加湿器の種類

加湿器は加湿する仕組み(加湿方式)によって4種類に分類されており、加湿方式の違いは電気代にも影響します。

各加湿方式の特徴や、主なメリット、デメリットは以下のとおりです。違いをしっかり確認しておきましょう。

加湿器の加湿方式 気化式 超音波式 スチーム式 ハイブリッド式
特徴
  • 水を含んだフィルターにファンの風を当て、蒸発した水分で加湿する方式
  • 超音波による振動で水を細かな霧状(ミスト)にして噴出する方式
  • ヒーターで沸騰させた水の蒸気を送り出す方式
  • 加熱式や蒸気式とも呼ばれる
  • 複数の加湿方式を組み合わせたもの
  • 加熱気化式と加熱超音波式の2種類がある
メリット
  • ヒーター不使用のため電気代が低め
  • 水の粒子が細かく周辺に水滴がつきにくい
  • ヒーター不使用のため電気代が低め
  • デザイン性の高い製品が多い
  • 雑菌の発生が起きにくく衛生的
  • 加湿能力が高いためパワフルに加湿できる
  • 加湿方式を組み合わせることで、省エネ性能とパワフルな加湿能力を両立
デメリット
  • 大量の送風によりファンの音が気になりやすい
  • 本体のサイズが大きめ
  • 水の粒子が大きく周辺に水滴がつきやすい
  • 雑菌の発生を防ぐのにタンクのこまめな清掃が必要
  • 吹き出し口が熱くなるためやけどのリスクがある
  • ヒーターを使うため電気代が高め(※1)
  • 製品価格がほかの種類よりも高め
  • 本体のサイズが大きめ
  • ヒーターを使うため電気代がやや高め

(※1) 近年では、吹き出し口からの蒸気温度をやけどしにくい程度に抑えたスチーム式加湿器も増えています。

加湿器の電気代は安い?高い?種類ごとに比較

日中・夜間を問わず使用される加湿器は、使用時間が長くなりがちなため、電気代がどの程度かかるのか気になるところです。

加湿器は加湿方式によって電気代に大きな違いがありますが、製品の消費電力(W)がわかれば、ご自身で簡単に電気代を計算できます。

  • 1時間あたり加湿器の電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×電気料金単価(円/kWh)

電気料金単価は契約する電力会社やプランによって変わるため、本記事では公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の公表する目安単価(31円/kWh)を使用します。

上記の計算式をもとに、4種類の加湿方式ごとに加湿器の電気代を実際に試算しました。

気化式 超音波式 スチーム式 ハイブリッド式
消費電力の目安
(加湿量300ml)
18W 24W/45W 300W 225W
1時間あたりの電気代 約0.6円 約0.7円/約1.4円 約9.3円 約7.0円
1日(8時間)あたりの電気代 約4.8円 約5.6円/約11.2円 約74.4円 約56.0円
1カ月(30日)あたりの電気代 約144円 約168円/約336円 約2,232円 約1,680円

それでは、加湿方式ごとの具体的な電気代を紹介します。

計算方法や考え方など家庭の電気料金にかかわる基礎知識について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電気料金の計算方法は?料金の決まり方を知って効率的に節約しよう

気化式加湿器の電気代

気化式加湿器は、風を送るファンのみを動かすために電気を使うため、電気代はあまりかかりません。実際の製品の消費電力は、加湿能力に応じて1時間あたり2~50Wほどと幅があります。そのため、ここでは加湿量300mlの製品(消費電力18W)をもとに電気代を試算します。

  • 1時間あたりの気化式加湿器の電気代:18(W)÷1000×31(円/kWh)=約0.6円

気化式加湿器の電気代は1時間あたり1円にも満たず、1日8時間使っても約4.8円、1カ月(30日)使っても約144円と、非常に経済的です。

超音波式加湿器の電気代

超音波加湿器の消費電力は、1時間あたり15~45Wほどです。ただし、同じ300mlの加湿量でも、製品によって消費電力が24Wのものから45Wのものまであり、電気代に差が生じる可能性があります。そこで、消費電力24Wと45W、ふたつの製品の電気代を試算します。

