エアコンの冷房と暖房はどちらの電気代が高い?

一般的に、エアコンは冷房よりも暖房のほうが電気代が高くなる傾向があります。

冷房と暖房にかかる電気代は、「冷房期間消費電力量」と「暖房期間消費電力量」をもとに、おおよその目安を把握できます。

区分 概要
冷房期間消費電力量 冷房期間(5月23日~10月4日=135日)に一定の条件で運転した場合の消費電力量
暖房期間消費電力量 暖房期間(11月8日~4月16日=160日)に一定の条件で運転した場合の消費電力量

期間消費電力量が小さいほど、電気代は安くなります。ただし、期間消費電力量は一定の条件下で運転した場合の試算値であり、実際の消費電力量は使用する製品や室温、設定温度など様々な要因によって変動します。

電気代の目安を比較する際の前提

本記事の電気代の目安は、経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」に掲載されている冷房期間消費電力量・暖房期間消費電力量をもとに算出しています(※1)。期間消費電力量とは、東京をモデルに、一定の条件下で運転した場合の試算値です。

また、記事内では電気代を31円/kWh(税込)として試算しています(※2)。なお、31円/kWh(税込)は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示している、2022年7月22日に改定された電気代の目安単価です。

実際の電気代は契約する電力会社や料金プラン、外気温、設定温度、使用時間、住宅性能などによって異なります。

電気料金の計算方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電気料金の計算方法は?料金の決まり方を知って効率的に節約しよう

(※1)出典:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」

(※2)出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」

冷房にかかる電気代の目安

期間消費電力量(kWh)に電気代(円/kWh)を掛けると、冷房期間全体のおおよその電気代を求められます。

また、冷房期間は5月23日~10月4日の135日間で、1日18時間使用を前提としています。これをもとに換算すると、冷房にかかる1時間・1日・1カ月あたりの電気代(目安)はそれぞれ以下のとおりです。

畳数 1時間あたりの電気代(目安) 1日あたりの電気代(目安) 1カ月(30日間)あたりの電気代(目安) 冷房期間の電気代(目安)
6畳 約2.61円 約47円 約1,405円 6,324円
8畳 約2.89円 約52円 約1,571円 7,068円
10畳 約3.22円 約58円 約1,736円 7,812円
12畳 約4.61円 約83円 約2,501円 11,253円
14畳 約5.11円 約92円 約2,749円 12,369円
18畳 約7.44円 約134円 約4,030円 18,135円
20畳 約8.17円 約147円 約4,442円 19,809円
23畳 約9.44円 約170円 約5,091円 22,909円
26畳以上 約11.5円 約207円 約6,214円 27,962円

(※)出典:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」(2026年3月1日)

冷房は暖房に比べると外気温との差が小さいため、電気代は比較的抑えやすい傾向があります。

夏の電気代平均や高いと感じる原因について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

夏の電気代平均は?高い原因やエアコン・冷蔵庫などの節約術を解説

暖房にかかる電気代の目安

期間消費電力量(kWh)に電気代(円/kWh)を掛けると、暖房期間全体のおおよその電気代を求められます。

また、暖房期間は11月8日~4月16日の160日間で、1日18時間使用を前提としています。これをもとに換算すると、暖房にかかる1時間・1日・1カ月あたりの電気代(目安)はそれぞれ以下のとおりです。

畳数 1時間あたりの電気代(目安) 1日あたりの電気代(目安) 1カ月(30日間)あたりの電気代(目安) 暖房期間の電気代(目安)
6畳 約5.11円 約92円 約2,761円 14,725円
8畳 約5.78円 約104円 約3,116円 16,616円
10畳 約6.56円 約118円 約3,540円 18,879円
12畳 約9.22円 約166円 約4,970円 26,505円
14畳 約10.28円 約185円 約5,539円 29,543円
18畳 約14.5円 約261円 約7,841円 41,819円
20畳 約15.94円 約287円 約8,614円 45,942円
23畳 約18.39円 約331円 約9,939円 53,010円
26畳以上 約21.94円 約395円 約11,852円 63,209円

(※)出典:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ電子版」(2026年3月1日)

