引越しで住所変更が必要なものは?各種手続きのポイントを解説
引越しをして住所が変わったら様々な住所変更手続きが必要です。しかし、どの住所変更をすれば良いのか把握できていない方も多いのではないでしょうか。
必要な住所変更手続きを忘れると、トラブルにつながる可能性があるため注意です。
本記事では、引越しで住所変更手続きが必要なものとそれぞれの手続きのポイントを解説します。引越す予定がある方や、引越しで住所が変わった方は、ぜひ参考にしてください。
引越しで住所変更が必要なもの一覧
引越しで住所変更が必要なものは多数あります。抜け漏れを防ぐためにもカテゴリに分けて考えましょう。
ここでは、引越しで住所変更が必要なものを役所関連、インフラ関連、車関連、金融機関、その他の5つのカテゴリに分けて紹介します。以下で一覧を紹介し、後に詳細を解説します。
役所関連で手続きが必要なもの
役所で手続きが必要なものは、主に以下の5つです。
役所関連で手続きが必要なもの | 手続き期限 |
---|---|
住民票 | 引越し後14日以内(※1) |
マイナンバーカード | 引越し後原則14日以内 |
国民健康保険 | 引越し後14日以内 |
国民年金 | 引越し後14日以内 |
印鑑登録 | 引越し後、速やかに |
住民票は、運転免許証の住所変更手続きなどで必要となるため、引越し後すぐに住所変更することが大切です。自営業者や学生、無職の方は、国民健康保険や国民年金の住所変更も忘れないようにしましょう。
(※1)市町村をまたがる引越しの場合、転居前と転居後にそれぞれ手続きが発生します。
インフラ関連で手続きが必要なもの
インフラ関連で手続きが必要なのは、主に以下の5つです。
インフラ関連で手続きが必要なもの | 手続き期限 |
---|---|
電気 | 引越し当日まで |
ガス | |
水道 | |
インターネット回線 | |
郵便 |
電気やガス、水道は引越し当日に間に合うように住所変更手続きをする必要があります。手続きが遅れると、新居で電気やガスが使えずに不便になるため注意が必要です。また、インターネット回線や郵便の転送依頼も忘れないように手続きを進めましょう。
車関連で手続きが必要なもの
車を所有している方は、車関連の住所変更手続きが必要です。必要な手続きは、主に以下の4つです。
車関連で手続きが必要なもの | 手続き期限 |
---|---|
運転免許証 | 引越し後、速やかに |
車庫証明 | 引越し後15日以内 |
車検証 | 引越し後15日以内 |
自動車保険 | 引越し後、速やかに |
引越しで住所が変わった際は、運転免許証の住所を速やかに変更する必要があります。免許証の住所変更を怠ると、2万円以下の罰金または科料に処される場合もあるので注意しましょう。
また、車検証や自動車保険の住所変更を怠ると重要書類が届かなくなってしまうため、速やかに住所変更手続きをしましょう。
金融機関で手続きが必要なもの
金融機関で手続きが必要なのは、主に以下の2つです。
金融機関で手続きが必要なもの | 手続き期限 |
---|---|
銀行口座 | 引越し後、速やかに |
クレジットカード | 引越し後、速やかに |
クレジットカードの住所変更を忘れると、新しいカードが届かなくなってしまうので注意しましょう。
その他の手続き
そのほかに、ネットサービスを利用している方や家族がいる方は、必要に応じて以下のような項目の住所変更をしましょう。
- ネットショッピングサイト
- サブスクリプションサービス
- 児童手当
- 保育園や幼稚園の転園手続き
- 小中学校の転校手続き
- 犬の登録事項変更
【役所関連】引越しで住所変更が必要なもの
引越しに伴い、役所関連で住所変更が必要なものの手続きの詳細を解説します。
住民票
住民票は、運転免許証の住所変更手続きなどで必要となるため、優先的に手続きをすることをおすすめします。手続き方法は、引越し先によって以下のように異なります。
引越し先 | 手続き方法 |
---|---|
異なる市区町村 | 旧住所地で「転出届」を提出:引越しの前後14日以内 新住所地で「転入届」を提出:引越し後14日以内 |
同じ市区町村内 | お住まいの市区役所や町村役場で転居届を提出:引越し後14日以内 |
手続き時に本人確認書類が必要になるため、運転免許証やパスポートなどを持って行きましょう。
マイナンバーカード
引越しに伴って住所が変わったときは、マイナンバーカードに新住所を記載してもらう必要があります。代表者が家族全員分のマイナンバーカードの住所変更手続きをすることもできます。
ただし、同一世帯であることを確認するために運転免許証や健康保険証を持参したり、家族全員分のマイナンバーカードの4桁の暗証番号が必要となったりする点に注意が必要です。
マイナンバーカードの住所変更をせずにいるとカードを失効してしまう(※2)ため、忘れないように早めに手続きしましょう。役所で転入届を提出するときにあわせて手続きするのがおすすめです。
