冬の室温は20℃が目安

冬に適した室温を考えるにあたり、一般家庭でのエアコンの設定温度を確認してみましょう。

環境省のデータによると、冬にエアコンを使う家庭では半数以上が設定温度を23℃以下にしています。そのうち27%は20℃以下と控えめな温度を選択している一方、25℃以上としている家庭の割合も25%を占めています(※1)。

データから、冬のエアコンの設定温度は家庭によってばらつきがあるとわかります。快適に感じる室温には個人差もあるため、「適温」を一概に指定することはむずかしいかもしれません。

しかし、環境省が提唱する「暖房時の室温20℃」をひとつの目安とすることができます。この「20℃」は、冬でも快適に過ごせる暖かさを維持しながら、暖房費の使い過ぎを抑え、環境への負担を減らす目的で設定された室温です。

また、WHO(世界保健機関)は、健康に影響を及ぼさない冬の室温として「18℃以上」を推奨しています(※2)。あまりに低い室温だと、血圧上昇やヒートショックなどにより健康を害するおそれがあるためです。

電気料金を抑えながらも快適に過ごせる温度が、冬に適した室温と言えるでしょう。

エアコンの設定温度に対する考え方や節約のポイントについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの設定温度は何度が適切?快適性や節約のための冷房・暖房の使い方を解説

(※1)出典:環境省「エアコンの使い方について」

(※2)出典:国土交通省「住まいと健康に関するガイドライン」

エアコンの設定温度と暖房時の室温の違い

冬に、エアコンの温度を環境省の提唱する20℃に設定しても肌寒さを感じる場合があります。肌寒さを感じる原因は、エアコンの設定温度と室温に生じる温度差にあると考えられます。

機種により多少の違いはあるものの、エアコンは室内機の天面から吸い込む空気の温度で測定するのが一般的です。しかし、天井近くに設置されるエアコンには暖気が集まりやすいため、床に近い場所で人が感じる温度とは3~4℃の温度差が生じる可能性があります。

さらに、フィルターの目詰まりや吹き出し口付近の障害物の有無、部屋の環境などがエアコンの温度センサーに影響し、設定温度と室温との差が大きくなるケースもあるでしょう。

冬の室温を20℃とするなら、エアコンの設定温度と暖房時の室温には差が出やすいことを考慮したうえで、体感温度が20℃となるように温度計などを使って判断するのがおすすめです。

エアコンの設定温度と電気料金の関係

先述のとおり、環境省の示す20℃は、快適な暖かさと省エネを実現する冬の室温の目安となります。それでは、エアコンの温度をコントロールすると本当に省エネになるのか、エアコンの設定温度と電気料金の関係を確認してみましょう。

まずは、一般的なエアコンの暖房時の電気料金を計算します。

  • エアコン1時間あたりの電気料金:消費電力(kW)×電気代(円/ kWh)

エアコンの消費電力は、メーカーの公式サイトや製品のパンフレットなどから調べられます。電気代は契約する電力会社やプランによって家庭ごとに異なりますが、ここでは 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表している電気料金の目安単価で、主要電力会社10社の平均単価である31円/kWhを用います(※3)。

それでは、実際に販売されている製品から、9~12畳向けエアコンの暖房時の消費電力810W(最小出力時100~最大出力時2,000W)を使い、電気料金を求めます。

  • 810(W)÷1,000(kW)×31(円/ kWh)=1時間あたり25.1円
  • 最小出力時100~最大出力時2,000(W)÷1,000(kW)×31(円/ kWh)=1時間あたり3.1~62.0円

つまり、このエアコンの場合、暖房時の電気料金は1時間あたり25.1円(最小出力時3.1~最大出力時62.0円)かかるとわかります。1日9時間使ったときの1カ月(30日)あたりの電気料金は6,777円が目安です。

(※3)出典:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会

冬の室温を1℃下げたら電気料金はどう変わる?

エアコンは設定温度に達するまで最大出力での運転を続け、フル稼働の時間が長引くほど消費電力量が増えて電気料金が上がります。先ほどの計算でも、最小出力時と最大出力時では電気料金がおよそ20倍違っており、電気料金への影響を想像できるでしょう。

特に外気温が低い冬はエアコンの設定温度との差が大きくなるため、夏よりも最大出力の時間が長くなり、電気料金は上がる傾向があります。

  • 外気温とエアコンの設定温度の温度差
    夏:外気温35℃-エアコンの設定温度28℃=温度差7℃
    冬:外気温6℃-エアコンの設定温度20℃=温度差14℃

冬はエアコンの設定温度を1℃でも下げて外気温との温度差を縮めると、電気料金の節約を実感しやすいでしょう。

経済産業省資源エネルギー庁のデータによると、外気温6℃でエアコン(1日9時間使用)の設定温度を21℃から20℃に下げると年間53.08kWhの省エネになり、電気料金は約1,650円の節約になるとされています(※4)。