暖房は冷房より外気温との差が大きく、霜取り運転の影響も受けるため、電気代が高くなりやすい傾向があります。

冬の電気代の平均額が高くなりやすい理由について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

冬の電気代の平均額は?夏より高くなりやすい理由や節約方法7選を紹介

暖房の電気代が高くなりやすい理由

暖房の電気代が冷房よりも高くなりやすい理由として、主に以下の2つが挙げられます。

  • 設定温度に到達するまでに必要なエネルギー量が増えるため
  • 霜取り運転により暖房が一時的に停止するため

設定温度に到達するまでに必要なエネルギー量が増えるため

冬は夏に比べて外気温と設定温度の差が大きく、部屋を快適な温度にするためにより多くのエネルギーが必要となります。

たとえば、外気温が35℃のときに冷房の設定温度を28℃に設定すると、温度差は7℃です。一方、外気温が5℃のときに暖房の設定温度を20℃に設定すると、温度差は15℃となり、エアコンにかかる負荷が大きくなります。そのため、暖房は冷房に比べて電気代が高くなりやすい傾向があります。

霜取り運転により暖房が一時的に停止するため

外気温が低いと、室外機に付着した霜を溶かす「霜取り運転」によって、暖房運転が一時的に停止することがあります。霜取り運転とは、室外機に霜が付着して空気を取り込みにくくなり、暖房効率が低下するのを防ぐための仕組みです。

霜取り運転が終わると自動的に暖房運転が再開されますが、その間に下がった室温を再び温める必要があります。そのため、霜取り運転の頻度が増えると、結果として消費電力量の増加につながります。

エアコンの暖房が効かない原因や雪が降る日の対処法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンで部屋が温まらない!暖房が効かない原因や雪が降る日の対処法を解説

冷房・暖房の電気代を節約する方法

冷房・暖房の電気代を節約する方法

近年は猛暑日や厳しい寒さの日が続く傾向にあり、エアコンの冷房や暖房を長時間使う家庭も少なくありません。エアコンは電気代の負担が大きくなりやすい一方で、使い方を工夫することで節約効果も期待できます。

エアコンの冷房や暖房を使用する際は、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 室温の目安を意識し、無理のない範囲で設定温度を調整する
  2. サーキュレーターで空気を循環させる
  3. 自動運転機能を活用する
  4. 断熱対策を行う
  5. フィルターを定期的に掃除する
  6. 室外機の周辺環境を整える
  7. 省エネ性能の高いエアコンに買い替える

①室温の目安を意識し、無理のない範囲で設定温度を調整する

冷やしすぎ・温めすぎに注意し、環境省が推奨している室温の目安(夏28℃、冬20℃)を意識しながら、無理のない範囲で設定温度を調整しましょう(※3)。

設定温度を1℃高め、または1℃低めに設定することで、冷房時は約13%、暖房時は約10%の消費電力量を削減できると見込まれています。なお、環境省が示している28℃・20℃は室温の目安であり、設定温度そのものではありません。

夏は通気性の良い衣類を着用する、冬は上着やひざ掛けを使用するなど、体感温度を調整すれば、設定温度を控えめにしても快適に過ごしやすくなります。

エアコンの設定温度や冷房・暖房の使い方について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

エアコンの設定温度は何度が適切?快適性や節約のための冷房・暖房の使い方を解説

(※3)出典:環境省「家庭のエネルギー事情を知る」

②サーキュレーターで空気を循環させる

サーキュレーターや扇風機を併用し、冷たい空気・温かい空気を循環させることで、冷暖房効率を高められます。

また、冷たい空気は床に、温かい空気は天井付近に溜まりやすいため、設置方法や風の送り方を工夫することがポイントです。

設置方法と風の送り方
冷房時 エアコンを背にして床に設置し、水平かやや上向きに風を送る
暖房時 エアコンの対角線上に設置し、エアコンの送風口に向かって風を送る

サーキュレーターと併せて、エアコンの風向きも調整しましょう。一般的に冷房時は水平、暖房時は下向きに設定すると効果的です。

サーキュレーターの効果的な使い方について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

サーキュレーターの使い方は?冷暖房や換気など目的別に効果的な置き場所を解説

③自動運転機能を活用する

自動運転機能とは、室内の状態に応じて運転モードや設定温度を自動で調整する機能です。

たとえば、夏の湿度が高い日は冷房運転と除湿運転を適切に切り替え、暖房時には部屋が温まるにつれて風量を弱めるなど、状況に応じて運転を調整します。余計な電力の消費を抑えやすくなるため、電気代の節約につながります。

エアコンの自動運転について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの自動運転とは?設定温度や電気料金を節約するための効果的な使い方を紹介

④断熱対策を行う

エアコンの冷暖房効果を高めるには、断熱対策を行うことが重要です。

夏の断熱対策の例
  • カーテンやすだれで日差しをカットする
  • ドアや窓の開閉を減らす
  • 外出時はカーテンやシャッターを閉める
冬の断熱対策の例
  • 日中はカーテンを開けて日差しを取り込む
  • 厚手のカーテンを使用する
  • すき間テープで窓やドアの隙間をふさぐ
  • 厚手のラグを敷く

