定格消費電力とは

定格消費電力とは、電化製品を定格能力で運転した場合に消費される電力のことです。

定格能力とは、日本の国家規格である「JIS規格」に基づいた条件下で電化製品を運転した場合に、その製品が安定して発揮できる能力のことです。

定格消費電力を算出する際の条件は、電化製品ごとにJIS規格で定められています。製品によっては定格消費電力が最大値に近い場合もありますが、これは最大消費電力(電化製品が最も多く電力を消費する瞬間の値)とは異なります。

たとえば、エアコンの場合、JIS規格(JIS C9612)で定められた温度条件は以下のとおりです。

冷房時 室内温度:27℃
外気温度:35℃
連絡配管長さ:5m
暖房時 室内温度:20℃
外気温度:7℃
連絡配管長さ:5m

各電化製品の定格消費電力を確認したい場合は、取扱説明書や製品ラベルを参照してください。

消費電力と定格消費電力の違い

電化製品の使用時に関わる電力を示す用語には、定格消費電力のほかに「消費電力」や「年間消費電力量」などがあります。これらは混同されやすいため、それぞれの意味を正しく理解しておきましょう。

消費電力とは、電化製品が単位時間あたりに消費する電力の量を指し、通常「ワット(W)」で表されます。

「定格消費電力」は、JIS規格に基づく一定条件下で測定した値を指しますが、カタログなどに記載されている「消費電力」は、実際の使用状況を踏まえた目安の値が示されている場合があります。

ただし、「消費電力」の定義はメーカーや製品によって異なる場合があり、明確には区別されていません。取扱説明書などには「消費電力」とだけ記載されている場合でも、実質的には「定格消費電力」を指していることがあります。

定格消費電力と消費電力が明確に区別されている場合は、消費電力をもとに電気代の目安を計算しましょう。

また、消費電力量とは一定期間に使用された電力の総量のことで、消費電力に使用時間を掛けて求めます。

消費電力について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

消費電力の意味は?求め方や抑え方、電化製品を使う際の節約方法を紹介

年間消費電力量と定格消費電力の違い

年間消費電力量とは、JIS規格に基づく一定条件下で、電化製品を1年間使用した場合に消費する電力量です。年間消費電力量を算出する際の条件は、電化製品の種類によって異なります。

たとえば、テレビの場合は、家庭における1日1台あたりの平均視聴時間(5.1時間)を基準として算出されます。また、炊飯器の場合は、炊飯時・保温時・タイマー予約時・待機時のそれぞれの消費電力量をもとに算出されます。

一方、定格消費電力は一定条件下での瞬間的な消費電力を示すものです。特に、外気温や設定温度などにより消費電力が大きく変動するエアコンのような電化製品では、実際の消費電力量を正確に見積もるのが難しくなります。

年間消費電力量は、実際の使用状況に近い条件で算出されるため、定格消費電力よりも現実的な電気代の目安として参考にしやすいでしょう。

なお、使用期間が限定的な電化製品では、「期間消費電力量」(一定期間使用した場合に消費する電力量)と表示される場合もあります。

消費電力に関する単位と計算方法

消費電力に関する単位と計算方法

電化製品の消費電力は、電圧に電流を掛けることで求められます。

消費電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)

たとえば、電化製品の電流が5Aの場合、消費電力は以下のように計算できます(100Vで計算)。

100V × 5A = 500W

消費電力の計算に使われる単位と計算式について、詳しく解説します。

ボルト(V)

ボルト(V)は、電気を押し出す力(電圧)を表す単位です。

ボルトの数値が大きいほど電圧が高くなりますが、実際の消費電力は電流との関係によって決まります。

日本の家庭用電源は通常100Vであるため、電化製品もこの電圧で動作するように設計されています。

アンペア(A)

アンペア(A)は、電気の流れる量(電流)を表す単位です。消費電力が分かっている場合は、以下の式でアンペア数を求められます。

電流(A)= 消費電力(W)÷ 電圧(V)

なお、電力会社と契約する際には、一般的に10~60Aの範囲から契約アンペア数を選択します。

アンペア(A)について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

アンペアとは?ボルト・ワットの違いなど電気の基礎知識や節約方法を解説

電気の適正な契約アンペア数とは?契約容量の目安や変更する際の注意点

ワット(W)

ワット(W)は電力の単位で、1秒間に消費される電気エネルギー(消費電力)を表します。この数値が大きいほど、電化製品が短時間でより多くの電力を消費することを意味します。

「1kW = 1,000W」であるため、消費電力がキロワット(kW)で表示されている場合は1,000を掛けてワット(W)に換算します。たとえば、消費電力が1.2kWの場合、ワットに換算すると1,200Wとなります。

1.2kW × 1,000 = 1,200W

また、1Wの電力を1時間使ったときの電力量を「1Wh(ワットアワー)」と呼ばれます。

ワット(W)について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

ワット数の計算方法は?アンペアやボルトとの違い、電気代節約につなげる方法も解説

消費電力を使った電気代の計算方法

電化製品ごとの電気代の目安は、取扱説明書やカタログなどに表示されている消費電力をもとに算出きます。

消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電気代(円/kWh)

