ホットカーペットの電気代の算出方法

ホットカーペットを使うとき、1時間でどのくらい電気代がかかるのか知りたい場合は、以下の計算式で概算を算出できます。

  • 1時間の電気代目安=消費電力量(Wh)÷1000×電気代単価(円/kWh)

消費電力量とは、電気機器を動かすために使用する電力の量です。一般的に、各メーカーのカタログなどに表示されています。

そして、電気代の単価は、契約している電力会社などによって異なります。そのため、ひとつの目安として、全国家庭電気製品公正取引協議会が「電力取引報」の全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づいて、電力料金の目安単価を定めています。

2022年7月、電力会社による料金の改定などを踏まえて、電気代単価の目安は「31円/kWh」に改定されました。

今回はホットカーペットのサイズに応じて、1時間・1日(8時間)・1カ月(30日間)の電気代の目安を解説します。

ホットカーペットの電気代の目安

カーペットを1畳・2畳・3畳相当の広さごとに、「1時間・1日(8時間)・1カ月(30日)使用する」と仮定した場合の電気代の目安は下表のとおりです。

ホットカーペットのサイズ 設定温度 使用する時間・期間
1時間 1日
(8時間)
1カ月
(30日間)
1畳相当
(約176×88cm)
5.1円 40.8円 1,224円
3.7円 29.6円 888円
2畳相当
(約176×176cm)
10.4円 83.2円 2,496円
7.1円 56.8円 1,704円
3畳相当
(約241×190cm)
14.6円 116.8円 3,504円
10.4円 83.2円 2,496円

メーカーや電力会社によって正確な電気代は異なりますが、一般的にカーペットのサイズと設定温度に伴って電気代は上がります。/kWh(税込)を使用します。

ホットカーペットの電気代はほかの暖房器具に比べて高い?

ホットカーペットの電気代が高いか安いかを確認するために、ほかの暖房器具の電気代の目安を見てみましょう。

暖房器具 設定 使用する時間・期間
1時間 1日
(8時間)
1カ月
(30日間)
エアコン
(暖房・6〜9畳)
最大 31.6円 252.8円 7,584円
最小 3.8円 30.4円 912円
オイルヒーター
(1200W)
32円 256円 7,680円
14円 112円 3,360円
こたつ
(300W)
4円 32円 960円
2円 16円 480円
電気ストーブ
(800W/400W)
21.6円 172.8円 5,184円
10.8円 86.4円 2,592円
電気毛布
(シングル用40W)
0.7円 5.6円 168円
0.4円 3.2円 96円

エアコンやオイルヒーターなどの部屋全体を暖める暖房器具は、こたつや電気ストーブといった部分的に体感温度を上げるものよりも電気代が高い傾向にあります。

比較してみると、ホットカーペットは電気毛布やこたつよりは電気代が高く、最大で運転する場合のエアコンやオイルヒーター、電気ストーブよりは電気代が安いことがわかります。

なお、ホットカーペットは暖める範囲や設定温度によって電気代に大きな差が生じるため、使い方次第ではコストパフォーマンスが良い暖房器具です。

なお、暖房の電気代は、以下の記事でも詳しく解説しています。

エアコンの暖房にかかる電気代は?ほかの暖房器具との比較や節約方法を紹介

ホットカーペットのメリット

ホットカーペットのメリット

ホットカーペットは、手入れがしやすく購入費も比較的安いなどメリットが多くあります。今回は、ホットカーペットの5つのメリットについて詳しく解説します。

1 暖める面積を選べる

種類によって、暖める面積を選択できるタイプがあります。

たとえば、3畳相当のサイズのホットカーペットを4人家族の世帯で使うとします。家族全員がリビングで過ごす場合などは、床に敷いたホットカーペットの全体を暖めると快適に過ごせるでしょう。

しかし、1人や2人で過ごすときはホットカーペットの使わない面を通電オフにできます。ホットカーペットを3面で切り替えられるタイプであれば、全面を使用する場合と比べて電気の使用量は最大で1/3となります。

また、ホットカーペットはサイズ展開が豊富なので、「リビングに敷いて家族全員で使う場合は3畳相当のサイズ」や「子ども部屋で勉強机の下に敷く場合は1畳相当のサイズ」など、必要に応じて適したサイズを購入しましょう。

2 保管場所に困らない

ホットカーペットは電気を通さなければ、普通のカーペットとして使用できます。そのため、ホットカーペットを使わない時期に、必ず片付ける必要はありません。

また、折り畳んで収納できるホットカーペットであれば、片付ける際、保管場所に困りません。

賃貸で収納スペースが狭い場合や子どもが生まれて物が増えた場合など、部屋を広く使いたいならば、ホットカーペットは場所を取らないのでおすすめです。

3 体感温度が高い

ホットカーペットは、エアコンやヒーターといった部屋全体を暖める器具とは異なり、足元を部分的に暖めるものです。

椅子の下にホットカーペットを敷いている場合は足元、ホットカーペットに直接座る場合は下半身など、触れている体の一部を直接暖めてくれます。

エアコンやヒーターを起動したばかりで室内温度が低いときでも、ホットカーペットの上にいると体感温度が高くなり、寒さを感じにくい点がメリットです。

4 掃除しやすい

ホットカーペットの日頃のお手入れは、掃除機やカーペットクリーナーで埃やゴミを取るだけで、手軽に掃除できます。

ただし、基本的にホットカーペット本体は水洗いできません。もし気になる汚れがあれば、固く絞った雑巾で拭き取りましょう。

カバーはメーカーによって自宅で洗えるタイプがあります。種類によって、「洗濯機で洗える・手洗いで洗える・クリーニング店でないと洗えないもの」に分かれるため、洗濯する前に必ず確認してください。

