家庭用冷凍庫の電気代は?選ぶときのポイントや電気代の節約法も紹介
家庭用冷凍庫とは、マイナス18℃の冷凍性能があり、業務用よりコンパクトなサイズのフリーザーのことです。
コロナ禍のリモートワークや巣ごもり需要を経て、冷凍食品や食材のまとめ買いを利用する家庭が増えています。それに伴い、通常の冷蔵庫とは別に家庭用冷凍庫を購入する家庭も増加傾向にあります。
しかし、冷凍庫を使うとなると、電気代がどれくらいかかるのか気になる方もいるでしょう。
本記事では、家庭用冷凍庫の電気代、セカンドフリーザーの必要性や電気代を節約するアイデアを紹介します。
家庭用冷凍庫の電気代は1カ月どれくらい?
セカンドフリーザーとして家庭用冷凍庫の購入を考える方が増えているため、独立した冷凍庫を使うとどれくらい電気代がかかるのか、気になる方も多いでしょう。
そこで、家庭用冷凍庫の電気代が1カ月あたりどれくらいか、具体的な計算方法をもとに解説します。さらに、容量や冷却方法など、電気代に影響する製品ごとの違いを紹介します。
すでにお持ちの冷蔵庫にかかる電気代、節電につながるアイデアは、以下の記事で詳しく解説しています。
家庭用冷凍庫の電気代を計算する方法
家庭用冷凍庫の電気代は、製品の消費電力がわかれば、ご自身でも簡単に計算できます。
- 1カ月あたりの電気代(円)=年間消費電力(kWh)×電気代単価(31円/kWh)÷12(カ月)
電気代単価は契約する電力会社やプランによって異なりますが、ここでは公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表した電気代の目安単価で、主要電力会社10社の平均単価である31円/kWh(税込)を使用します。
製品ごとの消費電力は、メーカーの公式サイトや製品カタログなどで確認できます。また、消費電力が「W(ワット)」で記載されているときはその数値を「1,000」で割り、「kW(キロワット)」へ単位を換算しておきます。
たとえば、1年間の消費電力が350kWhの家庭用冷凍庫の場合、1カ月あたりの電気代は次のように計算します。
- 350(kWh)×31(円/kWh)÷12(カ月)=約904円
家庭用冷凍庫の容量ごとの電気代の違い
家庭用冷凍庫の電気代は製品ごとに異なりますが、どれだけモノが入るかを示す「容量」の違いから、一定の傾向を知ることも可能です。
経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2023年版」によると、家庭用冷凍庫の容量ごとの年間消費電力量の平均は次のとおりです。
家庭用冷凍庫の容量 | 年間の消費電力量 | 1カ月の電気代 |
---|---|---|
100L以下 | 183kWh/年 | 約473円 |
101~150L | 328kWh/年 | 約847円 |
151~200L | 308kWh/年 | 約796円 |
201~250L | 301kWh/年 | 約778円 |
301L以上 | 506kWh/年 | 約1,307円 |
上表から、家庭用冷凍庫の電気代は、必ずしも容量に比例して増えるわけではないとわかります。電気代だけではなく、セカンドフリーザーとして置き場所や用途に見合うサイズを選ぶことが大切です。
家庭用冷凍庫の冷却方式による電気代の違い
家庭用冷凍庫は、冷却方式で2つのタイプに分かれます。メンテナンスが便利なファン式(間冷式)と、冷却能力の高い直冷式です。
-
ファン式(間冷式)
本体の背面などにある冷却器で冷やされた冷気を、ファンで循環させて冷凍庫内を冷却するタイプ。ファンの運転音はありますが、霜がつきにくいメリットがあります。 -
直冷式
庫内にある冷却器で冷やされた冷気の自然対流によって、冷凍庫内を冷やすタイプ。消費電力が低く、電気代の節約に向きます。
メーカーと容量(114L)が同一の家庭用冷凍庫の電気代を、それぞれのタイプで比較してみましょう。
家庭用冷凍庫のタイプ | 年間の消費電力量 | 1カ月の電気代 |
---|---|---|
ファン式(間冷式) | 325kWh/円 | 約840円 |
直冷式 | 190kWh/円 | 約491円 |
このように、ファン式(間冷式)と直冷式では、電気代に大きな差があります。しかし、霜取りが不要なファン式(間冷式)はお手入れがしやすい、直冷式はファンの冷気を浴びないため、食材の鮮度を保ちやすいというメリットがあります。
それぞれの特徴を把握して、好みに応じて冷却方式を選ぶと良いでしょう。
家庭用冷凍庫が必要なケース
通常の冷蔵庫にも冷凍室は備わっていますが、セカンドフリーザーとして家庭用冷凍庫が必要とされるのはなぜでしょうか。
家庭用冷凍庫を必要と感じる具体的なケースを紹介します。
冷凍食品のストックが多い
コロナ禍を経たリモートワークや巣ごもり需要の増加から、家庭で食べる機会が増え、冷凍食品の人気が高まっています。