  • 1時間あたりの気化式加湿器の電気代:24W÷1000×31(円/kWh)=約0.7円
  • 1時間あたりの気化式加湿器の電気代:45W÷1000×31(円/kWh)=約1.4円

超音波加湿器の電気代も、製品差を考慮しても、1時間あたり約1円前後であることがわかります。1日8時間使用すると、24Wの製品では約5.6円、45Wの製品では約11.2円となります。1カ月(30日)使用した場合は、それぞれ約168円と約336円となり、気化式と同程度か、やや高めです。

スチーム式加湿器の電気代

スチーム式加湿器は、加湿量300mlの一般的な製品では消費電力が約300Wです。

  • 1時間あたりのスチーム式加湿器の電気代:300(W)÷1000×31(円/kWh)=約9.3円

スチーム式加湿器の電気代は1時間あたり10円弱で、1日8時間使用すると約74.4円、1カ月(30日)使うと約2,232円となります。気化式や超音波式に比べて、電気代が大きく上がる傾向があります。

電気ポットでお湯を沸かすのと同程度の熱が必要となるため、加湿力は十分である一方、長時間使用すると電気代が負担になるおそれがあります。また、湯を沸かしはじめるタイミングでは、1時間あたり約30.5円(985W)など、一時的に大き電力を消費するため、電気代が高くなることがあります。

ハイブリッド式加湿器の電気代

ハイブリッド式加湿器は、ヒーターを使う加湿方式と使わない方式のどちらを多く使用するかによって、電気代に大きな差が出ます。

たとえば、加熱気化式の場合、水を加熱している間はスチーム式と同程度の電気代がかかり、加湿中は気化式と同程度になる傾向があります。加熱時にスチーム式と同等の電力を消費する時間があっても、気化式の併用によって電気代を抑えることができます。

このように、ハイブリッド式加湿器は運転中に電気代が変動すると考えられます。ここではコンパクトな製品の多い加熱超音波式のうち、加湿量400ml・最大消費電力225Wの製品を例に電気代を試算します。

  • 1時間あたりのハイブリッド式加湿器の電気代:225(W)÷1000×31(円/kWh)=約7.0円

ハイブリッド式加湿器の電気代は、最大出力の状態で1時間あたり約7円です。1日8時間使うと約56円、1カ月(30日)使うと約1,680円となります。ただし、気気化式での運転時間が長い場合、実際の電気代はこれより低くなる可能性があります。

加湿器を選ぶときの4つのポイント

加湿器を選ぶときの4つのポイント

加湿器を選ぶ際には、加湿方式や電気代に加えて、次の4つのポイントも確認しましょう。

  • 加湿能力
  • 安全性
  • お手入れのしやすさ
  • 本体サイズやデザイン

それでは、加湿器を選ぶときにチェックしておきたいポイントを紹介します。

加湿能力

部屋の広さや用途に応じて、加湿器に求める加湿能力は変わります。例えば、部屋全体を加湿したい方もいれば、夜寝るときに枕元だけを加湿したい方もいるでしょう。

加湿器の加湿能力は、製品ごとに定められた定格加湿能力を確認することで把握できます。定格加湿能力とは、「室温20℃/湿度30%の環境下に放出できる1時間あたりの水分量(mL/h)」のことです(※2)。

定格加湿能力 適用床面積
木造和室 プレハブ洋室
300 mL/h 5畳(8㎡) 8畳(14㎡)
500 mL/h 8.5畳(14㎡) 14畳(23㎡)
700 mL/h 12畳(20㎡) 19畳(32㎡)
1,000 mL/h 17畳(28㎡) 28畳(46㎡)
1,200 mL/h 20畳(34㎡) 33畳(55㎡)
1,500 mL/h 25畳(42㎡) 42畳(69㎡)

上記の定格加湿能力を参考に、加湿器を使いたい部屋の広さにあった製品を選ぶと良いでしょう。

選ぶ際は、加湿したい部屋の広さピッタリではなく、少し余裕のある加湿能力を持つ製品を選ぶのがおすすめです。よりすばやく加湿できるため、設定湿度に達するのが早く、電気代を抑える効果が期待できます。

