冷蔵庫を運搬する方法は2つ

冷蔵庫を運搬する方法は、大きく以下の2種類があります。

  • 運搬業者(引越し業者・宅配業者)に依頼する
  • 自力で運ぶ

①運搬業者(引越し業者・宅配業者)に依頼する

引越しする場合や冷蔵庫以外の家具も一緒に運びたい場合は、引越し業者への依頼を検討しましょう。引越し業者に依頼すれば、プロが丁寧に運搬してくれるため安心です。

引越し業者によっては、大型家具・家電だけを運ぶプランや、少量の荷物を運ぶプランを提供しているところもあります。

また、引越しを伴わないときは、宅配業者に運搬してもらうのも手段のひとつです。宅配業者によっては、冷蔵庫1点だけを運搬してもらうことも可能です。自宅まで引き取りに来てくれ、梱包・運搬・設置まで行ってくれる場合もあります。

ただし、サイズや重量、地域などによっては、追加料金がかかる場合や運搬を依頼できない場合があるため、注意が必要です。

区分 引越し業者 宅配業者
メリット
  • プロが梱包・運搬してくれるため
  • 手間や時間がかからない
  • 冷蔵庫1点から運搬してもらえる
  • 梱包から設置まで依頼できるため、
    手間がかからない
デメリット
  • 冷蔵庫だけを運搬したい場合、
    料金が割高になる可能性がある
  • サイズや重量、地域などによっては
    運搬できない場合がある

②自力で運ぶ

軽トラックをレンタルするなどして自ら冷蔵庫を運ぶ方法です。レンタカー代・ガソリン代・交通費はかかりますが、業者に依頼する費用が発生しないため、業者に依頼するのと比べてコストを大幅に抑えられる可能性があります。

ただし、自力で運ぶ場合は梱包や養生、運搬、設置などをすべて自分で行わなければならず、手間や労力がかかります。冷蔵庫は家電のなかでも特に大きく重いため、冷蔵庫を破損・故障させたり、家を傷つけたりしないよう細心の注意を払わなければなりません。

また、冷蔵庫は基本的に2人以上で運ぶため、自力で運搬する場合は家族や友人などに依頼する必要があります。

メリット
  • 運搬業者に依頼する場合と比べてコストを抑えられる
デメリット
  • 手間や労力がかかる
  • 破損や故障のリスクがある

冷蔵庫を運搬する際の事前準備

冷蔵庫を運搬する際の事前準備

冷蔵庫を運搬するためには、前日までに中身を空にする必要があります。直前になって慌てないよう、運搬日の1~2週間前ごろから計画的に準備をしましょう。

運搬までに準備すべきこと、冷蔵庫の掃除手順を解説します。

  • 【運搬1~2週間前】冷蔵庫の中身を確認する
  • 【運搬3日前~前日まで】冷蔵庫内を空にする
  • 【運搬前日】霜取りと水抜きをする

【運搬1~2週間前】冷蔵庫の中身を確認する

冷蔵庫内の食材を計画的に使い切るため、運搬日の1~2週間前ごろになったら冷蔵庫の中身を確認し、整理しましょう。

賞味期限が切れている食材や調味料は、この時点で処分します。また、長い間使っていない調味料など、運搬日までに使い切れないと考えられるものも早めに処分しましょう。

冷蔵庫を整理することで、運搬日までに購入・消費する食材の量を把握しやすくなります。

【運搬3日前~前日まで】冷蔵庫内を空にする

運搬日の3日前ごろになったら、冷蔵・冷凍が必要な食品の購入はなるべく控え、冷蔵庫の中身を減らしていきます。

食材を使い切れない場合、冷蔵庫内のものはクーラーボックスなどに保冷剤を入れて一時保存できますが、食品が腐ってしまったり風味・おいしさが損なわれたりするため、長時間の保存は避けましょう。

使いかけの食品で冷蔵が必要な場合は、宅配業者のクール便で新居に送ってもらうのも手段のひとつです。不在で受け取れなかった場合も3日程度保管してくれます。

常温保存が可能な調味料は、中身が漏れないようにビニール袋などで密閉してから段ボールに入れ、前日までに荷造りを終わらせましょう。

ビンなどの調味料は、割れないように新聞紙などで1本ずつ包み、隙間に緩衝材を入れて梱包します。その際、段ボールの中で調味料が動かないように梱包するのがポイントです。

