非FITとは?FITとの違いやメリット・デメリット・プランの選び方を解説
電力会社の契約プランや再生可能エネルギーについて調べる中で、「非FIT」という言葉を目にする機会があるかもしれません。
馴染みのない言葉で、意味がわかりにくいと感じるかもしれませんが、家庭にも関係する可能性があるため、基礎知識として理解しておくことが重要です。
本記事では、非FITとは何かをわかりやすく解説します。FITとの違いや非FITのメリット・デメリットを解説したうえで、非FIT電気の選び方についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
非FITとは?FITとの違いをチェック
非FITを正しく理解するには、まずFITについての知識を深めておく必要があります。
FIT制度(固定価格買取制度)とは
FIT制度(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーによって発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度です。
電力会社が電力を買い取るための費用の一部は、電気の利用者から再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)として徴収されます。賦課金として買取費用を確保することで、発電に必要な建設コストを回収しやすくなり、再生可能エネルギーの普及が促進されます。
なお、FIT制度や再エネ賦課金について詳しくは、以下の記事で紹介しています。
FIT制度(固定価格買取制度)とは?売電の仕組みや課題を解説
非FITとは
非FITとは、FITに対する概念として用いられている言葉です。再生可能エネルギーの発電設備のうち、FIT制度の適用を受けていないものを指します。そのため、市場価格での買取や自家消費などの形態で利用されます。
非FITやFIT制度における再生可能エネルギーには、太陽光発電以外にも風力発電や水力発電、地熱発電なども含まれます。
FIT制度の適用を受けずに太陽光発電を行う場合、発電方法は「非FIT太陽光発電」、発電された電気は「非FIT電気」「non-FIT電気」などと呼ばれます。
非FITと似た言葉に卒FITがありますが、これはFIT制度の買取期間が満了した電源からの電力を指すものであり、非FITとは異なる扱いとなります。
非FITとFITの特徴を比較
非FITとFITの違いは、以下のとおりです。
| FIT | 非FIT | |
|---|---|---|
| 買取価格 | 国が一定の買取価格を保証 | 市場価格に連動して変動 |
| 国民負担 | 再エネ賦課金によって国民が買取価格を負担する | 国民負担なし |
| 環境価値 |
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|
FIT制度は、再生可能エネルギーによって発電された電気を一定期間固定価格で買い取るのが特徴です。一方、非FITでは固定価格は設定されず、市場価格に連動して変動します。
また、FIT制度の買取価格は国民が再エネ賦課金として負担しますが、非FITは国民負担を伴わない仕組みです。
買取価格が国民負担となるFIT制度では、再生可能エネルギーで発電しても、CO2排出抑制などの環境価値は電気そのものには付与されません。一方、非FITには再エネ賦課金がなく、環境価値が発電側に帰属するため、発電された電気は100%再生可能エネルギー由来と見なされます。
非FITが注目されている背景
FITに依存せずに再生可能エネルギーを普及させる新たな仕組みが求められており、その手段として非FITが注目されています。非FITが注目される背景には、主に2つの目的があるため、それぞれ紹介します。
国民の負担を抑制する
非FITが注目される理由のひとつは、国民の負担抑制につながると期待されている点です。
非FITはFIT制度と異なり、再エネ賦課金が不要なため、国民が費用を負担する必要がありません。
再エネ賦課金は2012年度には0.22円/kWhでしたが、2025年度には3.98円/kWhにまで上昇しています(※1)。
FIT制度によって再エネの普及は進みましたが、国民負担の大きさが課題とされ、非FITが注目されるようになりました。
これは、脱炭素推進や電気料金の高騰も背景にあります。加えて、2020年度の制度改正により、50kW未満の低圧太陽光発電の全量売電が廃止されたことも一因です。
