家電使用時の電気代の計算方法

家電1台あたりの電気代は、消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)で計算できます。消費電力が「W」表記の場合は、1,000で割って「kW」に換算しましょう。

料金単価は、家電公正取引協議会が公表する31円/kWh(税込)を目安に使うのが一般的です。実際の単価は電力会社や料金プランで異なるため、試算の目安として考えましょう。

消費電力は、製品本体のラベルや取扱説明書、メーカー公式サイトなどで確認できます。

エアコンや冷蔵庫のように消費電力が変動しやすい機器は、期間消費電力量(kWh/年)×料金単価で計算すると実態に近い金額を試算できます。

たとえば、消費電力700Wの家電を1日8時間・30日使う場合、0.7kW×8h×31円×30日=約5,208円と試算できます。

一方、消費電力50Wの照明を1日5時間・30日使う場合は約232円となり、家電による電気代の月額差は20倍以上になる場合があります。

消費電力や電気料金の計算方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

消費電力の計算方法は?電気料金の求め方や節電方法も解説

【季節別】家庭の電力消費が大きい家電・設備

家電の電気代は、毎日使うものと季節限定で使うものがあり、年間を通した印象だけでは負担を把握しにくい傾向があります。

ここでは、資源エネルギー庁が公表する家庭全体の電気使用割合をもとに、季節ごとに電力消費が大きい家電・設備を整理します。

夏季に電力消費が大きい家電・設備

順位 家電・設備 家電・設備
1位 エアコン 38.3%
2位 照明 14.9%
3位 冷蔵庫 12.0%
4位 テレビ・DVD 8.2%
5位 炊事 7.8%
6位 待機電力 4.0%
7位 給湯 3.1%
8位 洗濯・乾燥機 1.8%
9位 パソコン・ルーター 0.7%
10位 温水便座 0.3%
その他 8.8%

出典:資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー」

夏は1位がエアコン(38.3%)、2位が照明(14.9%)、3位が冷蔵庫(12.0%)の順で電力消費割合が大きくなっています。この3項目だけで家庭全体の約65%を占める計算です。

特にエアコンは、夏の電力消費全体の約4割を単独で占める家電で、冷房のために長時間稼働しやすく、電気代への影響が特に大きい家電といえます。

4位はテレビ・DVD(8.2%)、5位は炊事(7.8%)と続き、待機電力(4.0%)も一定の割合を占めています。

冷房だけでなく、照明やテレビ、待機電力も含めて生活全体の使い方を見直すことが重要です。

冬季に電力消費が大きい家電・設備

順位 家電・設備 電力使用割合
1位 暖房(合計)
※エアコン17.0%・電気ストーブ3.8%・こたつ2.1%・電気カーペット1.8%・その他8.0%
32.7%
2位 冷蔵庫 14.9%
3位 給湯 12.6%
4位 照明 9.2%
5位 炊事 7.8%
6位 待機電力 5.5%
7位 テレビ・DVD 4.2%
8位 洗濯・乾燥機 2.2%
9位 パソコン・ルーター 0.9%
10位 温水便座 0.6%
その他 9.4%

出典:資源エネルギー庁「冬季の省エネ・節電メニュー」

冬は、暖房全体が32.7%と最も大きな割合を占めます。内訳はエアコン17.0%、電気ストーブ3.8%、こたつ2.1%、電気カーペット1.8%などです。

つまり、冬は特定の1台だけでなく、複数の暖房器具の使用が重なりやすい季節といえます。

一方、暖房に続いて、冷蔵庫が14.9%、給湯が12.6%、照明が9.2%と上位を占めています。特に、給湯は冬に割合が大きくなりやすく、暖房とあわせて冬の電気代を押し上げる要因のひとつです。

電気代が高い家電の節約ポイント

電気代が高い家電の節約ポイント

ここからは資源エネルギー庁のデータを参考に、電気代が高い家電ランキング上位のエアコン・冷蔵庫・照明の節約ポイントを解説します(※1)。

なお、そのほかの電気代の節約術について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電気代を節約するには?すぐできる節約術7選や効果的な方法をわかりやすく解説

(※1)出典:資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」

エアコンの電気代節約ポイント

夏の冷房は設定温度を1℃上げるだけで、年間約30kWh・約940円の節約になります。設定温度の目安は、冷房28℃・暖房20℃です。冬の暖房設定を21℃から20℃に下げると、年間約53kWh・約1,650円の削減効果があります。

フィルターが目詰まりしたエアコンと、こまめに清掃したエアコンを比べると、年間約32kWh・約990円の差が生じます。

2週間に1回を目安にフィルター清掃を習慣化しましょう。

冷暖房の使用を1日1時間短縮するだけでも、冷房は年間約19kWh(約580円)、暖房は年間約41kWh(約1,260円)の削減効果が見込めます。

扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用すると、室内の空気が循環し、冷暖房効率が向上しやすくなります。

冬は天井近くの暖気を床面まで届けられるため、設定温度を下げても体感温度を維持しやすくなります。

エアコンの節約方法や電気料金の仕組みについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

エアコンの節約方法8選!電気料金の仕組みを理解して効率よく節約しよう

冷蔵庫の電気代節約ポイント

冷蔵庫の節電の基本は、温度設定を「強」から「中」に変え、扉の開閉時間を減らし、食品を詰め込みすぎないことです。

これらを組み合わせることで、家庭全体の電気使用量の1.2〜1.8%の節電効果が得られます。

扉の開閉回数が増えると庫内温度が上がり、余分な電力を消費しやすい傾向にあります。

標準的な開閉回数と比べて2倍の頻度で開閉した場合は、年間約10kWhの差が生じる試算があります。必要なものはまとめて取り出すことを意識しましょう。

冷蔵庫は背面や側面から熱を逃がす構造のため、壁との間にスペースを確保しないと年間消費電力が増えやすくなります。

温かい食品は冷ましてから入れ、常温保存できる食品は入れすぎないよう意識することも大切です。

また、最新の冷蔵庫は10年前と比べて、約21〜30%の省エネ性能が向上しています。古い機種を使用している場合は、統一省エネラベルを確認しながら買い替えを検討するのがおすすめです。

