見直す際は、毎月のデータ使用量と契約中のプランで提供される通信量を比べるのがポイントです。データ無制限プランを契約しているのに毎月のデータ使用量が10GBしかないなら、割安な料金プランへの変更がおすすめです。

大手通信事業者を利用中なら、格安SIMへの切り替えで通信費を大きく下げられる可能性もあります。

また、スマートフォンのプラン契約時や機種変更時に、オプションサービスを無償提供されることがあります。こうしたオプションサービスの無償期間が終わっているのに気づかず、毎月余計な支出を増やしていないか、料金の内訳も確認しておきましょう。その上で使っていないサービスがあるなら、直ぐに解約することをおすすめします。

②保険の見直し

一人暮らしでも、医療保険やがん保険、火災保険、自動車保険など、複数の保険に加入している方も多いでしょう。

加入したときはご自身に適した内容でも、ライフステージや備えるべきリスクの変化などから、必要な保険は変化します。ご自身の状況に応じて保険を選び直すと、自然と保険料の無駄を省ける可能性があります。

保険会社ごとに提供する保険商品や保険料に違いがあるため、定期的に更新する火災保険(賃貸保険)や自動車保険はよりコスパの良い保険に乗り換えるのも良いでしょう。

また、保障の重複、たとえば医療保険と生命保険の医療特約の内容が同じ場合、保障が手厚くなる分、保険料の出費も増えます。このようなときには、生命保険の特約を外すことも検討しましょう。

特に火災保険、自動車保険や自転車保険などの損害保険は、補償が重複していると、どちらかの保険からしか補償を受けられないため注意が必要です。

③サブスクリプションサービスの見直し

動画、音楽、食品、衣類のレンタルなど、サブスクリプションサービス(サブスク)は月額料金がリーズナブルだとしても、長く使い続けると家計に負担をかけるおそれもあります。

本当に必要なサービスか、コストに見合った内容か、定期的に必要性を検証して節約につなげましょう。

生活費の節約なら電力会社やプランの見直しもおすすめ

便利な家電が増えたため、家計に占める電気料金の割合は年々増加傾向です。一人暮らしでも電気料金に負担を感じる方は多いでしょう。そこで、食費の節約と同時に、電気料金の最適化も進めましょう。

電力自由化がはじまって以来、これまでにないプランやユニークなサービスを提供する新電力が増えています。基本料金の有無や電気代の違いから、新しい電力会社に乗り換えると、これまでと同じ生活でも電気料金を抑えられる可能性があります。

なお、電力自由化の概要や新しい電力会社を選ぶ方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

電力自由化とは?メリット・デメリットや電力会社の選び方を解説

まとめ

まとめ

一人暮らしにかかる食費は、年齢や性別など条件により違いはあるものの、平均4万1,000円から4万5,000円ほどとなっています。エンゲル係数では生活費全体の4分の1に当たるとのデータもあり、家計のなかでも見過ごせない大きな支出です。

昨今の食品高騰の影響もあり、今後も食費は増える懸念があります。自炊を増やして外食を減らす、食材はまとめ買いするなどの努力や工夫で食費の節約を目指しましょう。

食費と合わせて家計のスリム化を目指すなら、生活費そのものを見直すのも良いでしょう。なかでも、年々家計に占める割合が高まっている電気料金の見直しは特におすすめです。

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この記事を監修した人
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新井 智美(あらい ともみ)

1級FP技能士・CFP

2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス(、企業向け相談(補助金、助成金の申請アドバイス・各種申請業務代行)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。