1カ月の平均的な電気代はどれくらい?

どれくらい電気代を減らすべきか具体的な目標を決めるためにも、節約をはじめる前にまずは平均的な電気代を把握しておきましょう。

総務省の「2023年家計調査」によると、全世帯の電気代の1カ月あたりの平均額は1万222円で、地域別の平均額は1万726円です。

主な世帯人数、地域ごとの電気代の違いはそれぞれ次のとおりです。

世帯人数ごとの1カ月あたりの電気代(※1)

世帯人数 1カ月あたりの電気代
全世帯の平均 1万222円
1人暮らし 6,726円
2人家族 1万940円
3人家族 1万2811円
4人家族 1万3532円
5人家族 1万4373円

(※1)出典:総務省「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年」

地域ごとの1カ月あたりの電気代(※2)

地域 1カ月あたりの電気代
全地域の平均 1万726円
北海道地方 1万1254円
東北地方 1万2397円
関東地方 9,881円
北陸地方 1万3096円
東海地方 1万517円
近畿地方 9,268円
中国地方 1万1699円
四国地方 1万1225円
九州地方 8,649円
沖縄地方 9,277円

(※2)出典:総務省「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年」

電気代は、世帯人数のほか、戸建住宅やマンションなど住居の種類、地域によっても異なります。そのため、単純に比較はできませんが、節約が必要かどうかの判断材料にはなるでしょう。

また、同じ「家計調査」で全世帯の水道光熱費の平均が1万9867円であることから、電気代は水道光熱費のほとんど半分を占めているとわかります。この割合も家庭の電気代を把握するヒントとなるはずです。

もし無駄づかいはしていないつもりなのに電気代が高いと感じたら、普段何気なく使っている家電を効率良く使えていない可能性があります。

エアコンや冷蔵庫、照明、テレビの4つの家電で、電気代の大半を消費します。電気代を節約するポイントの1つは、こうした消費電力の高い家電の省エネです。節電に悩んだら日ごろの家電の使い方に注目しましょう。

毎日の生活で電気代を下げる!手軽な節約術7選

毎日の生活で電気代を下げる!手軽な節約術7選

電気代を節約したい気持ちはあっても、我慢や無理を強いる方法では長くは続きません。そこで、消費電力の高い家電の使い方を中心に、今すぐ始められる手軽な節約術(※3)を7つ紹介します。

(※3)出典:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」無理のない省エネ節約

1.カーテンで室温をコントロールする

暑い季節に欠かせないエアコンの電気代を節約したいなら、カーテンを活用しましょう。

夏の熱気のほとんどは窓から侵入します。カーテンを閉めて日差しや熱をさえぎっておくと、室温の上昇を抑えられるでしょう。また、カーテンを閉めておくと、エアコンの冷気を逃しにくくなる効果も期待できます。

たとえば、外出中はカーテンを閉めておく、厚手のカーテンや遮熱カーテンを選ぶなどすれば、室温のコントロールにつながります。日よけシェードやグリーンカーテンなどを併用するとより効果的です。

2.エアコンや冷蔵庫の設定温度を見直す

エアコンの設定温度は、夏は28℃、冬は20℃を目安にし、冷やしすぎや暖めすぎに注意しましょう。

設定温度が1℃変わるだけで次のような節電効果があると試算されています。

  • エアコンの設定温度を27℃から28℃に上げると、1年で約940円の電気代を節約できる
  • エアコンの設定温度を21℃から20℃に下げると、1年で約1,650円の電気代を節約できる

もし暑さや寒さを感じる場合は、風量を強くすることで体感温度を調節でき、設定温度を下げるよりも電気代を節約できます。

冷蔵庫も、夏は「中」、冬は「弱」のように、できる範囲で庫内の設定温度を控えめにしておくと良いでしょう。「強」から「中」に変えると、1年で約1,910円の節電につながります。

