除湿とは

除湿とは、空気中の余分な湿気を取り除くことを指します。

湿度とは、空気中にどのくらい水蒸気が含まれているかを示す指標です。温度が高い空気ほど多くの水蒸気を含むため、気温や室温の変化によって湿度は変わります。

湿度が高すぎると、蒸し暑さや結露、カビ・ダニの発生を引き起こしやすくなります。そのため、室内の環境を快適に保つには、温度だけでなく湿度も意識することが大切です。

適切な部屋の湿度は40〜60%

適切な部屋の湿度は、一般的に40〜60%といわれています。

湿度が低すぎると、乾燥でのどを痛めたり、ウイルスが生存しやすくなったりします。一方、湿度が高すぎるとカビやダニが発生しやすくなり、アレルギー疾患を引き起こすリスクがあります。

湿度が低すぎる場合は加湿を行い、高すぎる場合は除湿を行うことで、部屋の湿度を快適に保つことが大切です。

最適な湿度や湿度が高いことで起こる影響について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

最適な湿度は何%?室内を快適に保つメリットやコントロール方法を解説

部屋の湿度70%で起こる影響は?快適な湿度をキープする湿気対策方法を解説

効果的な除湿方法7選

効果的な除湿方法7選

ここからは、家庭で実践しやすい除湿方法7選を紹介します。部屋の湿度が高い場合は、取り入れやすいものから試してみてください。

①除湿機を活用する
②エアコンを活用する
③窓を開けて換気する
④換気扇やサーキュレーターを活用する
⑤除湿剤を使用する
⑥家具の配置を変更する
⑦生活用品を活用する

①除湿機を活用する

効率的に除湿したい場合は、除湿機の活用が有効です。

除湿機は除湿に特化した家電のため、速やかに湿気を取り除いて快適な湿度を保ち、カビやダニなどの発生リスクも抑えられます。

部屋の中央に除湿機を置けば、部屋全体を除湿できます。洗濯物を部屋干しする場合は、衣類乾燥にも使えます。電気料金はかかりますが、短時間で除湿効果を得たい場合は、除湿機の活用が有効です。

除湿機の電気料金について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

除湿機の電気代はいくら?種類別の比較や節電方法、おすすめの選び方を紹介

②エアコンを活用する

家庭でできる除湿方法のひとつに、エアコンの活用があります。エアコンの除湿(ドライ)には主に弱冷房除湿と再熱除湿の2種類があり、使い分けることで部屋の湿度を快適に保てるでしょう。

弱冷房除湿は、空気を冷やして湿気を取り除き、室温をやや下げながら湿度を下げる方式です。一方、再熱除湿は一度冷やして除湿した空気を温め直して部屋に戻す方式です。

再熱除湿は室温を下げにくいというメリットがありますが、一般的な冷房や弱冷房除湿よりも消費電力が大きくなる傾向があります。

節約の観点からも、暑さが気になる場合は冷房、室温がそれほど高くないが蒸し暑い場合は弱冷房除湿、冷えすぎを避けたい場合は再熱除湿といったように使い分けることが有効です。

機種によっては、部屋の空気を利用して温度を調整するハイブリッド除湿を搭載している場合もあるため、自宅のエアコンを確認してみてください。

エアコンの機能について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

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③窓を開けて換気する

費用を抑えて除湿したい場合は、窓を開けて換気をしましょう。換気により、部屋に溜まった湿気を外に排出し、湿度を下げることができます。

窓やドアを2カ所以上開ければ空気の通り道ができるため、効率的に換気できます。換気は暑い時期だけでなく冬にも必要で、1〜2時間に1回、5〜10分程度が目安です。

ただし、梅雨時や雨の日など外の湿度が高いときは、窓を開けるだけでは十分に湿度が下がらないこともあります。そのような日は、換気扇や24時間換気システムを活用しつつ、除湿機やエアコンを併用することが有効です。

24時間換気システムがある住宅では、メンテナンス時などを除き、基本的に運転を継続することが推奨されています。24時間換気システムについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

24時間換気システムの電気代は?換気扇使用時との違いや節電のヒントを解説

④換気扇やサーキュレーターを活用する

除湿のためには、換気扇やサーキュレーターの活用も有効です。

キッチンや浴室の換気扇を使用することで、効率的に除湿できます。また、サーキュレーターは空気の循環に役立つため、窓を開けて換気をする際に併用すれば、よりスムーズに空気を入れ替えられます。

換気扇やサーキュレーターの電気料金について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

換気扇の電気代はどれくらい?つけっぱなしが良いと言われる理由と節電方法!