(※1)出典:経済産業省資源エネルギー庁「今後の再生可能エネルギー政策について」
カーボンニュートラルへの移行やエネルギーの安定化を目指す
非FITが注目される背景には、カーボンニュートラルの実現やエネルギーの安定供給を目指す動きがあります。
FIT制度が始まったことで、再生可能エネルギーの導入は進みました。しかし、日本が掲げている2050年のカーボンニュートラル目標を達成するには、再生可能エネルギーを長期的かつ安定的に導入し、事業を継続させる必要があります。
そのためには、FIT制度に依存せず採算性を確保できる非FIT型の再生可能エネルギー発電事業を自立させることが重要です。
また、日本はエネルギー自給率が低いため、エネルギー安全保障の観点からも再生可能エネルギーの導入促進が求められます。
再生可能エネルギーのCO2排出量削減効果や自家消費による節電効果などの価値が適切に評価される非FITは、FIT制度に依存せず再生可能エネルギーの導入を進める有効な手段として注目されています。
非FITは企業だけのものではなく一般家庭にもかかわる
非FITは再生可能エネルギーによって発電を行う企業向けの制度というイメージがありますが、実際には一般家庭にも大きく関係しています。以下では、その理由について解説します。
電力会社で非FIT由来の再エネ電力を選べるプランが提供されている
電力会社では、非FIT由来の再生可能エネルギー電力を選べるプランが提供されています。
対象のプランを契約し、オプションに加入することで、実質的に再生可能エネルギー100%の電気を利用できるケースが多く見られます。
以下のように非FIT由来の再生可能エネルギー電力を選べる一般家庭向けのプランもあり、非化石電源による電気であることを証明する「非化石証書」が活用されています。
- 九州電力「まるごと再エネプラン」
- 北海道電力「カーボンFプラン」など
家庭でも非FIT太陽光発電ができる
企業だけでなく、家庭でも非FIT太陽光発電が可能です。
FIT制度の適用を受けていない発電設備を導入すれば、家庭でも非FITの太陽光発電を行うことが可能です。また、非FIT太陽光発電による余剰電力を買い取る事業者も存在します。
非FITのメリット
非FITは、FIT制度の適用を受けずに再生可能エネルギーによる発電を行う仕組みです。そのため、企業に限らず、家庭でも非FIT太陽光発電を行うことが可能です。また、非FIT由来の再生可能エネルギー電力を選べるプランを契約することもできます。
非FITによって家庭が得られる主なメリットを紹介します。
- 電気料金を節約できる
- CO2削減に貢献できる
- 柔軟に電力を利用できる
電気料金を節約できる
家庭で非FITの発電を行えば、電気料金の節約につながります。
非FIT電気は売電の義務がないため、発電した電気を自家消費することが可能です。自家消費によって電気料金を節約でき、長期的に見て家計の負担を抑えることができるでしょう。
CO2削減に貢献できる
家庭で非FITの電力プランを契約することで、CO2削減に貢献できます。
非FIT電気は再生可能エネルギーによってつくられた電気のため、発電段階でCO2を排出しません。CO2を排出せずに発電された環境価値の高い非FIT電気のプランを契約すれば、家庭の電気によるCO2排出量を実質ゼロにできます。
柔軟に電力を利用できる
柔軟な電力利用が可能であることは、非FITの大きなメリットのひとつです。
FIT制度では買取価格が固定されていますが、非FITでは市場価格に連動した価格や、事業者との相対契約による価格設定など、柔軟な取引が可能です。
需要の増減に応じて価格が変動する市場価格に基づいて取引することで、家庭でも価格変動を意識した電力利用が可能になります。
たとえば、太陽光発電の売電量が多く価格が下がりやすい昼間は、発電分を自家消費する選択が可能です。蓄電池のように発電した電気をためておける設備を導入すれば、電力利用の柔軟性はより高まります。
なお、市場価格の変動によって電気料金が決まる市場連動型プランについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。
非FITのデメリット
非FIT太陽光発電は企業だけでなく家庭にとっても多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
