
農家屋敷 宮本家(埼玉県秩父郡)
専務取締役 宮本一輝さん
≪導入サービス≫
燃料マネジメントサービス
楽天でんきBusiness

埼玉県秩父地方の山間に位置する「宮本家」。200年以上の歴史を持つ農家屋敷を改修した宿で、江戸時代の風合いを残す宿として人気があり、秩父地方をPRするCMにも登場している。この宿を切り盛りしている専務の宮本さんは元関取。自身のキャリアを生かした新たなサービス実現に向けた予算計画を立てる中で、近年のエネルギーコスト高騰には頭を悩ませていたという――。
※ i シェアリングサービスは「楽天でんきBusiness」の旧サービス名称です。

力士時代の私は、親方から「会場に観戦に来てくれたお客様に感動を呼び、喜ばれるような相撲を取れ」と言われました。お客様は高いお金を払って見に来て下さります。正々堂々とぶつかって真っ向勝負がっぷりよつで闘い勝つというプロのサービスを提供してこそ、対価を払ったお客様、特にファンにご満足いただけるものだと私も理解し、そのような自分であるように精進しました。ただ勝てば良いというものではないのです。この理念を旅館運営に当てはめると、旅館の利益を優先するだけでは、宿泊されたお客様にご満足いただけず、リピーターを獲得できないという図式になります。ファンやリピーターは自身を支えてくれる存在であり、彼らがいなければ人気商売である力士も旅館も成り立ちません。力士の時にはファンの声援に何度となく後押しされました。それだけではなく、今現在も力士時代の後援会のある方は、私の第二の人生である旅館経営を気にかけて下さり、楽天エナジーを紹介してくれるなど、何かと世話を焼いてくれています。



楽天エナジーの担当者さんは、当初、iシェアリングサービスの紹介で当館を訪れました。お話を聞いていると、特にピークオーバー保証に私は魅力を感じました。契約電力を超えてしまっても1度だけは楽天エナジーで保証してくれるというサービスなのですけれども、当館でもちょうど今年の夏に契約電力超過という問題に直面していたのです。真夏のある1日に物凄く電力が上がってしまい、何とかして上昇を止めようとしたのですが、お客様にご迷惑をかけるわけにはいきません。結局、従業員が使っている場所くらいしか電気を切ることはできずに、オーバーしてしまいました。そういう経験があるので、旅館経営者にとってメリットのあるサービスだと大いに感じ、導入を決めたのです。



私の説明を聞いた担当者さんは「燃料タンクの場所を見せてください」と言われました。その理由を私が尋ねると、「設置場所によって利用できるタンクローリーの大きさが変わります。運んでくるタンクローリーが小さくなるほど、大きなタンクローリーから積み替える手間賃が発生し、代金に上乗せされるので高くなるのです」と教えてくれました。当館の燃料タンクの一つは大きな道路に面しており、大型のタンクローリーでの運搬が可能であり、もし小さなタンクローリーで運搬しているならば、重油・灯油の単価を抑えることができると言うのです。そういう専門的で細かな事情を、私は知りませんでしたし、「なるほどそういうものか」と感心したのを覚えています。






当館は200年の歴史を持つ広大な敷地と農家屋敷を利用した建物だけに、メンテナンスにも経費が掛かります。また、私自身が今後の旅館経営で新たに手掛けたい構想がたくさんあるのですよ。楽天エナジーによるエネルギーのトータルマネジメントが始まり、契約したサービスはもちろん、専門家としての削減方策の助言などにより、余分なコストを削減し、捻出できた費用で構想を実現できれば良いなと考えています。


薪で沸かす五右衛門風呂を利用した昔の生活を体験できる宿泊プランもある。「電気や燃料が当たり前のようにあり、スイッチ一つで電気も火も起こせる時代ですから、自分で薪を使って湯を沸かす体験は、物事のありがたさを考えるきっかけになると子供を持つ親御さんから評価をいただいています」と宮本さんは語る。

その一つとして、農園に土俵を設けようと計画しています。エネルギーのコスト削減によって実現すれば、さしずめエコ土俵ですかね(笑)。そもそも土俵は五穀豊穣を祝う神事を行う場所でもありますから、農園で栽培した野菜や米をお客様のお食事に提供している農家屋敷・宮本家には、とても親和性があると思います。また、私が力士であったことも大きなアイデンティティとなっており、実際にプロの相撲部屋から合宿のオファーも来ています。土俵ができればそこでプロの力士が稽古をしているということでメディアも取り上げくれるでしょうし、力士時代に応援してくれた地元に少しでも恩返しができると思うのです。
当館は200年以上も地域と共に歩んできた先祖が暮らした農家屋敷を利用し、今まで商売をしてきました。これからも地域と共存共栄できるような方策を積み重ねていき、お客様にも地域のみなさんにもファンになってもらえるような旅館づくりを目指していこうと考えています。


先祖伝来の宮本家独自の製法で造る山の実酒。料理の食前酒としていただけます。果実酒含めると50種類以上もあり、全種類を飲むことを目的の一つに、宮本家に宿泊するリピーターも多いという。

農家屋敷の趣を料理で演出する料理長の大久保裕一さん。秩父の名産である柚子をはじめ、農園で栽培した野菜、近隣で獲れる魚など、地元の素材を積極的に用いた料理でお客様をもてなしている。

200年の歴史を持つ農家屋敷を利用した宿。ノスタルジックな建屋の佇まいの中で、同旅館の農園で栽培した食材をふんだんに用いた田舎料理を味わえるなど、昔にタイムスリップしたような時間が楽しめる。ヤギの乳搾りや乗馬などをはじめ、自然と触れ合う体験学習なども行っており、子供たちの野外教育にも力を入れている。
<施設規模>客間6室
埼玉県秩父郡小鹿野町長留510
0494-75-4060
http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/111229/111229.html