冷蔵庫の電気代の算出方法

冷蔵庫の電気代は「年間消費電力量(kWh)× 電力料金単価 (円/kWh)」で算出できます。年間消費電力量は、メーカーや型番によって異なり、冷蔵庫の本体や取扱説明書に記載されているため、確認してみましょう。

電力料金単価は電力会社や契約している電気料金プランによって異なりますが、ここでは全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として定めている電力料金単価は、31円/kWhを用います。

たとえば、年間消費電力量が300kWhの冷蔵庫の1日あたりの電気代は、以下のとおりです。

300kWh× 31円/kWh÷365日=約25円

1カ月あたりの電気代は、約750円であることがわかります。ご自身の電力料金単価を検針票などで確認し、電気代を計算してみましょう。

【サイズ別】冷蔵庫の電気代

現在販売されている冷蔵庫のサイズ別の平均電気代を「年間消費電力量(kWh)× 電力料金単価 (円/kWh)」で算出すると、以下のようになります。

容量目安 電気代の平均額(1カ月あたり)
1人暮らし向け 200L前後 約800円
2人暮らし向け 360~410L 約870円
3人暮らし向け 430~480L 約680円
4人暮らし向け 500~550L 約700円
5人暮らし向け 570~620L 約680円
6人暮らし向け 640~690L 約790円

冷蔵庫の年間消費電力量は、メーカーや型番によって異なるものの、容量が大きくなるほど高くなるとは限らないため注意が必要です。

上記のように、1人暮らし向けの容量200L前後の冷蔵庫よりも、3人暮らし向けの容量430~480Lの冷蔵庫の方が1カ月あたりの電気代の平均額が安くなる場合があります。そのため、冷蔵庫を購入する際は、容量だけでなく年間消費電力量も確認してみましょう。

ただし、本体価格は容量が大きい冷蔵庫の方が高い傾向があるため、本体価格と電気代のバランスに注意して自分にあったサイズの冷蔵庫を購入することが大切です。

冷蔵庫の電気代の節約方法

冷蔵庫の電気代は、以下のような点を意識することで節約できます。

  • 冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない
  • 設定温度を見直す
  • 壁から離して設置する
  • 古くなった冷蔵庫を買い替える
  • 電力会社や料金プランを見直す

それぞれの節約方法を詳しく見ていきましょう。

冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない

冷蔵庫に食品を詰め込みすぎると、冷気が循環しにくくなって余分な電力を消費してしまいます。また、取り出したい食品を見つけるのに時間がかかり、扉を長く開けていると冷気が逃げてしまうので注意が必要です。

庫内を整理して取り出したいものをすぐに見つけられるようにしたり、頻繁に出し入れする食品を手前に置いたりするなどの工夫をして、扉を開ける時間や回数を短くしましょう。

なお、食材管理アプリなどを使えば冷蔵庫内の食材を把握しやすくなり、余分な買い物を防いで庫内を整理しやすくなります。

設定温度を見直す

多くの冷蔵庫は、庫内のツマミやボタンで温度が調整できます。「強」、「中」、「弱」の3段階で温度が設定できる場合が多く、設定温度によって消費電力が異なります。

そのため、夏は「強」にして、冬は「中」にするなど季節にあわせて設定温度を変えることで、余分な電力の消費を防げます。

周辺の気温や冷蔵庫の使い方によって異なりますが、設定温度を「強」から「中」に変更すると、年間で61.72kWhの省エネになり、約1,910円の節約につながります。

ただし、電気代を抑えることにこだわって、夏の時期に冷蔵庫の温度を「弱」にすることは避けた方が良いでしょう。暑い時期に「弱」に設定して冷蔵庫内が十分に冷えなくなると、食材が腐ってしまう可能性があります。

