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楽天エナジーの導入事例 関谷醸造株式会社

シェアという概念が日本の未来を明るくする ~モノの最大有効化を促進する「共有・共存」の考え方~

関谷醸造株式会社 専務取締役 関谷 健さん

関谷醸造株式会社
代表取締役
関谷 健さん

愛知県北設楽郡出身。東京農業大学醸造科を卒業後、1998年に関谷醸造に入社。2010年に関谷醸造7代目社長に就任。2012年からは日本酒造青年協議会の会長を務める。設楽町総合戦略策定委員。
≪導入事例≫ 楽天でんきBusiness

楽天エナジー エネルギー事業部 第二グループ荻野隆児

楽天エナジー
エネルギー事業部
第二グループ
荻野隆児

2002年、楽天に入社。市場事業、ECC、企画部などを経て、2014年に同社 エネルギー事業へ。

江戸時代に創業して以降、奥三河で長きにわたって酒造技術を磨き続ける「関谷醸造」。電気料金の高騰に対応する一つとして楽天エナジーの「iシェアリングサービス」を取り入れた。社長の関谷氏は「地方で生活をしている一人として、シェアという概念の重要性を日々感じている」と語る――。

2016年12月以前のインタビュー記事です。
※ i シェアリングサービスは「楽天でんきBusiness」の旧サービス名称です。

自家発電の導入により不測の事態に備える

[ 関谷 ] 関谷醸造のある奥三河、愛知県北設楽郡設楽町は、長野県や岐阜県にもほど近く、豊かな緑が広がる中山間地で、きれいな水が豊富な場所です。当社は1864年に創業して以降、地域環境や周囲の人々に支えられて今日まで営業してきました。この地域も日本各地で問題となっている過疎化や高齢化が進んでおり、会社経営を行う上でも様相は昔と変わってきたと感じています。ですから、会社としては時代に合わせた新しいことにチャレンジしなければいけません。挑戦するための予算的余力を捻出する一つとして、楽天さんのiシェアリングサービスを利用することにしたのです。実はそれ以前から、節電の取り組みは色々と行っていました。例えば、照明はほぼ全部をLEDに換えましたし、ソーラーパネルも敷地内の2か所に設けています。また、深夜の電気を使って蓄熱し、昼の暖房に用いたりもしています。さらには、自家発電装置も導入しました。電力の素人が考えられるだけの対策を取ったつもりでした。しかし、節電努力による成果は望んだ数値にはほど遠いものでした。結局、工場で稼働する大きな機械にかかる高圧の電気代が高く、低圧の範囲での節電効果は全体から見れば微々たるものだったのです。

[ 荻野 ] 色々と対処されていた中でも、自家発電装置の導入はレベルが高いと感じます。どのような目的と経緯で取り入れることにしたのですか?

[ 関谷 ] 東日本大震災の前年に、集中豪雨の影響で東三河地域が丸1日ほど停電したことがありました。機械化が進んでいる当社では、電気がないと仕込みも事務作業も何もできないわけです。酒税法の関係上、お酒は蔵から出た瞬間に課税が発生します。ですから、とりあえず手書きで急場をしのぐような販売管理は危険で、確実にコンピューター管理しておかないと具合が悪いわけです。苦い経験をしたので、最低限の仕事ができる非常用の電源として導入しました。しかしある時、これを電力のピーク時に使えば、ピークカットができることに気が付いたのです。そこで特に電力を消費する壜詰め作業場の横に設置して動かすようにしました。

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シェアリングによって多様な電源を有効利用する部分供給

[ 荻野 ] 2つの種類の電力供給源を有効に用いる方法は、東日本大震災に端を発する電力自由化の流れによって普及が進んでいる部分供給の考え方に近いものがあります。部分供給とは、一般電気事業者(東電、中電など地域の電力会社)と新電力の両方から、ひとつの需要家に電力を供給する仕組みです。例えば、500kWの契約電力のお客様がいたとします。企業体力の大きい一般電気事業者にベース部分の400kWの供給を担当してもらい、残りの100kWを新電力が供給するというものです。

[ 関谷 ] 消費電力量のグラフで言うと、時間によって上下する変動部分に当たる上部を新電力が担当するということですか。

[ 荻野 ] はい。電力業界は、一般電気事業者から電気を買わなければならなかった独占市場から、競争市場へ自由化が推進されています。しかしながら、新規参入者は一般電気事業者に比べ、ベース電源と呼ばれる石炭火力や原発のような安定かつ安価な電源を十分に備えているわけではありません。いきなりお客様のすべての電力を賄うのは困難なケースも多々あります。部分供給は、新規参入者が拙速に中途半端な規模の発電所を所有するのではなく、一般電気事業者の保有するベース電源と新電力の強みを活かせるピーク電源を制度によって有効利用し、日本全体として社会コストを抑え、新規参入者を育てながら市場を活発化しようとする意義のある取り組みです。既にあるものを有効活用し、社会全体のコストを抑えるという意味において、近年、注目を集めているシェアリングエコノミーの概念に、部分供給は当てはまるでしょう。