(※4)出典:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」省エネレッスン

冬に快適な室温を保つには湿度のコントロールも大切

冬に快適な室温を保つには湿度のコントロールも大切

寒い冬、控えめなエアコンの設定温度で快適な室温を実現するには、湿度のコントロールも大切です。

人には、適度な湿度があることで暖かさを感じられる性質があり、湿度の高い空間ほど体感温度が上がります。湿度が20%違うと、体感温度は4℃変わるとされています。

温度と同じように快適に感じる湿度にも個人差はありますが、室内で暖かく過ごしたいときの湿度の目安は、40〜60%ほどとなっています。

そのため、エアコンの加湿暖房や加湿器の併用などにより部屋の湿度を一定に保つと、冬でも快適な室温を保ちやすくなるでしょう。逆に、室温が20℃でも湿度が低ければ、肌寒さを感じる可能性があります。

エアコンを使うときの快適な湿度について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの除湿は何度に設定するべき?快適な温度・湿度の目安や冷房との使い分けも解説

エアコンで室温を上げると湿度が下がる

湿度が高く蒸し暑い夏とは違い、北西から流れ込む水蒸気の少ない季節風の影響で、冬は乾燥が気になる季節です。そのため、冬にエアコンを使うと、空気中の水蒸気量はそのままで室温が上昇することで、室内の湿度は相対的に下がっていきます。

こうした理由から、冬にエアコンで室温を上げると自然と湿度が低くなり、暖かさを感じにくくなるなど、体感温度に影響する場合もあるでしょう。

寝る時の室温はやや控えめが基本

冬にエアコンを使うにあたって、睡眠時の適切な室温が気になる方も多いでしょう。睡眠時の室温は、起きているときと異なり、暖かい布団に入っている状態を考慮することが大切です。

冬でも布団の中は30℃前後と温かい状態のため、エアコンは不要だと感じられるかもしれません。しかし、エアコンを使わずにいると冷えた空気を吸い込んでしまい、眠りが浅くなる、目が冴えるなどして睡眠が阻害されるおそれもあります。

そこで、外気温と室温のように、室温と布団の中の温度差が大きく開き過ぎないようにすると良いでしょう。

低すぎる室温もよくありませんが、寒さが気になるからとエアコンの設定温度を高くし過ぎると、エアコンの運転音が睡眠の邪魔になる可能性もあります。そのため、起きているときよりやや控えめの設定温度にしておくのも安眠のポイントです。

睡眠時の室温は16~20℃、湿度50~60%前後を目安にすると良いでしょう。

また、睡眠中はオフにする、起床時間にあわせて運転を再開するなど、エアコンの稼働をタイマーでコントロールするのもおすすめです。

冬に快適な室温と節電を叶えるアイデア7選

環境省の提唱する室温20℃は、省エネを実現しながら暖かさを維持できるとされています。しかし、電気料金の節約を目指すなら、室温だけでなくエアコンの使い方などを見直すのもおすすめです。

①エアコンの風向きを工夫する
②加湿器を併用するなどして体感温度を上げる
③サーキュレーターで温度ムラをなくす
④エアコンのフィルターを定期的に掃除する
⑤部屋の断熱効率をアップさせる
⑥最新のエアコンに買い替える
⑦電力会社やプランの見直しを検討する

それでは、それぞれのアイデアを詳しく紹介します。

暖房でエアコンを使うときの節約アイデアについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの暖房は何度に設定すれば良い?推奨温度や節電方法を解説

①エアコンの風向きを工夫する

エアコンから吹き出す暖気は上昇して天井にたまりやすいため、エアコンの風向きはできるだけ下に向けて使いましょう。風向きを水平から上にしていると、人のいる足元がなかなか暖まらず、室温が上がりにくくなるおそれがあります。

エアコンの多くは真下には風を送れませんが、風向きはできるだけ下にすることが大切です。

また、部屋全体をムラなく暖めたいなら、エアコンの設置場所にかかわらず、部屋の中央に風を向けるのがおすすめです。

②加湿器を併用するなどして体感温度を上げる

先述のとおり、人は湿度が高いと暖かく、湿度が低いと寒く感じる傾向があります。そこで、湿度にも注目しながらエアコンを使うと、体感温度がアップして快適な室温を効率よく実現できます。

人や住まいにとって快適な湿度は40~60%の範囲内とされています。エアコンの加湿機能の利用、加湿器や加湿機能付き空気清浄機の併用、洗濯物の室内干しなどで、乾燥しやすい冬も部屋の湿度を維持しましょう。