なお、エアコンと冷蔵庫の電気代については、以下の記事で詳しく解説しています。

エアコンの電気代はどれくらい?つけっぱなしは節約になる?計算方法や節電方法を解説
冷蔵庫の電気代はどれくらい?計算方法や節電方法を解説

3.照明をLEDに取り換える

照明は、白熱灯や蛍光灯をLEDに取り替えるだけで、電気代を節約できます。

  • 1日あたり5時間半ほど使う照明だと、白熱電球(54W)をLED電球(7.5W)に交換すれば、1年間で約2,790円の電気代を節約できる

LEDは白熱灯などに比べると販売価格が高く、買い替えをためらう方もいるでしょう。しかし、寿命の長さや消費電力の低さなどから、LEDにかかるコストは3~9カ月ほどで白熱灯を下回るとのデータもあります。

また、必要ないときは照明をこまめに消せば、1日1時間分でも節電につながります。

4.まとめ洗いで洗濯機の使用回数を減らす

洗濯物はできるだけまとめて洗い、洗濯機の使用回数を減らしましょう。

  • 同じ量の洗濯物を1回でまとめ洗いすると、2回に分けるより年間180円ほどの電気代を節約できる

180円だと節約効果が少なく感じられるかもしれません。しかし、水道料金では1年あたり約4,360円の違いが出るため、まとめ洗いのほうが光熱費の負担を抑えられます。ただし、洗濯物を入れすぎると汚れが残る場合があるため、1回あたりの洗濯物の量は洗濯機の容量の8割ほどが目安です。

5.テレビの画面設定を見直し、見ないときは主電源を消す

テレビは、画面が明るく鮮明であるほど消費電力も大きくなるため、明るさを落とす、省エネモードに切替るなど、画面の設定を変えると節電になります。また、画面を暗くする原因となるため、画面のホコリは取り除きましょう。

  • 液晶テレビ(50V型)の画面の輝度を1割下げると、1年間で約581円の電気代を節約できる

テレビを使っていないときは、本体の主電源をオフにするのがおすすめです。リモコンの電源ボタンで画面を消しても、いつでも起動できる状態のため待機電力を消費します。また、1日1時間でもテレビを消す時間を増やせば、年間約895円を節約できます。

6.家電のフィルターは定期的に掃除する

家電には、エアコン、加湿器や除湿器、空気清浄機など、フィルターの付属するものがたくさんあります。フィルターにたまるホコリや汚れを放置すると家電の性能が低下し、電気代が上がる原因になることも考えられます。

たとえば、エアコンは冷風や温風の出入り口となるフィルターがふさがると、冷暖房の性能が落ちて電気代アップにつながります。フィルター掃除は2週間に1回を目安に行いましょう。

  • フィルターを掃除したエアコンはフィルターが目詰まりしたエアコンより、1年間で約990円の電気代を節約できる

エアコンの場合、もう一方の風の出入り口となる室外機も性能に影響します。室外機の周辺にモノを置かない、日陰に置くなど、熱のたまりにくい環境を意識しましょう。

7.温水洗浄便座は設定温度を控えめにする

多くの家庭で使われている温水洗浄便座は、便座と洗浄水を温めるのに電力が必要です。そこで、季節によって設定温度を調節すると、電気代を節約できます。

  • 便座の温度は「中」から「弱」へ下げ、夏はスイッチをオフにしておくと、1年間で約820円の電気代を節約できる

また、トイレを使わないときはフタを閉めておきましょう。温まった便座の放熱を防げるため、年間1,080円ほどの節電につながります。

環境にもお財布にもやさしい!エコ家電で電気代を節約

新しい技術を採り入れた家電が毎年のように登場し、10年も経つと家電の省エネ性能も大きく進化します。古い製品を使い続けるよりも、最新のエコ家電に買い替えたほうが、電気代の大幅な節約になる可能性が高いでしょう。

