パソコンの消費電力とは?

普段からパソコンを使っている人でも消費電力がどのくらいなのかを意識する機会は少ないでしょう。消費電力がわかれば、パソコンの使用によってかかっている電気代も知ることができます。パソコンの消費電力と電気代について、詳しく見ていきましょう。

パソコンの消費電力の調べ方

パソコンの消費電力は、W(ワット)という単位で表されます。W数が大きいほど、消費電力が大きくなるので覚えておきましょう。

製品のどこかに「○W」と書かれているので、使っているパソコンを確認してみてください。一般的に目立たない場所に書いてあるため、見つけられない場合はメーカーの公式サイトや説明書などでも確認できます。

消費電力は、フリーソフトや電力計(ワットチェッカー)を使って調べることも可能です。パソコンの消費電力は様々な要因で変化するので、現在の正確な消費電力量を知りたいときはツールを使ってみるのもいいでしょう。

パソコンの電気代の調べ方

パソコンのW数がわかったら、電気代を調べられます。電気代の計算には下記の計算式を用います。

「パソコンの消費電力×電力料金の単価×稼働時間」

消費電力はWではなくkW(キロワット)で計算するので、製品に記載されているW数を1,000で割ってください。100Wと記載されているパソコンなら、0.1kWです。

例えば0.1kWのパソコンを1時間使用した場合、電気代は「0.1kW×31円/kWh×1時間」で3.1円です。これを8時間使うと、電気代は24.8円となります。

なお、電力料金は地域によって異なる場合があるので、現在自分が契約している電力会社の料金単価を確認しましょう。上記の例では、公益社団法人 全国家庭電気製品構成取引協議会で決められている目安単価31円/kWhを用いて計算しています。

各パソコンの消費電力と電気代

パソコンの種類が異なれば、消費電力や電気代も変わります。ここでは、デスクトップパソコンとノートパソコン、ゲーミングパソコンの消費電力と電気代の目安を確認しましょう。

消費電力 1日(8時間)あたりの電気代 1カ月(30日)あたりの電気代
デスクトップ 50〜150W
(0.05〜0.15kW)
12.4〜37.2円 12.4〜37.2円
ノート 20〜30W
(0.02〜0.03kW)
4.96〜7.44円 148.8〜223.2円
ゲーミング 280〜300W
(0.28〜0.3kW)
69.44〜74.4円 2,083.2〜2,232円

デスクトップパソコン

デスクトップパソコンの消費電力の目安は、50〜150W程度です。1日8時間使用した場合の電気代は12.4〜37.2円、1カ月あたりだと372〜1,116円となります。

こちらの算出例は、あくまでも一般的なデスクトップパソコンの場合です。高性能なパソコンを選んだり、カスタマイズによってパーツの性能を高くしたりした場合は、さらに消費電力が高くなります。

ノートパソコン

ノートパソコンの消費電力は、20〜30W程度です。1日8時間使用した場合の電気代は4.96〜7.44円、1カ月あたりだと148.8〜223.2円となります。デスクトップパソコンに比べると消費電力が少ない分、電気代もおトクになりやすいでしょう。

ノートパソコンは、価格を抑えた製品が多く販売されています。電気代だけでなく、購入費用も総合的に抑えたい場合はノートパソコンを検討してもいいでしょう。ただし、ノートパソコンはデスクトップパソコンに比べて機能性が劣る部分もあるので、高いスペックが必要な作業をするなら注意が必要です。

ゲーミングパソコン

ゲーミングパソコンの消費電力は、280〜300W程度です。1日8時間使用した場合の電気代は69.44〜74.4円、1カ月あたりだと2,083.2〜2,232円となります。

ゲーミングパソコンは高性能なので、一般的なパソコンより消費電力は大きく、電気代が高くなりやすいのが特徴です。パーツの中でも、CPUとグラフィックボードの性能は、消費電力を大きく左右します。

快適にゲームを楽しむために、ハイスペックなCPUやグラフィックボードが搭載されたゲーミングパソコンを使うと、消費電力が大きくなる傾向があります。ただし、使用状態によって処理能力を調整できるCPUやグラフィックボードもあるので、ハイスペックであれば必ずしも消費電力が大きくなるわけではないと覚えておきましょう。

ゲーミングパソコンを使ってインターネット検索やテキスト作成などをする場合は、電力をそこまで多く消費しません。消費電力が大きくなるのは、あくまでゲーミングパソコンでゲームをしたときと考えましょう。