たとえば、消費電力0.5kWのエアコンを1時間使用した場合は、電気代は19円となります(電気代は38円/kWhで試算)。

0.5kW × 1h × 38円/kWh = 19円

消費電力について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

消費電力の計算方法は?電気料金の求め方や節電方法も解説

年間消費電力量から計算する方法

定格消費電力は、JIS規格で定められた一定条件下で測定された数値であり、実際の使用環境とは異なる場合が多く、常にその条件で使用されるわけではありません。

エアコンや冷蔵庫、テレビなどの電化製品の1年間あたりの電気代の目安を算出するには、年間消費電力量を用いて計算します。計算式は以下のとおりです。

1年間あたりの電気代の目安=年間消費電力量(kWh) × 電気代(円/kWh)

たとえば、期間消費電力量(年間消費電力量)が680kWhのエアコンを1年間使用する場合、電気代の目安は2万5,840円と算出されます(電気代は38円/kWhで試算)。

ただし、年間消費電力量もあくまで目安であり、実際の消費電力量は使用環境や使い方などによって異なります。

消費電力を減らして電気代を節約する方法

消費電力を減らして電気代を節約する方法

消費電力量が増えると、それだけ電気代も高くなります。以下のポイントを押さえ、消費電力量を減らすことで、電気代を節約しましょう。

  1. 省エネ性能の高い電化製品に買い替える
  2. 電化製品を使わないときは電源プラグを抜く
  3. 電化製品の使い方を見直す

1 省エネ性能の高い電化製品に買い替える

電化製品を長期間使用している場合は、省エネ性能に優れた製品への買い替えを検討しましょう。

近年の電化製品は、従来のものと比べて省エネ性能が大幅に向上しています。買い替えにはまとまった費用が必要で一時的な負担となりますが、長期的には電気代の節約につながります。

近年の省エネエアコンは10年前と比べて約15%、冷蔵庫は約28~35%の省エネが可能とされています。

自治体によっては、省エネ家電への買い替えを促進するために、購入費や工事費などの一部を補助する事業を実施していることがあります。また、ネットショップのキャンペーンやキャッシュレス決済によるポイント還元なども活用すると、より経済的に買い替えを行うことができます。

2 電化製品を使わないときは電源プラグを抜く

電化製品の電源はこまめに切り、長時間使わない場合は電源プラグを抜く習慣をつけましょう。電源プラグを抜くことで、待機電力(待機時の消費電力)を削減でき、電気代の節約につながります。

電源プラグを差し込んだままにしていると、電化製品を使用していなくても、以下のような待機電力を消費します。

  • メモリやモニター表示などの機能を維持するための電力
  • リモコンからの指示に待機するための電力
  • 接続されているだけで消費する電力

これらの待機電力はわずかな消費だと感じるかもしれませんが、家庭の消費電力量の約5~6%を占めており、決して少なくありません。特に待機電力が多い電化製品には、ガス温水器やテレビ、エアコンなどがあります。

3 電化製品の使い方を見直す

電化製品の使い方を見直すことで消費電力量が減ると、電気代の節約につながります。省エネモードの活用やこまめなメンテナンスなど、できることから少しずつ取り組みましょう。

また、電気代をより効果的に節約するには、消費電力量が多い電化製品から見直すことが大切です。

たとえばエアコンの場合、以下のポイントを意識することで、電気代の節約効果が期待できます。

  • サーキュレーターを併用する
  • 短時間の外出時はつけっぱなしにする
  • カーテンや断熱シートなどを利用して冷暖房効率を上げる
  • 外出時はシャッターを閉める
  • 設定温度を適切に調整する
  • 室外機の周りに物を置かない

エアコンの節電方法や電気代の節約ポイントについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの節約方法8選!電気料金の仕組みを理解して効率良く抑えよう

電気つけっぱなしの電気代は高くなる?防ぐ機能や節約のポイントも解説

電力会社・プランの見直しも電気代の節約に有効

電気代の負担が大きい場合は、契約プランや電力会社の見直しも効果的です。

2016年に電力自由化がスタートして以来、多くの企業が電力事業に参入し、料金プランも多様化しています。電気を使う時間帯や、ガスやインターネットの利用状況など、ライフスタイルに応じて見直すことで電気代を節約できる可能性があります。

電気代だけでなく、基本料金がいくらかかるか、ポイント制度などのサービスがあるかも確認しましょう。

各電力会社が提供する料金シミュレーションを利用すれば、電力会社を見直した場合に電気代がどれだけ変わるかを試算できます。

電力自由化について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電力自由化とは?目的やメリット・デメリット、電力会社の選び方を解説

まとめ

定格消費電力とは、JIS規格で定められた一定条件下で運転した場合に消費される電力のことです。

実際の使用状況とは異なる場合が多いため、電気代の目安を知りたい場合は、年間消費電力量などを参考にするほうが実態に近いとされています。定格消費電力の意味や、消費電力量と電気代の関係を理解し、節約に役立てましょう。

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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。