楽天エナジーの導入事例 Vol.12 八ヶ岳グレイスホテル

「実質再エネ100%のホテル運営で施設の魅力を高める」~単純な新電力への切り替えだけではない楽天エナジーならではの取り組み~

八ヶ岳グレイスホテル 支配人 小塩 智也さん

八ヶ岳グレイスホテル
支配人
小塩 智也さん

2003年に八ヶ岳グレイスホテルに入社。
2011年より支配人に就任。「八ヶ岳観光圏((一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメント)」、「南牧村観光協会」では理事を務める。星空案内人(準案内人)の資格取得。

≪導入事例≫ iシェアリングサービス、Project R100(自家消費型太陽光発電設備+J-クレジット)、LED照明

楽天エナジー エネルギー事業部 コーポレート営業課 法人営業チーム アシスタントマネージャー 嶋崎 雄太

楽天エナジー
エネルギー事業部 コーポレート営業課 法人営業チーム アシスタントマネージャー
嶋崎 雄太

楽天に入社後。トラベル事業を経て、2015年に同社エネルギー事業へ。

楽天エナジーの電力ソリューションを受けた「八ヶ岳グレイスホテル」は、自家消費型太陽光発電とJ‐クレジットを併用した「実質再生可能エネルギー100%」の電力でのホテル運営をスタートさせる。支配人の小塩氏は「電力の見直しでコスト削減に加えて、宿泊施設として新たな価値を得た」と語る――。

中小企業で実現した実質再エネ100%
中小企業で実現した実質再エネ100%

[小塩] 「実質再生可能エネルギー100%」という言葉はテレビや新聞で時々目にする程度でした。環境保全やCSRの観点から海外の先進的な企業や国内の大手や自治体が利用しているニュースはなんとなく知っていましたが、正直我々のような規模の企業体にとっては遠い話という印象でした。それが、楽天エナジーの電力サービスを開始して3年で、自社で実現に至るとは想像もしていませんでした。

[嶋崎] 海外ではCDP(※1)やESG(※2)などの取り組みがスタンダードになりつつあり、環境への配慮が企業評価に影響する時代に入りました。低炭素社会から脱炭素社会へと世界は舵を切っており、日本でも大手企業は着手を始めています。しかし、大手企業だけでは社会的な成熟には至らないと思います。楽天エナジーでは環境への取り組みを通じて企業価値の向上を図りたい中小企業のお客様をサポートし、再エネ市場の活性化を図り、国内の裾野を広げたいと考えています。

[小塩] 再エネは当ホテルのカラーにまさに合致します。私どもの施設は野辺山高原に位置し、全客室から八ヶ岳を一望できる高原リゾートホテルです。夏は避暑地として登山や森林浴、スポーツ合宿などを行うお客様が集い、冬はウインタースポーツを楽しむお客様が訪れます。毎晩実施する星空観賞会や自社農園で収穫した野菜の提供など、周囲の自然を生かしたサービスに力を入れており、自然の恵みがなければ成り立ちません。自然を愛する利用者がリピーターとなってくださるケースも多く、「実質再生可能エネルギー100%」の電力は当ホテルにとっては、魅力あるキーワードです。

[嶋崎] 2017年2月に楽天は小売電気事業者として登録されました。これにより、楽天市場や楽天トラベルに出店・参画いただいている高圧・特別高圧の電力をご利用のお客様に対して、これまで以上に付加価値のある電力サービスの提供が可能となりました。単純な新電力の切り替えや、電気料金が安くなるだけではない、グループとして多岐にわたる事業を展開している強みを生かし、お客様の企業カラーに最適な電力ソリューションの提供により一層、力を入れていきたいと考えています。

小塩 智也さん

※1)CDP…カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト。機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や温室効果ガスの排出量に関する具体的な公表を求めるプロジェクト。取り組み内容に応じたスコアーが公表され、企業価値を測る一つの指標となりつつあります。

※2)ESG…環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素に着目して企業を分析すること。優れた経営をしている企業に投資する「ESG投資」は近年、株式市場で注目を集めています。

八ヶ岳グレイスホテル
自家消費型太陽光発電とJ‐クレジットの組み合わせ

[嶋崎] 八ヶ岳グレイスホテル様のケースでは、自家消費型太陽光発電の導入に加え、新電力・楽天エナジーから供給する電力に再生可能エネルギー由来のJ-クレジットを付帯することで「実質再生可能エネルギー100%」の電力を実現しました。J-クレジット制度は、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組でCO₂などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。クレジットは売買が可能で、低炭素運営の目標達成などのために企業や地方自治体などがJ-クレジット創出者から購入しています。 楽天エナジーはこの制度を利用することで、お客様へ価値のある電力サービスを提供するとともに、環境配慮型の社会の成熟を促進したいと考えています。

[小塩] 「実質再生可能エネルギー100%」の運営に取り組みたくても、小規模の組織体では、独自に実現するのはなかなか難しいでしょうね。具体的に何を始めれば良いかの情報にたどり着くだけでも時間を要すると思います。

