夏にエアコンと扇風機を組み合わせると効果的な理由

夏にエアコンと扇風機を組み合わせると効果的な理由を、2つの観点から解説します。

扇風機で空気を循環させることで体感温度が下がる

エアコンの冷房をつけると、冷たい空気は密度が高く重いため、自然と床付近にたまります。一方で、暖かい空気は天井付近に滞留しやすい性質があります。

この温度ムラが生じると、上半身は暑いのに足元だけ冷えてしまう不快な状態になりやすいです。

特に、天井と床の温度差が大きい部屋では、エアコンの効きが悪く感じられる原因になります。

扇風機を使って室内の空気を循環させると、足元にたまった冷気が部屋全体に広がりやすくなり、結果として室内の温度ムラの解消につながります。風が身体に当たることで汗の蒸発が促され、実際の室温よりも涼しく感じやすくなります。

そのため、エアコンの設定温度をやや高めにしても快適に過ごせる場合があります。

電気料金の節約にもつながる

資源エネルギー庁によると、エアコンの冷房設定温度を1℃上げると、年間で約940円の節約につながるとされています(※1)。外気温31℃の時に、エアコン2.2kWを1日9時間使い、設定温度を27℃から28℃に上げた場合の試算です。

扇風機を併用して体感温度を下げることで、エアコンの設定温度を27℃から28℃に上げても快適に過ごしやすくなります。

扇風機の消費電力はエアコンに比べて大幅に低く、一般的には数十W程度であるため、扇風機を併用しても電気料金の総額は抑えやすくなります。

扇風機の電気料金やエアコンとの比較について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

扇風機の電気代は安い?計算方法やエアコンとの比較、節約のポイントを解説

(※1)出典:資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約|エアコン」

夏のエアコンと扇風機の効果的な置き方・使い方

夏のエアコンと扇風機の効果的な置き方・使い方

夏にエアコンと扇風機を効果的に使うためには、置き方と風向きが重要です。

ここでは、押さえておきたい3つのポイントを解説します。

エアコンの風向きは「水平」に設定する

まず、エアコンをつける前に、扇風機で室内の熱気を窓の外へ追い出すと効果的です。室温が下がることで、エアコンの運転開始時の負荷も軽減しやすくなります。

また、冷房運転時のエアコンの風向きは、真下ではなく水平方向に設定するのが基本です。冷気は自然と下に落ちていくため、水平に送った冷風でも十分に足元まで届きます。

下向きに設定すると、冷気が特定の場所に集中してしまうため、結果的に温度ムラが悪化する場合があります。

扇風機はエアコンを背にして配置する

エアコンの真下には、冷たい空気がたまりやすい性質があります。

扇風機は、エアコンを背にする形で置くのが効果的です。エアコンの下にたまった冷気を部屋の奥や人がいる場所まで届けやすくなります。

エアコンの近くに扇風機を置き、エアコンと同じ方向へ送風する方法は、スペースが限られる部屋でも実践しやすい配置です。

また、冷気を効率よく部屋全体へ届けることで、エアコンの風量を強めずに済む点もメリットといえます。

扇風機の首は「上向き(天井方向)」に向ける

扇風機の首は、やや上向きにして天井に向けて送風するのが基本です。上向きに風を送ることで、床付近にたまった冷気と天井付近の暖かい空気が混ざりやすくなります。

首振り機能を使うと、より広い範囲の空気を循環させやすくなります。人に直接風を当て続けるよりも、まずは部屋全体の空気を動かすことを優先しましょう。

サーキュレーターと扇風機の違いについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

サーキュレーターと扇風機の違いは?エアコンとの併用で電気代がおトクになる?