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⑤除湿剤を使用する

クローゼットや下駄箱、押し入れなどの限られた空間を除湿したい場合は、除湿剤の使用が有効です。

密閉された空間に除湿剤を置くことで、効率的に除湿し、悪臭やカビの発生を抑えられます。除湿剤には置き型や吊り下げ型など様々な種類があるため、場所に応じて適切なものを選びましょう。

⑥家具の配置を変更する

家具の配置を見直すことも、部屋の除湿につながります。家具が隙間なく置かれていると空気の通り道がなくなり、湿気がこもりやすくなるためです。

家具は適度に間隔を空けて設置し、それぞれの間に空気が通るようにしましょう。家具を壁と密着させると裏側に湿気が溜まりやすいため、5〜10cmは壁から離して設置してください。

⑦生活用品を活用する

家にある生活用品を活用して除湿する方法もあります。

たとえば、一般的な紙よりも水分を吸収しやすい新聞紙は、湿気がこもりやすい場所に置くことで除湿に役立ちます。水分を吸収して固まる性質のある重曹は、除湿剤として活用でき、固まった後は掃除や洗濯にも再利用できます。

また、凍らせたペットボトルを部屋に置くと表面に結露が生じるため、その水分を拭き取ることで補助的な除湿につながります。

家にあるものを使えば費用をかけずに除湿できますが、除湿機やエアコンほど大きな効果は期待できないため、補助的に取り入れることが適切です。

除湿機の主な除湿方式

家庭で使われる除湿機の主な方式には、コンプレッサー式(冷却除湿)、デシカント式(吸湿除湿)、ハイブリッド式があります。方式ごとに、使用に適した季節や消費電力、室温への影響が異なるため、特徴を確認したうえで選ぶことが重要です。

除湿方式 メリット デメリット
コンプレッサー式
(冷却除湿)
  • 消費電力が小さい
  • 夏でも利用できる
  • 運転音が大きい
  • 冬は不向き
デシカント式
(吸湿除湿)
  • コンパクトで運転音が静か
  • 冬でも利用できる
  • 消費電力が大きい
  • 夏は不向き
ハイブリッド式
  • 1年中安定して除湿できる
  • 電気料金と除湿性能のバランスが良い
  • 本体価格が高めになりやすい
  • 本体サイズが大きく、本体が重くなりやすい

コンプレッサー式(冷却除湿)

コンプレッサー式(冷却除湿)は、空気を冷却して水滴に変えることで除湿する方式です。

空気は温度が低くなると水蒸気を抱えきれなくなり、あふれた水蒸気は水滴となって結露します。そのため、水滴を取り除けば部屋の除湿ができます。

コンプレッサー式はエアコンの冷房や弱冷房除湿モードのほか、コンプレッサー式除湿機などに活用されています。除湿にヒーターを使用しないため、消費電力が小さく、電気料金を抑えられる点がメリットです。

また、気温が高いときにも使いやすいため、湿気の多い梅雨や夏に活躍します。ただし、気温が低い場合は除湿能力が低下するため、冬の除湿には不向きです。運転音が大きい傾向があるため、睡眠時には利用しにくいでしょう。

デシカント式(吸湿除湿)

デシカント式(吸湿除湿)は、乾燥剤のフィルターに空気を通して湿気を吸着させる方式です。吸着された水分はヒーターによって水滴として回収され、温められた空気は部屋に戻されます。

吸湿除湿は、デシカント式の除湿機に採用されています。コンプレッサーを内蔵していないため、本体はコンパクトで運転音が静かな点がメリットです。低温時でも除湿できるため、冬場の結露対策や部屋干しにも活用できます。

ただし、ヒーターを使用するため消費電力が大きく、電気料金が高くなるのがデメリットです。また、温めた空気を部屋に戻すため室温が上昇しやすく、夏は利用しにくい傾向があります。

ハイブリッド式

ハイブリッド式は、コンプレッサー方式とデシカント方式を組み合わせた除湿方式です。

2つの方式のメリットを活かしており、気温の影響を受けにくく、1年を通して安定して除湿できるのが特徴です。梅雨や夏だけでなく、冬の部屋干しや結露対策にも活用しやすいでしょう。季節を問わず使用したい場合や、衣類乾燥も重視したい場合に適しています。

ただし、ハイブリッド式除湿機は価格が高くなりやすく、サイズや重量も大きくなりがちな点がデメリットです。予算や置き場所についてよく考えたうえで、購入するかどうかを決める必要があります。