(※2)出典:一般社団法人日本電機工業会「定格加湿能力(JEM1426)」

安全性

加湿器そのものは安全に使えるように設計されていますが、加湿方式によっては加湿器がケガや健康被害につながる可能性もあります。ご自身や家族が安全に使えるかどうかも、製品選びの重要な判断材料です。

  • 吹き出し口の熱
    スチーム式加湿器は吹き出し口から熱い蒸気を噴出するため、手を近づけるとやけどのおそれがあります。スチーム式加湿器を原因とするやけど事故は毎年のように起こっているため、特に小さな子どものいる家庭では取り扱いに注意しましょう。
  • カビや菌による健康被害
    加湿器の内部で発生したカビや菌が放出される水分に乗って部屋中に広がり、加湿器肺炎などの健康被害を受ける可能性もあります。気化式やスチーム式ではそのリスクは低いとされていますが、水の粒子が大きい超音波式はカビや菌が発生しやすいため、日頃のお手入れが重要です。

お手入れのしやすさ

加湿器を清潔に使うには、フィルターや水を入れるタンクなど、日頃のお手入れが欠かせません。そのため、タンクを取り出しやすい、給水しやすい、隅々まで洗いやすいなど、お手入れのしやすさも製品を選ぶときの判断材料となるでしょう。

加湿方式や製品によって異なりますが、加湿器でお手入れが必要なパーツには次のようなものがあります。

  • 加湿フィルター
    使い続けるうちにフィルターに汚れが詰まり、カビや菌の繁殖や加湿能力の低下を招くおそれがあります。2週間に1回程度、中性洗剤での手洗いやつけ置き洗いを行いましょう。
  • 給水タンク
    雑菌の繁殖を防ぐため、1週間に1回程度、食器を洗うようにスポンジで洗浄します。
  • 給水トレー
    トレーなど水分の受け皿となるパーツがある場合は、2週間に1回程度のお手入れが必要です。水を捨て、不要な歯ブラシなどで水あか・汚れを落とし、水洗いをしましょう。

また、お手入れのタイミングをランプで知らせてくれる製品を選べば、掃除のし忘れを防止できます。

加湿器のフィルターは一定期間ごとの交換が必要

給水フィルターを備えた加湿器は、定期的なお手入れに加えて、一定期間ごとにフィルターの交換も必要です。古い給水フィルターを使い続けると、十分な加湿能力を発揮できず、電気代が上がる可能性もあります。

一般社団法人日本電機工業会の定める基準では、フィルター交換の目安は「1シーズンあたり6カ月間(1日8時間)使用し、加湿能力が50%まで低下するまで」とされています。また、各メーカーでも製品ごとに「6カ月」「18カ月」など、交換の目安を設定しています。

ただし、交換の目安は、日頃のお手入れを適切に行っていることが前提です。お手入れが不十分な製品や使用頻度が高い製品は、フィルターの交換時期を早めた方が良いでしょう。

本体サイズやデザイン

加湿器を設置する場所に合わせて、本体サイズやデザインを基準に選ぶのも一つの方法です。

リビングで電気代を抑えつつ、しっかり加湿したい場合は、本体サイズが大きめのハイブリッド式加湿器を置いても良いでしょう。また、超音波式加湿器は形状やカラーにこだわった製品が多く、インテリアになじむデザインを探しているなら、好みの製品をみつけられるはずです。

例えば、就寝前に枕元で使いたいなら、卓上に置けるコンパクトサイズの加湿器、アロマオイルで香りを楽しめる加湿器などを選ぶのも良いでしょう。

加湿器の電気代を上手に節約する方法

加湿方式に関わらず、次のような方法で加湿器の電気代を節約できることがあります。

①加湿器を適切な場所に置く
②タイマー機能や省エネ機能などを使いこなす
③湿度が上がったらエアコンの設定温度を下げる
④電力会社やプランの見直しを検討する

それでは、加湿器の節電につながるアイデアを詳しく紹介します。

1 加湿器を適切な場所に置く

加湿器で効率よく部屋の湿度を上げるには、設置場所を工夫することが重要です。加湿器の性能を十分に発揮させたい場合は、次のような場所を避けて設置しましょう。

  • 窓に近い場所:外気で冷やされた窓の近くに設置すると、加湿器からの水蒸気がすぐに結露してしまい、湿度が上がりにくくなる。
  • 換気扇や通気口、ドアの近く:空気の出入りが頻繁な場所は、加湿器から放出された水分が室外へ出てしまうおそれがある。