夏は外気の侵入を抑え、冬は室内の熱を逃しにくくすることで、エアコンの効率を高められ、電気代の節約につながります。

⑤フィルターを定期的に掃除する

エアコンのフィルターは、月に1~2回を目安にお手入れしましょう。フィルターがゴミやほこりで目詰まりすると空気を吸い込みにくくなり、部屋を冷やしたり温めたりするのに、より多くのエネルギーが必要となります。

シーズンを通じてフィルター掃除をしなかった場合、電気代が約5~10%高くなるといわれています(※4)。

(※4)出典:一般社団法人 日本冷凍空調工業会「シーズン中は…使い方ひとつで電気のムダが省けます」

⑥室外機の周辺環境を整える

エアコンを効率良く運転するためには、室外機の環境を整えることも重要です。

室外機の吹き出し口周辺に障害物があると、空気の通り道がふさがれ、冷暖房効率が低下する原因となります。室外機の前には十分なスペースを確保し、空気の流れを妨げないようにしましょう。

また、夏場はすだれなどを設置し、室外機に直射日光が当たらないようにすることも効果的です。

⑦省エネ性能の高いエアコンに買い替える

長期間使用しているエアコンは、最新機種に比べて消費電力量が大きい場合があります。

近年は省エネ性能が向上しているため、買い替えを検討することも一つの方法です。特にエアコンの使用頻度が高い場合は、買い替えによって電気代の負担を抑えられる可能性があります。

エアコンを選ぶ際は、カタログや製品本体に表示されている「省エネルギーラベル」などを確認し、省エネ性能を比較しましょう。

エアコンの電気代を節約するなら電力会社の見直しも有効

エアコンは、少しの工夫でも節約効果が得られやすい一方、無理に使用を控えすぎると体に負担がかかり、体調を崩す可能性があります。無理のない範囲で使い方を見直すとともに、電力会社や料金プランの見直しも検討しましょう。

2016年の電力自由化以降、電力会社や料金プランの選択肢が増えており、ライフスタイルや価値観にあったプランを選びやすくなっています。料金体系やサービス内容はそれぞれ異なるため、家電製品の使い方が同じでも電気代を抑えられる可能性があります。

割引やポイント進呈など独自のサービスを提供している電力会社もあるため、複数社を比較・検討して選びましょう。

電力会社やプランの乗り換えについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?電気料金は変わる?選び方や注意点を解説

冷房と暖房の電気代に関するよくある質問

エアコンの電気代を抑えたいものの、「つけっぱなしとこまめに切る場合ではどちらが節電になる?」「冷房と除湿はどちらを選ぶべき?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

この章では、冷房と暖房の電気代に関するよくある質問を紹介します。

冷房と暖房は「つけっぱなし」と「こまめに切る」どちらの電気代が高い?

一般的な目安として、猛暑日や真冬に30分程度外出する場合は、エアコンをつけたままにするほうが効率的です。

エアコンは、設定温度に到達するまでに多くの電力を消費し、その後は穏やかな運転で室温を維持します。そのため、こまめにオン・オフを繰り返すと、かえって電気代が高くなる場合があります。

暖房をつけっぱなしにした場合の電気代について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

暖房をつけっぱなしにした場合の電気代は?エアコンの節約方法も紹介

冷房と除湿の電気代はどちらが高い?

除湿機能には「弱冷房除湿」や「再熱除湿」があり、一般的に消費電力は「弱冷房除湿<冷房<再熱除湿」の順で大きくなります。ただし、実際には使用環境や設定温度などによって異なるため、冷房と除湿のどちらが安いかは一概には言えません。

温度や湿度を短時間で大きく下げたい場合は冷房、蒸し暑さを軽減したい場合は弱冷房除湿を使うなど、状況に応じて使い分けることがポイントです。

冷房と除湿の電気代について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの冷房と除湿の電気代はどちらが安い?機能の違いや節約のポイントも解説

まとめ

一般的に、エアコンの冷房と暖房にかかる電気代を比べると、暖房のほうが高くなる傾向があります。冬は外気温との差が大きく、エアコンが設定温度に達するまでに多くのエネルギーが必要となるためです。

夏は冬ほど電気代が高くなりにくい一方で、エアコンの使用時間が長くなると、電気代全体に与える影響は小さくありません。冷房や暖房の使い方を見直し、電気代の負担を抑えることが重要です。

併せて、電力会社や料金プランを見直すことで、電気代全体の節約につながります。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。