従量電灯とは?A・B・Cプランの違いや料金内訳、メリット・デメリットを解説
大手電力会社と契約しており、プランが「従量電灯プラン」になっているのを見たことがある方もいるでしょう。電力自由化が始まった今でも大手電力会社を継続して利用している方であれば、現在も従量電灯プランで契約している可能性が高いです。
本記事では、従量電灯とは何かをわかりやすく解説します。従量電灯A・B・Cの違いや電気料金の決まり方、メリットやデメリットなどを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
従量電灯とは
従量電灯とは、大手電力会社が一般家庭に提供している電気料金プランの一種です。
2016年の電力自由化が始まる前からあった一般的なプランなので、電力自由化以降にプランを変更していない場合は、現在も従量電灯で契約している家庭が多くあります。ちなみに従量電灯は、契約容量が50kVA未満のものに限られます。
なお、電力自由化については、以下の記事で詳しく解説しています。
電力自由化とは?目的やメリット・デメリット、電力会社の選び方を解説
電気使用量によって単価が変わる
従量電灯プランは、電気使用量によって1kWhあたりの料金単価が変わるのが特徴です。
基本料金に加えて、電気を使った分の料金が3段階の単価で計算されます。電気が生活に必須であることや、省エネ推進などの目的のために、3段階の料金が採用されています。
- 第一段階:最低限の水準で比較的安い料金
- 第二段階:標準的な家庭の使用量にあわせた平均的な料金
- 第三段階:電気を多く使う家庭向けのやや高めの料金
たとえば、東京電力の従量電灯B・C(※1)では、第一段階が月間120kWhまでで料金単価が29円80銭です。第二段階が月間121〜300kWhまでで料金単価が36円40銭、第三段階が月間301kWh以上で料金単価が40円49銭です。
電気使用量が増えるにつれて、料金単価も徐々に高くなるのがわかります。
(※1)出典:東京電力エナジーパートナー「料金単価表-電灯」
燃料費調整額の上限が定められている
従量電灯は、燃料費調整額の上限が定められている電気料金プランであることも特徴のひとつです。
燃料費調整額とは、燃料価格の変動にあわせて自動で調整される電気料金のことです。従量電灯は燃料費調整額の上限が決まっている規制料金に該当するため、事業者が自由に料金を変更することはできません。料金を変更する場合は、経済産業大臣の認可が必要です。
なお、電力自由化以降に登場したプランの多くは、自由料金です。自由料金プランは原則として事業者の裁量によって料金が決まり、変更する際に認可などは必要ありません。
従量電灯A・B・Cの違い
従量電灯は、契約容量の大きさによってA・B・Cなどに分類されます。
契約容量の小さい順にA・B・Cと分けられることが多いですが、電力会社によっては従量電灯A・BやB・Cのように2種類のみ提供していることもあります。
従量電灯A
従量電灯Aは、従量電灯のなかで最も契約容量が小さく、最大電流が5A以下のプランです。アパートやマンションの廊下や階段に設置する照明器具などに利用されます。
従量電灯Aは、電気の使用量にかかわらず発生する最低料金が設けられていることが多いです。そのため、ほとんど使わなかった月でも最低料金分は支払う必要があります。
従量電灯B
従量電灯Bは、10A、15A、20A、30A、40A、50A、60Aの契約容量を選べるプランです。家庭向けの電気料金プランとしては一般的で、選んでいる世帯も多くあります。
具体的には、人数や使用時間などを考慮して、世帯ごとの電気の使用量にあわせて適切なアンペア数を選んで契約します。
従量電灯Bでは、使用量にかかわらず発生する基本料金と、使用量に応じて3段階に分かれている電力量料金のほかに、最低月額料金が設定されていることもあります。
適正な契約アンペア数については、以下の記事でも詳しく解説しているため、参考にしてみてください。
電気の適正な契約アンペア数とは?契約容量の目安や変更する際の注意点も解説
従量電灯C
従量電灯Cは、契約容量が6kVA以上50kVA未満のプランです。1kVA(キロボルトアンペア)は10Aなので、60A以上500A未満に相当します。
電気の使用量が多い一般家庭で契約されることもありますが、主に商店や事務所などで契約されるのが従量電灯Cです。使用量にかかわらず発生する基本料金と、3段階に分かれている電力量料金によって、月々の電気料金が決まります。
従量電灯の料金に関する基礎知識
従量電灯を契約しているなら、知っておきたい料金に関する基礎知識があります。料金の決まり方を理解するためにも、確認しておきましょう。
基本料金制と最低料金制
従量電灯プランの料金には、基本料金制と最低料金制の2種類があります。
基本料金制は、契約したアンペア数によって基本料金が変わるのが特徴です。契約するアンペア数が大きくなるほど、基本料金は高くなります。一方、最低料金制では契約容量が設定されません。そのため、基本料金の代わりに最低料金が採用されます。
従量電灯Aでは最低料金制、従量電灯BとCでは基本料金制など、同じ電力会社でもプランごとに基本料金制と最低料金制を変えているケースもあります。
従量電灯プランの電気料金の内訳
従量電灯プランを含め、一般的な電気料金プランの内訳は以下のとおりです。
基本料金(最低料金) + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金
アンペア数によって決まっている基本料金や、契約すると必ず発生する最低料金は毎月かかります。変動するのは、電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)です。