また、エアコンと加湿器を併用する場合は、エアコンの風が直接当たらない場所に設置しましょう。加湿器から放出された水分がエアコンの風で部屋全体に行き渡る場所であれば、設定湿度にもスムーズに到達します。

2 タイマー機能や省エネ機能などを使いこなす

人が快適だと感じる湿度は40〜60%だとされています。潤いが欲しいからといって、過度に加湿すると、結露やカビを生じさせる原因になるうえ、電気代も余計に高くなるおそれがあります。

最近の加湿器には、湿度を自動でコントロールする機能やタイマー機能など、便利な機能が搭載されています。

  • 自動運転:加湿器が室内の温度と湿度を検知して、快適な湿度を維持できるように自動で運転する。
  • 省エネ機能:加湿量を抑えて省エネ運転で加湿する機能で、通常よりも加湿量は下がるが電気代を軽減できる。
  • タイマー機能:2時間、4時間後のように運転を停止する時間をご自身で設定できる。

カラカラに乾いた部屋には自動運転、長時間の使用には省エネ機能、就寝前にはタイマー機能など、目的や状況にあわせて機能を使い分けることで、電気代の節約につながります。

省エネ機能を使うと、なかなか加湿できないイメージもあるかもしれません。しかし、あるメーカーの製品の省エネ機能では、電気代を約9割削減しつつ、加湿量は通常運転(強)よりも36%減に抑えられています。電気代を抑えながら部屋の潤いを保ちたい場合、省エネ機能は有力な選択肢です。

3 湿度が上がったらエアコンの設定温度を下げる

湿度が高いほど人は暖かさを感じやすく、体感温度も上がる傾向があります。実際、湿度が20%異なると、体感温度はおよそ4℃変わるとされています。

そのため、加湿器を使って部屋の湿度が上がれば、エアコンの設定温度を下げても、快適な体感温度を維持できると考えられます。経済産業省資源エネルギー庁によると、エアコン(暖房)の設定温度を21℃から20℃にすると、年間約1,650円の電気代が下がると試算されています。

エアコンと加湿器の併用で電気代が上がる懸念をお持ちの方もいるでしょう。しかし、エアコンの設定温度をいつもより下げれば、快適な温度と湿度を実現しながら節電できると期待できす。

夏も冬も欠かせないエアコンを賢く節約する方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの節約方法8選!電気料金の仕組みを理解して効率良く抑えよう

4 電力会社やプランの見直しを検討する

加湿器にかかる電気代を節約したいなら、電力会社やプランの見直しもおすすめです。

電力自由化以降、従来の電力会社にはなかった様々なプランやサービスを提供する新電力が数多く登場し、ご自身で選択できるようになりました。基本料金の有無や電気料金単価など、電力会社やプランによって電気料金が決まる仕組みが異なるため、電力会社やプランの乗り換えで自然と電気料金を節約できる可能性があります。

現在の電気料金や契約内容を確認して、ご自身のライフスタイルや希望にあった内容かどうか確認し、新電力への乗り換えを検討してみましょう。

電力会社やプランの見直しについて詳しくは、以下で紹介しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?電気料金は変わる?選び方や注意点を解説

まとめ

加湿器の電気代は、加湿能力や製品ごとの差だけではなく、加湿方式の種類によっても変わります。

1カ月あたりの電気代の目安は、ヒーターの熱を必要とするスチーム式は2,000円前後、スチーム式を採用して省エネ効率を上げたハイブリッド式は1,500円前後、ヒーターを使わない気化式は150円ほど、超音波式は200~300円ほどです。

加湿器を選ぶときは、冬のあいだ毎日のように使うことを考えて、電気代だけではなく、加湿能力や安全性、お手入れのしやすさ、本体サイズやデザインから総合的に判断すると良いでしょう。

加湿器の電気代を節約したいと考えているなら、電力会社やプランの見直しがおすすめです。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。