食費の平均は?

食費の平均は、世帯人数や年収、地域によって異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

【世帯人数別】食費の平均

2023年に公表された総務省の「家計調査」によると、全世帯の1カ月あたりの食費の平均は6万7078円で、世帯人数ごとの違いは次のとおりです。

世帯人数ごとの1カ月あたりの食費平均

世帯人数 1カ月あたりの食費平均
全世帯の平均 6万7078円
1人 4万2049円
2人 7万2399円
3人 8万5557円
4人 9万712円
5人 10万1806円
6人~ 11万532円

出典:総務省「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年」

ご自身の家庭と同じ人数の1カ月あたりの食費平均と比較し、平均を上回っている場合は節約する必要があると言えるでしょう。

【年収別】食費の平均

2023年に公表された総務省の「家計調査」によると、年収別の1カ月あたりの食費の平均は次のとおりです。

年収別の1カ月あたりの食費平均

年収 1カ月あたりの食費平均
~175万円 3万5828円
175万~239万円 4万3939円
239万~301万円 5万5013円
301万~361万円 6万2094円
361万~430万円 6万2285円
430万~512万円 6万8210円
512万~614万円 7万1918円
614万~753万円 8万467円
753万~957万円 8万7151円
957万円~ 10万3872円

出典:総務省「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年 年間収入五分位・十分位階級別」

年収と食費は比例しており、年収が高くなるにつれて食費の平均額も高くなっています。

【地域別】食費の平均

2023年に公表された総務省の「家計調査」によると、地域別の1カ月あたりの食費の平均は次のとおりです。

地域別の1カ月あたりの食費平均

地域 1カ月あたりの食費平均
全国平均 6万4074円
北海道 5万8804円
東北 6万3437円
関東 7万324円
北陸 6万8223円
東海 6万9007円
近畿 6万9017円
中国 6万2486円
四国 5万9980円
九州 6万789円
沖縄 5万8668円

出典:総務省「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果 2023年 都市階級・地方・都道府県庁所在市別」

関東エリアが最も高く、一番低い北海道エリアと比較すると1万円以上の差があります。また、平均と比較しても関東エリアは6,000円以上高いことがわかります。

理想の食費はいくら?

食費を抑えるためには、予算を設定することが大切です。予算を設定するために必要な各家庭の適正な食費の計算方法を紹介します。

適正な食費は、エンゲル係数を用いて算出できます。エンゲル係数とは、消費支出に対して食費が何%を占めているかを表したものです。

エンゲル係数は、次の計算式で算出します。

エンゲル係数(%)=(食費÷消費支出)×100

総務省の「家計調査」によると、2023年の総世帯のエンゲル係数の平均は27%であると公表されています。たとえば、1カ月の消費支出を25万円と仮定すると、エンゲル係数を27%で計算した場合の食費は6万7500円となります。

平均以下に収めたいなら、まずはエンゲル係数を25%に設定し、予算を決めても良いでしょう。

食費を平均以下に抑える方法

食費を平均以下に抑える方法

ご自身の家庭の食費が平均よりも高い場合は、節約できるポイントがあります。ここでは、食費を平均以下に抑える方法を紹介します。

1 食費の予算を決める

消費支出に対して食費が何%を占めているかを表したエンゲル係数の平均値の27%を下回ること目安に、1カ月の食費の予算を決めましょう。

1カ月の食費の予算が決まったら、1週間ごとに目標予算を設定し、予算を超えていないかを確認しながら1カ月間を過ごしましょう。

無理のある予算を設定すると、ストレスになったり健康に影響を与えたりするため、達成可能な予算を設定することが大切です。

2 自炊を心がける

外食を控えて自炊するように心がけることで、食費を抑えやすくなります。ただし、外食を一切しないようにすると、食事を楽しめなくなったり節約がつらくなったりするので、外食だけの予算を決めておくことも大切です。

外食の予算を超えないように、自炊を中心とした生活にしましょう。

3 使い切れる量をまとめ買いする

スーパーに行く回数を減らし、特売日などを利用して食材をまとめ買いするのも食費の節約に効果的です。ただし、食材を買いすぎると使い切れずに無駄にしてしまう可能性があります。

そのため、まとめ買いするときは使い切れる量を意識して買うことが大切です。スーパーに行く前に冷蔵庫の中身をチェックし、献立をある程度考えてから買い物リストを作成し、食材を買いすぎないように注意しましょう。

4 冷凍保存や作り置きをする

食材を購入したら、可能な限り冷凍保存や作り置きをしておきましょう。放置しておくと食材が腐ってしまう可能性があるので注意しなければなりません。

まとめて作り置きしておけば日々の食事の準備が楽になるため、自炊を継続しやすくなります。冷凍保存をする際に肉に下味をつけておいたり、野菜を切っておいたりして自炊を続けましょう。

5 コンビニや自動販売機での買い物を控える

コンビニや自動販売機でお菓子や飲み物を購入することが多い人は、コンビニや自動販売機での買い物を控えることで食費を抑えられます。

1回あたりに使う金額が少ないコンビニや自動販売機での買い物も、回数を重ねることで合計の支出額が高くなります。支出を抑えるためにも、手作りの弁当やマイボトルを持参し、コンビニや自動販売機での買い物を控えましょう。

まとめ

まとめ

ご自身の家庭の食費が適正であるかは、食費の平均額やエンゲル係数の平均値と照らし合わせることで確認できます。

食費が平均額よりも高ければ無駄な出費が多い可能性があるため、節約を意識することが大切です。食費の予算を決めたり、自炊を心がけたりすることで食費を平均以下に抑えられる可能性があります。

ただし、極端に食費を節約するとストレスになるため、無理のない範囲で節約することが大切です。家計の見直しをするなら、食費以外に電力・ガス会社の見直しもしてみましょう。

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新井 智美(あらい ともみ)

コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,500本を超える。

資格情報:CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員