電気のアンペア数とは

電気のアンペア(A)とは、電流の流れる大きさを表す単位です。

電気を表す単位には、ワット(W)、ボルト(V)もあります。

電気を表す単位 概要
アンペア(A) 電流の流れる大きさを表す単位
ワット(W) 消費される電気エネルギー(消費電力)
ボルト(V) 電気を押し出す力(電圧)のことで、一般的な家庭の電圧は100V

アンペア(A)、ワット(W)、ボルト(V)の関係性は、以下のとおりです。

  • ワット(W)=アンペア(A)×ボルト(V)
  • アンペア(A)=ワット(W)÷ボルト(V)

たとえば、消費電力が1,000Wの電子レンジを使用する場合のアンペアは、1,000W÷100V=10Aと計算できます。

なお、電力会社と契約する際に設定する「契約アンペア数」とは、同時に使用できる電気の量のことです。一般的な家庭向けのプランでは、電気の使用量に応じて10~60Aの範囲から契約アンペア数を選択します。

現在の契約アンペア数を確認する方法

電力会社との契約アンペア数は、検針票やウェブの会員ページなどで確認できます。

  • 電気ご使用量のお知らせ(検針票)
  • ウェブ会員ページ
  • 電力会社から届く「電気の契約内容のお知らせ」
  • 分電盤(ブレーカー)

確認方法が分からない場合は、契約中の電力会社に問い合わせて確認しましょう。

アンペア数の見直しで電気料金は節約できる?

契約アンペア数を見直せば、電気料金を節約できる可能性があります。

月々の電気料金は、「基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金(※1)」で計算されます。このうち、基本料金(電力会社が契約プランごとに定めた固定料金)は、契約アンペア数に応じて決まるのが一般的です。

そのため、ご家庭の使用量にあった契約アンペア数に見直すと、基本料金が下がる可能性があります。

ただし、「電力量料金」は実際の使用電力量に応じて決まるため、契約アンペア数を下げたからといって毎月の電気料金が安くなるとは限りません。また、契約アンペア数を下げた場合、使用する電力量にあっていないと頻繁にブレーカーが落ちてしまう原因となります。

反対に、契約アンペア数を上げれば一度に使用できる電気の量が増えますが、基本料金が高くなるため注意が必要です。契約アンペア数に余裕がありすぎると、電気の使いすぎにつながり、電力量料金も高くなる可能性があります。

なお、電力会社によっては、「アンペア制」ではなく「最低料金制」を採用しているところもあるため、料金体系をしっかり確認しましょう。最低料金制では、契約アンペア数にかかわらず、1契約あたりの最低料金が一律で決められています。

(※1)再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、電力会社が再生可能エネルギーで発電された電気を買い取るのに要した費用を、利用者が電気の使用量に応じて負担する仕組みです。

適正な契約アンペア数の選び方・目安

適正な契約アンペア数の選び方・目安

一般的に、契約アンペア数の目安は30~40A程度です。しかし、実際の適正な契約アンペア数はご家庭によって異なります。

世帯人数やライフスタイルに応じて適正な契約アンペア数を選ぶことが、快適な生活、かつ電気料金の節約につながります。

具体的には、「一度にどれだけの電化製品を使用するか」が契約アンペア数を決めるときのポイントです。

たとえば、家族が帰宅する夕方以降の時間帯に炊飯器や電子レンジ、エアコン、ドライヤーを一度に使用するご家庭もあるでしょう。また、夏場や冬場は、エアコンとホットカーペットを併用するなど、一般的に冷暖房器具の使用が増えます。

一度に多くの家電製品を使用して契約アンペア数を超えてしまうと、ブレーカーが落ちる原因となるため、契約アンペア数を決める際は最も多く使用する時間帯や季節を想定してシミュレーションしましょう。

世帯人数や使用する電化製品から契約アンペア数を決める方法について、以下で詳しく解説します。

世帯人数から決める方法

一般的に、世帯人数が多いほど電気使用量が増えるため、適した契約アンペア数は大きくなります。世帯人数ごとの一般的な目安は、以下のとおりです。

世帯人数 契約アンペア数の目安
1人 20~30A
2~3人 40A
4人 50A
5人 60A

ただし、同じ世帯人数でも、「リモートワークで家にいる時間が長い」「共働きで日中は誰も家にいない」など、ライフスタイルによって実際の電気使用量は変わります。そのため、あくまでも目安程度に捉えましょう。

使用する電化製品から決める方法

ご自身の家庭にとって適正な契約アンペア数を知るには、年間で同時に使用する電化製品が最も多くなるタイミングを想定し、各電化製品のアンペアを合計して求めるのが効果的です。

