セラミックファンヒーターとは

セラミックファンヒーターとは、電気で加熱した空気をファンで送り出して暖める暖房器具です。

ファンヒーターは、空気を熱で加熱し、ファンで送風することで部屋を暖める暖房器具の総称で、主に電気やガス、石油を熱源とするタイプがあります。

なかでも、セラミックファンヒーターは電気を熱源とするタイプに分類されます。具体的には、電気を特殊加工されたセラミックに通して発熱させ、その熱で空気を暖める仕組みです。

石油やガスを熱源とするファンヒーターとは異なり、燃焼を伴わないため、室内の空気を汚しにくい点が特徴です。また、即暖性が高く、電源を入れるとすぐに暖かさを感じられます。

セラミックファンヒーターの電気代はいくら?

セラミックファンヒーターは、特定の場所で短時間使用する分には電気代がそれほどかかりませんが、長時間使い続けると電気代が高くなりやすい傾向があります。

消費電力から電気代を求める際の計算式は、以下のとおりです。

電気代=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気代(円/kWh)

消費電力とは、電化製品が使用時に消費する電力のことで、製品本体に貼られたシールやカタログ、製品ページなどで確認できます。また、電力料金単価は契約している電力会社や料金プランによって異なります。

電気代や消費電力について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

1kWhあたりの電気代はいくら?電気代の内訳や節電方法を解説

消費電力の計算方法は?電気料金の求め方や節電方法も解説

セラミックファンヒーターの1時間・1カ月あたりの電気代

セラミックファンヒーターの消費電力を600Wおよび1,100Wと仮定した場合、1時間・1カ月あたりの電気代(※1)はそれぞれ以下のとおりです。

運転モード 1時間あたりの電気代 1カ月あたり(1日1時間×30日間)の電気代
弱(600W) 約22.11円 約663円
強(1,100W) 約40.54円 約1,216円

(※1)電力料金単価は36.85円/kWhで試算しています。

上記の試算では、弱運転で毎日1時間だけ使用した場合、1カ月あたりの電気代は約663円です。一方で、強運転は弱運転に比べて消費電力が大きくなるため、電気代も高くなります。

セラミックファンヒーターをつけっぱなしにした場合の電気代

次に、セラミックファンヒーターを長時間つけっぱなしにした場合の電気代(※2)を試算してみましょう。以下は、1日8時間使用した場合の電気代の目安です。

運転モード 1日( 8時間)の電気代 1カ月あたり(1日8時間×30日間)の電気代
弱(600W) 約176.88円 約5,306円
強(1,100W) 約324.28円 約9,728円

(※2)電力料金単価は36.85円/kWhで試算しています。

上記のように、セラミックファンヒーターを長時間稼働させると、電気代の負担が増加する傾向にあることが分かります。なお、上記は一例であり、目安として参考にしてください。

セラミックファンヒーターの電気代とほかの暖房器具の電気代を比較

冬の電気代を抑えるためには、セラミックファンヒーターの電気代がほかの暖房器具より高いかどうかも気になるところです。

実際の電気代は消費電力や使用時間によって大きく変わりますが、目安として、ほかの暖房器具と電気代を比較してみましょう。

暖房器具 消費電力(概算) 1時間あたりの電気代(概算)(※3)
セラミックファンヒーター 600~1,100W 約22.11~40.54円
エアコン(6畳) 481W 約17.72円
エアコン(8畳) 574W 約21.15円
エアコン(10畳) 795W 約29.3円
ハロゲンヒーター 400~1,200W 約14.74~44.22円
カーボンヒーター 350~900W 約12.9~33.17円
オイルヒーター 300~1,500W 約11.06~55.28円
パネルヒーター 150~1,200W 約5.53~44.22円
こたつ 70~300W 約2.71~11.06円
ホットカーペット(2畳) 500W 約18.43円

(※3)電力料金単価は36.85円/kWhで試算しています。

セラミックファンヒーターの電気代はほかの暖房器具と比べて高めであることが分かります。

たとえば、リモートワークなどで在宅時間が長い方には、こたつやホットカーペットのほうが電気代を抑えやすいといえます。暖房器具によって役割や特徴が異なるため、使用シーンに応じて使い分けましょう。

電気ストーブ、エアコンの暖房、ホットカーペット、パネルヒーターの電気代について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電気ストーブの電気代はいくら?ほかの暖房器具との比較結果や節約方法を解説

