エアコンの自動運転とは?電気代を節約するための効果的な使い方を紹介
暑い季節になるとエアコンの使用頻度が増え、電気代が気になる方も多いでしょう。
エアコンは風量、風向き、設定温度などに気をつければ、節電の効果が期待できます。節電のための手段のひとつに、エアコンの「自動運転」機能があります。
本記事では、エアコンの自動運転の仕組みや、節電に効果的な温度設定の方法などを説明します。自動運転について知りたい方や夏場の節電方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
エアコンの自動運転とは
自動運転の代表的な機能は、季節や屋内・屋外の気温によって、暖房・冷房・除湿といった運転モードや温度設定を自動で切り替えることです。
近年は、基本の自動運転機能に加えて、以下のような機能を備えたエアコンもあります。
- 部屋の人数や状況を判断して快適な気流を作る
- エコ機能によって省エネ運転に切り替える
- エアコンの風が体に直接当たらないように調整する
内部にAIが搭載されたカメラが組み込まれているエアコンは、部屋の人数や人の体温を検知できます。さらに、カメラで検知した様々な情報から、体感温度の変化の予測が可能です。
また、使用頻度の多い運転モードを記憶し、エアコンを使う方の好みにあわせた自動運転を行うエアコンもあります。
エアコンの自動運転を使うメリット
エアコンの自動運転には、どのようなメリットがあるのでしょうか。主な2つのメリットを紹介します。
1 リモコン操作の手間が少ない
自動運転を使えば、エアコンが自動的に適切な運転モードを選んでくれるため、リモコンで操作する手間が少なくなります。
さらに、AI機能やエコ機能を搭載しているエアコンであれば、部屋の人数や状況を検知して快適な室温・湿度を目指すので、さらに便利です。
AI搭載のエアコンには、「人」を検知して空調をコントロールする機能と「間取り」を検知して快適な室温に調整する機能の両方をもつタイプがあります。家のエアコンの性能を把握し、自動運転の機能を上手に使いこなしましょう。
2 電気代の節約につながる
暑い季節に低すぎる温度、寒い季節に高すぎる温度を設定していると、エアコンは設定された温度を目指して電力を使うため、電気代が高くなります。
自動運転の場合、快適な温度になるまで自動的に調整し、無駄なエネルギーを使いません。余計な電力消費を抑えてくれるため、結果的に電気代節約の効果を期待できます。
エアコンの自動運転を使う際の注意点
自動運転を使う際に、気をつけておきたい2つのポイントを説明します。
1 暑く・寒く感じる場合がある
エコ機能を備えた自動運転を使う際、エアコンの性能によっては快適な温度を保てない場合があります。
エコ機能は、消費電力を抑えながら作動します。そのため、通常の運転モードと比べると、涼しさや暖かさを感じにくいでしょう。
エアコンをつけているのに「暑い」または「寒い」と感じたときは、一時的にエコ機能をオフにしてみてください。
2 温度設定ができない場合がある
メーカーによっては、自動運転にすると温度設定ができないエアコンがあります。
また、リモコンの画面が「28℃」や「20℃」ではなく、「+1.0℃」「−1.0℃」と表示されるエアコンがあるため、温度表示に比べると分かりにくいと感じる方もいるでしょう。
温度設定ができないエアコンの場合、まず標準温度を確認しましょう。標準温度の微調整は可能ですが、通常の冷房運転や暖房運転よりは調整できる温度の範囲は狭いのが一般的です。
エアコンを自動運転モードにすると節約につながる理由
環境省によると、夏の冷房設定温度を1℃上げると約13%、冬の暖房設定温度を1℃下げると約10%の節電につながるとされています。
政府が推奨するエアコンの設定温度は、夏は「28℃」、冬は「20℃」です。
エアコンの自動運転は目標の温度に到達すると、緩やかな運転に切り替わるので電力の無駄がありません。また、室内の人の存在を検知するAIが搭載されたエアコンであれば、長時間不在にする際、自動的にエコモードになります。
自動運転の機能は、電力を効率的に使って作動するため、結果的に電気代の節約につながります。
エアコンの自動運転をより効果的に使う方法
エアコンの自動運転を活用し、より電気代を抑えるための7つのポイントを紹介します。さらに電気代を抑えたい方は、ぜひ実践してみてください。
1 フィルター掃除をこまめにする
エアコンのフィルターは、2週間に1回を目安に掃除しましょう。フィルターにほこりやゴミが溜まると、エアコンの冷暖房の効果が下がります。
掃除機能が搭載されたエアコンならば、冷暖房を24時間つけっぱなしにせず、掃除機能が作動するように1日数時間はエアコンを休ませてください。
なお、自動の掃除機能がついていても、油汚れや長期使用による臭いなどは取れないため、フィルターの水洗いは必要です。
2 サーキュレーターと一緒に使う
空気には、温度が高いと上昇し、温度が低いと下降する性質があります。そのため、エアコンを作動させていても、室内には温度のむらが生じます。
冷暖房を効率的に使うには、サーキュレーターや扇風機を活用するのがおすすめです。風の流れを作ることで、空気を循環させることができます。
3 短時間の不在はつけっぱなしにする
「近所に買い物に行くため少し外出する」など、短時間で部屋に戻ってくるとき、エアコンを切るかどうか悩む方は多いでしょう。
エアコンは、屋外の気温と設定温度の差が大きければ大きいほど、より多くの電力を消費します。
例えば、屋外が35℃の暑い季節に、室内は設定温度の28℃を保っているとします。外出するときにエアコンを切ると、室内の温度はあっという間に上昇します。帰宅後にエアコンをつけると、再び設定温度を目指してエアコンの消費電力が大きくなってしまいます。
そのため、30分程度の短い時間だけ不在にする場合は、こまめに電源を入り切りするよりも、つけっぱなしの方が消費電力を抑えられます。
4 断熱効果のあるカーテンを使う
暑い季節は、日差しをカットするカーテンやすだれを活用しましょう。
冷房の使用中は外からの熱気を防ぎ、冷気が逃げるのを防ぎます。また、外出時もカーテンを閉めておけば、室内の温度上昇を緩やかにできます。
寒い季節も同様で、暖房で暖めた空気を逃さないように、厚手で長さのあるカーテンを使用するのがおすすめです。
5 室外機周りの環境を見直す
室外機の周囲に物を置くと、冷暖房の効果が低下するためご注意ください。
ただし、直射日光が室外機に当たる場合も、冷暖房の効果を妨げる原因となります。すだれなどで日陰を作ると効果的です。
6 古いエアコンであれば買い替える
最新のエアコンは、省エネ機能が充実しています。最近では、自動運転にAIやエコ機能が搭載されたものも増えています。
そして、エアコンを設置する部屋の広さや建物の構造、部屋周辺の環境などに応じて、適した機種を選ぶことが大切です。
メーカーのウェブサイトやカタログなどを見れば、エアコンの適用畳数が分かります。エアコンを購入する際は、参考にしましょう。
7 電力会社・契約プランの見直しをする
2016年から電力の自由化がスタートし、電力会社や契約プランを自由に選択できるようになりました。ポイント還元やガス料金とのセット割引など、様々なプランがあります。
自分のライフスタイルに適した電力会社や契約プランに乗り換えると、さらに電気代を抑えられる可能性があります。電気代の節約を考えるなら、電力会社の比較や契約プランを見直してみましょう。
エアコンの電気代の節約は、以下の記事でも詳しく解説しています。