おいしさに気づいたリピーターの存在、専門店やスーパー、コンビニなど取扱い先の広がりから、今後も冷凍食品の需要は増加するものと予想されています。
個々のライフスタイルにもよりますが、もし冷凍食品のストックが多いなら、冷蔵庫の冷凍室だけでは収まりきらず困ることもあるでしょう。冷凍スペースが足りないと思ったら、セカンドフリーザーを検討しましょう。
食材をまとめ買いしている
最近は、あらゆる食品の物価高騰が続いています。そのあおりを受けて、安いときに食品をまとめて購入して、作り置きや冷凍保存をする方が増えているようです。
家族の人数が多い、買いすぎた野菜を冷凍して新鮮に保ちたい、お弁当用のおかずをストックしたいなど、冷凍しておきたい食品がたくさんあるなら、セカンドフリーザーとして家庭用冷凍庫を備えておくと便利です。
災害時に備えたい
台風や地震などの災害でライフラインが絶たれたとき、食品の買い出しが困難なときなどに備えて、冷凍保存で当面の食料を備蓄する考え方があります。家庭用冷凍庫があれば、家族が数日困らない食料を確保できるでしょう。
停電は5時間以内に復旧するケースがほとんどで、災害で停電してフリーザーが機能しなくても、冷凍食品は1日程度おいしさを維持できるとされています。
さらに、食品以外に保冷剤や氷を余分にストックしておけば、電気が復旧するまでの間、冷凍庫内の温度を保つのに役立ちます。
家庭用冷凍庫を選ぶポイント
かつては大人数向けの横置きのチェストタイプが主流だった家庭用冷凍庫ですが、現在は一般家庭でも使いやすいサイズやデザインのものが多数そろっています。
それでは、家庭用冷凍庫を選ぶときにチェックすべきポイントを詳しく確認します。
1 本体サイズ
通常の冷蔵庫に加え、セカンドフリーザーとして冷凍庫を購入するなら、何より重要となるのが設置できるサイズかどうかです。
冷凍庫には、冷蔵庫と同じく、背面と上面に10cm、側面に2cmほどの放熱スペースを確保しなければなりません。本体サイズを確認して、ご自宅に設置可能なものを選びます。
耐熱表示のあるトップテーブルであれば、電子レンジなどの家電を置くことも可能です。その際は、耐荷重や上面のスペースも考慮しましょう。
2 容量
容量は大きければ大きいほど役立つように感じられますが、大容量になるほど本体サイズも大きくなります。そこで、ご自宅に設置できる本体サイズの製品から、適した容量を検討するようにしましょう。
家庭用冷凍庫の容量は製品パンフレットなどの「定格内容積」で知ることができます。「定格内容積」は、トレイなどの付属品を取り除いてすきまなくモノを詰め込んだときの容量を示すため、あくまで目安と考えます。
どれくらいの容量が良いか判断がむずかしいなら、一般的な冷蔵庫の冷凍室でイメージするのもおすすめです。
- 一人暮らし向けの小型冷蔵庫の冷凍室:30~40L
- 夫婦向けの中型冷蔵庫の冷凍室:60~80L
- 家族向けの大型冷蔵庫の冷凍室:100~130L
3 ドアの開閉方向
家庭用冷凍庫には、従来の上開きタイプ(チェスト型)と一般的な冷蔵庫と同じ前開きタイプ(縦型)があります。
-
上開きタイプ(チェスト型)
横置きのチェスト型は上方にドアを開くため、設置場所を検討するときドアの開閉スペースの考慮が不要です。庫内をひと目で見渡せる、冷気が逃げにくいなどの特徴があります。 -
前開きタイプ(縦型)
縦型の冷凍庫は、一般的な冷蔵庫と同じ感覚で使えます。ただし、設置場所に応じて、右開きと左開きのどちらかを選ぶ必要があります。
ほかにも、数は少ないですが、引き出しタイプの家庭用冷凍庫が登場しています。
最近の家庭用冷凍庫は前開きタイプ(縦型)が主流です。使い勝手の良いデザインですが、ドアを開けにくい、モノを取り出しづらいなどのデメリットを生じる可能性もあるため、ドアを開く向きには十分に注意しましょう。
4 霜取り機能
冷凍庫の庫内は霜がつきやすく、通常、定期的な霜取りが必要です。しかし、冷却方式のファン式(間冷式)には霜取り機能があるため、庫内に霜がつきにくく、お手入れの手間を減らせます。
一度購入すれば長く使うことになる家庭用冷凍庫で、日々の霜取りが負担になりそうなら、ファン式がおすすめです。
ファン式(間冷式)よりも庫内に霜がつきやすい直冷式には、冷却効率が良くて食品の鮮度を保ちやすい、消費電力が低いため電気代を抑えられるなどのメリットがあります。
5 急速冷凍機能
最近の家庭用冷凍庫で増えているのが急速冷凍機能で、その名のとおり、庫内に入れた食品をすばやく冷凍できます。
マイナス20℃以下を基準とする業務用冷凍庫に比べると、マイナス18℃以下と定められる家庭用冷凍庫は、冷凍温度としてはやや高めです。冷凍に時間がかかると食品の組織が壊れて、味や食感が変わってしまうおそれがあります。
急速冷凍機能があれば肉や野菜が持つ本来の風味を損ないにくく、おいしさや鮮度を保ちやすいでしょう。
6 消費電力