  1. 同時に使用する電化製品を確認する
  2. 電化製品ごとのアンペアを求める
  3. 各家電製品のアンペアを合計する

同時に使用する電化製品を洗い出したら、電化製品ごとのアンペアを求めます。アンペア数は以下の式で算出しましょう。

アンペア(A)=ワット(W)÷ボルト(V)

ワット数(消費電力)は、電化製品本体の商品ラベルや取扱説明書で確認できます。たとえば、冷蔵庫(450L)の消費電力が250Wの場合、アンペアは以下のとおりです。

250W÷100V=2.5A

最後に、電化製品ごとのアンペアを合計して必要な契約アンペア数を算出します。冬の夕食時に以下の電化製品を一度に使用すると想定し、契約アンペア数を求めてみましょう。

電化製品 アンペア(※2)
冷蔵庫(450L) 2.5A
エアコン(10畳用) 6.6A
電気カーペット(3畳用) 8A
炊飯器(5.5合) 13A
テレビ(42型) 2.1A
照明(3つ) 4A
合計 36.2A

上記の場合、電化製品ごとのアンペアを合計すると36.2Aであるため、40Aが契約アンペア数の目安となります。

なお、各電力会社のホームページでは、契約アンペア数のシミュレーションツールが公開されています。同時に使用する電化製品の容量や台数を入力すると、契約アンペア数の目安を簡単に把握できるため、ご自身にあった契約アンペア数が分からない方は活用しましょう。

(※2)アンペア数はあくまでも目安です。

契約アンペア数の変更方法

契約アンペア数の変更方法

契約アンペア数の変更は、一般的にウェブまたは電話で手続きできます。

スマートメーターが設置されている場合は、遠隔で契約アンペア数の変更が行えるため、一般的に立ち会いの必要はありません。なお、スマートメーターとは、電気使用量を30分ごとに計測でき、かつ通信機能を備えた新しいメーターです。

ブレーカーの取り替えや取り外しが必要となる場合は、立ち会う必要があるため、立ち会いが可能な希望日で申し込みましょう。

工事は30分~1時間程度で終了しますが、一時的に停電する場合もあります。一般的に、工事費用はかかりません。

ただし、契約内容や電気設備の状況によっては、電気設備工事が必要となる場合があります。この場合は、ご自身の負担で電気工事店を手配しなければなりません。

契約アンペア数を変更する際の注意点

契約アンペア数の見直しによって、電気料金を抑えられる可能性があります。ただし、契約アンペア数を変更できない場合もあるため注意が必要です。

見直しを検討している方は、以下の2点を確認しましょう。

  • 契約アンペア数は年に1回しか変更できない
  • 集合住宅では契約アンペア数を自由に変更できない場合がある

契約アンペア数は年に1回しか変更できない

一般的に、契約アンペア数を変更できるのは年に1回のみです。

夏や冬は電気の使用量が多くなりやすいため、春や秋の契約アンペア数を下げて年間の電気料金を抑えたいと考える方もいるでしょう。

しかし、電気の契約は基本的に年間契約であり、使用量の少ない季節だけ契約アンペア数を下げることはできません。そのため、年間を通じて最も使用量が多くなるシーンにあわせて契約アンペア数を決める必要があります。

集合住宅では契約アンペア数を自由に変更できない場合がある

中古マンションなどの物件では、建物全体の電気供給量が多くないなどの理由から、個別に契約アンペア数を上げられない場合があります。

マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの方は、事前に大家さんや管理会社に連絡し、契約アンペア数を変更しても良いかどうかを確認しましょう。

また、賃貸物件の借主には、借りた部屋を借りたときの状態に戻して返還する「原状回復義務」があります。そのため、賃貸物件で契約アンペア数を変更した場合、退去の際に電力会社に連絡して変更前の契約アンペア数に戻さなければならない場合があります。

まとめ

アンペアは、電流の流れる大きさを表す単位です。一般的に、月々の電気料金は、電力会社との契約アンペア数(同時に使用できる電気の量)に応じて決まります。

契約アンペア数を下げれば基本料金は安くなりますが、電気の使用量にあっていなければ何度もブレーカーが落ち、生活が不便になる場合があります。

反対に、契約アンペア数を上げると、一度に使用できる電気の量が増えるため安心ですが、その分基本料金が高くなります。

契約アンペア数は1年に1度しか変更できないため、ご自身の家庭に最適な契約アンペア数を決めるのが難しいと感じる方もいるでしょう。

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(※3)「動力プラン」の場合、基本料金は0円ではありません。
(※4)楽天ガスは都市ガス(東京ガス、東邦ガス、関電ガス)が提供対象エリアです。詳しくはガス対象エリアページをご確認ください。
(※5)楽天ポイント進呈の基準となる金額は、電気料金とガス料金の税抜価格です。
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。