小塩
嶋崎

[嶋崎] 2020年の東京オリンピックへ向けて日本へのインバウンドへの注目が高まる中、「実質再生可能エネルギー100%」の電力で運営する八ヶ岳グレイスホテル様の取り組みを評価される海外旅行者は増えると思います。もちろん、国内旅行者でも環境保護に魅力感じる方もたくさんおられますから、楽天エナジーとしては、今回の提案で八ヶ岳グレイスホテル様へ新たな価値を一つ加えることができたのではないかと考えています。八ヶ岳グレイスホテル様の事例で成果を得たので、我々は今回の取り組みを「Project R100」(※3)と名付け、他施設様への展開を予定しています。

※3)Project R100とは…自家消費型太陽光発電設備と楽天エナジーから供給する電力に再エネ由来の「J-クレジット」を付帯することで、実質再生可能エネルギー100%の電力で事業運営を可能とするサービスです。

自家消費型太陽光発電
施設や地域の個々の状況に配慮した提案
施設や地域の個々の状況に配慮した提案

[小塩] この地域の他の宿泊施設などでも、このような電力サービスが普及したら良いなと考えています。仮に「実質再生可能エネルギー100%で運営される地域」となれば、それは地域の大きな魅力となり地元観光業も大いに盛り上がると思います。実は、野辺山高原は日照時間が長いこともあり、一昔前からFIT制度(固定価格買い取り制度)を活用した売電目的の太陽光発電のソーラーパネルが乱立しました。日中の照り返しによる光害や、設置場所確保のための森林伐採による地下水の変化や景観・環境の阻害などが、地域の問題となっています。八ヶ岳の豊かな自然と共生することで観光を盛り上げていこうとしているのに、太陽光発電によって逆行する流れが生まれていたのです。ですから、嶋崎さんから「Project R100」で太陽光発電の提案を受けた際は、初めは少々身構えました。

[嶋崎] 太陽光発電はそもそも、再生可能エネルギーでありCO₂を排出せず、環境へ配慮する小塩様の考え方にも合致するものです。私は楽天トラベル時代から八ヶ岳グレイスホテル様を担当しています。以前から、小塩様の悩みや考えを拝聴しており、何かお役に立てないかと考えていました。今回、自家消費型の太陽光発電を提案したのも、小塩様の想いをスタートに社内で吟味を重ねた結果であり、パネルの設置案はホテルの山側の屋根半分とし、観光客の方々からは見えないように配慮しています。

[小塩] 嶋崎さんの説明を聞いた時、これは私が認識している「痛い電気」ではないと理解できました。「優しい電気」を生み出す太陽光発電もあるのかと、当初の不安は解消されました。地域で太陽光発電に対する意識が変われば、地域が抱える太陽光パネルの問題も将来的に縮小するのではないかと期待しています。

施設や地域の個々の状況に配慮した提案
八ヶ岳グレイスホテル
段階を踏んだサービスの導入で削減を最大化する

[嶋崎] 我々は施設様の負担にならないサービスの提供を心掛けています。我慢する節電ではなくお客様へのサービス品質を維持したまま、電気代削減を実現するのがモットーです。今回はサービスの導入計画においても、段階的にプランを追加する提案を行いました。初年度の地域電力会社から新電力への切り替えを行う「iシェアリングサービス」で、導入前に比べて年間約20万円の電気料金削減を実現し、2年目の「LED照明への切り替え」で約50万円のコストダウンを生み出しました。そして、約100万円の削減効果を見込んだ3年目の「自家消費型太陽光発電サービス」の導入に至っています。

[小塩] 段階的なプランを提案してもらったので、削減で浮いた分を次のプランに充当できるため、無理なく電気料金の削減計画が進んだ印象があります。

[嶋崎] 楽天エナジーが提供する「iシェアリングサービス」は単純な新電力切り替えだけではありません。コスト削減を実現しつつ、それぞれのお客様に適したアイデアとプランで、事業主様のプロモーションや付加価値の創出など、多岐の要素を絡めたサービスを提供し、楽天エナジーはお客様のこれが欲しいにお応えしたいと考えています。

[小塩] 当ホテルは従来の「自然」「星」「野菜」に加えて、「再生可能エネルギー」という新たな柱を得ました。この強みを集客に効果的に生かすためにも、楽天エナジーや楽天トラベルさんには今後も力を貸してもらいたいと思っています。

再生可能エネルギー
八ヶ岳グレイスホテル

八ヶ岳グレイスホテル

八ヶ岳グレイスホテル

JRの鉄道最高地点(標高1,375メートル)の目の前に立つ野辺山高原にあるリゾートホテル。全客室から八ヶ岳を一望でき、自社農園で採れた料理の提供や、星空案内人の資格を持ったスタッフによる星空観賞会など、地域の自然や文化を体感できる宿泊施設として人気を得ている。

八ヶ岳グレイスホテル 長野県南佐久郡南牧村野辺山217−1

第29回「星空の街・あおぞらの街」全国大会in信州南牧村において、当ページで取材させて頂きました施設を経営されております有限会社 八ヶ岳グレイスホテルの代表取締役 河本玲子さまが名誉ある環境大臣賞(個人賞)を受賞されることが決定しました。

■第29回「星空の街・あおぞらの街」全国大会in信州南牧村

http://www.env.go.jp/press/104639.html
http://www.env.go.jp/press/files/jp/107236.pdf

今回インタビューにご協力頂いた宿泊施設はこちら

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