加湿器や空気清浄機を使う場合は、エアコンのセンサーの真下ではなく、エアコンの向かい側の壁や部屋の中央などに置くと、水蒸気をムラなく拡散できます。

③サーキュレーターで温度ムラをなくす

エアコンの風向きを下にすると、天井にたまりやすい暖気をまず足元に送れるため、室温の温度ムラを解消しやすいと期待されます。ただし、暖気は上へ、冷気は下へと向かうため、温度ムラの解消には時間がかかる場合もあるでしょう。

温度ムラをできるだけスムーズになくしたいなら、サーキュレーターや扇風機をエアコンと併用して、空気の循環を促すのがおすすめです。

サーキュレーターや扇風機は、床に置くときは天井へ向ける、家具などの高い場所に置くときは天井近くの暖気を下へ送り込むように向けると、さらに効果的に温度ムラを解消できるでしょう。

サーキュレーターと扇風機の性能の違いやエアコンと併用する節電メリットについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

サーキュレーターと扇風機の違いは?エアコンとの併用で電気代がおトクになる?

④エアコンのフィルターを定期的に掃除する

エアコン本来の暖房性能を無駄なく発揮させるには、フィルターを清潔に保つことが大切です。

エアコンのフィルターは、部屋の冷たい空気を吸い込み、暖めた空気を吹き出すための出入り口となります。フィルターが汚れやホコリで目詰まりしていれば、空気交換が十分にできず、必要以上の電気料金がかかる可能性があります。

フィルター清掃は2週間に1度が目安です。定期的に清掃を行うと、年間約990円の節約になるとのデータもあります(※5)。

(※5)出典:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」省エネ行動と省エネ効果

⑤部屋の断熱効率をアップさせる

エアコンを適切に使っているつもりでも、外部から冷気が入り込んだり部屋の暖気が逃げたりするようでは、室温はなかなか安定しません。

そのような環境だと肌寒さを感じやすく、設定温度や出力を上げる、長時間使い続けるなどの使い方につながり、エアコンの電気料金が高くなる可能性もあります。

エアコンを使う部屋の断熱効率を高めると、快適な室温を維持しやすくなります。たとえば、次のような工夫だけでも断熱効率を高められます。

  • ドアや窓の開閉を控える
  • ドアや窓のすきまをふさぐ
  • 厚手のカーテンで外からの冷気を遮る
  • 窓やサッシに断熱シートを貼る…など

また、日中は日差しを取り込んで、夜間はカーテンを閉じて冷気を遮断しておくと、冬の室温の低下を防ぎやすいでしょう。

⑥最新のエアコンに買い替える

使い方の工夫も有効ですが、家電は年々進化しているため、最新のエアコンに買い替えるだけでも暖房性能や省エネ性能が向上し、電気料金を節約できる可能性があります。

たとえば、最新のエアコンに見られる便利な機能には、エコ自動運転やフィルターの自動清掃などがあります。また、室温が低い運転開始時は最大出力で、室温が設定温度に達した後は低出力で運転し、効率的に省エネを実現するインバーターエアコンの普及も進んでいます。

2024年製と2014年製のエアコンを比べると、年間の電気料金を約3,810円節約できると試算されています(※6)。

(※6)出典:一般財団法人家電製品協会「省エネ家電deスマートライフ」

⑦電力会社やプランの見直しを検討する

電気料金を気にせず、エアコンを使って冬でも快適な室温を保ちたいなら、電力会社やプランの見直しもおすすめです。

電力自由化以降、様々なプランやサービスを提供する新電力をご自身で選択できるようになっています。電力会社やプランごとに基本料金の有無や電気料金の単価が異なるため、乗り換えによって、これまでと同じようにエアコンを使っても節電になる可能性があります。

まずは契約中の電力会社やプランの契約やサービスが希望にあった内容となっているかを確認して、様々な電力会社やプランと比較・検討しましょう。

電力会社やプランの乗り換えをする前に知っておくと役立つ知識について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?電気料金は変わる?選び方や注意点を解説

まとめ

まとめ

冬の室温は、環境省が提唱する20℃を目安にすると、電気料金を抑えながら快適な暖かさを実現できるとされています。

ただし、20℃は室温を指しており、室内機のセンサーが判断するエアコンの設定温度とは温度差が生じる可能性があるため、肌寒さを感じるようなら無理せず設定温度を上げることも大切です。

また、控えめな室温でも快適に過ごすには、部屋の湿度を40~60%に保つことも大切です。湿度が低いと体感温度も下がるため、加湿器などを併用して一定に保ちましょう。

ほかにも、エアコンの風向きを工夫する、フィルターをこまめに清掃するなどの工夫で、省エネしながら冬でも快適な室温が叶います。

冬の暖房にかかる電気料金を根本的に節約したいなら、電力会社やプランの見直しがおすすめです。

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鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

1級FP技能士・CFP・証券外務員一種・投資診断士・節約生活スペシャリスト・クレジットカードアドバイザー®

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。