LPガスとプロパンガスに違いはある?料金が高い理由やガス料金の節約方法を解説
ガス料金について調べるなかで「LPガス」と「プロパンガス」を見かけたものの、両者の違いや都市ガスと関係がよくわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、LPガスとプロパンガスの違いや、家庭のガス料金が高くなりやすい理由、節約方法について解説します。ぜひ参考にしてください。
LPガスとプロパンガスは同じものを指す
結論から言うと、家庭において「LPガス」と「プロパンガス」は基本的に同じものを指します。
LPガスは石油由来のガスを液化したものであり、正式名称は液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)です。LPガスには、家庭で使われるプロパンが主成分のプロパンガスや、工業用の燃料や都市ガス用原料として使われるブタンガスなどが含まれています。
つまり、正確に言えばプロパンガスはLPガスの一種です。しかし、家庭で使用されるLPガスはプロパンが主成分のため、「LPガス=プロパンガス」と認識して問題ありません。
プロパンガスの特徴
プロパンガスは簡単に液化でき、ガスボンベに液化した状態で充填されています。
プロパンガスは空気より1.5倍重く、漏れると低い場所にたまるのが特徴です。万が一、家庭内でガス漏れが発生した場合は、部屋の低い位置を中心に換気する必要があります。
また、プロパンガスは本来無色・無臭ですが、ガス漏れに気付けるように玉ねぎが腐ったようなにおいが付加されています。燃えると無臭になるので、ガスを正しく使用していれば不快なにおいがすることはありません。
プロパンガスについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。
「プロパンガスとは?都市ガスとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説」
プロパンガスと都市ガスの違い
家庭で使われるガスは、プロパンガスまたは都市ガスのいずれかであり、それぞれ特徴が異なります。
プロパンガスは液化石油ガスで、主成分はプロパンです。一方、都市ガスは主に天然ガスを原料としており、主成分はメタンです。
プロパンガスは各家庭にガスボンベを配送して供給するため、配送体制を確保できる地域であれば使用できます。それに対し、都市ガスは専用のガス管を敷設する必要があるため、導管ネットワークの供給エリア内でしか使用できません。
プロパンガスは空気より重く、漏れると床付近にたまりやすい一方、都市ガスは空気より軽く、漏れると部屋の上部にたまりやすい特徴があります。
プロパンガスと都市ガスの違いについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。
プロパンガスが多いエリア・物件の特徴
プロパンガスは全国で広く利用されていますが、利用が多いエリアや物件には一定の傾向があります。引越し前に確認しておくと、入居後のミスマッチを防ぎやすいでしょう。
プロパンガスは、日本の世帯の約36%で利用されています。総合資源エネルギー調査会の資料によると、2021年3月末時点でLPガスを利用している世帯は2,173万件(36%)でした。都市ガスは2,652万件(44%)、オール電化を含むその他が1,150万件(20%)となっています(※1)。
また、プロパンガスはボンベを供給できれば利用できることから、都市ガスの整備が行き届いていない地方を中心に利用されているのが特徴です。
2021年3月末の都道府県別プロパンガス普及率を見ると、70%以上の地域では、沖縄が86%、岩手県および山梨県が76%、青森県が72%、長野県が71%、山形県および高知県が70%でした。
山間部や離島など、ガス管の敷設が地形的に難しいエリアでLPガスの供給が多いことがわかります。
一方、東京都と大阪府はいずれも6%で、プロパンガスの普及率は低水準です。国内でも、居住エリアによってプロパンの普及状況は大きく異なる点に留意が必要です。
(※1)出典:総合資源エネルギー調査会「〜LPガスの商慣行是正に向けた対応方針〜」
引越し先がプロパンガスか都市ガスかを見分ける方法
引越し先がプロパンガスか都市ガスかわからない場合は、敷地内のガスボンベの有無などから判断できることがあります。LPガスはガスボンベが設置されるため、敷地内にガスボンベがあればプロパンガス物件だと判断できるでしょう。
ただし、集合住宅では外観だけで判断しにくいこともあるため、不動産会社や管理会社に問い合わせるのが確実です。
現在の自宅で使用しているガスがプロパンガスか都市ガスかは、以下のポイントを確認することで見分けやすくなります。
| 都市ガス | プロパンガス | |
|---|---|---|
| ガスコンロのシール | 「12A」「13A」「都市ガス用」など | 「LPG」「プロパンガス用」など |
| ガス警報器の設置場所 | 部屋の上部(天井付近) | 部屋の下部(床付近) |
| 検針票記載の使用場所番号 | 10桁 | 17桁 |
| ガスホースの色 | 白(ベージュ) | オレンジ色 |
プロパンガスの料金が高いと言われる理由