パソコンの消費電力が大きくなるタイミング

食費を節約する方法

パソコンの消費電力は、いつも一定になるわけではありません。負荷がかかる動作をすると消費電力が大きくなり、電気代も上がりやすくなります。パソコンの消費電力が大きくなるタイミングはどのようなときか、確認しましょう。

動画や写真の編集をするとき

動画の編集や写真の加工をすると、パソコンで処理すべきデータ量が増えて消費電力が増えます。画像や動画のサイズ、カラーなどを変更するためには、多くのパワーが使われるからです。読み込むデータや処理する工程が多くなるほどCPUなどに負担がかかるので、消費電力は大きくなります。

テキスト入力や表計算などの軽い作業に比べると消費電力が大きくなり、電気代も上がる傾向があります。仕事やプライベートで動画や写真の編集をする場合は、通常の使用時に比べて多くの電力を消費していると理解しましょう。

なお、パソコンで動画や写真の編集をする場合、データを処理する際に各パーツから熱が発生します。パソコンが発熱すると、パフォーマンスが著しく下がるケースもあるため、注意が必要です。

複数のディスプレイやアプリを開くとき

パソコンを外部モニターにつないで使うなど、複数のディスプレイを開いている状態では、消費電力は大きくなります。複数のディスプレイで表示させるためには、その分電力が多く必要になるからです。

また、使っているディスプレイは1つでも、同時に複数のアプリを立ち上げていると消費電力は大きくなります。それぞれのアプリで処理が発生するため、アプリを多く開いているほど電気代はかさむでしょう。

動画視聴やゲームをするとき

動画視聴やゲームは、パソコンの消費電力が大きくなりやすい使い方です。

特にゲーミングパソコンで美しい映像やグラフィックを映し出しながらプレイすると、CPUやグラフィックボードが電力を多く消費します。動画も高画質で再生するほど処理が多くなり、消費電力が増えるため注意が必要です。

起動とシャットダウンをするとき

OSの起動やシャットダウンも、消費電力が大きくなりやすいタイミングです。

パソコンの電源を入れると必要なアプリを1から立ち上げることになるので、消費電力が大きくなります。起動と同時に自動で立ち上げる設定になっているアプリが多くあれば、その分多くの電力を消費するでしょう。

シャットダウン時も開いているアプリをすべてオフにし、情報の読み込みや保存作業をしなければならないため、電力が多く消費されます。

パソコンの消費電力を抑えて節電するためには?

パソコンの消費電力が大きければ、その分電気代がかさんでしまうことがわかりました。とはいえ、仕事や日常生活において、パソコンの使用頻度を減らすのは難しいこともあるでしょう。それでも節電したいなら、以下の方法で消費電力を抑えてみてください。

ディスプレイの輝度を下げる

ディスプレイの輝度を下げて画面を少し暗くすると、パソコンの消費電力を抑えられ電気代の節約につながります。パソコンのディスプレイは、明るいほど消費電力が大きくなるからです。

作業に支障が出るほど暗くする必要はありませんが、必要以上に明るい設定にしているなら、問題ない程度にまで輝度を下げてみてください。購入時は明るめに設定される傾向があるので、初期設定の7〜8割の明るさになるよう設定してみましょう。

室内の明るさに対してディスプレイが明るすぎると、目に負担がかかって疲れを感じやすくなるのもデメリットです。室内とモニターの明るさが同じくらいになるよう、調整してみてください。

スリープとシャットダウンを使い分ける

スリープとシャットダウンを使い分けると、消費電力が抑えられ節電につながります。

スリープは、作業内容を一時的にメモリに保管し、消費電力を低くした状態で待機することです。一方、シャットダウンはパソコンのすべての機能を停止することなので、両者には明確な違いがあります。

シャットダウンしているあいだは電力が消費されませんが、再起動時の消費電力が大きくなるので、いつでもこまめにシャットダウンするのが最適な選択とはいえません。90分以内の離席ならスリープを使ったほうが、消費電力量は低くなると言われています。