除湿が必要な湿度になる原因

除湿が必要な湿度になる原因

部屋の湿度が高くなり除湿が必要となる原因には、いくつかの要因があります。それぞれ詳しく解説します。

季節

部屋の湿度が高くなり除湿が必要となる原因のひとつに、季節による湿度の上昇があります。

気象庁が公表している東京の相対湿度の月平均値を見ると、1月や2月は40〜50%台で湿度が低い一方、6月は70〜80%と高くなります。7〜8月も湿度が高い状況が続き、10月以降は60%台に落ち着く傾向があります(※1)。

6月は平均気温の上昇に加え、梅雨の影響で湿度が高くなりやすい傾向があります。また、外気が乾燥しやすい冬であっても、室内の湿度が高い場合には、部屋の暖かい空気が冷たい窓ガラスに触れて結露が発生しやすくなります。

(※1)出典:気象庁「東京(東京都)相対湿度の月平均値(%)」

生活習慣

生活習慣が原因で、除湿が必要なほど室内の湿度が高くなる場合もあります。

たとえば、洗濯物を室内干しすると湿度が高くなりやすいです。また、浴室の換気が不十分な場合は、入浴時に発生した湿気が部屋に移動して湿度が上昇します。さらに、料理による蒸気がこもることでも、湿度が上昇する場合があります。

このような生活習慣は室内の湿度を上げる要因になるため、湿度が高い時期は注意が必要です。

洗濯物の室内干しを避けたい場合や、浴室を効率的に乾燥させたい場合は、浴室乾燥機の使用が有効です。浴室乾燥機の電気料金について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

浴室乾燥機にかかる電気代は?使い方による消費電力の違いと節約のポイントを紹介

住宅構造

住宅構造によっては、除湿が必要なほど湿度が高くなる場合があります。

現代の住宅はエネルギー効率を高めるため気密性が高い傾向があり、湿気がこもって湿度が上がりやすくなります。

また、古い住宅は断熱性や気密性が低いことから、外の湿気が侵入しやすく湿度が高くなる場合があります。

除湿によって得られる効果

家庭で除湿を行い、湿度を下げることで、以下のような効果が得られます。

  • カビやダニの発生抑制による健康サポート
  • カビや湿気防止による住まいの耐久性向上
  • 蒸し暑さやにおい軽減による快適性の向上

カビやダニの発生抑制による健康サポート

除湿によって過剰な湿気を取り除くことで、カビやダニの発生を抑え、健康面のリスク低減につながります。

カビは温度20〜30℃、湿度75%以上で増えやすくなります。また、ダニは温度20〜30℃、湿度60%以上で繁殖しやすい傾向があります。いずれも乾燥に弱いため、除湿を行うことで増殖を抑えられます。

カビやダニはアレルギー疾患の原因となるため、除湿によってくしゃみや鼻水、咳などのアレルギー症状を抑えられるでしょう。

カビや湿気防止による住まいの耐久性向上

除湿をしてカビや湿気を抑えることで、住まいの耐久性が向上します。

住宅の建材に使われる木材は、吸湿で膨張し乾燥で収縮するため、湿度が高い状態が続くと劣化するリスクが高まります。建材が劣化すると家の寿命が短くなり、補修工事が必要となって、予想外の出費が発生することもあるでしょう。

また、除湿を怠ると壁紙や塗装面が浮いたり剥がれたりするリスクが高まります。部屋にカビが発生すると、天井材の強度が低下し、剥がれ落ちる可能性があります。除湿によってカビや湿気を防止すれば、住まいの耐久性維持につながるでしょう。

蒸し暑さやにおい軽減による快適性の向上

除湿によって蒸し暑さが軽減されると、快適性が向上します。

湿度が高い場合、体感温度が高くなり蒸し暑いと感じるようになります。蒸し暑さや不快感が気になる場合は、除湿によって過ごしやすい室内環境に近づけることが可能です。

また、湿度が高くカビや雑菌が繁殖すると、カビ臭のような不快なにおいが発生します。除湿によってカビや雑菌の発生を抑えることで、不快なにおいを防ぎ、快適性の向上につながります。

まとめ

除湿をすることで部屋の湿度が低下し、カビやダニの発生リスクを抑えたり、家屋や家具の劣化を防いだりするメリットがあります。除湿機やエアコンなどの家電の活用や換気によって除湿できるため、部屋の湿度を快適に保つためにも実践することが重要です。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。