自宅や引越し先がプロパンガスとわかり、昨今のガス料金の高騰もあって、料金の高さが気になる方もいるでしょう。特にプロパンガスは、都市ガスよりも料金が高くなる傾向があります。
プロパンガスの料金が、都市ガスより高くなりやすい理由を詳しく見ていきます。
ガス会社が自由にガス料金を設定できる
プロパンガスの料金が高い理由のひとつは、ガス会社が自由に料金を設定できる点にあります。
プロパンガスは自由料金制であり、法律で料金が規制されていないため、ガス会社ごとに料金が設定されています。そのため、価格の適正性を判断しにくくなっています。
ガス料金は「基本料金+(従量単価×ガス使用量)」で決まります。特に従量単価の価格差がガス会社によってあるため、同じLPガスであっても月々の料金に大きな差が出ることがあります。
なお、プロパンガス料金については、かねてより料金内訳の分かりにくさが課題とされていました。近年は制度の見直しが進み、2025年4月からは「基本料金・従量料金・設備料金」の三部料金制の徹底や、LPガス消費と関係のない設備費用の計上禁止など、料金の透明化に向けたルールが施行されています。
供給コストが高い
供給コストが高いことも、プロパンガスの料金が高い理由です。
LPガスは、供給地点にガスボンベや供給設備を設置しなければ利用できません。また、定期的な交換や点検も必要です。供給設備にかかる費用や運送費、人件費などが加算されるため、都市ガスに比べてガス料金が高くなりやすい傾向があります。
家庭のプロパンガスの料金をチェックする流れ
家庭のプロパンガス料金が高いと感じた場合は、請求内容と使用量を整理したうえで、地域相場と比較することが大切です。
以下では、家庭のプロパンガスの料金をチェックする流れを解説します。
①検針票の確認
まずは、自宅のプロパンガスの検針票を確認しましょう。
検針票は、ガスメーターの検針内容に基づき、メーター指針やガス使用量などの情報が記載されている書類です。ガス会社によっては、「ご使用量のお知らせ」や「請求書」などと呼ばれている場合もあります。
検針票には、該当する月のガス使用量や従量単価、基本料金などが記載されています。自宅のガス料金が高いかどうかを判断するために、基本料金・ガス使用量・従量単価を確認しましょう。
なお、ガス会社によっては紙の検針票が発行されず、ウェブやアプリで確認するケースもあります。
②現在の利用状況の整理
ガス会社が設定している料金そのものが高い場合だけでなく、家庭でのガス使用量が多い場合にもガス料金は高くなります。
以下は、過去調査をもとにした家庭のプロパンガス使用量の参考値です(※2)。なお、出典は平成18年度の調査であり、現在の使用実態とは差がある可能性があります。
| 世帯人数 | プロパンガスの月平均使用量 |
|---|---|
| 2人以下 | 6.5m3/世帯 |
| 3人 | 8.9m3/世帯 |
| 4人 | 11.3m3/世帯 |
| 5人 | 11.7m3/世帯 |
| 6人 | 12.0m3/世帯 |
| 7人以上 | 11.8m3/世帯 |
(※2)出典:一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センター「平成18年度 プロパンガス消費実態調査」
参考値として、過去調査における家庭用プロパンガスの1世帯当たり月別使用量は以下のとおりです(※3)。なお、出典は平成18年度の調査であり、現在の使用実態とは差がある可能性があります。
| 家庭用プロパンガス1世帯当たり月別使用量 | |
|---|---|
| 1月 | 12.2 m3/月/世帯 |
| 2月 | 11.7 m3/月/世帯 |
| 3月 | 10.8 m3/月/世帯 |
| 4月 | 10.5 m3/月/世帯 |
| 5月 | 9.4 m3/月/世帯 |
| 6月 | 8.2 m3/月/世帯 |
| 7月 | 7.0 m3/月/世帯 |
| 8月 | 6.4 m3/月/世帯 |
| 9月 | 6.3 m3/月/世帯 |
| 10月 | 7.7 m3/月/世帯 |
| 11月 | 9.0 m3/月/世帯 |
| 12月 | 10.5 m3/月/世帯 |
(※3)出典:一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センター「平成18年度 プロパンガス消費実態調査」
検針票や請求書を確認し、1カ月のガス使用量が平均より多い場合は、使用量を見直すことでガス料金の節約につながるでしょう。
③地域のプロパンガス料金相場と自宅料金の比較
自宅のプロパンガスの使用状況を把握したら、地域の料金相場と自宅のガス料金を比較してみましょう。
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会は、独自にプロパンガスの適正価格を公表しています。石油情報センターが調査しているプロパンガスの平均価格と、協会が提示している適正価格は、エリアごとに以下のとおりです。
| エリア | 平均価格 (石油情報センター) |
適正価格 (一般社団法人プロパンガス料金消費者協会) |
||
|---|---|---|---|---|
| 基本料金 | 従量単価 | 基本料金 | 従量単価 | |
