スマホの寿命は何年くらい?

スマホの寿命は、端末本体とバッテリーで異なります。バッテリーは、スマホの端末本体よりも早く寿命を迎えるのが一般的です。

まず、スマホ本体とバッテリーの寿命の目安をそれぞれ解説します。

スマホ本体の寿命

一般的に、スマホ本体の寿命は3~4年程度です。

Apple社は、iPhoneの寿命を3年と公表しています。また、内閣府が実施した調査によると、スマホ(携帯電話)の平均使用年数は4.5年です(※1)。買い替えの理由として最も多かったのは「故障」(38.0%)で、次に「上位品目への移行」(27.8%)が続いています。

上位品目へ移行する理由が必ずしも「スマホの寿命」とは限りませんが、「故障」と「上位品目への移行」を合わせると60%を超えていることから、4~5年程度経つと経年劣化によって使いにくくなってくることがうかがえます。

(※1)出典:内閣府「消費動向調査」(令和6年3月実施調査結果)

バッテリーの寿命

スマホの使い方によっても異なりますが、バッテリーの一般的な寿命は2年前後とされています。

スマホのバッテリーはあくまでも消耗品です。充電を繰り返すたびに充電の最大容量が減り、500回ほど充電すると劣化すると言われています。

劣化した状態のバッテリーを使い続けると、頻繁に充電しなければ使えなくなるだけでなく、バッテリーが膨張したりスマホの液晶に支障が出たりする可能性があるため、早めの交換が必要です。

一般的に、バッテリーの最大容量が80%を下回ったときが交換時期の目安とされています。費用はかかりますが、キャリアの店舗やメーカー、修理業者に依頼すれば交換が可能です。

ご自身のスマホのバッテリーがどの程度劣化しているか知りたい方に向けて、バッテリーの状態を確認する方法をAndroidとiPhoneに分けてそれぞれ解説します。

【Android】バッテリーの状態を確認する方法

Androidのバッテリーの状態を確認する一般的な手順は、以下のとおりです。

  1. 設定アプリを起動する
  2. 「デバイス情報」をタップする
  3. 「バッテリー」をタップする
  4. 「バッテリー使用量」をタップする

なお、Androidの実際の手順は機種によって異なるため、分からない方は取扱説明書などで確認しましょう。

【iPhone】バッテリーの状態を確認する方法

iPhone(iOS11.3以降)は、以下の手順でバッテリーの状態を確認できます。

  1. 設定アプリを起動する
  2. 「バッテリー」をタップする
  3. 「バッテリーの状態」をタップする(※2)
  4. 「最大容量」や「ピークパフォーマンス性能」の項目を確認する

バッテリーが劣化している場合は、以下のようなメッセージが表示されます。

お使いのバッテリーは著しく劣化しています。Apple 正規サービスプロバイダでバッテリーを交換すると、最大限のパフォーマンスや容量を取り戻すことができます。サービスオプションについての詳しい情報…

上記のメッセージが表示されてもすぐにバッテリーが使えなくなるわけではありませんが、早めに交換しましょう。

(※2)iOS16.1以降の場合は、「バッテリーの状態と充電」をタップします。

スマホの寿命が近づいてきたときの症状

スマホ本体の寿命は3~4年程度、バッテリーの寿命は2年前後ですが、実際にスマホを使える年数は使い方や環境などによって異なります。

快適に使えなくなったり、トラブルが生じたりするのを防ぐためにも、以下のような症状が見られたらバッテリーを交換するなどの対処をしましょう。

  1. 充電したバッテリーの減りが早い
  2. バッテリーが熱い
  3. 勝手に電源が落ちる
  4. スマホの動作が遅い

1 充電したバッテリーの減りが早い

頻繁に充電が必要になってきたら、バッテリーの交換時期が近づいているサインです。

スマホに使われているリチウムイオンバッテリーは、500回ほど充電すると劣化すると言われています。

スマホ本体に問題がない場合は、バッテリーを交換すれば快適に使えるようになるでしょう。

2 バッテリーが熱い

スマホのバッテリーが劣化すると、膨張または発熱することがあります。

直射日光が当たる場所やストーブなどの近くに置く、または動画撮影・動画視聴・ゲームなどを長時間使用するなど、スマホが発熱する原因はバッテリーの劣化だけではありません。

しかし、このような状況に当てはまらないときにも熱くなるようであれば、バッテリーが劣化している可能性があります。

そのまま使い続けると、発火などの事故につながるおそれもあるため、早急にバッテリーを交換しましょう。

3 勝手に電源が落ちる

バッテリーの劣化が進むと、電池残量があるのに突然電源が落ちる、もしくは再起動することがあります。

こうした状況で使い続けていると、バッテリーが完全に故障し、電源が入らなくなる可能性もあるため、すぐにバッテリーを交換しましょう。電源が入らなくなると、バッテリーを交換しても対応できない場合があります。

4 スマホの動作が遅い

スマホ本体の劣化が進むと、アプリのダウンロードや起動に時間がかかることがあります。

スマホの動作が遅くなる原因は様々です。

  • 空き容量が少ない
  • アプリを複数起動していることで負荷がかかっている
  • スマホのOSやアプリのアップデートをしていない
  • データ通信量が上限を超過して速度制限がかかっている

