楽天エナジーの導入事例 かご岩 温泉旅館

「妥当な契約電力と適切な電気料金を求めて」3.11以降は世間の消費電力に対する感覚は変わった。もう、昔に定められた契約体系で電気料金を決める時代ではない。

相談役 齋藤克己さん

かご岩 温泉旅館(前鬼怒川)
相談役 齋藤克己さん
≪導入サービス≫
iシェアリングサービス
(BEMS1年無料レンタル・ピークオーバー保証)

 

  「契約電力が超過したので、来月から基本料金が上がります」。突然、東京電力から通達を受けたかご岩温泉旅館。観測史上初の大雪という異常気象の日に、消費電力が契約電力を大幅に超過していた。たった一度のピーク値を反映させた高い基本料金を、今後一年間も払わなくてはならないのか?東京電力や楽天エナジーとの相談や交渉を経て、電力に対して抱いていた疑問や問題が解消へと舵を向け始める――。

異常気象の影響で契約電力が急上昇 エネルギーコスト削減は、当館の以前からの課題でした。電気料金に対しては「なぜこんなに高いのか?」と常々、疑問を感じていました。そんな折、消費電力が契約電力を約10kWもオーバーしているのを発見したのです。「メーターが故障しているのではないか?」と疑い東京電力の担当者に来てもらい取引メーターの検証をしてもらうと故障ではなく、大雪による異常気象が原因で消費電力が急上昇したことが分かりました。
 毎月支払う電気料金の基本料金は、契約電力によって決まります。私どもの旅館のように契約電力が500kW未満の場合だと、刻々と変化する需要電力をメーターが計測し、30分間毎の平均電力を算出。この平均電力の内、当月に記録した最大値と過去11か月間の最大値を比べ、高い数値が翌月からの契約電力になる実量制と呼ばれる算出方法が適応されます。つまり、過去1年間でたった一度の30分間に記録したピークの値が契約電力として、基本料金に反映されるのです。
契約電力の決定方法

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デマンド監視の導入で契約電力を再交渉する 2014年2月の大雪は過去100年で一番の積雪量を記録した異常なものです。前鬼怒川のエリアは、普段はほとんど雪など積もらない場所のため、当館の室外機は寒冷地仕様ではありません。大雪の日は室外機が冷気で正常に作動せず、室内で温度設定をいくら上げても暖まらないという悪循環となり、消費電力が一気に上昇したのです。
 東京電力の担当者は丁寧に事情や状況、今後の節電対策などを説明してくれました。しかし、電気料金に関しては電気需給契約における約款によって導き出されているため、変えることは難しいと困った表情で答えます。私は実量制に疑問を感じていた上に、突然の異常気象で約10kWも上がった契約電力の料金を、1年間払い続けるなど納得がいきませんでした。なんとかならないかという想いで、数日前に名刺交換をした楽天エナジーに相談したところ、iシェアリングサービスを紹介してもらいました。

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BEMSの概念図
電力検証のスタートを容易にするBEMSの1年間無料サービス  そこで私は、同サービスを利用して電力の管理体制を整え、消費電力などの推移をきちんと把握する計器を設置した上で、東京電力との契約電力の再交渉に臨もうと考え、楽天エナジーのiシェアリングサービスの導入を決めたのです。契約電力を下げることが導入の目的の主たるところです。しかし、同サービスメリットの主軸である安い電力の調達や、専門家のサポートを受けながら館内の消費電力を見直す良いきっかけになる点などにも大きな魅力を感じました。
 中でも同サービスに付帯するBEMS1年間無料レンタルサービスは、東京電力との交渉の機会を持つための重要な設備であるだけでなく、実際に消費電力の推移を一分毎にリアルタイムの「見える化」を実現するため、今後の消費電力の監視・抑制に貢献してくれると期待しています。
 BEMSの導入自体は、以前から考えないでもありませんでした。しかし、通常は年間40~50万円、中には200万円の長期契約プランなど、多額の初期投資が必要なサービスしか見つけることができずに諦めていたのです。仮に契約電力を10kW下げられたとして、契約電力が500kW未満の当館では、1kW当たりの電力費が約1,600円になるので、40万円としてもイニシャルコストを回収するだけで25か月かかります。加えてこの計算が成り立つのは、下げた値を一度も越えることなく守り続けた場合です。

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5KW以内の契約電力超過分が請求されないピークオーバー保証 楽天エナジーのサービスのように、初期投資なしに効果を実感できるのはとてもありがたいものです。2年目からは費用対効果を吟味した上で、導入の有無を決められるため納得した判断が下せます。また、1年間の導入で館内の消費電力の推移が克明に分かるようになるため、もしかしたら次の年からは、BEMSを導入しなくても時間帯や季節などの時々で、1年目と同じように対応することで、消費電力の抑制が可能になるかもしれません。
 今回、楽天エナジーのiシェアリングサービスを採用した後に、大雪以前の契約電力より低い値での再契約が東京電力とできました。設定した値は、当方が試算した限界の数値で、今後超える可能性はあります。しかし、iシェアリングサービスによる電気料金の削減が見込める上に、低い契約電力から段階的に上がっていき、結果、仮に1年後に元に戻ったとしても、戻るまでは差額を享受できますし、元値に戻したくないというモチベーションが電力を抑える意識を高く保つため、電気や節電に対する知識と経験を前向きに得ることができます。
 さらに楽天エナジーの同サービスには、5kW以内の契約電力超過が発生した場合、1年に1度なら翌月以降の電気料金に超過分は反映されない「ピークオーバー保証」も無料でついています。このサービスの存在は、契約電力を再設定する際に大いに私を後押ししてくれました。
ピークオーバー保証

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電力事情が変化する時代に抵抗した電気料金の考え方 電気料金は古い体制のまま現在も続いていると私は感じます。高度経済成長期の頃は、電力会社が電力をどんどんと増やしていく時代でした。停電を起こさないために、市民や企業が求める需要に追いつくために発電所を新設する構図があり、必要となる電力値の目安として、各利用者に対して消費電力の最大値を取り続ける実量制が採用された背景は理解できます。しかし、現在では電力を増やす時代から、作った電力を上手にコントロールしながら運営する次のフェーズに移っていると感じるのです。3.11以降、東京電力が原子力発電の運転を停止して数年経ちますが、大きな停電が起こることもなく、東電管内の電力はまかなえています。
 現行の法律や長年の習慣によって、電力利用に対する考え方や料金設定を電力会社が変えられないのであれば、楽天エナジーのようなエネルギーマネジメントサービスを利用して、経費削減を模索するのも一つの方法だと思います。楽天グループのような企業が多くの顧客を抱える事ができれば、顧客間で電力バランスを調整することも可能となるでしょう。そのような取り組みが実現し利用者が増えれば、世の中全体の節電にもつながります。
 当館の大きな課題は、目の前の電気料金の削減です。ただ、同じくらい重要なのは、エネルギー業界や世間の意識が変わり始めた時代に、エネルギーコスト削減に取り組みながら、正しい知識と経験を得ることだと私は考えています。

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かご岩 温泉旅館(前鬼怒川)

鬼怒川の川原にあり、日光連山を一望できる露天風呂を持つ。川の水が岩を浸食して作った自然美溢れる川原を散策するコースも人気。また、ダンスホールや先代社長の書を展示する書道館なども併設されている。

<施設規模>客間10室
栃木県日光市高徳51
0288-76-2020

今回インタビューにご協力頂いた宿泊施設はこちら

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