5 購入費が安い

ホットカーペットは、種類によって異なりますが、一般的にエアコンやヒーターなどの暖房器具よりも比較的安価で購入できます。また、エアコンのように購入後の設置費用は不要です。

また、部品交換や燃料などのランニングコストも必要ないため、コストを抑えたい方に適しています。

ホットカーペットのデメリット

ホットカーペットは、足元などを部分的に暖める暖房器具なので、部屋全体を暖めるのには適していません。

ホットカーペットを使用する際の3つの注意点を説明するので、デメリットを把握したうえで、使用方法を見直し、購入するかどうかをご検討ください。

1 部屋全体を暖められない

ホットカーペットは、エアコンやストーブのように部屋全体を暖めるものではありません。座っているときの足元など、ホットカーペットに直接触れている部分は暖かく感じますが、触れている部分以外は寒く感じるでしょう。

ホットカーペットの有効な使い方として、エアコンなどのほかの暖房器具と併用するのがおすすめです。また、膝掛けを併用すると熱が逃げにくいため、さらに体感温度が上がるでしょう。

2 低温やけどのリスクがある

ホットカーペットの使い方によっては、低温やけどを起こすおそれがあります。

低温やけどは、比較的低い温度(約40〜50℃)で生じるもので、自覚症状が現れにくく、気づかないうちに皮膚の奥まで損傷しているケースがあるので注意が必要です。

ホットカーペットは、種類や設定によっては表面温度が40℃を超える場合があります。そのため、ホットカーペットのうえで長時間同じ姿勢でいると、触れている場所が低温やけどをおこす可能性があります。

特に、自分で動くことができない乳幼児や高齢者、皮膚感覚の弱い人などが使用する際には気をつけましょう。

3 ダニが発生する場合がある

ホットカーペットは、使用する季節や状況によってはダニが発生する場合があります。

たとえば、梅雨の時期などは空気中の水分とヒーター部分の温度差によって結露が出るので、カビが生じやすくなります。特に、フローリングタイプの電気カーペットは湿気が溜まりやすいので注意が必要です。

ダニの発生を防ぐには、定期的にカーペットと床の間に空気を入れることで湿気を生じさせないことが大切です。ホットカーペットを収納する際も、しっかり乾燥させたり湿気の少ない保管場所に片付けたりと、しっかりカビ対策を行いましょう。

また、製品によっては「ダニ対策モード」が付いている場合があるため、活用すると良いでしょう。

ホットカーペットの電気代を抑える5つの節約術

ホットカーペットを使用する際、5つの効果的な節約方法を紹介します。

1 必要な範囲を暖める

ホットカーペットのメリットに、暖める範囲を切り替えられる機能があります。

誰も座っていない場所を暖めても、余計な電力を消費してしまうだけです。通電する面積を切り替えられるホットカーペットであれば、必要な範囲だけ温められるので節約につながります。

また、暖房面積を切り替える機能が付いていないホットカーペットを購入するなら、世帯人数や使う部屋の広さに応じて、適したサイズのホットカーペットを選びましょう。

2 毛布などを併用する

ホットカーペットは、ほかの暖房器具や毛布などを併用することで、より快適に過ごすことができます。

たとえば、ホットカーペットの上で膝掛けを使うと、熱を逃さないため体感温度が上がります。また、エアコンやストーブなど部屋全体を暖める暖房器具と併用すれば、低い温度設定でも暖かさを感じるため、消費する電力を抑えることが可能です。

3 ホットカーペットの下に断熱シートを敷く

ホットカーペットは床に直接敷いて使用すると、床に熱を奪われるので暖かさを感じにくくなります。特に、大理石などの石やコンクリートといった材質の床に直接敷くのは適していません。

ホットカーペットの下にフェルトや断熱シート、毛布などを敷いておくと効率良く暖められます。メーカーによっては、フローリング用のシートなども販売しているので検討してみましょう。

4 省エネ機能があるホットカーペットを購入する

新たにホットカーペットの購入を検討するなら、省エネ機能がついているものを選びましょう。

メーカーによっては、室温に応じてカーペットの表面温度の設定を下げる機能がついています。また、切り忘れ防止のタイマーがあるタイプなら、設定された時間を過ぎると自動的に運転を停止するので、電力の無駄遣いを防ぎます。

5 電力会社を見直す

ホットカーペットだけでなく、電気代そのものを見直したいなら電力会社の切り替えを検討しましょう。

ホットカーペットの電気代を算出する際に必要な「電気代単価」は、電力会社によって異なります。

電力の自由化により、消費者が契約プランや電力会社を選べる時代となりました。電力会社によって、ガスとセットで割引を受けられたりポイント還元があったり、契約内容は様々です。ライフスタイルに適した電力会社を選べば、電気代を抑えられる可能性があります。

まとめ

足元などを暖めるホットカーペットは、使い方を工夫すれば寒い季節の電気代を節約できるアイテムです。電気代を節約するには、断熱シートの設置やほかの暖房器具との併用が効果的です。

また、電気代を節約する方法として「電力会社の見直し」もあります。

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この記事を監修した人
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大岩 俊之(おおいわ としゆき)

家電製品総合アドバイザー。理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動開始。TBSラヴィット!や東海地区のテレビ番組に「家電の達人」として出演した経験を持つ。現在は、家電製品アドバイザー資格試験のeラーニング講師も務める。