部分供給のイメージ

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地域の中小企業を下支えするシェアリングエコノミー

[ 荻野 ] シェアリングエコノミーとは、欧米を中心に広まった概念です。モノやサービスなどを個人間で交換、共有することで成り立つ経済の仕組みのことを指します。ソーシャルメディアの発達により、知らない人同士の間でも利用することが可能になっています。例えば、時間単位で需要と供給をマッチングして同じ車を共有するカーシェアリングサービスや、現地の人が所有する空き部屋を宿泊施設として登録し、好みの宿泊先を探す旅行者とマッチングさせる宿泊プラットホーム、印刷設備の非稼働時間を活用して格安で納品するサービスなど、「共有」によるビジネスモデルが増えてきています。

[ 関谷 ] 数年前から、当社も地域の休耕田を生かして自前で酒米を育てるようになり、シェアするという考え方は重要だなと感じるようになっています。農業は元々複数で共有するシェアという概念が根付いています。例えば、田畑で使用する水の管理も生産者が共同で行うのが一般的です。また、最近は農機具が高性能化に伴い物凄く高価になり、小規模の農業経営者が個人で所有するには難しいケースが出てきます。そこで、田植機や稲刈り機など、年に特定時期にしか使用しない稼働率の低い農機具を、複数の農業経営者でシェアする営農形態も増えています。当社も農業を始める初年度は、数枚の田んぼしかありませんでした。その段階で農機具を揃えるのは厳しいわけですよ。結局、知り合いの人に頼み、稼働していない時間に貸してもらうことにしました。

[ 荻野 ] 大規模農家はほんの一部であり、多くは家族経営という中小規模の形態です。生産者の高齢化も進んでいますから、農機具のシェアは、今の農業の一定部分を支えているでしょうね。

[ 関谷 ] 農地に関しても同じです。高齢化と過疎化で所有者が耕せなくなるケースがあります。賄いきれない地主が農地を持っていても、荒れ地となって何の価値も生み出せません。労働力のある第三者や企業、団体が土地を借りて利用し、土から農作物を生産することで利益や価値が生まれます。借りると言っても、先祖代々の土地を信用のない人には貸せないのが人情です。貸す人と借りる人をオーガナイズする役割を果たす存在は、今後、重要になるでしょう。電力に関しても同じことが言えるかもしれません。素人にとって電力の仕組みなどは難しい内容です。複雑で専門的な手続きを代行してくれる、楽天さんのような存在を利用することで、私は恩恵を受けられたわけです。既に多くの企業や人々とつながっているプラットホームを持った発信力のある組織が、電力を分かりやすくアナウンスをすることは、マッチングを促進していくでしょうね。

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地方創生に寄与する小さな経済の必要性

[ 荻野 ] 社会全体の命題として、地方創生という言葉をよく耳にします。農業は地方を支える重要な産業で、熱心な取り組みが各地で実施されています。近年ではIターンやUターンでの新規就農者に対して、田畑だけではなく倉庫や空き家などを、提供する自治体もあります。この取り組みなども、広義で言えばシェアリングエコノミーですね。

[ 関谷 ] 地方の経済を活性化するには、既にあるモノをどれだけ有効に利用するかがカギだと思います。例えば、最近では田舎の空いている古民家をシェアするビジネスなども始まっていると聞きます。以前から政府は海外からの観光客の倍増を目指していますけれども、共有という概念で、既にある建物を柔軟に利用してビジネスを興す機会が増えれば、巨大施設を新築しなくとも宿泊部屋数が増加するでしょう。結局、地方というか私どもが住んでいるような田舎には小さな会社しかないわけです。地方創生には地域での雇用拡大が必ず必要で、中小企業などが躍動できる環境を整備し、小さなビジネスを育成する仕組みと社会の空気が大事になると感じます。

[ 荻野 ] 小さな経済の活性化ですね。そういった考え方は、酒造会社の経営者としての活動の中でも感じますか?

[ 関谷 ] 私の周辺では物流に変化が出ています。昔は酒屋さんが多くありましたが、過疎化と高齢化も手伝って、今では町内に数軒しかなく取り引きが減っています。その一方で大手量販店との契約は増えています。また、昔はなかった自社の店頭での小売りも、今後は強化せざるを得ないでしょう。昔ながらの販売チャネルだけでは、商売の成立は難しいと感じます。旧来、整備されていていた流通や小売りの形態が変化してきて、徐々にメーカーが主導的にブランディングを行い、販売を促進するようになっているのです。中小のメーカーが行う活発な商品開発が、現在の市場に活力を与えていると感じます。ただ、酒造業界は歴史があることもあって、しがらみや慣例など、時代に柔軟に対応するには固いと感じる部分も多いわけです。本当はもっと色々な選択肢が消費者の方にあると良いと思いますし、ニーズに合わせる販売形式を増やすことが、業界全体にもプラスになると考えています。