実際にどれくらい電気代を節約できるかを中心に、最新のエコ家電への買い替えをおすすめする理由を紹介します。

最新のエコ家電なら電気代を大幅に節約できる

環境省の提供するサイト「デコ活」内にある「しんきゅうさん(※4)」では、古い家電から最新の家電への買い替えで、電気代をどれだけ節約できるのかを具体的に試算できます。たとえば、2022年販売の最新エコ家電に買い換えた場合は、10年前の製品より大幅に電気代を削減できます。

  • 2012年製の冷蔵庫(401~450Lサイズ)と比べると消費電力は約35~42%の省エネになり、1年間で約4,560~6,110円の電気代を節約できる
  • 2012年製のエアコン(8~12畳向け)と比べると消費電力は約15%の省エネになり、1年間で約4,120円の電気代を節約できる

また温水洗浄便座は、貯湯式ではここ10年ほど消費電力に大きな変化はみられませんが、瞬間式だと10年前の製品より約44%の省エネ、年間で約2,170円の節電になります。

このように、最新のエコ家電の高い省エネ性能は、電気代の節約に大きく役立つでしょう。

(※4)出典:環境省「デコ活」(省エネ製品買替ナビゲーション「しんきゅうさん」)

エコ家電購入の補助制度を活用しよう

電気代を節約できるとしても、エアコンや冷蔵庫などの家電の買い替えにはまとまったお金が必要になるため、決断できない方もいるかもしれません。

しかし、国の後押しもあり、補助金やポイント付与により、自治体からエコ家電の購入代金の補助を受けられる場合があります。自治体によって実施の有無、対象となる製品、申請方法、期限など、様々な違いがあるため、事前に確認しておきましょう。

2024年6月現在(※5)、自治体で実施されている補助制度をいくつか紹介します。

実施自治体 内容
東京都 省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明に買い替えると、
東京ゼロエミポイントが付与される。
ポイントは商品券などに交換可能。2024年9月30日購入分まで。
郵送かインターネットで申請。
横浜市 節電効果の高いエコ家電への購入で、1台あたり3万円を上限に本体価格の20%を
エコハマPayまたは商品券で還元する。
手続きの期限は2024年12月26日で、郵送のほかインターネットでも申請可能。
京都府 対象のエアコン・冷蔵庫の購入で、最大2万円相当のポイント(京都府内で利用可)か
京都府内産品に交換できる。購入店舗で受け取ったチケットからアクセスして申請。
2024年9月26日購入分まで。

どの補助制度も、予算の上限に達し次第、期限内でも順次終了されます。お住まいの自治体で補助制度が実施されているなら、早めに検討を進めましょう。

(※5)内容が変更される可能性があるため、詳しくは各制度の公式サイトをご確認ください。

電気代を節約するなら、電力会社や契約プランの見直しを

家電の使い方や買い替えのほか、電力会社や契約プランの見直しも電気代を節約する方法のひとつです。しかし、いざ見直そうと思ってもどう変えればいいのか、判断がむずかしいと感じる方もいるでしょう。

そこで、電気代の節約に向けて、電力会社や契約プランを見直すポイントを解説します。

アンペア数を確認する

多くの電力会社が、電気代の基本料金の決定要素とするのがアンペア数です。必要以上に大きいアンペア数で契約しているなら、家庭の電気事情にあわせたアンペア数に変更して電気代を節約しましょう。契約中のアンペア数は毎月の検針票で確認可能です。

家庭ごとの適正なアンペア数は、日ごろどれだけの家電を使うかで考えます。

ポイントは「最もたくさんの家電を同時に使うタイミング」で判断することです。たとえば、夏のリビングでエアコンを使いながら子どもがテレビを観ており、親はドラム洗濯乾燥機を回しながらキッチンで電子レンジや食器洗い乾燥機を使っている状態などが考えられます。

家電の消費電力はワット(W)で表記されるのが一般的ですが、アンペア数を考えるときは「100kWh=10アンペア(A)」で換算すると良いでしょう。そして自身の家庭に適正なアンペア数を確認してみましょう。