90分以内の離席ならスリープ、90分を超えて作業を中断するならシャットダウンが節電に効果的なので、意識して使い分けてみてください。

省電力モードや節電機能を使用する

多くのパソコンに備わっている省電力モードや節電機能を活用すると、消費電力を抑えられます。

省電力モードや節電機能を使えば、自動でディスプレイの輝度を下げたり、使用電力を抑えたりしてくれます。特に意識しなくても、手軽に節電できるので便利です。

機能によっては自分好みにカスタマイズも可能なので、使いやすく節電につながるように設定するのもいいでしょう。パソコン未使用時にディスプレイの電源を切ったり、スリープ状態に移行したりする設定をするのも節電に効果的です。

省電力モードや節電機能の設定方法は製品やOSによって異なるので、説明書などを参考にしながら使ってみてください。

パソコンの発熱を防ぐ

パソコンの発熱を抑える工夫をすれば、消費電力を小さくして節電ができます。パソコンが発熱すると、温度を下げるために冷却ファンが多く回転し、電力を多く消費してしまうからです。

まずは、パソコンを置く場所に注目してみましょう。日が当たる場所に置くと、日中パソコンの熱がどんどん上がってしまい、冷却ファンが稼働し続けて電力を消費してしまいます。

また、パソコンには熱を逃すための排熱口があります。パソコンを置くときは、排熱口をふさがないようにするのも大切です。パソコン周辺の通気を良くしておけば、熱がこもらず逃げやすくなるでしょう。

パソコンの発熱は、パフォーマンス低下や故障の原因にもなるため、できるだけ熱をこもらせないよう意識してみてください。

イヤホンやヘッドホンを使用する

イヤホンやヘッドホンの使用もパソコンの消費電力抑制に有効な方法です。音声出力をスピーカーではなくイヤホンやヘッドホンにすると、同じ音量を出すための消費電力が少なくなるので、節電につながります。

大幅に消費電力を抑えられるわけではありませんが、長時間ゲーミングPCを使う場合などは、節約効果が大きくなるでしょう。ゲームをするときにイヤホンやヘッドホンを使うと、没入感を楽しめるのもメリットです。

とはいえ、スピーカーによる臨場感を楽しみたいときもあるでしょう。スピーカーで音を出したいときは、音量を下げると消費電力を抑えられるので、試してみてください。

通気口を掃除する

通気口(吸気口や排気口)の掃除でも、パソコンの消費電力を抑えることが可能です。通気口にほこりがたまると、パソコンの熱が上がって冷却ファンが回り続け、電力を消費して電気代がかさんでしまいます。

通気口は放っておくとほこりが溜まりやすいので、掃除機やハケなどを使ってほこりを落としましょう。通気口付近が汚れているときは、乾いた布で汚れを拭き取ってください。掃除をするときは必ずパソコンをシャットダウンして、電源ケーブルを抜くことが大切です。

通気口にほこりが溜まると、パソコンに熱がこもりやすくなり、出火やショートなどの原因になることもあります。安全にパソコンを使うためにも、通気口はこまめに掃除してきれいにしておいてください。

パソコンを買い換える

古いパソコンを使っている場合は、最新のパソコンに買い換えることで消費電力を抑えられる可能性があります。

パソコンに限らず、電化製品の多くは最新モデルの省エネ機能が向上しています。そのため、同じように使っても、最新モデルのほうが消費電力は少なくなりやすいのです。

最新モデルのほうが機能も高く使いやすいので、今よりも快適に使えるでしょう。

パソコンの消費電力は家庭の消費電力の数%

パソコンの消費電力から電気代がわかり、節約のためにできることをしようと考えている方もいるでしょう。節電につながる対策を取るのは大切なことですが、パソコンの消費電力は家庭の消費電力の4%ほどしかありません。

パソコンの消費電力を抑えて節電するのもいいですが、そもそも電力会社を見直したり、契約プランを変更したりしたほうが、高い節電効果が期待できるでしょう。

パソコンの消費電力を知り、節電方法を考えよう

パソコンの消費電力を知り、節電方法を考えよう

パソコンの消費電力は、種類や使用時間によって異なります。電気代も消費電力に応じて変わりますが、大体1カ月で数百円から2,000円程度です。使い方によってパソコンの消費電力を抑えて節電につなげられるので、パソコンの設定を変えたり周辺環境を整えたりする対策を試してみてください。

ただし、家庭の消費電力の中でもパソコンが占める割合は4%と少ないため、電気代の節約を目的とした節電効果をねらうなら電力会社やプランの見直しを検討するのがおすすめです。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。