エアコンの暖房にかかる電気代は?ほかの暖房器具との比較や節約方法を紹介

ホットカーペットの電気代はいくら?メリットやデメリット、効果的な節約方法を解説

パネルヒーターの電気代は高い?ほかの暖房器具との比較や節約のコツを紹介

電気代を抑えやすいセラミックファンヒーターの選び方

これからセラミックファンヒーターの購入を検討している方は、製品の選び方を工夫することで、電気代を抑えられる可能性があります。以下のポイントを参考に、電気代を抑えやすいセラミックファンヒーターを選びましょう。

  • 消費電力が小さい製品を選ぶ
  • 省エネ機能が付いた製品を選ぶ

消費電力が小さい製品を選ぶ

消費電力が大きいほど出力も上がりますが、その分電気代も高くなります。たとえば、1,100Wの機種を1時間使用した場合、電気代の目安は約40.54円です。一方、600Wの機種では、1時間あたり約22.11円に抑えられます(※4)。

部屋の広さや使用目的に応じた出力の製品を選ぶことで、不要な電力消費を避け、電気代の節約につながります。

たとえば、トイレなどの狭い場所で使う場合は、消費電力の低い製品でも暖かさを感じやすいでしょう。一方で、広い部屋や気温の低い場所で使用する場合、出力が足りずに長時間運転することになり、結果的に電気代がかさむこともあります。

消費電力は製品によって異なるため、カタログやメーカーのホームページなどで確認しましょう。多くの製品では、運転モードを切り替えが可能で、強運転や弱運転それぞれの消費電力が記載されています。

(※4)電力料金単価を36.85円/kWhと仮定した場合の試算結果です。

省エネ機能が付いた製品を選ぶ

省エネ機能が搭載されたセラミックファンヒーターを選ぶのも効果的です。

機能 概要
人感センサー 人の動きを感知して自動で運転の停止と再開を切り替える機能
室温センサー 部屋の温度を感知して自動で運転の停止と再開を切り替える機能
切タイマー 設定した一定時間後に自動で電源が切れる機能

たとえば、人感センサー付きの製品は、不在時に自動で運転を停止するため、こまめに電源を切らなくても電気代を節約できます。

また、室温センサーが搭載されていれば、部屋が過剰に暖まるのを防ぎ、ムダな運転を抑えることが可能です。

セラミックファンヒーターの電気代を節約する方法

セラミックファンヒーターの電気代を節約する方法

セラミックファンヒーターは消費電力が比較的大きいため、稼働時間が長いと電気代が高くなる傾向があります。ただし、使用方法を工夫すれば、電気代を抑えることも可能です。

本章では、セラミックファンヒーターの電気代を抑えるポイントを紹介します。できる範囲で無理なく取り組んでみましょう。

  1. 特定の場所で使用する
  2. 運転モードを使い分ける
  3. タイマーを設定する
  4. サーキュレーターで空気を循環させる
  5. ほかの暖房器具と併用する
  6. 部屋の熱を逃がさない工夫をする

1 特定の場所で使用する

セラミックファンヒーターは、狭い空間を一時的に暖めたい場合に適した暖房器具です。広い部屋で長時間使うと電気代がかさみやすくなるため、必要なときに限られた空間で使うことが節約のポイントです。

具体的には、次のような空間を暖めるのに適しています。

  • トイレ
  • 脱衣所
  • 書斎
  • キッチン
  • 玄関

広い空間を暖める場合は、エアコンなど出力の高い暖房器具を使うことをおすすめします。

2 運転モードを使い分ける

セラミックファンヒーターを使用する際は、暖めたい場所や室温などに応じて運転モードを使い分けましょう。

たとえば、起床直後で室温が低いときは強運転で一気に部屋を暖め、ある程度暖まった段階で弱運転に切り替えることで、余計な電力の消費を抑えやすくなります。

また、自動運転モードに設定するのも効果的です。室温に応じて自動で運転モードを調整するため、快適さを保ちながら暖めすぎを防ぐことができます。

3 タイマーを設定する

切タイマー機能を活用すれば、電源の切り忘れを防げるため、長時間の稼働によるムダな電力の消費を抑えられます。就寝前に設定しておけば、寝ている間の不要な運転を防止でき、電気代の節約につながります。

