引越し前の役所手続きの順番

引越し前に済ませておくべき役所手続きは、以下の順番で行うことがおすすめです。

①転出届の提出
②国民健康保険の資格喪失手続き
③保育園や幼稚園の転園手続き
④小中学校の転校手続き
⑤児童手当の受給事由消滅届
⑥原付バイクの廃車手続き

以下で、それぞれの手続きについて詳しく解説します。

①転出届の提出

転出届は、現在住んでいる市区町村の役所に引越しを届け出る手続きです。これは、住民票を新しい住所へ移すために欠かせない手続きです。

異なる市区町村へ引越しをする場合は、引越し予定日の前後14日以内に、現在の住まいの役所へ転出届を提出する必要があります。転出届を提出すると発行される「転出証明書」は、転入届を提出する際に必要になるため、大切に保管しましょう。

転出届の提出時は、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類が必要となるため、忘れずに持参しましょう。

②国民健康保険の資格喪失手続き

国民健康保険は、自営業者や学生、無職の方など「第1号被保険者」が加入対象となる保険です。異なる市区町村へ引越しをする際は、現在の住まいで国民健康保険の資格喪失手続きを行ない、引越し先で改めて加入手続きをする必要があります。

引越し先で円滑に国民健康保険へ加入するために、引越し前に転出届の提出とあわせて資格喪失手続きを済ませておきましょう。

③保育園や幼稚園の転園手続き

引越しに伴い、子どもの保育園や幼稚園を変更する場合、手続き方法は自治体や施設によって異なります。一般的に、転園先の情報収集や申し込み、面談などが必要になります。

引越しが決まったら、すぐに転園に関する情報を集め、必要な手続きを確認しましょう。

④小中学校の転校手続き

小中学校に通っている子どもがいる場合は、転校手続きが必要です。

転校手続きの一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 転校前の学校で「在学証明書」と「教科用図書給与証明書」を受け取る
  2. 旧居の市区町村役場で転出届提出時に発行される「転出証明書」を受け取る
  3. 新居の市区町村役場で「在学証明書」と「転出証明書」を提示し、「転入学通知書」を受け取る
  4. 転校先の学校に「在学証明書」、「教科用図書給与証明書」」、「転入学通知書」の3点を提出する

自治体によって必要な書類や手続きの順序が異なる場合があります。手続きを円滑に進めるためにも、引越しが決まったら早めに現在の学校と新しい住所地の役所および学校に連絡し、具体的な手続き方法を確認しましょう。

⑤児童手当の受給事由消滅届

児童手当を受給している方が異なる市区町村へ引越す場合は、旧住所地で「児童手当受給事由消滅届」を、新住所地で「児童手当認定請求書」を提出する必要があります。

なお、市外への転出届を提出すると、自動的に転出予定日に受給資格が消滅し、転出証明書と一緒に消滅通知書が交付されることがあります。転出先では、転出予定日の翌日から15日以内に児童手当の認定請求書を提出しましょう。

⑥原付バイクの廃車手続き

原付バイクを所有している方が異なる市区町村へ引越しをする場合は、旧住所地で廃車手続きをする必要があります。

原付バイクの廃車手続きの必要書類は、以下のとおりです。

  • 廃車申告書
  • 登録票(盗難・紛失した場合は不要)
  • ナンバープレート(盗難・紛失した場合は不要)
  • 届出者の本人確認書類(運転免許証など)

引越し前に原付バイクの廃車手続きを忘れずに済ませましょう。

引越し後の役所手続きの順番

引越し後の役所手続きの順番

引越し後の役所手続きは、以下の順番で行うことがおすすめです。

①転入届または転居届の提出
②マイナンバーカードの住所変更
③国民健康保険の加入手続き
④国民年金の住所変更
⑤印鑑登録
⑥児童手当の申請
⑦原付バイクの登録
⑧犬の登録事項変更届

以下で、それぞれの手続きについて詳しく解説します。

1 転入届または転居届の提出

異なる市区町村へ引越す場合は、引越し後14日以内に新住所地の役所で「転入届」を提出する必要があります。このとき、旧住所地で発行された転出証明書が必要になるため、忘れず持参しましょう。

同じ市区町村内で引越す場合は、引越し後14日以内に同一市区町村の役場で「転居届」を提出します。転入届または転居届のいずれの手続きにおいても、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を持参しましょう。