夏に避けたいNGな置き方

夏のエアコンと扇風機には避けたい使い方や置き方もあります。

扇風機を人にだけ当て続ける使い方は、涼しく感じられる一方で、部屋全体の空気循環にはつながりにくいです。

また、エアコンの風を真下に向けすぎると、足元だけが冷えやすくなります。下向きにしすぎると、温度ムラが大きくなる原因になるため、冷房の風向きは上向きか水平が適しているとされています。

さらに、扇風機をエアコンの吹き出し口の正面に置き、エアコンの風と扇風機の風が正面からぶつかる状態にすると、気流が妨げられ、冷気が部屋全体に広がりにくくなる場合があります。

扇風機をエアコンの近くに置く場合は、エアコンから出た冷気を部屋の奥へ送る向きに調整することが大切です。

扇風機の置き方以外の節電ポイント

扇風機の活用とあわせて取り入れたい節電ポイントを5つ解説します。

エアコンの設定温度を上げる

扇風機を併用して体感温度を下げると、エアコンの設定温度を必要以上に下げずに済みます。

前述のとおり、冷房設定温度を1℃上げると、年間で約940円の節約につながるとされています。

また、環境省は夏の室温の目安を28℃としています。外気温との差を広げすぎないよう調整することが、節電のポイントです。

エアコンのフィルターをこまめに掃除する

フィルターにホコリがたまると空気の吸い込み効率が悪くなり、設定温度に達するまで余分な電力を消費しやすくなります。

資源エネルギー庁の試算では、フィルターを月1〜2回清掃することで、年間約990円の節約につながるとされています(※2)。夏場はホコリがたまりやすいため、特に意識したいポイントです。

清掃手順としては、はじめにフィルターを取り外し、掃除機でホコリを吸い取ってから、水洗いを行い、よく乾かしてから取り付けましょう。

こまめな掃除は節電だけでなく、カビの発生を防ぐ効果もあり、室内の空気環境を清潔に保つことにもつながります。

(※2)出典:資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約|エアコン」

サーキュレーターを併用する

扇風機は広範囲に柔らかい風を届けることが得意な電化製品です。

一方、サーキュレーターは、強い風を遠くまで届けることに向いています。サーキュレーターは扇風機よりもファンが小さく、空気を効率よく循環させる性能に優れているとされています。

そのため、エアコンとの併用による空気循環だけを目的にするなら、サーキュレーターのほうが効率は高い場合もあります。

一方、扇風機は直接風に当たって涼む用途にも使えます。空気循環と体感涼感の両方を求めるなら、扇風機のほうが汎用性は高いといえるでしょう。

サーキュレーターの使い方や電気料金について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

サーキュレーターの使い方は?冷暖房や換気など目的別に効果的な置き場所を解説

サーキュレーターの電気代はどのくらい?扇風機との比較や節約方法を解説

エアコンの風量は自動運転を基本にする

エアコンは、弱風固定ではなく自動運転を基本にすると、効率良く室温を調整できます。

一般的なエアコンの自動運転モードでは、設定温度に達するまでは強めの運転で素早く室温を調整し、設定温度に達した後は必要に応じて風量を抑える仕組みです。

結果として、無駄な電力消費を防ぎやすくなるため、扇風機で空気を循環させながら、エアコンは自動運転に任せることで、快適さと節電を両立しやすくなります。

エアコンをつけっぱなしにした場合の電気料金について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンを1カ月つけっぱなしにすると電気代はいくら?節電方法も紹介

電力会社や料金プランの見直しをする

電力自由化により、電力会社や料金プランは自由に選べるようになりました。

現在の使用量や生活時間帯に適したプランへ見直すことで、無理なく光熱費の節約につながる可能性があります。

たとえば、基本料金0円のプランや、ガスとのセット契約で特典を受けられるサービスも比較対象になります。

電力会社や電気プランの乗り換えについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?メリット・デメリットやおすすめのタイミングを解説

まとめ

夏のエアコンは、扇風機との併用で快適さと節電を両立しやすくなります。扇風機はエアコンを背にして配置し、首を上向きにするのが基本です。あわせて、設定温度やフィルターの掃除、風量設定の見直しも電気料金の節約につながります。

さらに、毎月の負担を抑えたい方は、電力会社や料金プランの見直しも選択肢のひとつになります。電力会社を変更するなら、楽天でんきがおすすめです。

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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。