【運搬前日】霜取りと水抜きをする

運搬日の前日になったら、冷蔵庫内を完全に空にして掃除し、必要に応じて霜取りと水抜きを行いましょう。

  • 霜取り:冷蔵庫に付着した霜を取り除くこと
  • 水抜き:蒸発皿に溜まった水を捨てること

自動霜取りの機能がない冷蔵庫の場合は、一般的に以下の流れで霜取りを行います。

  1. 冷蔵庫のコンセントを抜いて電源を落とす
  2. 霜が溶けて蒸発皿に水が溜まる
  3. 溜まった水を捨てる

季節や設置環境などによって異なりますが、霜が溶けるまでには約15時間以上かかるため、早めに冷蔵庫を空にしてコンセントを抜きましょう。

近年は自動霜取り機能が付いている冷蔵庫も多いため、詳しくは取扱説明書をご確認ください。また、引越し業者によっては、引越し当日に水抜きを行ってくれる場合があります。事前に引越し業者のホームページなどで確認しておきましょう。

冷蔵庫の掃除の仕方

新居などの運搬先で、冷蔵庫に食材を入れる前に掃除する時間を十分に取れない可能性も考えられます。冷蔵庫を空にしたタイミングで掃除をしておきましょう。

ここでは、冷蔵庫の掃除に必要な道具と手順を詳しく解説します。

必要な道具

冷蔵庫を掃除する際、以下の道具を準備しましょう。

  • 中性洗剤
  • やわらかい布
  • 歯ブラシや綿棒
  • 掃除機やモップ

基本的に、冷蔵庫の汚れには中性の台所洗剤、ふき取りにはやわらかい布を用意します。プラスチックが割れる可能性があるため、以下のようなものは使用しないようにしましょう。

  • 中性以外の台所用洗剤
  • ガラス用洗剤
  • 塩素系漂白剤
  • みがき粉
  • クレンザー
  • 研磨剤
  • 粉石けん
  • ベンジン
  • シンナー
  • アルコール
  • 重曹
  • クエン酸
  • お酢
  • 熱湯
  • たわし
  • 研磨スポンジ
  • 化学ぞうきん

また、歯ブラシや綿棒は、隙間の汚れが落ちにくい場合に役立ちます。背面や床のホコリを掃除するための掃除機やモップも用意しておくと良いでしょう。

掃除の手順

冷蔵庫は、一般的に以下の流れで掃除を行います。

  1. ケースや棚を取り外して水洗いする
  2. 冷蔵庫内の汚れをふき取る
  3. 冷蔵庫外側の汚れをふき取る

ケースや棚が汚れていると変形やにおいの原因となるため、取り外して水洗いする、またはやわらかい布にぬるま湯を含ませてふき取ります。むやみに取り外すと割れてしまう可能性があるため、取扱説明書を確認し、正しく取り外しましょう。

次に、冷蔵庫内の汚れをふき取ります。汚れが落ちにくいときは、台所用中性洗剤をぬるま湯で薄め、布に含ませてからふき取りましょう。水滴が残っている場合は乾拭きします。また、ドアパッキングが汚れていると冷蔵・冷凍の効果が落ちてしまうことにつながるため、しっかり汚れを落とすことが大切です。

冷蔵庫外側の表面は、ぬるま湯を含ませたやわらかい布で水拭きしてから乾いた布でふき取ります。テープのりなどが残っているときは、プラスチック消しゴムでこすってからふくと良いでしょう。

天面と背面はホコリが付着しやすいため、掃除機やモップなどでホコリを取り除いてから水拭き、乾拭きをします。

実際の掃除方法は冷蔵庫の種類や場所、部品によって異なるため、取扱説明書をご確認ください。

冷蔵庫を自力で運搬する際の手順

冷蔵庫を自力で運搬する際の手順

運搬業者に依頼すれば、プロが梱包・運搬してくれるため安心ですが、コストを抑えたいなどの理由で自力での運搬を検討している方もいるのではないでしょうか。冷蔵庫は大きく重いため、自力で運搬する際は様々な点に注意しなければなりません。

冷蔵庫を自力で運搬する際の手順を、注意点とあわせて解説します。

  1. 搬出・搬入経路を確認する
  2. 壁や床を保護する
  3. 冷蔵庫を毛布などで包む
  4. 冷蔵庫を運ぶ
  5. 冷蔵庫を設置する

①搬出・搬入経路を確認する

最初に、搬出・搬入経路を確認します。主な確認ポイントは以下のとおりです。

  • 階段の幅や高さ、踊り場のスペースは十分か
  • 廊下の幅、曲がり角のスペースは十分か
  • 搬出・搬入通路に障害物はないか
  • エレベーターの幅、奥行、高さは十分か