転居届や転送届について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

転居届とは?転出・転入届との違いや引越しに伴う役所・郵便局の手続きを解説

転送届に必要なものや手続き方法とは?引越しで便利な郵便局の転送サービスを解説

2 マイナンバーカードの住所変更

引越しで住所が変わった場合、マイナンバーカードの記載内容を新しい住所に更新する必要があります。マイナンバーカードの住所変更をせずに90日経過するとカードが失効するため、転入届または転居届の提出とあわせて手続きすることをおすすめします。

代表者が家族全員分のマイナンバーカードの住所変更手続きをすることも可能です。ただし、その際は同一世帯であることを確認できる運転免許証や健康保険証、家族全員分のマイナンバーカードの4桁の暗証番号が必要となる場合があります。

3 国民健康保険の加入手続き

異なる市区町村へ引越す際は、旧住所地で資格喪失手続きを済ませた後、引越し先の市区町村役場で加入手続きをする必要があります。同じ市区町村内での引越しでは、同一市区町村の役場で住所変更の手続きをしましょう。

手続きが遅れると、さかのぼって保険料を納める必要があったり、適切な給付が受けられなかったりする可能性があるため、転入届または転居届の提出とあわせて早めに手続きすることをおすすめします。

4 国民年金の住所変更

国民年金に加入している方は、役所で住所変更手続きを行う必要があります。被保険者の種類によって必要な手続きが以下のように異なります。

被保険者の種類 必要な手続き
国民年金第1号被保険者 新住所の市区町村役場で住所変更手続きを行う
国民年金第3号被保険者 配偶者の勤務先に「被保険者住所変更届」を提出する

なお、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている場合は、原則として住所変更の届出は不要です。

5 印鑑登録

同じ市区町村内で引越す場合は、転居届を提出すれば印鑑登録の住所も変更されるため、別途の手続は不要です。異なる市区町村へ引越す際は、転出日に印鑑登録が廃止されるため、転入先の市区町村で新たに印鑑登録をする必要があります。

印鑑登録に明確な変更期日はありませんが、登録を忘れていると、住宅の購入や自動車の登録、ローン契約時などに手続きが遅れたり、急遽役所に出向く必要が生じたりする可能性があります。

必要な時にスムーズに対応できるよう、転入届または転居届の提出とあわせて早めに済ませておきましょう。

6 児童手当の申請

児童手当を受給している方が異なる市区町村へ引越す場合、旧住所地で「児童手当受給事由消滅届」を提出し、新住所地で改めて「児童手当認定請求書」を提出する必要があります。

引越し後15日以内に申請しなければ、手当が支給されない期間が発生する可能性があるので注意しましょう。

7 原付バイクの登録

原付バイクを所有している場合、ナンバープレートの変更手続きが必要です。異なる市区町村へ引越す場合は、旧住所地で廃車手続きを行い、新住所地で新規登録の手続きをする必要があります。

同じ市区町村内での引越しであれば、ナンバープレートの変更は不要な場合もありますが、住所変更の届出は必要です。

8 犬の登録事項変更届

犬を飼っている場合は、引越しの日から30日以内に新しい所在地で飼い犬の登録事項変更手続きをする必要があります。

これは狂犬病予防法に基づくもので、狂犬病の発生やまん延を防ぐうえで重要な手続きです。登録情報を更新することで、行政が犬の所在地を正確に把握し、狂犬病予防注射の接種状況を管理できるようになります。

狂犬病発生時の迅速な対応に加え、災害時や迷子になった際にも、登録情報をもとに飼い主へ迅速に連絡が取れる体制が整います。

役所手続き以外の必要な手続き

役所手続き以外の必要な手続きを紹介します。

  • ライフラインの手続き
  • 車関連の手続き
  • 金融機関の手続き

以下で、それぞれの手続きについて詳しく解説します。

ライフラインの手続き

引越しが決まったら、電気、ガス、水道といったライフラインの手続きが必要になります。現在の住まいでの利用停止と、新しい住まいでの開始手続きは、計画的に行うことが重要です。

電気とガスは、現在の契約会社を継続するか、引越しを機に乗り換えるかを決めましょう。現在の契約会社を継続する場合は、契約会社に旧居での停止希望日と新居での開始希望日を伝えます。多くの場合、インターネットや電話で簡単に手続きができます。