[ 荻野 ] 電力業界にも符合する部分があります。元々、一般電気事業者が独占していましたが、2016年には電力の小売が全面自由化されます。必ずしも企業体力の大きくない小売り事業者が、ブランディングによる付加価値を武器に、多様化した消費者を意識した魅力的なサービスで適正に競い合える市場を、メーカーや流通、小売りなど、業界全体で整備する必要性を感じます。

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世の中の人が考えてくれる、それが市場のプラスになる

[ 荻野 ] 例えば農業で言うと、有機野菜は一般の野菜より栽培コストがかかり、少量しか栽培できません。しかし、一定の需要があるわけで、価格が高くても求める人は納得して買います。全体から見れば小さな取り引きボリュームですが、有機野菜の存在があるからこそ、比較・検討要素が生まれ、市場や店頭に活気が生まれるのだと思います。「昔は腹で、少し前は舌で、今は頭で食べる時代」と表現する人もいます。多様化する消費者のニーズに合わせた取り組みは、どの業界でも必要でしょうね。

[ 関谷 ] お酒だって、ただ酔っぱらうだけならどのお酒でもいいわけです。しかし、飲むことで酔うこと以上の満足感を得たい消費者の存在が大きいから、各メーカーは競争して良い酒を造ろうと努力するわけです。消費者も製造の工程、原材料の精査といった物理的要因だけではなく、メーカーの哲学という思想的な要素にも注目する人はいます。そういう消費者の目は成長要素で、業界を活性化すると感じています。これが、ただ「酒」という蔵の名前も由来も表示されない存在になってしまえば、小さな酒造会社が育たたなくなり、業界全体が元気を失うでしょう。人々が話題にすることもなくなり、お酒にポジティブな印象を持たなくなるでしょうね。

[ 荻野 ] 電力に関しても、太陽光、風力、水力、地熱など、多様なクリーンエネルギーが人々の話題に上がるようになりました。世の中の人が考えて議論すること自体が、業界全体のポジティブ要素となり、東日本大震災以降に醸成された電力に対する高い意識を継続する世の中になるでしょうね。

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クリーンエネルギーが地方創生の一助に

[ 関谷 ] 例えば100%再生エネルギーの電気の問屋があったとして、そこの電気が少し高くても納得する顧客はいるでしょう。「100%クリーンエネルギー由来の電力で作った商品です」と表示できれば、多少電気代が高くても宣伝広告費と考えれば良いのです。電力の由来を商品の売りにするなど、少し前では現実味のない話だったでしょう。私は電力におけるクリーンエネルギーのボリュームが増えればよいと思っています。なぜなら、地域分散型のエネルギー構造になるのではないかなと思うからです。巨大な電源で大量に作った電気を、大消費地にドスンと運ぶデメリットは東日本大震災で如実に証明されました。分散していると震災にも強い国となるでしょう。そしてなにより、全国に分散すれば地方にも雇用が創出されると予想されます。

[ 荻野 ] 電力の地産地消ですね。電気は究極の生鮮品とも言われます。送電線で運ぶ間に抵抗がかかって減っていきますし、常に動かさないといけないし、蓄電技術も発達してきているとはいえまだまだ発展途上です。

[ 関谷 ] 例えば、原発1基にかける5000億円を、1本1億円の5000本の風力発電にして全国の都道府県に100本ずつ建てれば、それこそ地方に仕事と雇用が生まれるでしょう。保守・運営をする新電力が地方に増え、アグリゲーターも活動すれば、市場も活発化するでしょうね。全国5000本はあくまで余談ですが、クリーンエネルギーとそれを扱う新規電気事業者の存在が電力業界に幅を作り、業界を活性化したのは社会全体としてもプラスでしょうね。

[ 荻野 ] 世の中の人が電力に関心を持ったからこそ、省エネが大きなコンテンツとして社会に認知されたと思います。地方に新電力などが根付けば、電力の話題は人々にとってもっと身近になり、考え選ぶようになるでしょう。そのような中で醸成された社会の理解は、日本全国に既にある電力資源の最大有効化という、社会的課題のクリアに向けて大きなプラスになると思います。

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関谷醸造株式会社

関谷醸造株式会社

元治元年(1864年)創業の老舗酒造会社。「蓬莱泉」「明眸」というブランド酒があり、約9割が愛知県内で販売・消費されるなど地元で高い評価を受けている。2004年に新たな工房を立ち上げ、酒造りの見学や体験も行うなど、酒文化の普及にも努めている。また、地域の休耕田を利用し酒米の栽培を行うなど、地域社会と共生する取り組みも行っている。

関谷醸造株式会社
本社:愛知県北設楽郡設楽町田口字町浦22
吟醸工房:愛知県豊田市黒田町南水別713
http://www.houraisen.co.jp/

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