電力量料金は、電力量の料金単価に1カ月の使用電力量をかけたものと、燃料費調整単価に1カ月の使用電力量をかけたものを差し引きして算出します。従量電灯プランでは、燃料費調整額に上限が設けられているため、燃料費が高騰しても突然電力量料金が上がる心配はありません。
再エネ賦課金も、使用量に応じて課金される仕組みです。電気料金の決まり方や再エネ賦課金については、以下の記事でも詳しく解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
従量電灯のメリットとデメリット
従量電灯プランを契約している、またはこれから契約を検討しているなら、従量電灯プランのメリットとデメリットを知っておく必要があります。
従量電灯プランのメリットとして、安心して契約できる点が挙げられます。国の認可を受けている規制料金を用いたプランなので、信頼性が高いです。また、電気料金を上げるためには国の認可が必要なので、不当に料金がつり上げられる心配がありません。
ただし、自由料金のプランと比較すると、電気料金が高くなるケースが多いです。自由料金プランの多くは、基本料金や電力料金を従量電灯より安く設定しています。燃料費が高騰しにくい状況では、自由料金プランのほうが月々の電気料金を抑えられるでしょう。
従量電灯のプランにするか自由料金のプランにするか迷ったら、シミュレーションをしてみてください。
従量電灯以外のおトクな電気料金プラン
2016年4月に電力の小売が全面自由化され、大手電力会社だけでなく新電力会社が電力の小売事業に参入したことで、従量電灯以外にもおトクな電気料金プランが増えました。
契約プランを従量電灯から別のプランに切り替えることで、電気料金を節約できる可能性があります。代表的な電気料金プランの特徴を確認し、どのようなプランが自分にあっているのか考えてみてください。
完全従量料金制を採用しているプラン
完全従量料金制を採用しているプランが、電力自由化によって多数登場しました。基本料金が設けられておらず、電気の使用量によって決まる従量料金のみで構成されるプランです。
基本料金が設定されている従量電灯のようなプランの場合、契約するアンペア数が大きくなるほど基本料金が高くなります。つまり、電気をたくさん使う家庭ほど、基本料金のない完全従量料金制のプランを選ぶことで大きな節約効果が期待できます。
時間帯や季節によって料金単価が変わるプラン
また、電気料金プランには、時間帯や季節によって料金単価が変わるプランもあります。
- 夜間や深夜の電気料金が安いプラン
- 昼間のほうが安いプラン
- 平日より休日のほうが安いプラン
- 夏になると電気料金が安くなるプラン など
以下のように、自分のライフスタイルにあったプランを選択することで、月々の電気料金を抑えられる可能性があります。
| 家庭の特徴 | おすすめプラン |
|---|---|
| 昼間は学校や仕事で誰も家にいないことが多く、夜は家族全員が家にいる | 夜の電気料金単価が安いプラン |
| 夜勤のため夜は家にいないが、昼間はいる | 昼の電気料金単価が安いプラン |
| オール電化で蓄電池を活用しており、昼間に充電できる | |
| 休日は家族全員が家で過ごすことが多い | 休日の電気料金単価が安いプラン |
時間帯によって電気料金が安くなるプランについては以下の記事でも詳しく解説しているので、プラン選びの参考にしてください。
電気代が安い時間がある料金プランはおトク?向いている世帯や注意点、節約方法を解説
他サービスとセットで電気を契約するとおトクになるプラン
電気以外のサービスとセットで契約することで、電気料金がおトクになるプランを提供している会社もあります。
電気とのセット契約になることが多いのは、ガスやインターネットなどです。セット契約によって電気料金の割引が適用されたり、ポイントを効率的に貯められたりします。
セット契約をする場合は、申し込み可能エリアや契約期間の縛りなどを確認したうえで申し込みましょう。
電気とガスのセット契約をするメリットとデメリットは、以下の記事でも詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
まとめ
従量電灯は、大手電力会社が従来から提供している一般的な家庭向けプランで、契約容量に応じてA・B・Cに分かれます。規制料金が適用されるため、燃料費が高騰しても電気料金が上がり続ける心配がありません。
一方、自由料金のプランよりも月々の電気料金が高くなるケースがあります。従量電灯以外にも、基本料金のない完全従量料金制プランや時間帯によって電気料金単価が変わるプランなど、電気料金プランは様々です。特徴を確認して、自分にあうものを検討してみてください。
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(※2)「プランS」「プランM」が対象。「動力プラン」の場合、基本料金は0円ではありません。
(※3)楽天ガスは都市ガス(東京ガス、東邦ガス、関電ガス)が提供対象エリアです。詳しくはガス対象エリアページをご確認ください。
(※4)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
(※5)楽天ポイントの進呈対象は、クレジットカードでお支払いいただいた料金となります。コンビニ払込用紙でのお支払いではポイント進呈対象にはなりません。
(※6)貯まったポイントは50ポイント(50円相当)からご利用料金に充当できます。