(※2)下記のいずれかに該当すると、マイナンバーカードが失効、再発行(有料)の手続きが必要になることがあります。
・転入した日から転入届の提出が無いまま14日が経過したとき
・転出届で届け出た転出予定日から転入届の提出が無いまま30日が経過したとき
・転入届の提出からマイナンバーカードの住所変更手続きを行うことなく90日経過したとき
国民健康保険
国民健康保険は、自営業者や学生、無職の方など、ほかの医療保険制度(被用者保険、後期高齢者医療制度)に加入していないすべての住民を対象とした医療保険制度です。国民健康保険に加入している方は、引越し後14日以内に住所変更をする必要があります。
手続き方法は、引越し先によって以下のように異なります。
引越し先 | 手続き方法 |
---|---|
異なる市区町村 | 旧住所地で資格喪失手続きをして、新住所地で新規加入手続きをする |
同じ市区町村内 | 住んでいる市区役所や町村役場で住所変更をする |
引越し後14日以内に住所変更する必要があるため、忘れないように住民票の手続きとあわせてするのがおすすめです。
国民年金
国民年金に加入している自営業者や学生、無職の方などの「第1号被保険者」は、役所で住所変更手続きが必要です。
会社員等の「第2号被保険者」は、勤め先に「被保険者住所変更届」を提出すれば手続きが完了します。また、この手続きを終えれば「第2号被保険者」の配偶者を意味する「第3号被保険者」も一緒に手続きが完了するため、特に行う作業はありません。
そのため、被保険者の種類によって、以下のように手続き方法が異なります。
被保険者の種類 | 手続き方法 |
---|---|
国民年金第1号被保険者 | 新居の役所・役場で手続きをする |
国民年金第2号被保険者 | 勤務先に「被保険者住所変更届」を提出する |
国民年金第3号被保険者 | 配偶者の勤務先に「被保険者住所変更届」を提出する |
ただし、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていれば住所変更の届出をする必要はありません。
印鑑登録
異なる市区町村に引っ越す際は、転出日をもって印鑑登録が廃止されます。転入先の市区町村で新たに印鑑登録を行う必要があるため、忘れないように住民票の異動届と一緒に手続きをしましょう。
なお、同じ市区町村内で引越しをする場合は、転居届を提出すれば印鑑登録の住所も変更されるので手続きは不要です。
【インフラ関連】引越しで住所変更が必要なもの
引越しによってインフラ関連で住所変更が必要なものの手続きの詳細を解説します。
電気
引越しすることが決まった際は、現在の電力会社を継続するか、引越しを機に乗り換えるかを検討しましょう。
現在の電力会社を継続する場合は、電力会社に旧居での停止希望日と新居での開始希望日を伝えます。乗り換える場合は、現在の電力会社の停止手続きをして、乗り換え先の電力会社に新規にお申し込みをしましょう。
電気の停止や開始は立ち会う必要がないため、スケジュールを気にすることなく手続きを進められます。
ガス
ガスも電気と同様に、引越し後も現在のガス会社を継続するか、引越しを機に別のガス会社に乗り換えるかを検討しましょう。
引越し後に現在のガス会社を継続する場合は、ガス会社に旧居での閉栓希望日と新居での開栓希望日を伝えましょう。乗り換える場合は、現在のガス会社で停止手続きをして、乗り換え先のガス会社に新規にお申し込みをします。
なお、オートロックのマンションなどガスメーターの設置場所に鍵がないと入れない建物の場合、ガスは開栓時のみ立ち会う必要があるため、引越し作業に影響がないように日時を決めましょう。なお、オートロックなど鍵がないと入れない建物の場合は、閉栓時にも立ち合いが必要です。
水道
水道は、引越し前までに旧居の水道局または市区町村役場の水道課に連絡して使用停止を依頼します。その後、引越し先の水道局または市区町村役場の水道課で使用開始の手続きをします。
なお、水道の住所変更方法は自治体によって異なるため、各自治体の手続き方法を確認しておきましょう。
インターネット回線
インターネット回線の住所変更手続きも忘れないようにする必要があります。引越し先で同じインターネット回線を継続する場合は、事業者に住所変更したい旨を伝えましょう。
乗り換える場合は、現在の事業者との契約を解約して乗り換え先の事業者で新規申し込みをしましょう。
なお、インターネットは回線工事が必要な場合があり、申し込んでからすぐに使えるとは限らないため、不便にならないように期間に余裕を持って手続きを進めましょう。
郵便
郵便においては、住所変更の手続きは必要ありません。
しかし、郵便局が提供している「転送サービス」を利用することで、届出日から1年間は旧住所宛ての郵便物を新住所に無料で転送してもらうことが可能です。