タイマーの設定時間を必要以上に長くすると、余計に電力を消費するため、部屋の暖まり具合などに応じて適切な時間を設定しましょう。

4 サーキュレーターで空気を循環させる

セラミックファンヒーターを使用する際は、サーキュレーターを併用するのも効果的です。

セラミックファンヒーターは主に限られたスペースを暖めるのに適しており、部屋全体をムラなく暖めるのはあまり得意ではありません。また、暖かい空気は上部に滞留しやすく、足元が十分に暖まらないこともあります。

サーキュレーターを使用することで、暖かい空気を部屋全体に循環させ、暖房効率を高めて、セラミックファンヒーターの使用時間を短縮できます。

サーキュレーターの使い方について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

サーキュレーターの使い方は?冷暖房や換気など目的別に効果的な置き場所を解説

5 ほかの暖房器具と併用する

セラミックファンヒーターをほかの暖房器具と併用すれば、快適な室温を保ちながら電気代を節約できる可能性があります。

たとえば、部屋全体を暖めたい場合は、エアコンが起動するまでの間だけセラミックファンヒーターを使い、室温が安定したらヒーターを停止することで、余計な電力消費を抑えられます。

また、こたつやホットカーペットなど、消費電力が低い暖房器具と組み合わせるのも効果的です。

6 部屋の熱を逃がさない工夫をする

部屋の熱が逃げにくいように工夫することで、セラミックファンヒーターの暖房効率が向上し、電気代の節約につながります。具体的には、次のような対策を行いましょう。

  • 厚手のカーテンを使用する
  • 窓全体を覆えるサイズのカーテンを使用する
  • 窓に断熱シートを貼る
  • ドアの隙間対策をする
  • 断熱性の高いラグやカーペットを使用する

これらの対策は、セラミックファンヒーターに限らず、ほかの暖房器具の効果を高める点でも役立ちます。

セラミックファンヒーターのメリット

セラミックファンヒーターには、主に以下のメリットがあります。

  • 短時間で暖かくなる
  • 空気が汚れにくい
  • 安全性が高い
  • コンパクトで持ち運びやすい
  • お手入れがしやすい

セラミックファンヒーターは、石油やガスを使わず、電気でセラミックを発熱させる方式のため、電源を入れるとすぐに温風が吹き出し、短時間で暖かさを感じられます。

空気が汚れにくく、安全性も高いため、小さな子どもや高齢者のいる家庭でも安心して使用できるでしょう。シンプルな構造でお手入れも比較的簡単です。

さらに、コンパクトで持ち運びやすい製品が多く、1台を様々な場所で使用することができます。

ただし、使用方法を誤ると火災の原因になるなどの危険性もあるため、十分な注意が必要です。

セラミックファンヒーターのデメリット

一方で、セラミックファンヒーターには以下のデメリットもあります。

  • 広い空間を暖めるのには適さない
  • 空気が乾燥しやすい

前述のとおり、セラミックファンヒーターは狭い範囲に温風を届けるため、広い部屋全体を暖めるには不向きです。そのため、広い空間で使用すると、電気代がかさむ原因にもなります。

また、セラミックファンヒーターは温風を吹き出す仕組みのため、空気が乾燥しやすくなります。乾燥が気になる方は、加湿機能付きの製品を選ぶか、加湿器を併用すると良いでしょう。

電気代を節約するなら電力会社の見直しも検討

セラミックファンヒーターの使い方を工夫することで、一定の節約効果が見込めますが、より効果的に電気代を抑えたい場合は、電力会社や契約プランの見直しも検討しましょう。

電気には様々な料金プランがあり、ライフスタイルや電気の使用状況に応じて適したプランは異なります。そのため、現在の使用量や利用時間帯を把握し、家庭にあったプランを選ぶことで、電気代の負担を抑えられる可能性があります。

なお、電力会社の乗り換えは多くの場合、ウェブで手続きが完結し、原則として立ち会いも必要ありません。

電力会社や料金プランについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?電気料金は変わる?選び方や注意点を解説

まとめ

セラミックファンヒーターとは、電気でセラミックを加熱し、ファンで温風を送り出して暖める暖房器具です。即暖性が高く、特定のスポットを素早く暖めたい場合に適しています。

一方で、広い部屋や気温が低い場所を暖めるのはあまり向いておらず、長時間使用すると電気代が高くなる可能性があります。タイマー機能やサーキュレーターの活用により、効率よく電気代を節約しましょう。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。