以下のような対策を行っても改善されない場合は、スマホ本体の劣化によって重くなっている可能性が高いでしょう。

  • 空き容量を増やす
  • 使っていないアプリを閉じる
  • OSやアプリを最新版にアップデートする
  • 不要なデータを削除する

スマホの寿命を縮める原因と対処法

スマホの寿命を縮める原因と対処法

スマホの買い替えにはまとまった費用がかかります。機種によっては10万円以上かかる場合もあるため、なるべく長持ちさせたいところです。

スマホの寿命を縮める原因を知り、長持ちさせるための対策を行いましょう。

寿命を縮める原因 対処法
衝撃
  • フィルムやケースを付ける
  • スマホリングやストラップを使用する
水漏れ
  • お風呂やトイレでの使用を避ける
  • 汗や水滴が付いてしまったときはすぐにふき取る
  • 湿度の高いところではなるべく使用しない
  • 雨のときは濡れにくいところに保管する
高温、低温の環境下
  • 外出の際はカバンの中などに入れる
  • スマホが発熱したときは使用を控える
  • 発熱したときに保冷剤などの冷たいもので急に冷やさない
  • スマホが冷えたときに暖房器具の近くで温めない
充電しながらの使用
  • 充電しながらスマホを操作しない
  • 純正の充電器を使用する
  • 80%程度で充電を終了する
不要なアプリによるバッテリーの消費
  • アプリの位置情報機能をオフにする
  • 自動アップデートやプッシュ通知をオフにする
  • 不要なアプリをアンインストールする

1 衝撃

落下などでスマホに衝撃が加わると、画面や背面が破損するだけでなく、カメラやバッテリー、基板の損傷にもつながります。一見問題がないように見えても、内部で劣化が進んでいる可能性があるため、注意が必要です。

落下などの衝撃を防ぐため、以下のような対策を行いましょう。

  • フィルムやケースを付ける
  • スマホリングやストラップを使用する

2 水濡れ

スマホなどの精密機器は基本的に水に弱く、防水機能が付いた機種でも完全に水気の侵入を防げるわけではありません。たとえば、以下のようなケースが考えられます。

  • 浴槽やトイレの中に落とした
  • 洗濯物と一緒にスマホを洗ってしまった
  • 雨で濡れてしまった
  • バッグの中に入れていた水筒の中身がこぼれて水没した

防水機能が付いているかどうかにかかわらず、日頃からスマホを濡らさないように細心の注意を払いましょう。

  • お風呂やトイレでの使用を避ける
  • 汗や水滴が付いてしまったときはすぐに拭き取る
  • 湿度の高いところではなるべく使用しない
  • 雨のときは濡れにくいところに保管する

3 高温、低温の環境下

高温または低温の環境下でのスマホの使用は、バッテリーの劣化や故障の原因のひとつです。

たとえば、夏の車内にスマホを長時間置いておくと、劣化が早まるだけでなく、バッテリーが発火するおそれがあります。

また、冬場にストーブ、こたつなどの暖房器具付近でスマホを長時間使用または放置すると、スマホが熱くなり、バッテリーの劣化につながります。

夏場・冬場のスマホの使い方や使用環境には、十分に気を付けましょう。対策例は以下のとおりです。

  • 外出の際はスマホをカバンの中などに入れる
  • スマホが発熱したときは使用を控える
  • 発熱したときに保冷剤などの冷たいもので急に冷やさない
  • スマホが冷えたときに暖房器具の近くで温めない

また、スマホが熱いと感じたときは充電や使用を中止し、電源を切って熱を放出させることが大切です。

4 充電しながらの使用

スマホを充電したまま操作すると、充電と放電を繰り返すことでバッテリーへの負荷が大きくなり、劣化を早める原因になります。

また、充電器をつないだままスマホを操作している方もいるかもしれません。近年のスマホは、充電が完了すると自動で終了する機能が備わっていますが、充電器によっては過充電が起きてしまう場合があります。

過充電とは、100%まで充電が完了した後も充電を継続することです。過充電はバッテリーの劣化につながるため、以下の対策を行いましょう。

  • 充電しながらスマホを操作しない
  • 純正の充電器を使用する
  • 80%程度で充電を終了する

なお、充電0%からさらに放電する「過放電」も劣化の原因になり得るため、注意が必要です。

5 不要なアプリによるバッテリーの消費

使用頻度の低いアプリがバックグラウンドで稼働しており、バッテリーを消費している可能性も考えられます。アプリの設定やアンインストールを行い、バッテリーの消費を抑えましょう。

  • アプリの位置情報機能をオフにする
  • 自動アップデートやプッシュ通知をオフにする
  • 不要なアプリをアンインストールする

まとめ

スマホの寿命は3~4年程度、バッテリーの寿命は2年程度が目安です。ただし、実際の寿命は使い方によって異なります。

充電回数が増えた、バッテリーが熱くなるなどの症状が見られたら、バッテリーの交換やスマホの買い替えを検討しましょう。

寿命が近づいていると感じながらも、スマホの本体代が高く、買い替えに踏み切れない方もいるでしょう。目的別口座(預金を目的別に管理できる)などを利用し、毎月コツコツと積み立てれば、まとまった費用を一度に用意する必要がありません。

また、毎月の通信料金を含め、生活費の見直しも行いましょう。生活費を見直す際は、通信料金や光熱費などの固定費から取りかかるのが効果的です。

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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。