非FIT由来の電気を利用する場合や、非FIT太陽光発電による電気を売電する場合には、メリットだけでなくデメリットについても把握しておくことが大切です。
- 取引価格が下がるリスクがある
- 電力会社によって非FIT電気の種類や割合が異なる
- 売電する場合は手続きに手間がかかる
取引価格が下がるリスクがある
非FITのデメリットのひとつが、取引価格が下がるリスクがあることです。
FIT制度の買取価格は固定されているため、一定期間中は下がりませんが、非FITでは市場価格に連動して変動します。買取価格がFIT制度を適用した場合より高くなることもあれば、低くなることもあります。
売電収入を期待している場合は、利益が減少する可能性がある点も考慮しなければなりません。
電力会社によって非FIT電気の種類や割合が異なる
非FITのデメリットとして、電力会社によって非FIT電気の種類や割合が異なる点が挙げられます。
各電力会社が提供している非FIT電気を利用できるプランでは、太陽光や水力、地熱など電源や比率の違いが見られます。
また、活用されている非FIT非化石証書が「再エネ指定なし」の場合、再生可能エネルギーだけでなく原子力による発電も含まれることがあります。そのため、CO2フリーであっても、必ずしも再生可能エネルギーの電力とは限らない点に注意が必要です。
売電する場合は手続きに手間がかかる
家庭で非FIT電気を売電する場合、手続きの手間がかかる点がデメリットです。
FIT制度を利用する場合、電力会社に買取の義務が生じるので、売電に関する手続きは自動で行われます。しかし、非FIT電気は買取義務がないため、自力で売電先を探して契約手続きをしなければなりません。
非FIT電気の買取に対応している事業者は多いものの、比較検討や契約手続きは自ら行う必要があり、手間がかかります。
消費者が非FIT電気を選ぶ際にチェックしたいポイント
電力の小売自由化により、消費者は自身のニーズにあう電力会社やプランを選べるようになりました。そのため、非FIT電気の利用を重視する場合は、非FIT電気を提供する電力会社やプランを選ぶと良いでしょう。
以下では、非FIT電気を選ぶ際にチェックしたいポイントを解説します。
1 非FIT電気の使用率
非FIT電気を利用できる電力プランを選ぶ際は、非FIT電気の使用率を確認しましょう。
たとえ再生可能エネルギー100%を謳っていても、FIT電気が含まれている場合は、環境価値が国に帰属しているため、実質的に100%再生可能エネルギーとはいえない場合があります。
電力会社のウェブサイトなどには「電源構成(●年度実績)」が記載されており、FIT電気か非FIT電気かの区別も示されているため、事前に確認してみてください。
2 非化石証書の有無や種類
非FIT電気を利用できる電力プランを選ぶ場合、非化石証書の有無や種類を確認することが大切です。
非FIT電気を提供する電力プランでは、非化石証書を活用することで、実質的に再生可能エネルギー100%の電気を利用できる点が特徴です。非化石証書は、CO2を排出しないという環境価値を証書として売買できるようにしたものです。
非化石証書には、FIT電源が対象となる「FIT非化石証書(再エネ指定)」、非FIT電源が対象となる「非FIT非化石証書(再エネ指定)」および「非FIT非化石証書(指定なし)」の3種類があります。
FIT非化石証書が使われているプランでは、非FIT電気とはいえず、実質的に100%再生可能エネルギーとは見なされない場合があります。
また、非FIT非化石証書(指定なし)には再生可能エネルギーのほか、原子力による電力も含まれるため、CO2排出量はゼロでも、原子力に抵抗のある方には適さない場合があります。非化石証書の有無や種類は電力会社のウェブサイトなどで確認できるので、事前に確認することをおすすめします。
まとめ
非FITとは、再生可能エネルギーによる発電設備のうち、FIT制度の適用を受けていないものを指します。電気料金の節約やCO2削減への貢献が期待できることから、企業だけでなく一般家庭でも活用が進んでいます。
興味がある場合は、非FIT太陽光発電設備の導入や、非FIT電力プランの契約を検討してみましょう。
また、電気料金の節約を重視する場合は、月々の電気料金を抑えやすい料金プランを提供する電力会社を選ぶのもおすすめです。
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