主な家電とアンペア数の目安

家電 アンペア数の目安
エアコン(10畳向け) 冷房5.8A(起動時14A)
暖房6.6A(起動時20A)
液晶テレビ(42型) 2.1A
ドラム式洗濯乾燥機(洗濯容量9㎏) 洗濯2A・乾燥13A
電子レンジ(30Lサイズ) 15A
食器洗い乾燥機(卓上タイプ) 13A

標準的なアンペア数であれば楽天でんきは基本料金を0円としていますので、この機会にぜひご検討ください。

現在の契約プランを見直す

2016年の電力自由化以降、たくさんの新電力会社が設立され、電気プランの多様化が進んでいます。

  • 二段階のプラン:基本料金と使うほどおトクになる二段階の従量課金によるプラン
  • 使った分だけ支払うプラン:基本料金0円、一律の単価で使った電気代を計算
  • 時間帯別プラン:平日昼間や夜間など、時間帯によって単価が変わるプラン
  • 他サービスとのセット割引:ガスや携帯電話、インターネット、ガソリンスタンドなど、他サービスとのセット販売で割引料金を適用

ご自身のライフスタイル、電気の使い方や使用量にあわせて、よりおトクになるプランに変更すると、電気代を効率良く抑えられます。

電力会社を乗り換える

現在契約している電力会社より魅力的なプランやサービスを提供する会社があれば、乗り換えも検討しましょう。

一般的な電力会社の切替方法

  1. 電話や郵送、インターネットなどから切替先の電力会社へ申込む
  2. 切替先の電力会社と契約する
  3. 切替工事が不要なら4日程度、必要なら2週間程度で切替が完了する

契約中の電力会社への解約手続きは、通常、申込者の同意のもとで切替先の電力会社が進めます。

最近は申込みから契約までインターネットで完結する電力会社がほとんどで、切替工事が不要な場合も多く、電力会社を変えるのに負担は感じないでしょう。

まとめ

まとめ

電気代を節約するには、エアコンや冷蔵庫などの消費電力が高く電気代のかかりやすいものを中心に、家電の効率的な使い方を意識しましょう。最新の省エネ性能を備えたエコ家電への買い替えもおすすめです。

また、契約中の電力会社やプランの見直しが電気代の節約につながる可能性があります。ご自身のライフスタイルや電気の使い方にあったプランに変えれば、節約を意識しなくても自然と電気代を抑えられると期待されます。

たくさんの電力会社が様々なプランを提供していますが、電力会社を選ぶときはプランだけではなく、サービスにも注目しましょう。

楽天でんきは利用料金200円につき楽天ポイントが1ポイント、ガス(※6)とセットなら100円につき1ポイント貯まります(※7)(※8)。貯まった楽天ポイントは電気の利用料金に充当できる(※9)ため、実質的な電気代の節約にもなります。

さらに、楽天でんきでの前月の利用金額が5,500円(税込)以上、かつクレジットカード決済の方は、楽天市場でのお買い物で「通常ポイント+0.5倍」の楽天ポイントが進呈されます(※10)。

楽天でんきへの切替によって、年間のおトク額や獲得できる楽天ポイントがどれくらいになるか気になる方は、現在の電気代や契約情報を入力して試算できる「料金シミュレーション」でご確認ください。

料金シミュレーションはこちら
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(※6)楽天ガスは都市ガス(東京ガス、東邦ガス、関電ガス)が提供対象エリアです。詳しくはガス対象エリアページをご確認ください。
(※7)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
(※8)楽天ポイントの進呈対象は、クレジットカードでお支払いいただいた料金となります。コンビニ払込用紙でのお支払いではポイント進呈対象にはなりません。
(※9)貯まったポイントは50ポイント(50円相当)からご利用料金に充当できます。
(※10)獲得条件および、進呈ポイントの上限があります。「楽天でんき」のSPU詳細はこちら
ご利用金額の一部もしくは全額をポイントでお支払い頂いた場合もSPU対象になります。

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新井 智美(あらい ともみ)

1級FP技能士・CFP

2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス(、企業向け相談(補助金、助成金の申請アドバイス・各種申請業務代行)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。