スペースが十分にあるかどうかを測定する際は、「冷蔵庫本体の幅+左右5cmずつ(合計10cm)」を目安にすると良いでしょう。

②壁や床を保護する

冷蔵庫の運搬をはじめる前に、壁や床が傷ついたり水で汚れたりしないように保護シートや布で養生します。

賃貸物件から搬出する場合、借主には原状回復義務があり、借りたときの状態にして大家さんに返還しなければなりません。運搬中に壁や床を傷つけてしまうと、退去時に高額な修繕費用がかかる可能性があります。

借りた家や大切な住まいを守るためにも、運搬前にしっかり養生しましょう。

③冷蔵庫を毛布などで包む

次に、傷や故障を防ぐため、冷蔵庫を毛布などで包んでしっかり保護します。運搬中にドアが開いたり、棚・トレイが外れて割れたりするのを防ぐため、テープで固定してから包みましょう。また、電源コードは束ねてテープなどで固定します。

冷蔵庫が毛布などの梱包材から滑り落ちると傷や破損、ケガなどにつながるため、しっかり固定されているかどうかを確認してから運搬することが大切です。

④冷蔵庫を運ぶ

手が滑ってケガをするのを防ぐため、基本的に冷蔵庫は2名以上で運びます。

軽トラックなどで運搬する際は、冷蔵庫を立てた状態でロープなどを使って固定しましょう。横積みで運搬すると、圧縮機内のオイルが冷却システムに流れ込み、故障につながる可能性があります。また、冷蔵庫本体に傷・へこみが生じたり、配管が変形・破損したりするおそれもあります。

ただし、搬出・搬入の際、一時的に横向きで運ぶ程度なら問題ありません。

⑤冷蔵庫を設置する

設置場所が水平な床面であることを確認したうえで冷蔵庫を設置します。

床に下ろす際、冷蔵庫の角が床に触れないよう十分に注意し、放熱スペースを空けて設置しましょう。放熱スペースを確保できていないと、冷蔵庫に熱がこもり、庫内の冷却効率が悪くなったり電気料金が高くなったりする可能性があります。

必要な放熱スペースは冷蔵庫の種類によって異なるため、取扱説明書を確認しましょう。

一般的に、冷蔵庫の設置後すぐに電源を入れても問題ありません。ただし、冷蔵庫によっては異なる場合があります。また、庫内が冷えるまで4~24時間以上かかるため、冷凍食品などは十分に冷えてから入れましょう。

冷蔵庫の買い替えも検討を

冷蔵庫は100kgを超えるものもあり、運搬には高額な費用や手間・労力がかかります。冷蔵庫が故障したり家を傷つけたりするリスクもあり、自力で運搬するのは容易ではありません。

運搬方法で悩む方や冷蔵庫を長い間使っている方は、冷蔵庫の買い替えも検討しましょう。

使用頻度や環境によって異なりますが、冷蔵庫の寿命は一般的に10年~13年程度です。長い間使っていると、冷却機能の低下やパッキンの劣化などによって、冷えにくくなったり、電気料金が高くなったりする場合があります。

家電製品の機能は年々進化しているため、最新の機種に買い替えれば、古い冷蔵庫を使い続けるよりも電気料金を節約できる場合があります。環境省によると、最新型の冷蔵庫は10年前の製品と比べて、約37~43%も消費電力を抑えられ、年間約4,740円~6,090円も電気料金を節約することが可能です。

冷蔵庫を処分する方法

冷蔵庫は、家電リサイクル法の対象製品のため、正しい方法で処分する必要があります。冷蔵庫の買い替えに伴い、古い冷蔵庫を処分する方法は以下のとおりです。

  • 新しい冷蔵庫を購入する販売店に引き取ってもらう
  • 購入した店舗に引き取ってもらう
  • お住まいの自治体が指定する業者に引き取ってもらう
  • 売却または譲渡する
  • 自ら指定引取場所に持ち込む

冷蔵庫を店舗に引き取ってもらう場合、リサイクル料金と収集運搬料金がかかりますが、運搬を依頼することを考えると大幅にコストを抑えられるでしょう。

まとめ

冷蔵庫の運搬方法には、運搬業者に依頼する方法と自力で運ぶ方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。引越し業者や宅配業者に依頼すれば安心ですが、費用が高額になる傾向があります。自力で運べばコストを抑えられますが、破損・故障などのリスクもあり、容易ではありません。

冷蔵庫を長く使っている場合は、買い替えを検討するのも手段のひとつです。コストを抑えられるだけでなく、省エネ性能に優れた機種に買い替えることで電気料金の節約につながる可能性もあります。

また、引越しに伴い、引越し費用や毎月の固定費の負担を抑えたい方は、電力・ガス会社の見直しも検討しましょう。電力・ガス会社によって料金体系やプランが異なるため、乗り換えによって電気・ガス料金を節約できる可能性があります。

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この記事を監修した人
この記事を監修した人の写真
大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。