冷蔵庫内の適切な温度は季節や庫内の食材の量によって異なるため、食品を腐らせてしまわないように注意して温度を設定しましょう。

壁から離して設置する

冷蔵庫は庫内を冷やすために、外に熱を放出しています。そのため、冷蔵庫を壁にくっつけて設置したり、冷蔵庫の上部に物を置いたりすると、放熱効率が下がって庫内が冷えにくくなり、余分な電力が消費されてしまいます。

放熱効率を上げるためにも、冷蔵庫は壁から離して設置しましょう。また、冷蔵庫の上部に物を置くことは避けましょう。

古くなった冷蔵庫を買い替える

近年の冷蔵庫は10年前に比べて約40〜47%省エネ性能が向上しています。そのため、古い冷蔵庫を使い続けるよりも、新しい冷蔵庫に買い替えることで電気代を抑えられる可能性があります。

ただし、冷蔵庫の本体価格は数万円~数十万円であるため、電気代だけでなく本体価格も考慮して冷蔵庫を選ぶことが大切です。

なお、冷蔵庫の平均使用年数は13年とされているため、使用年数が10年近くなっている場合は、故障する前に新しい冷蔵庫に買い替えることで、電気代の節約にもつながるでしょう。

電力会社や料金プランを見直す

電力会社や料金プランを見直すことで電気代を抑えられる可能性があります。電気代は電力会社によって異なります。

電気を多く使う場合は、従量料金が安かったり、一律であったりする電力会社を選ぶことで、電気代を抑えられます。一方で、電気をあまり使わない場合は、基本料金が0円の電力会社を判断ポイントとして見比べることがおすすめです。

また、料金プランが適切でなければ必要以上の電気代を支払っている可能性があります。夜間・休日に従量料金の単価が安くなるプランや、ガスとセットにすることでおトクになるプランなど、様々なプランが用意されているため、自分にあったプランを選択しましょう。

電力自由化によって好きな電力会社を選べるようになったため、契約している電力会社やプランを見直してみましょう。

冷蔵庫の電気代に関するQ&A

冷蔵庫の電気代に関するQ&Aを紹介します。

1人暮らしでも大型の冷蔵庫の方が良い?

冷蔵庫の電気代は容量に比例して高くなるわけではなく、小さい冷蔵庫の方が電気代が高くなる場合があるため注意が必要です。

たとえば、1人暮らし向けの容量200L前後の冷蔵庫よりも、3人暮らし向けの容量430~480Lの冷蔵庫の方が1カ月あたりの電気代の平均額が安くなるケースがあります。そのため、1人暮らしであっても大型の冷蔵庫を購入することで電気代を抑えられる可能性があるでしょう。

ただし、小型の冷蔵庫と大型の冷蔵庫では本体価格に10~30万円ほど差があります。本体価格は容量が大きい冷蔵庫ほど高くなるため、電気代だけでなく本体価格も考慮して冷蔵庫を選ぶことが大切です。

冷蔵庫の省エネ機能にはどんなものがある?

近年の冷蔵庫は10年前に比べて省エネ性能が向上しています。省エネ機能として、冷却器に付着する霜を溶かしながら冷蔵室・野菜室を冷やすことで、コンプレッサーの回転数を低く抑えて効率良く冷やす機能があります。

ほかにも、食品保存への影響が少ない範囲で冷却を自動で弱める節電モードや、真空断熱材や発泡断熱材を使うことで断熱効率を高めるなどがあります。

まとめ

まとめ

冷蔵庫の電気代は、容量が大きくなるほど高くなるわけではありません。小さい冷蔵庫の方が電気代は高くなる場合もあります。

ただし、本体価格は容量が大きいほど高くなるため、電気代だけでなく本体価格も考慮して選ぶことが大切です。冷蔵庫の電気代を抑えるためには、壁から離して設置したり、適切な設定温度にして食品を詰め込みすぎないようにしたりすることがポイントです。

冷蔵庫を買い替えるには手間も費用もかかるため、電気代を抑えたい方は電力会社を見直してみると節約につながるかもしれません。

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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。 理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。