発送元での住所変更手続きに漏れがあった場合、重要な書類が届かなくなってしまうため、転送サービスの利用がおすすめです。転送サービスはオンラインから申し込むこともできるため、余裕を持って手続きを進めておきましょう。
【車関連】引越しで住所変更が必要なもの
引越しによって車関連で住所変更が必要なものの手続きの詳細を解説します。
運転免許証
運転免許証の住居変更手続きは、警察署や運転免許更新センター、運転免許試験場でできます。明確な期限は設けられていないものの、運転免許証は様々なシーンで身分証明書として活用できるため、速やかに手続きすることが大切です。
手続きをする際は、新住所を確認できる書類が必要なため、新しい住民票や住所変更をしたマイナンバーカードなどを持参しましょう。
車庫証明
引越しをして車の保管場所が変わった場合は、変更から15日以内に車庫証明の住所変更手続きが必要です。
普通自動車の場合は「保管場所証明申請書」または「保管場所届出書」を、軽自動車の場合は「保管場所届出書」を車の保管場所を管轄する警察署に提出します。
車検証
車検証に記載されている住所が変更になった場合は、15日以内に手続きする必要があります。普通自動車は新しい住所の陸運局、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きしましょう。
また、二輪車の場合も手続きが必要です。原付の場合は、引越し後15日以内に市町村区の役所で手続きをします。軽二輪126cc~250ccのバイク、小型二輪251cc以上のバイクの場合は、発行から3カ月以内の住民票を持って新たな住所を管轄する国土交通省の陸運支局へ届け出をしましょう。
自動車保険
引越しで住所が変わったら、速やかに自動車保険の住所変更が必要です。住所変更を忘れていると、自動車保険に関する重要な書類が届かなくなってしまうので注意しましょう。
保険会社のホームページからインターネットで手続きできるケースが多くあります。なお、車を使用する地域によって保険料が異なるため、住所変更によって保険料の請求・返還が生じる場合があります。
【金融機関】引越しで住所変更が必要なもの
引越しによる金融機関での住所変更が必要なものの手続きの詳細を解説します。
銀行口座
引越しで住所が変わった場合は、銀行口座の住所変更をする必要があります。新住所が記載された本人確認書類を持参して手続きをしましょう。近年は、オンラインで変更手続きできる銀行も増えているため、手続き方法を調べたうえ上手に利用しましょう。
住所変更を怠ると重要な書類などが届かなくなるため注意しましょう。
クレジットカード
引越しで住所が変わった場合は、クレジットカードの住所変更をする必要があります。オンラインで変更手続きができるケースも多いため、速やかに手続きを完了させましょう。
住所変更を怠ると利用明細や新しいクレジットカードが届かなくなるため注意しましょう。
【その他】引越しで住所変更が必要なもの
そのほかに、必要に応じてネットサービスや家族関連の住所変更手続きが必要です。
ネットサービス関連
引越しで住所が変わった場合は、ネットショッピングサイトやサブスクリプションサービスの会員情報の住所を変更する必要があります。変更手続きを忘れていると、商品や書類が新居に届かなくなってしまうため注意しましょう。
家族関連
家族関連の住所変更手続きも忘れないようにしましょう。児童手当は、旧居の自治体で受給事由消滅の届出をし、新居の自治体で新たに児童手当の認定請求を行う必要があります。
保育園や幼稚園の転園手続きは、在籍施設を退園して、新たな保育園または幼稚園に利用のお申し込みをする必要があります。
小中学校の転校手続きをする際は、転校前の学校で「在学証明書」と「教科書給付証明書」をもらい、旧居の市区町村役場で「転出証明書」をもらいます。その後、新居の市区町村役場で「在学証明書」と「転出証明書」を提示して「転入学通知書」をもらい、転校先の学校に「在学証明書」「教科書給付証明書」「転入学通知書」の3点を提出しましょう。
犬を飼っている場合は、引越しの日から30日以内に新しい所在地の市区町村で登録事項の変更手続きをする必要があります。
自治体によって手続き方法が異なる場合があるため、それぞれの手続きの詳細は各自治体のホームページで確認しましょう。
まとめ
引越しをして住所が変わったときは、住民票や免許証、インフラ関連など様々な住所変更手続きが必要です。住所変更を怠ると、思わぬトラブルにつながる可能性があるため、必要な手続きを把握しておくことが大切です。
引越し直前は忙しくなるため、余裕をもって手続きを進めましょう。
引越しは、電気・ガス会社の見直しにも適したタイミングです。電気・ガス会社を見直すことで、電気料金を抑えられる可能性があります。
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