| 北海道 | 2,216円 | 896円 | 1,760円 | 418円 |
| 東北 | 2,020円 | 801円 | 1,723円 | 396円 |
| 関東 | 1,872円 | 650円 | 1,650円 | 308円 |
| 甲信越 | 1,956円 | 697円 | 1,650円 | 378円 |
| 東海 | 1,917円 | 691円 | 1,650円 | 336円 |
| 北陸 | 2,054円 | 760円 | 1,760円 | 477円 |
| 近畿 | 1,995円 | 673円 | 1,980円 | 411円 |
| 中国 | 2,098円 | 761円 | 1,760円 | 438円 |
| 四国 | 2,050円 | 685円 | 1,760円 | 413円 |
| 九州 | 1,907円 | 705円 | 1,760円 | 437円 |
(※4)出典:一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会「都道府県別プロパンガス料金の適正価格と平均価格」
平均価格:2024年10月確報値
適正価格:2024年12月時点
住んでいるエリアの平均額や参考水準と自宅のガス料金を照らし合わせ、大きく上回る場合は、ガス料金設定が高めの可能性があると判断できます。
なお、ガス料金の平均額について詳しくは、以下の記事で紹介しています。
ガス料金を節約するためにできること
月々のプロパンガス料金が高いと感じた場合は、対策を検討しましょう。ガス料金を節約するためにできることは、以下のとおりです。
- ガスの使い方を見直す
- ガス会社の乗り換えやプランの見直しをする
- 都市ガス物件への引越しを検討する
なお、ガス料金の節約方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。
ガスの使い方を見直す
ガス料金が高いと感じる場合は、ガスの使い方を見直してみましょう。プロパンガスは従量料金単価が高い傾向があるため、使用量を抑えることでガス料金の削減につながります。
たとえば、以下のような点を見直すことが有効です。
| カテゴリ | 見直しポイント |
|---|---|
| お風呂 |
|
| キッチン |
|
ガス料金の具体的な節約方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。
ガス代節約方法22選!すぐできるキッチンやお風呂のガス代節約ポイントを紹介
ガス会社の乗り換えやプランの見直しをする
ガス料金を節約したい場合は、ガス会社の乗り換えやプランの見直しをしてみましょう。
戸建てであれば、自由にガス会社の乗り換えが可能です。賃貸物件の場合は大家や管理会社の判断によるため、事前に確認が必要です。
基本料金や従量料金単価が低いプランを提供しているガス会社を選び、日々の使い方も工夫することで、ガス料金の負担軽減に大きくつながります。現在の契約内容を確認したうえで、複数のガス会社に見積もりを依頼し、条件を比較して乗り換え先を決めましょう。
電気とガスをセットで提供している会社もあるため、メリットが大きい場合は利用を検討してみてください。電気とガスをまとめるメリットやデメリットについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。
電気とガスをまとめるのはデメリットがある?メリットとあわせて解説
都市ガス物件への引越しを検討する
賃貸住宅に住んでいる場合、大家や管理会社の同意を得られなければプロパンガス会社の変更は難しいといえます。そのため、ガス料金の高さに悩んでいる場合は、都市ガス物件も選択肢のひとつとして、家賃とガス料金を含めた総住居費を比較しながら検討しましょう。
都市ガスが使えるエリアは限られているため、ウェブで調べたり引越し仲介業者に紹介を受けたりしながら、家賃とガス料金の合計額も含めて比較することが望ましいです。
電気だけでなくガスも自由化されたことで、都市ガスの契約先も自由に選べるようになりました。月々のガス料金を抑えられるガス会社を選び、継続的に光熱費の負担軽減を図ることが重要です。
まとめ
LPガスとプロパンガスは同じもので、都市ガスよりも月々のガス料金が高くなる傾向があります。ガス料金の高さに悩んでいる場合は、節約を実践したうえでガス会社の変更を検討してみるのも良いでしょう。
ただし、都市ガスを供給しているエリアは限られており、賃貸物件ではガス会社を自由に切り替えられないケースも少なくありません。ガス料金の見直しが難しい場合は、ほかの光熱費で削減できる余地がないかを確認することが重要です。
電力会社は賃貸物件でも切り替えやすいため、まずは電気料金の見直しからはじめるのも一案です。
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(※6)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
(※7)楽天ポイントの進呈対象は、クレジットカードでお支払いいただいた料金となります。コンビニ払込用紙でのお支払いではポイント進呈対象にはなりません。
(※8)貯まったポイントは50ポイント(50円相当)からご利用料金に充当できます。