家庭用冷凍庫の電気代が気になる方にとって、製品の消費電力は大きな判断ポイントになります。
先述のとおり、家庭用冷凍庫の消費電力はサイズとは必ずしも比例しておらず、100~300Lの製品では年平均300kWh前後でほぼ横並びです。つまり、小型・中型・大型などのサイズの違いにかかわらず、電気代にそれほど差が出ないとも言えます。
一方で、中型から大型の冷蔵庫(300~600L)の消費電力も年平均300kWh前後であることから、家庭用冷凍庫を増やすと冷蔵庫2台分の電気代がかかると考えられます。
省エネ性能の高い製品を選んで電気代を抑えるとともに、消費電力を電子レンジなどと併用するとブレーカーが落ちるおそれもあるため、家庭用冷凍庫を使っても問題のない電気プラン(アンペア数)かどうか確認しておきましょう。
家庭用冷凍庫の電気代を節約するアイデア5選
家庭用冷凍庫の電気代は製品ごとの消費電力によって変わりますが、使い方によって節約できる可能性があります。そこで、冷凍庫の節約アイデアを5つにしぼって紹介します。
毎日の生活で電気代を節約するアイデアは、以下の記事でも詳しく解説しています。
電気代を節約するには?すぐできる節約術7選や効果的な方法をわかりやすく解説
1 温かい食材は冷ましてから入れる
冷凍庫に温かい食品を入れるときは、できるだけ冷ましてから入れましょう。
熱いままで冷凍庫に入れると、庫内の温度が上昇します。庫内の温度を下げるために消費電力を過剰に使うことになり、電気代が上がる原因になる場合があります。
2 冷凍庫内はできるだけモノを詰め込む
冷蔵庫の場合、庫内に冷気を行き渡らせるために、モノは詰め込みすぎない方が良いとされています。しかし、冷凍庫はできるだけぎっしりとモノを詰め込むのがおすすめです。
冷凍庫に入れたモノは冷凍されるため、凍った食材や食品がそのまま保冷剤の役割を果たすためです。しっかり詰め込まれているほど凍ったモノがお互いを冷やしあって冷気を逃しにくく、電気代の節約につながります。
3 ドアの開閉は少なめにする
ドアを開閉するたびに、冷凍庫の庫内に暖かい外気が流れ込みます。外気によって庫内の温度が上昇すると、元の温度に戻すための電力が消費されます。消費電力のムダを省きたいなら、ドアの開閉を減らすように意識することが大切です。
ドアを開く時間を短くする工夫も大切です。チャック付のフリーザーパックや密閉容器、食品保存容器にラベリングするなど、何がどこにあるのかひと目でわかるように、日ごろから庫内を整理整頓しておきましょう。
4 高い省エネ性能を備えた冷凍庫を選ぶ
家庭用冷凍庫を手に入れるなら、電気代を節約するためにも、できるだけ省エネ性能の高い最新の製品を選びましょう。
経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2023年版」によると、家庭用冷凍庫の消費電力は小さくなってきており、省エネ性能は年々上昇しています。
たとえば、容量151~200Lの製品の年間消費電力量を比べると、2016年は423kWhなのに対し、2022年は308kWhと大幅に削減されています(※1)。
電気代に換算すると年間約3,565円もの違いになり、最新の製品を選ぶだけで節約につながるとわかるでしょう。
(※1)出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2023年版」
5 電力会社やプランを見直す
家庭用冷凍庫の電気代を抑えたいなら、電力会社やプランの見直しも有効です。
2016年に電力自由化がスタートして以来、特色あるプランやこれまでになかったサービスを提供する新電力が増え、電力会社やプランを個人が自由に選べるようになりました。
ご自身のライフスタイルや希望にあった電力会社やプランにすれば、自ずと節電につながると期待されます。
電力自由化の概要や電力会社やプランの選び方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
家庭用冷凍庫の電気代は、1カ月あたりおおむね1,000円前後で、一般的な冷蔵庫とほとんど変わりません。ただし、実際にかかる電気代は、製品ごとの違い、契約する電力会社やプラン、使い方などにより異なります。
電気代の負担は増しますが、冷凍食品や作り置きが多い方や災害へ備えたい方は、セカンドフリーザーとして導入すると便利です。
人気が高まるにつれ、家庭用冷凍庫のデザインや性能は年々進化しています。特に消費電力は以前より大きく下がっているため、省エネ性能の高い最新製品を選ぶのがおすすめです。
使い方を工夫するだけでも節約につながりますが、電力会社や電気プランの見直しも有効な方法の一つです。おトクなサービスのある電力会社、ライフスタイルにあったプランを選ぶだけで電気代を削減できる可能性があります。
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