冷蔵庫の電気代や計算方法について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

冷蔵庫の電気代はどれくらい?計算方法や節電方法を解説

照明・ライトの電気代節約ポイント

白熱電球をLED電球に替えると、年間の電気代を大きく抑えやすくなります。

54Wの白熱電球を7.5WのLED電球に交換した場合、年間約93kWh・約2,883円の節電効果が得られます。

蛍光ランプをLED電球に替えた場合も節電につながります。12Wの蛍光ランプを7.5WのLED電球に交換すると、年間約9kWh・約279円の削減になる試算があります。

照明は定期的に清掃し、必要のない場所はこまめに消すことが大切です。汚れによって明るさは1年間で5〜15%ほど低下する傾向にあり、使っていない照明をすべて消すだけでも、家庭全体の電気使用量を約1.5%削減できます。

調光機能付きLEDや人感センサー付き照明を活用すると、無駄な点灯を減らせます。

買い替え時は、統一省エネラベルの年間目安電気代や多段階評価点も確認しましょう。

LED照明や電気をつけっぱなしにした場合の電気代について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

LED照明の電気代はどのくらい?蛍光灯との比較や節約のポイントを解説

電気つけっぱなしの電気代は高くなる?防ぐ機能や節約のポイントを解説

古い家電は買い替えが節約の近道

古い家電は節電の工夫だけでは限界があり、最新の省エネ機種への買い替えが電気代削減の近道になるケースもあります。

現在の省エネ家電は、10年前と比べてエアコンで約14%、冷蔵庫で約21〜30%の省エネ性能が向上しています。

照明も、白熱電球からLEDランプに替えることで約86%の省エネにつながります。

統一省エネラベルの年間目安電気代を確認し、ランニングコストまで含めて比較することが大切です。

買い替えを検討すべき家電の目安年数

エアコン・扇風機・換気扇・洗濯機(乾燥機能付きは除く)などは、長期使用による事故防止のため、製品本体に製造年や設計上の標準使用期間の表示が義務付けられています。

使用年数が長くなっている家電は、節電だけでなく安全面からも買い替えを検討するのがおすすめです。

異常な音や振動、焦げくさいにおいなどがある場合は、使用を中止し、メーカーや販売店に相談しましょう。

省エネ家電を選ぶときのチェックポイント

家電購入時は「統一省エネラベル」で多段階評価点(★の数・5.0〜1.0の41段階)、省エネ基準達成率、年間目安電気代を確認できます。

同じ畳数表示のエアコンでも年間目安電気代に数千円の差がある場合があり、10年間使用すると数万円規模の差につながるケースもあります。

エアコンは部屋の広さ・構造・方角に適した冷房能力(kW)の機種を選び、能力が大きすぎる機種は避けましょう。

冷蔵庫は容量だけでなく、インバーターや真空断熱材の有無も確認し、統一省エネラベルの年間消費電力量を家族人数や生活スタイルにあわせて比較しましょう。

見落とされがちな「待機電力」の節電ポイント

見落とされがちな「待機電力」の節電ポイント

家庭の年間電力消費量のうち約5%が待機電力とされています。

待機電力を減らすには、リモコンではなく本体の主電源を切るのが基本となります。テレビ・パソコン・プリンターなどで主電源オフを徹底するだけでも、家庭全体の0.5〜0.8%の節電効果が得られます。

長期間使わない機器は、プラグを抜くか、スイッチ付きタップでまとめて電源を切ると効果的です。

テレビやレコーダーの「高速起動モード」「クイックスタート機能」は、オフにすることで待機電力を抑えやすくなります。

温水洗浄便座は、温水オフ機能やタイマー節約機能を活用するのがおすすめです。

待機電力について詳しくは、以下の記事で紹介しています。

待機電力とは何か?発生する仕組みや家電にかかる電気料金を知って節約につなげよう

電力会社・料金プランの見直しもおすすめ

電気代を抑えるには、家電の使い方に加え、電力会社や料金プランの見直しも有効な方法です。

2016年4月の電力小売全面自由化以降、家庭でも電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。

料金プランには、基本料金の有無・従量料金の仕組み・ポイント還元・セット割引など様々な違いがあります。

切り替え手続きは、切り替え先の電力会社への申し込みが基本です。料金の安さだけでなく、契約条件や解約手数料の有無も確認しましょう。

電力会社や電気プランの乗り換えについて詳しくは、以下の記事で紹介しています。

電力会社や電気プランは乗り換えできる?メリット・デメリットや手続きの流れも解説

まとめ

電気代に大きく影響する家電は、エアコン・冷蔵庫・照明・テレビ・温水洗浄便座などです。各家電の節電方法(設定温度・使用習慣・フィルター清掃など)を実践することで、買い替えをしなくても電気代の節約が期待できます。

使用年数が10年以上の家電は、買い替えで長期的な節約効果が見込めるケースもあります。

省エネ家電を選ぶ際は、統一省エネラベルの★マークや年間消費電力量を比較し、効率よく節電効果の高い製品を選びましょう。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。スマートマスター。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。