乗り換える場合は、まず現在の契約会社に連絡し、停止手続きを行いましょう。その後、乗り換え先の新しい電力会社またはガス会社に新規で申し込みをします。各社が提供するプランやサービスを比較検討し、自身のライフスタイルにあったものを選びましょう。

なお、電気の停止や開始は立ち会う必要がありませんが、ガスは閉栓・開栓の立ち会いが必要な場合があるので、スケジュールに注意しましょう。

水道については、現在の住まいを管轄する水道局または市区町村役場の水道課に連絡し、使用停止を依頼します。その後、引越し先の水道局または市区町村役場の水道課で使用開始の手続きを行いましょう。

なお、水道の住所変更手続き方法は自治体によって異なるため、各自治体の手続き方法を確認しておくことが大切です。また、インターネット回線や郵便の転送サービスの手続きも忘れないようにしましょう。

引越しに伴う電気の手続きについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

引越しに伴う電気の契約や解約はいつやるの?具体的な手続きや注意点を解説

車関連の手続き

引越しに伴う車関連の手続きには、運転免許証、車庫証明書、車検証、自動車保険の住所変更が含まれます。

運転免許証の住所変更は、警察署や運転免許更新センター、運転免許試験場で手続きが可能です。手続きの際には新住所を確認できる書類が必要となるため、新しい住民票や住所変更後のマイナンバーカードなどを持参しましょう。

引越しにより車の保管場所が変わった場合は、変更から15日以内に車庫証明書の住所変更手続きを行う必要があります。普通自動車の場合は「保管場所証明申請」を、軽自動車の場合は「保管場所届出」を車の保管場所を管轄する警察署に提出しましょう。

車検証の住所変更も、記載住所の変更から15日以内に手続きをする必要があります。普通自動車は新しい住所地の陸運局で、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きをします。

自動車保険の住所変更は、保険会社のホームページからオンラインで手続きできるケースが多いため、手続きを忘れないようにしましょう。

金融機関の手続き

引越しで住所が変わった場合は、銀行口座の住所変更をする必要があります。住所変更を怠ると、キャッシュカードの更新やローンに関する重要書類などが届かなくなるので注意が必要です。金融機関の窓口で手続きをする際は、新しい住所が記載された本人確認書類を持参しましょう。

クレジットカードの住所変更も必要です。住所を変更しないと、利用明細書や新しい有効期限のクレジットカードが届かず、利用に支障が出たり、不正利用に気づきにくくなったりする可能性があります。

多くのクレジットカード会社では、会員専用サイトからオンラインで変更手続きができるケースも多いので、スムーズに手続きを済ませられます。

引越し時の役所手続きに関するよくある質問

最後に、引越し時の役所手続きに関するよくある質問に回答します。

転出届を出さずに引越してしまったらどうすればいい?

快適な空間にするためには、エアコンの室温だけでなく、風向も調整することが大切です。

転出届を出さずに引越してしまった場合は、新しい住所地の役所で「転入届の特例」を利用できる場合があります。この特例は、新住所の役所で転入届を提出する際にマイナンバーカードを利用することで適用されます。旧住所地から転出証明書を受け取らなくても、転出・転入の手続きを完了できる制度です。

マイナンバーカードや住民基本台帳カードを持っておらず、特例を利用できない場合は、旧住所地の役所に連絡し、転出届を提出する必要があります。なお、原則として、窓口に来所できない場合には郵送での提出も可能です。

まずは、新しい住所地の役所に相談してみましょう。

転入届や転居届の提出が引越し後14日を過ぎたらどうなる?

転入届や転居届の提出期限は、引越しから14日以内と定められています。14日以内に手続きを行えなかった場合、自治体によっては、遅延理由を証明する書類の提出を求められることがあります。

ただし、期限を過ぎてしまっても提出はできるため、気づいた時点でできるだけ早く役所で手続きを済ませましょう。

まとめ

まとめ

引越し時の役所手続きは複数ありますが、計画的に進めることでスムーズに完了できます。

役所での手続きには、本人確認書類や印鑑、マイナンバーカードなど、様々な持ち物が必要になります。役所のウェブサイトで事前に確認したり、窓口に問い合わせたりして、必要なものをリストアップしておきましょう。

手続きについて不明な点があれば、早めに役所の窓口に相談しましょう。

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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。